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勉強とこの世界の把握
エミール、外出の許可を得る
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それから1ヶ月後、
「それでは今日、作ってもらうのは、居場所を知らせる魔道具です」
エミールの夜の授業は順調に進んでいた。
家族全員とカリーナ先生、毎回欠かさず受けに来ている。
そして、実習まで終わり、
「それでは今日の授業は終わります。ありがとうございました」
「「「「「「ありがとうございました」」」」」」
次の日、朝食のとき、
「皆、聞いてくれ。母さんたちと昨日話し合ったんだが、昨日作った魔道具が正常に動作すること、外出中、その魔道具をずっと付けていること、それに身分証を持っていくことを条件に、外出を許可する。今後、外出したい者は私の所に言いに来るように。以上だ」
今まで、6才未満組は屋敷の塀の外へは出られなかった。出られたのは皆で王都を散策した日とか、片手で数えられるくらいだ。
今までエミールは、外出というと、皆にバレないようにこそっと行って、短時間で戻って来ていた。
これが、堂々と行けるようになるのである。
休みの日の前日、エミールは二郎の下へ行った。
「これからいろいろな町に行ってみたいと思います」
「行くのはいいが、お前、勉強で忙しいだろう?時間は大丈夫なのか?ちゃんと寝る時間はあるのか?」
エミールは自分で勉強しながら家族全員に学んだことを教えている。前に、やつれて顔色が悪いときもあった。二郎は過労を心配したのだ。
しかし、エミールは、
「スキカ様にも行動範囲を広げて見聞を広げるようにと言われています。急いでいないかも知れませんが止まってはいられないのです」
「分かった。お前を信じよう。但し、皆が心配するから、出かける前と帰って来たら、誰か大人に言うんだぞ」
それから、二郎は魔道具がきちんと動作しているか確認した後、
「お前を外に出すのは心配だが、くれぐれも怪我をするんじゃないぞ」
「分かりました」
エミールが出て行った後、
「これは、あの魔法も教えておくべきかも知れんな」
こうしてエミールは、外出の許可を取り付けるのであった。
翌日、
「今日はこれから屋敷の外に行くから」
「左様ですか。それでは今日はそういった服装にしますね」
そう言って、マヤは服を出してくれた。
「外に出るのでしたらそのうちお着替えも自分でできるようになっておいた方が良いかも知れませんね」
「それははしたないと聞いておるが…」
「普段は私がお着替えのお手伝いをさせていただきます。でも、外の世界にお出になるなら、憶えておいた方が良いように思います」
「分かった。それでは習うとしよう」
その日はマヤに着替えさせてもらって、朝食の後、屋敷を出て行った。
「外は広いなぁ」
エミールは、貴族街をブラブラと歩いていると、王城前まで来てしまった。
(ここに、お爺さまやお婆さまに従兄弟の家族とか、親戚が住んでいるんだよな)
エミールは、うかつにもしばらく立ち止まってしまった。
「何だそこの子供、用がないなら立ち去れ」
衛兵に怒られてしまった。
「何事ですか?」
「マヌエラ様!」
そこに、たまたまマヌエラが通りかかった。そして、エミールを見つけ、
「あなた、エミールじゃないの」
「お久しぶりですマヌエラ様」
「立ち話も何だし、入る?」
そして、エミールは、マヌエラと一緒に王宮へ入っていった。
「どうしたの?王宮まで来て」
「屋敷の外の世界を見てみたいと思いまして屋敷を出たのですが、1人で出歩くのは初めてでして、ブラブラ歩いていたらここまでやって来てしまいました」
「しかしあなた、まだ4才でしょ?お家の人には言ってきたの?」
「はい。この位置を知らせる魔道具を皆で作ったら、出歩く許可が下りました」
と言って、エミールはマヌエラに指輪を見せた。
「その歳で魔道具が作れるの?」
「はい。兄弟も皆作れますよ」
自分が家族に教えたとは言わないエミール。
「はぁ。また知らないところでエルビンたちに差をつけられているわね」
エミールとマヌエラが話していると、
「マヌエラお姉様、いらっしゃいますか?」
「居るわよ。入ってらっしゃい」
エミールと同じくらいの年頃の女の子が入ってきた。
「ベリーシャ、ミランダおばさまの息子であなたの従兄弟のエミールよ。この子はベリーシャ。私の妹。よろしくね」
「初めましてベリーシャです」
「初めましてエミールです」
そしてしばらく3人でおしゃべりするのであった。
そして、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
「はい」
「わしじゃ。ドナートヴィッチじゃ。お客さんが来ているんだって?」
マヌエラはドアを開けに行って、
「ミランダ様のところのエミール君が来ています。どうぞお入りになって」
「おぉ。エミールが来ておるのか。これ、アクーカヤにも知らせてやれ」
ドナートヴィッチ陛下はこっそりとアクーカヤ王妃に知らせをやり、
「おぉおぉ、久しぶりじゃな。ドナートヴィッチじゃ。おじいちゃんだぞ」
「お久しぶりです陛下」
「陛下なんて堅苦しい呼び方をするでない。おじいちゃんで良いぞ」
それからアクーカヤ王妃もやって来て、エミールは可愛がられるのであった。
「それでは今日、作ってもらうのは、居場所を知らせる魔道具です」
エミールの夜の授業は順調に進んでいた。
家族全員とカリーナ先生、毎回欠かさず受けに来ている。
そして、実習まで終わり、
「それでは今日の授業は終わります。ありがとうございました」
「「「「「「ありがとうございました」」」」」」
次の日、朝食のとき、
「皆、聞いてくれ。母さんたちと昨日話し合ったんだが、昨日作った魔道具が正常に動作すること、外出中、その魔道具をずっと付けていること、それに身分証を持っていくことを条件に、外出を許可する。今後、外出したい者は私の所に言いに来るように。以上だ」
今まで、6才未満組は屋敷の塀の外へは出られなかった。出られたのは皆で王都を散策した日とか、片手で数えられるくらいだ。
今までエミールは、外出というと、皆にバレないようにこそっと行って、短時間で戻って来ていた。
これが、堂々と行けるようになるのである。
休みの日の前日、エミールは二郎の下へ行った。
「これからいろいろな町に行ってみたいと思います」
「行くのはいいが、お前、勉強で忙しいだろう?時間は大丈夫なのか?ちゃんと寝る時間はあるのか?」
エミールは自分で勉強しながら家族全員に学んだことを教えている。前に、やつれて顔色が悪いときもあった。二郎は過労を心配したのだ。
しかし、エミールは、
「スキカ様にも行動範囲を広げて見聞を広げるようにと言われています。急いでいないかも知れませんが止まってはいられないのです」
「分かった。お前を信じよう。但し、皆が心配するから、出かける前と帰って来たら、誰か大人に言うんだぞ」
それから、二郎は魔道具がきちんと動作しているか確認した後、
「お前を外に出すのは心配だが、くれぐれも怪我をするんじゃないぞ」
「分かりました」
エミールが出て行った後、
「これは、あの魔法も教えておくべきかも知れんな」
こうしてエミールは、外出の許可を取り付けるのであった。
翌日、
「今日はこれから屋敷の外に行くから」
「左様ですか。それでは今日はそういった服装にしますね」
そう言って、マヤは服を出してくれた。
「外に出るのでしたらそのうちお着替えも自分でできるようになっておいた方が良いかも知れませんね」
「それははしたないと聞いておるが…」
「普段は私がお着替えのお手伝いをさせていただきます。でも、外の世界にお出になるなら、憶えておいた方が良いように思います」
「分かった。それでは習うとしよう」
その日はマヤに着替えさせてもらって、朝食の後、屋敷を出て行った。
「外は広いなぁ」
エミールは、貴族街をブラブラと歩いていると、王城前まで来てしまった。
(ここに、お爺さまやお婆さまに従兄弟の家族とか、親戚が住んでいるんだよな)
エミールは、うかつにもしばらく立ち止まってしまった。
「何だそこの子供、用がないなら立ち去れ」
衛兵に怒られてしまった。
「何事ですか?」
「マヌエラ様!」
そこに、たまたまマヌエラが通りかかった。そして、エミールを見つけ、
「あなた、エミールじゃないの」
「お久しぶりですマヌエラ様」
「立ち話も何だし、入る?」
そして、エミールは、マヌエラと一緒に王宮へ入っていった。
「どうしたの?王宮まで来て」
「屋敷の外の世界を見てみたいと思いまして屋敷を出たのですが、1人で出歩くのは初めてでして、ブラブラ歩いていたらここまでやって来てしまいました」
「しかしあなた、まだ4才でしょ?お家の人には言ってきたの?」
「はい。この位置を知らせる魔道具を皆で作ったら、出歩く許可が下りました」
と言って、エミールはマヌエラに指輪を見せた。
「その歳で魔道具が作れるの?」
「はい。兄弟も皆作れますよ」
自分が家族に教えたとは言わないエミール。
「はぁ。また知らないところでエルビンたちに差をつけられているわね」
エミールとマヌエラが話していると、
「マヌエラお姉様、いらっしゃいますか?」
「居るわよ。入ってらっしゃい」
エミールと同じくらいの年頃の女の子が入ってきた。
「ベリーシャ、ミランダおばさまの息子であなたの従兄弟のエミールよ。この子はベリーシャ。私の妹。よろしくね」
「初めましてベリーシャです」
「初めましてエミールです」
そしてしばらく3人でおしゃべりするのであった。
そして、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
「はい」
「わしじゃ。ドナートヴィッチじゃ。お客さんが来ているんだって?」
マヌエラはドアを開けに行って、
「ミランダ様のところのエミール君が来ています。どうぞお入りになって」
「おぉ。エミールが来ておるのか。これ、アクーカヤにも知らせてやれ」
ドナートヴィッチ陛下はこっそりとアクーカヤ王妃に知らせをやり、
「おぉおぉ、久しぶりじゃな。ドナートヴィッチじゃ。おじいちゃんだぞ」
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それからアクーカヤ王妃もやって来て、エミールは可愛がられるのであった。
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