仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ

ぷい16

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出遅れた国

1年1組の中間試験

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 クアレシスの周辺の領地にコンピュータの使い方を教えた風雅ふうがは、代官のデビアン・モンテスと一緒に書類仕事を進めていた。


「領地視察にも行きたいが、書類、多いな」

「そうなのですよ。間に合わせるのがやっとでして…」


 ザッとでも早く目を通しておかなければならない。どこに急用な書類がまぎんでいるか分からないからだ。

 ザッと書類を仕分けてさぁ仕事を始めようとしたところ、携帯が鳴り始めた。母のかおるからだ。


「はい。風雅ふうがです」

「あ、風雅ふうが花菜香はなかが妊娠したわよ」

「それじゃぁお祝いをおくらないとね」

「それはこちらでしておくから心配しないで。それじゃぁ」


 いきなり話し始めたのでデビアンがキョトンとしている。


「母のかおるから電話で姉の花菜香はなかが妊娠したそうです」

「それはおめでとうございます」


 そして、書類に集中するのであった。


     *


 一方、アハントルト王国の麻宗邸では、


「みんな、聞いてくれ。花菜香はなかが妊娠したそうだ」

「「「「おめでとうございます」」」」


 嫁たちに祝福される二郎なのであった。


     *


 昼休み。エルビンの携帯が鳴った。父の二郎からだ。


「はい。エルビンです」

「おぅ。エルビンか。聞いてくれ。花菜香はなかが妊娠したそうだ。兄弟たちに伝えておいてくれ」

「分かりました」


 そして、姉の花菜香はなかの妊娠を、コンスタンティン、アクレシス、エーベルハルト、それに一緒にいたマヌエラに伝えると、


「それはめでたいな」

「産まれたら何かお祝いをしないとな」


 と、話していたら、マヌエラが、


みなさんおじさんになるのですね」

「このとしでもうオジさんかぁ」


 めでたいのに複雑な気分になる4人なのであった。


     *


「せっかく授かったのですから、大事に育てて元気な子を産むのですよ」

「はい。分かりました。お母様」


 ザガンガ王国王都、サガンガニアのリーガンズ伯爵邸。そこに、伯爵夫人であるハレッタと、嫁である花菜香はなかとで話していた。


「少しは動かないといけませんが、転んだりしてお腹の子にもしものことがあるといけません。動くときには慎重になって下さいね」

「はい。分かりました」


 ハレッタと花菜香はなかが話していると、父のジェームスがやって来た。


「ハナカ、アハントルト王国から書状が来たのだが、アーメイヤス語は苦手でな。読むのを手伝って欲しいのだが」

まいりますわお父様」


 相変あいかわらずリーガンズ伯爵邸で重宝ちょうほうがられている花菜香はなかなのであった。


     *


「中間試験まであと少し!気合い入れて勉強するぞ!」

「「「「「おぉー!」」」」」


 アハントルト王国の王都、ペンテレストロフにあるアハントルト王立魔法学校初等部の1年1組。放課後。エルビンたち4人兄弟とマヌエラは、中間試験前の自習を始める前に気合いを入れていた。


「それでは図書館へ移動!」

「「「「「おぉー!」」」」」


 ゲートの魔法が使えるため、エルビンたち4人は最初の授業の時から、マヌエラはエルビンに便利魔法を教わって、ゲートが使えるようになってから、馬車での送迎はなくなった。

 5人は授業の開始前と放課後に、図書館で集まって予習復習を行なうのが日課になっていた。

 図書館では大きな声を出せないので教室で気合いを入れ、図書館へ移動することにしたのだ。


 それから2週間後に中間試験があり、またそれから2週間後に結果が張り出された。


 中間試験、初等部1年、マヌエラ、エルビン、コンスタンティン、アクレシス、エーベルハルト、満点。同率一位。6位は…


「1位だぜ!やっほい!」

「予習、復習を欠かさずにやって良かった」

「これで安心して眠れるよ」

「反省会が、できない」


 掲示板の前で、5人で喜んだ。

 授業でテストが返され、間違いが多かった問題を、先生が解説しながら答え合わせをしていく。そうして授業時間は過ぎてゆく。


 放課後、5人は、点数の高かった5人に呼び止められた。勉強法を教えて欲しいと。


「教えてもいいが、まずは同じスケジュールで自習をしてもらう。授業前と放課後、図書館が閉まるまで、時間をてているが、時間の確保はできるか?」

「成績を上げるためならしたがおう」

「それと、登下校時間を短縮するため、まずは魔法を憶えてもらう。馬車を待たせているなら声をかけてから、出発するが、大丈夫か?」

かまわない。したがおう」


 そうして、5人+5人の10人は、馬車に声をかけてから、荒野へ行き、上位5人は下位5人に便利魔法をみっちりと仕込しこむのであった。

 そうして下位5人も、ゲートでの登下校になった。上位5人は下位5人に参考にするノートの選び方、勉強方法などをみっちりと仕込んだ。


「もうやり方は教えた。もう離れても勉強できるだろう」


 下位5人も仕込まれ、もう個人個人で勉強できるようになったが、下位5人は上位5人と一緒に勉強することを止めなかった。


「いえ、このまま一緒に行動した方が効率がいいのでこのままにさせて下さい」


 そして、5人+5人は10人のグループとなり、一緒に行動するようになった。


「次は期末試験だ!気合い入れていくぞ!」

「「「「「おぉー!」」」」」


 今度は期末試験に向けて気合いを入れて自習する10人なのであった。
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