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勉強とこの世界の把握
子供たちでアバストロフ城へ
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「次の休み?別に大きな予定は入っていないはずだが」
エルビンは少し考え、
「この中で、次の休みに予定の入っているものは居るか?」
子供たち、初等部組の5人と5才未満組の5人に問いかける。
誰も大きな予定は入っていないようだ。
「皆も外に出られるし、その予定でいいんじゃないか?」
エルビンの許可がもらえた。
「次の休みですか?私もベリーシャも予定は空いてますので来ても大丈夫ですよ」
マヌエラの許可ももらえた。
「王城へは、私から言っておきます。皆様との楽しい一時、心待ちにしておりますわ」
マヌエラはニコリと笑って王城の方の手続きを請け負うのであった。
*
そしてその休みの日。
「今日は王城へ行くそうだな。身内だからといって、くれぐれも粗相のないように」
「「「「「「はい」」」」」」
そして朝食を済ませ、玄関ホールで点呼を取る。
「全員そろいました」
そして次に持ち物検査。居場所を知らせる魔道具、身分証を持っていることを確認し、
「では、出発!」
エルビンを先頭に、屋敷を出るのであった。
前を初等部組の3人、間に5才未満組6人を挟んで後ろにも初等部組を3人という隊列で人通りのない貴族街の道を歩いて行く。
エミールは肩に鳩の「カラワ」を乗せて、5才未満組の最後尾を付いて行く。
通常なら馬車で行くところだが、初等部組はともかく、5才未満組はほとんど外に出たことがない。
麻宗邸と王城もそれほど距離があるわけではないし、外を歩くのも気晴らしにいいと思って歩きにしたのであった。
王城の門番に、エルビンがマヌエラからもらった書状を見せるとすんなりと通してくれた。案内のメイドさんも居て、マヌエラの私室に通してくれた。
「皆さん、お待ちしてましたわ」
「本日はお世話になります」
マヌエラが部屋で待ってくれていて、出迎えてくれた。
挨拶をしていると、ベリーシャも部屋にやって来た。
ベリーシャにも挨拶。一通り挨拶も終わったところでエミールが、
「マヌエラ様やベリーシャ様が夜の教室に入る前にやった意識共有の魔法を使って空の旅を楽しみたいと思います」
「「「「「「おぉー!パチパチパチパチパチ」」」」」」
マヌエラもベリーシャも今ひとつ分かっていない風であったが、エミールは、連れて来た「カラワ」と意識を共有し、窓から放った。
そして、投影の魔法を併用して鳩の視界を投影した。
「これって、空の世界ですか?」
「こんな高いところからの景色、見たことがありませんわ」
マヌエラとベリーシャには物珍しさで好評であった。
「これが上空から見た首都、ペンテレストロフです。それではここから東方向に飛んで行きましょう」
ペンテレストロフ上空で旋回していた鳩が、東に進路をとり、速いスピードで飛んで行く。
エミールの兄弟達はそうでもないが、マヌエラとベリーシャは投影された映像に釘付けだ。
1時間ほど飛んでいると、遠くの方に海が見え始めた。飛んでいると、段々と海に近づいていく。
「あの、青いところは何ですの?」
「あれは海ですね」
「あれが海ですか。話には聞いていましたが、見るのは初めてですわ」
「海ですか。一度行ってみたいです」
「鳩が行ったところでもゲートが開けられますから、外出許可が下りたら一度行ってみましょう」
「「わぁ。楽しみです」」
そして、鳥をリレーしてから「カラワ」を回収し、海沿いを北東方向に進む。
「あれは何ですの?」
「船ですね」
「あれは何ですの?」
「塩田ですね。海水から水を蒸発させて、ミネラルが豊富な塩を生成しているのでしょう」
投影画像ながら海を初めて見るマヌエラからの質問が止まらない。ベリーシャは「へぇー」や、「ほぉー」と言いながら、画像に釘付けだ。
ハンシオーガの中間くらいまで来たところで、部屋にドナートヴィッチ国王とアクーカヤ王妃が入ってきた。
「おぅおぅおぅ皆、よう来たのぉ」
「遅くなってごめんなさい。今日中にやらないといけない仕事があったからドナートヴィッチと急いで片付けてきたのよ」
国王陛下と王妃殿下に麻宗家の子供たちは挨拶をしていく。
全員挨拶を済ませたところで、
「ところで、この映像は何じゃ?」
エミールはまだ鳥にお礼の挨拶をしていなかったので、映像を流しっぱなしにしていた。皆で見られるよう、映像を大型にしていたため、それをすぐに国王陛下と王妃殿下に見つかってしまった。
「マヌエラ様とベリーシャ様には今後教えるつもりでいましたが、これは、鳥との意識共有を使った鳥の目線で見たニテムズ大陸の様子です。今、鳥はハンシオーガ王国東側の海岸線を通っており、この画像はその鳥の見ている画像になります」
「ほぉ。鳥の見たものをそのまま見られるのか。アソウ家は前々から珍しい魔法を使うと思っておったが、こんなこともできるのか」
「そろそろ鳥も疲れてきているので、他の鳥にバトンタッチするか、映像を止めたいのですが」
「それでは切ってくれ。わしらは子供達と話がしたい」
「分かりました」
エミールは投影魔法を切り、鳥にお礼を言ってから意識共有を切った。
「エミールや、約束通り、子供たちを連れてきてくれてありがとう」
「いえいえ」
それからは、麻宗家の子供たちと国王陛下や王妃殿下との触れ合いの時間になった。
「ミラダリーナや、見ないうちに大きくなったのぉ」
「久しぶりにお爺さまやお婆さまにお目にかかれると聞いて、今日を楽しみにしておりましたわ」
「嬉しいことを言ってくれるのぉ」
「私も会えて嬉しいわ」
それから、アンニヨロ王太子にフィリナーレ王太子妃、それにマヌエラの兄弟達も部屋に来て、皆で楽しい時間を過ごした。
そうこうしているうちに、太陽はずいぶんと傾いてきた。
「皆様、そろそろお時間です」
「おぉ。もうそんな時間か。時の経つのは早いな。またしばらくは会えなくなるとは」
ここでミラダリーナが爆弾発言を投下する。
「マヌエラ様やベリーシャ様みたいにゲートで出入りできればお顔をお見せできるのですが」
「何?それもそうじゃな。今、部屋を用意するので待っておれ!」
国王陛下は執事に話をし、すぐに王城の王族私室区画の空き部屋を用意させた。
「この部屋を、麻宗家の人間が王城へ来る際のゲートの開閉場所とする。カギは代表としてエルビンに渡しておこう。特に前もって来場を予約せずとも来ても良いが、できれば来る日は前もってマヌエラかベリーシャに知らせてくれると嬉しい」
「「「「「「分かりました。特別のご配慮、ありがとうございます」」」」」」
「あらまぁ」
王妃殿下は困った人を見る目で国王陛下を見て、王太子殿下や王太子妃殿下はあきれ顔であった。
それから皆で別れの挨拶をして、
「せっかく部屋を割り当てたし、たまには顔を見せるんじゃぞ」
「遠慮なく訪ねてきてね」
「「「「「「分かりました。ありがとうございます。近いうちにまた来ます」」」」」」
そして、もらった部屋でゲートを開き、子供たちは麻宗家へと帰って行ったのであった。
「また来るといいですね」
「そうじゃのぉ。しかし孫は可愛かったのぉ」
「そうですね」
しばらく余韻を楽しむように、部屋に居た国王夫妻であったが、どちらからともなく部屋を閉めて日常に戻るのであった。
エルビンは少し考え、
「この中で、次の休みに予定の入っているものは居るか?」
子供たち、初等部組の5人と5才未満組の5人に問いかける。
誰も大きな予定は入っていないようだ。
「皆も外に出られるし、その予定でいいんじゃないか?」
エルビンの許可がもらえた。
「次の休みですか?私もベリーシャも予定は空いてますので来ても大丈夫ですよ」
マヌエラの許可ももらえた。
「王城へは、私から言っておきます。皆様との楽しい一時、心待ちにしておりますわ」
マヌエラはニコリと笑って王城の方の手続きを請け負うのであった。
*
そしてその休みの日。
「今日は王城へ行くそうだな。身内だからといって、くれぐれも粗相のないように」
「「「「「「はい」」」」」」
そして朝食を済ませ、玄関ホールで点呼を取る。
「全員そろいました」
そして次に持ち物検査。居場所を知らせる魔道具、身分証を持っていることを確認し、
「では、出発!」
エルビンを先頭に、屋敷を出るのであった。
前を初等部組の3人、間に5才未満組6人を挟んで後ろにも初等部組を3人という隊列で人通りのない貴族街の道を歩いて行く。
エミールは肩に鳩の「カラワ」を乗せて、5才未満組の最後尾を付いて行く。
通常なら馬車で行くところだが、初等部組はともかく、5才未満組はほとんど外に出たことがない。
麻宗邸と王城もそれほど距離があるわけではないし、外を歩くのも気晴らしにいいと思って歩きにしたのであった。
王城の門番に、エルビンがマヌエラからもらった書状を見せるとすんなりと通してくれた。案内のメイドさんも居て、マヌエラの私室に通してくれた。
「皆さん、お待ちしてましたわ」
「本日はお世話になります」
マヌエラが部屋で待ってくれていて、出迎えてくれた。
挨拶をしていると、ベリーシャも部屋にやって来た。
ベリーシャにも挨拶。一通り挨拶も終わったところでエミールが、
「マヌエラ様やベリーシャ様が夜の教室に入る前にやった意識共有の魔法を使って空の旅を楽しみたいと思います」
「「「「「「おぉー!パチパチパチパチパチ」」」」」」
マヌエラもベリーシャも今ひとつ分かっていない風であったが、エミールは、連れて来た「カラワ」と意識を共有し、窓から放った。
そして、投影の魔法を併用して鳩の視界を投影した。
「これって、空の世界ですか?」
「こんな高いところからの景色、見たことがありませんわ」
マヌエラとベリーシャには物珍しさで好評であった。
「これが上空から見た首都、ペンテレストロフです。それではここから東方向に飛んで行きましょう」
ペンテレストロフ上空で旋回していた鳩が、東に進路をとり、速いスピードで飛んで行く。
エミールの兄弟達はそうでもないが、マヌエラとベリーシャは投影された映像に釘付けだ。
1時間ほど飛んでいると、遠くの方に海が見え始めた。飛んでいると、段々と海に近づいていく。
「あの、青いところは何ですの?」
「あれは海ですね」
「あれが海ですか。話には聞いていましたが、見るのは初めてですわ」
「海ですか。一度行ってみたいです」
「鳩が行ったところでもゲートが開けられますから、外出許可が下りたら一度行ってみましょう」
「「わぁ。楽しみです」」
そして、鳥をリレーしてから「カラワ」を回収し、海沿いを北東方向に進む。
「あれは何ですの?」
「船ですね」
「あれは何ですの?」
「塩田ですね。海水から水を蒸発させて、ミネラルが豊富な塩を生成しているのでしょう」
投影画像ながら海を初めて見るマヌエラからの質問が止まらない。ベリーシャは「へぇー」や、「ほぉー」と言いながら、画像に釘付けだ。
ハンシオーガの中間くらいまで来たところで、部屋にドナートヴィッチ国王とアクーカヤ王妃が入ってきた。
「おぅおぅおぅ皆、よう来たのぉ」
「遅くなってごめんなさい。今日中にやらないといけない仕事があったからドナートヴィッチと急いで片付けてきたのよ」
国王陛下と王妃殿下に麻宗家の子供たちは挨拶をしていく。
全員挨拶を済ませたところで、
「ところで、この映像は何じゃ?」
エミールはまだ鳥にお礼の挨拶をしていなかったので、映像を流しっぱなしにしていた。皆で見られるよう、映像を大型にしていたため、それをすぐに国王陛下と王妃殿下に見つかってしまった。
「マヌエラ様とベリーシャ様には今後教えるつもりでいましたが、これは、鳥との意識共有を使った鳥の目線で見たニテムズ大陸の様子です。今、鳥はハンシオーガ王国東側の海岸線を通っており、この画像はその鳥の見ている画像になります」
「ほぉ。鳥の見たものをそのまま見られるのか。アソウ家は前々から珍しい魔法を使うと思っておったが、こんなこともできるのか」
「そろそろ鳥も疲れてきているので、他の鳥にバトンタッチするか、映像を止めたいのですが」
「それでは切ってくれ。わしらは子供達と話がしたい」
「分かりました」
エミールは投影魔法を切り、鳥にお礼を言ってから意識共有を切った。
「エミールや、約束通り、子供たちを連れてきてくれてありがとう」
「いえいえ」
それからは、麻宗家の子供たちと国王陛下や王妃殿下との触れ合いの時間になった。
「ミラダリーナや、見ないうちに大きくなったのぉ」
「久しぶりにお爺さまやお婆さまにお目にかかれると聞いて、今日を楽しみにしておりましたわ」
「嬉しいことを言ってくれるのぉ」
「私も会えて嬉しいわ」
それから、アンニヨロ王太子にフィリナーレ王太子妃、それにマヌエラの兄弟達も部屋に来て、皆で楽しい時間を過ごした。
そうこうしているうちに、太陽はずいぶんと傾いてきた。
「皆様、そろそろお時間です」
「おぉ。もうそんな時間か。時の経つのは早いな。またしばらくは会えなくなるとは」
ここでミラダリーナが爆弾発言を投下する。
「マヌエラ様やベリーシャ様みたいにゲートで出入りできればお顔をお見せできるのですが」
「何?それもそうじゃな。今、部屋を用意するので待っておれ!」
国王陛下は執事に話をし、すぐに王城の王族私室区画の空き部屋を用意させた。
「この部屋を、麻宗家の人間が王城へ来る際のゲートの開閉場所とする。カギは代表としてエルビンに渡しておこう。特に前もって来場を予約せずとも来ても良いが、できれば来る日は前もってマヌエラかベリーシャに知らせてくれると嬉しい」
「「「「「「分かりました。特別のご配慮、ありがとうございます」」」」」」
「あらまぁ」
王妃殿下は困った人を見る目で国王陛下を見て、王太子殿下や王太子妃殿下はあきれ顔であった。
それから皆で別れの挨拶をして、
「せっかく部屋を割り当てたし、たまには顔を見せるんじゃぞ」
「遠慮なく訪ねてきてね」
「「「「「「分かりました。ありがとうございます。近いうちにまた来ます」」」」」」
そして、もらった部屋でゲートを開き、子供たちは麻宗家へと帰って行ったのであった。
「また来るといいですね」
「そうじゃのぉ。しかし孫は可愛かったのぉ」
「そうですね」
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