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出遅れた国
ザガンガ王国のネットワーク網 2
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「お目当ての通信局が見つかりました。これで順次施設を稼働させていけば通信は可能になります」
「それは真か。よくやった」
花菜香と風雅の報告を受けて、アバン国王はご満悦な表情であった。
「設備を使うに当たりまして、施設に常駐する人員も必要になります。後日必要最低限の人数をお知らせしますので人員の手配をよろしくお願いします」
「あい分かった。手配しよう」
「そして、仮の運転といたしまして、後日王城に電話機を設置していきたいと思いますので日程の調整をお願いします」
「それでは明日、早速取り付けていってもらえるか?」
「分かりました。明日、設置に伺います」
そして、4人は明日のスケジュールを話し合ってから解散し、報告のため、花菜香も含めて一旦麻宗邸へ帰るのであった。
次の日の早朝。まず花菜香と風雅は通信局に行き、預かったカギで施設内に入り、まずは魔晶石に魔力を供給し、それからサーバと交換機を立ち上げていった。
全てが立ち上がったのを確認し、施設を施錠してから王城へ向かった。
王城ではすでに職員が出勤しており、2人は早速手分けして電話機の設置に向かった。
電話線が来ている位置は昨日調べておいた。2人は職員に電話を置く場所を聞き、配線をして電話の使い方を教えて回った。
電話の設置は2日間で終わり、次の日にはまた4人集まって、残りの施設を見て回ることにした。
3つ目の施設は電話の工場であった。ここが稼働すれば電話の不足分を補えるであろう。
4つ目の施設はコンピュータの工場であった。
花菜香と風雅はそれぞれの施設の必要人員数を算出し、王城へ報告した。
1週間後、人員は集まり、各施設で仕事の説明を行なった。
「分からなかったらマニュアルがありますので適宜、マニュアルを読むようにして下さい」
「「「いや、この言葉、読めないですから!」」」
そして、各施設が稼働し始めると、花菜香と風雅はまた通信局に行き、今度は地方局の位置を調べた。
それから花菜香と風雅は王城と連絡を取りながら、今度は地方局を復活させていった。地方局もメクルローサ中央交換局やサガンガニアの交換局と、設備はほとんど同じだったので、それほど難なんもなく立ち上げることができた。
そうして半年かかったが、ザガンガ王国中の交換局を復活させることができた。
半年でザガンガ王国中の交換局が復活したので、電話を持ちたいという依頼が殺到し、工場はフル稼働状態らしい。
電話が復活したら、今度はコンピュータを復活させる。
まずは言葉から。手順はアハントルト王国でアーメイヤス語の実装をしたときと手順は同じなので、半月でガカスドロフ語の実装はできた。
次に、交換局の職員を増やしてもらい、オフィスフロアで働く人を増やしてもらった。そこで、オフィスフロアで働く人に、コンピュータの使い方を指導し、業務に使ってもらった。
次に教育機関。学校に出向き、使い方を指導し、必要分コンピューターを導入してもらった。
次に王城。その次に各領都へ。コンピュータの普及には1年かかった。
*
「よくやった。これで各地との情報交換がやりやすくなった。礼を言う。特にハナカ・リーガンズよ。新婚なのにいろいろ仕事を命じてすまなかった」
「いえいえ。国のためになったのなら喜ばしいことですわ」
国王を始め、王城へ報告して今度の仕事の区切りをつけた。困ったときには呼び出されるかも知れないが。
仕事が終わったので、花菜香はリーガンズ家に、風雅は麻宗家に戻った。
そして、日常が戻った。
半年後、タンザナティア王国から2人に連絡が入った。何でも、タンザナティア王国とアハントルト王国の通信網を繋ぎたいから手伝ってほしいというものであった。
「アハントルト王国から人員を派遣してもらって国内は通信網が復活したのはいいが、タンザナティア王国とアハントルト王国間の通信ができないのだ。手伝ってもらえるか?」
アハントルト王国からもタンザナティア王国からも要請が来たので出向くことにした。花菜香がアハントルト王国、風雅がタンザナティア王国に出向き、資料を読みあさった。
「戦争などの有事の時のために王都で回線の開閉ができるようになっているみたいで、標準では回線を閉じるようになっているみたいですね。局での設定で回線を繋ぐことができますのでやってみます」
そして、花菜香と風雅が交換機の設定を変更すると、タンザナティア王国とアハントルト王国間の通信が復活するのであった。
これを聞いた各国は、花菜香と風雅に接続を依頼し、西方諸国連合は、全ての接触する国において、回線が開通するのであった。
*
仕事が終わったので、花菜香はリーガンズ家に、風雅は麻宗家に戻った。
そして、日常が戻った。
「ハナカ、コンピュータを導入したのだが、使い方が分からなくてな」
「基本的な使い方ならお任せ下さい」
花菜香は、義父のジェームスと、夫のジョージアに、コンピュータの使い方を指導するのであった。
「使い方が分る者が他に居なくてな。助かった」
「お役に立てて嬉しいですわ」
その後、また花菜香は、リーガンズ伯爵家の歴史やらしきたりの学習に戻るのであった。
「それは真か。よくやった」
花菜香と風雅の報告を受けて、アバン国王はご満悦な表情であった。
「設備を使うに当たりまして、施設に常駐する人員も必要になります。後日必要最低限の人数をお知らせしますので人員の手配をよろしくお願いします」
「あい分かった。手配しよう」
「そして、仮の運転といたしまして、後日王城に電話機を設置していきたいと思いますので日程の調整をお願いします」
「それでは明日、早速取り付けていってもらえるか?」
「分かりました。明日、設置に伺います」
そして、4人は明日のスケジュールを話し合ってから解散し、報告のため、花菜香も含めて一旦麻宗邸へ帰るのであった。
次の日の早朝。まず花菜香と風雅は通信局に行き、預かったカギで施設内に入り、まずは魔晶石に魔力を供給し、それからサーバと交換機を立ち上げていった。
全てが立ち上がったのを確認し、施設を施錠してから王城へ向かった。
王城ではすでに職員が出勤しており、2人は早速手分けして電話機の設置に向かった。
電話線が来ている位置は昨日調べておいた。2人は職員に電話を置く場所を聞き、配線をして電話の使い方を教えて回った。
電話の設置は2日間で終わり、次の日にはまた4人集まって、残りの施設を見て回ることにした。
3つ目の施設は電話の工場であった。ここが稼働すれば電話の不足分を補えるであろう。
4つ目の施設はコンピュータの工場であった。
花菜香と風雅はそれぞれの施設の必要人員数を算出し、王城へ報告した。
1週間後、人員は集まり、各施設で仕事の説明を行なった。
「分からなかったらマニュアルがありますので適宜、マニュアルを読むようにして下さい」
「「「いや、この言葉、読めないですから!」」」
そして、各施設が稼働し始めると、花菜香と風雅はまた通信局に行き、今度は地方局の位置を調べた。
それから花菜香と風雅は王城と連絡を取りながら、今度は地方局を復活させていった。地方局もメクルローサ中央交換局やサガンガニアの交換局と、設備はほとんど同じだったので、それほど難なんもなく立ち上げることができた。
そうして半年かかったが、ザガンガ王国中の交換局を復活させることができた。
半年でザガンガ王国中の交換局が復活したので、電話を持ちたいという依頼が殺到し、工場はフル稼働状態らしい。
電話が復活したら、今度はコンピュータを復活させる。
まずは言葉から。手順はアハントルト王国でアーメイヤス語の実装をしたときと手順は同じなので、半月でガカスドロフ語の実装はできた。
次に、交換局の職員を増やしてもらい、オフィスフロアで働く人を増やしてもらった。そこで、オフィスフロアで働く人に、コンピュータの使い方を指導し、業務に使ってもらった。
次に教育機関。学校に出向き、使い方を指導し、必要分コンピューターを導入してもらった。
次に王城。その次に各領都へ。コンピュータの普及には1年かかった。
*
「よくやった。これで各地との情報交換がやりやすくなった。礼を言う。特にハナカ・リーガンズよ。新婚なのにいろいろ仕事を命じてすまなかった」
「いえいえ。国のためになったのなら喜ばしいことですわ」
国王を始め、王城へ報告して今度の仕事の区切りをつけた。困ったときには呼び出されるかも知れないが。
仕事が終わったので、花菜香はリーガンズ家に、風雅は麻宗家に戻った。
そして、日常が戻った。
半年後、タンザナティア王国から2人に連絡が入った。何でも、タンザナティア王国とアハントルト王国の通信網を繋ぎたいから手伝ってほしいというものであった。
「アハントルト王国から人員を派遣してもらって国内は通信網が復活したのはいいが、タンザナティア王国とアハントルト王国間の通信ができないのだ。手伝ってもらえるか?」
アハントルト王国からもタンザナティア王国からも要請が来たので出向くことにした。花菜香がアハントルト王国、風雅がタンザナティア王国に出向き、資料を読みあさった。
「戦争などの有事の時のために王都で回線の開閉ができるようになっているみたいで、標準では回線を閉じるようになっているみたいですね。局での設定で回線を繋ぐことができますのでやってみます」
そして、花菜香と風雅が交換機の設定を変更すると、タンザナティア王国とアハントルト王国間の通信が復活するのであった。
これを聞いた各国は、花菜香と風雅に接続を依頼し、西方諸国連合は、全ての接触する国において、回線が開通するのであった。
*
仕事が終わったので、花菜香はリーガンズ家に、風雅は麻宗家に戻った。
そして、日常が戻った。
「ハナカ、コンピュータを導入したのだが、使い方が分からなくてな」
「基本的な使い方ならお任せ下さい」
花菜香は、義父のジェームスと、夫のジョージアに、コンピュータの使い方を指導するのであった。
「使い方が分る者が他に居なくてな。助かった」
「お役に立てて嬉しいですわ」
その後、また花菜香は、リーガンズ伯爵家の歴史やらしきたりの学習に戻るのであった。
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