仲良し家族、まとめて突然！異世界ライフ

勉強とこの世界の把握

次はダダグッド聖神国へ

「クララ、ロッテ、ミラダリーナ。そろそろ中間試験だ。初めての定期試験だ。いい点が取れるよう、気合い入れて勉強しろよ！」

「「「はい」」」


　３ヶ月前、クララ、ロッテ、ミラダリーナの３人は、アハントルト王立魔法学校、ペンテレストロフ公立魔法学校、サンザティーヌ私立魔法学校の入学試験を受け、第一希望のアハントルト王立魔法学校に見事合格したのであった。

　エルビン、コンスタンティン、アクレシス、エーベルハルトとマヌエラの５人は進級して２年１組に、クララ、ロッテ、ミラダリーナの３人は、１年２組に、それぞれクラス分けされた。

　クララ、ロッテ、ミラダリーナの３人が入学してしまうと次に入学を控えているのはブリトニーとビアンカである。彼女ら２人も志望校はアハントルト王立魔法学校で、ペンテレストロフ公立魔法学校、サンザティーヌ私立魔法学校も、念のため受ける。

　目標が決まっている。時間もまだ余裕がある。姉たち３人のように休日返上で勉強する必要はないが、志望校合格のため、平日にはキッチリと受験勉強に励む２人なのであった。

　その次の年に受験を控えているのがエミールだ。彼も兄弟たちと同じように、志望校はアハントルト王立魔法学校で、併願へいがんでペンテレストロフ公立魔法学校、サンザティーヌ私立魔法学校を受けると家族に言っている。彼も一見、ブリトニーやビアンカのように受験まで時間的に余裕があるように見える。

　しかし実際のところ、スキカから言われた用事であちこち動き回っている。魔道具学などの別の勉強にも時間を取られる。人の住む場所全域を見るという仕事もある。そして、クララ向けにペリヒッピ・アーメイヤス語辞典とアーメイヤス・ペリヒッピ語辞典をノートに編纂中である。彼女も使うので、クララ・エミール間を２つのノートが行ったり来たりしている。彼にはほぼ、カリーナ先生の授業の間しか勉強する時間が無いので、彼に関しては気が抜けないのであった。



「メスメラ：石つぶて！」


　エミールはまた、冒険者としてザーサランド領に来ている。

　今、石つぶての魔法でホーンラビットを仕留しとめ、血抜きの作業中である。　


「ホーンラビット５羽わか。あと何羽わだったっけ？」


　エミールがアイテムボックスの中を調べてみると、すでにホーンラビットが５羽わ入っていた。血抜き作業中のものも含めると、６羽わである。


「あちゃー、取り過ぎたかー。まぁ、いいか。持って帰って食べよう。もうちょっと狩りをして帰るか」


　それから、オーガを１匹ぴき仕留め、エミールは街に帰り、冒険者ギルドに寄った。


「エミール様でいらっしゃいますね。依頼を受けていらっしゃいましたね」

「はい。ホーンラビットの角５本です」

「確認します。確認しました。依頼達成です。こちらが報酬の銀貨５枚です」

「ありがとうございます」

「それから、おめでとうございます。今回の依頼達成でＤランクへの昇格条件を満たしますがランクアップなさいますか？」

「お願いします」

「それと、称号を書き足さないといけないですね」

「へ？何か評価されることがありましたか？」

「これでは『御使い様』とは分かりません。身分証明書にもなるものですし、これはキッチリと書いておかないと！」

「…そうですか。それではその書き足しも」

「それではギルドカードをお願いします」


　そして、エミールは疲れた顔で、ギルドカードを渡してしばらくすると、


「ギルドカードをお返し致します。またのご利用お待ちしております」


　そして、ナステディグラートの王城へ行き、


「こんにちは、ムスディーダス卿きょう」

「いらっしゃいませエミール様。ダダグッド聖神国かた文が来まして…」


　ダダグッド聖神国の訪問日が決まったようだ。次の休みの日。ダダグッド聖神国の首都まで行けば良いらしい。


「それで、馬車の用意ですが…」

「ウルボロン陛下に首都の場所は教えていただきましたし、あとはゲートで直接行けますので大丈夫です」

「おぉ。さすがは『御使い様』」


　ナステディグラートの王城での打ち合わせも終わり、アハントルト王国の麻宗邸へと帰り、


「ただ今戻りました」

「お帰りなさい、エミール」


　ミランダを始め、家族に挨拶をし、


「ダダグッド聖神国への訪問が次の休みの日に決まりました」


　二郎とミランダに報告するのであった。



　そして、次の休みの日、


「ここがダダグッド聖神国の首都、マーマーダラです」


　アハントルト王国の麻宗邸からエミールの開いたゲートをくぐり抜けてきた二郎、ミランダ、エミール。

　エミールはマーマーダラの南門の前でそう紹介した。


「おぉ。大きな都市だな」

「建物も大きい」

「ささ、街の中に入りましょう」


　エミールたちは貴族用の入り口に進んだ。


「あぁ？どこからやって来た？徒歩か？一般用の者はあっちの列だぞ」

「魔術を使ってやって来ました。国に客として呼ばれました。これが身分証明書です。これでダメならあちらに並び直します」

「身なりだけ整えたって共の者も連れていないんじゃ位もたかが知れて、知れて、しれて…み、み、み、『御使い様』！」

「で、通していただけるんですか？」

「は、はい！そりゃ、もちろん！迎えの馬車も来ていますんで！すぐに案内させます！」


　案内されて馬車の方へ。

　後ろの方で先ほどの門番が「大変失礼しました！」と謝っているが、軽く手を振り「気にしてないよ」と合図を送る。

　馬車に揺られて街の中央の方へ。

　さて、どんな会談になりますか。