仲良し家族、まとめて突然！異世界ライフ

国の学校と宇宙の学校

サフィンザー宮殿での執務

「ふぅ。ただいま」


　エトワール学院に行っていたエミール、ヘクディー、アボシー、カルラ、エアハルト、エーレンフリートにコルネリアが、授業が終わったので帰って来た。

　異世界にあるエトワール学院とザッパムーン星は時間の流れが独立しているので、ザガントリアシティの王城を出発してから帰って来るまでは１分も経っていない。


「じゃぁお父さんたちはサフィンザー宮殿に行ってくる」

「「「行ってらっしゃい」」」

「アボシーにカルラはどうする？」


　尋ねられたアボシーにカルラは、


「私もご一緒します」

「わ、私も行きますわ」


　ということで、エミール、ヘクディー、アボシーにカルラの４人でサフィンザー宮殿のエントランスへ。


「お帰りなさいませエミール様に奥方様」


　サフィンザー宮殿の主あるじはエミールなので、エミールとその家族がサフィンザー宮殿を訪れると、「お帰りなさいませ」と出迎えられるのだ。


「ただいま」

「ただ今戻りましたわ」

「ただいま」

「お迎えご苦労様ですわ」


　そして、４人は執務室へ。

　しばらくすると、


「お帰りなさいませエミール様に奥方様」

「ただいまテレンス」


　サフィンザー宮殿付きの宰相であるテレンス・スペンサーがやって来た。


「進捗しんちょく状況を聞かせてもらえるかな」

「はっ。ニムテズ大陸ですが、船の往来の許可が下りていますので、プランティニカ王国とファクトリニス王国から合計５０隻の船が各国へ向かっております」


　エミールは、大陸内の流通と、大陸間の流通のためにインダスニカル大陸から船を送ることをテレンス宰相に指示していた。


「シンドーフ大陸も近々船の往来が許可される見込みですので、許可され次第船を５０隻送る予定にしております」

「ふむ、ご苦労。で、バーハーグト大陸は？」


　エミールは、エミール一家が住んでいるザガントリア王国があるバーハーグト大陸について聞いてみると、


「バーハーグト大陸の国々は頭が固いようで…　ダダグッド聖神国とザガントリア王国にナサスティア王国は、やっと許可が下りたのですが、まだスペニシア王国が反発をしている状態でして…」


　バーハーグト大陸の国々はコンピューターの導入の決断も遅かったし、住んでいる大陸のこととは言え、頭が固いなぁとエミールはため息をついた。


「ではスペニシア王国との対話を継続で。許可が下りたら船を送ってくれ」

「はっ、かしこまりました。それと、シンドーフ大陸の各国の王からエミール様に会いたいと話が来ております」


　エミールが初めてシンドーフ大陸に行ったとき、アボシーの元上司であるミリナシア・ムクテディス　ナームダラ教区長に、一度シンドーフ大陸の国王たちに会ってほしいと言われたが、それは実現せずに、パムミンナダオ島でのアボシーとカルラの結婚式で、挨拶したに留とどまっていた。


「分かった。それではいつ向かったらいい？」

「今、ハンローシン王国の国王とスーロージャオ王国の国王がテンジャオ王国に向かっており、４日後に到着予定ですので、５日後以降にテンジャオ王国の王城に行っていただければ良いかと」

「それでは５日後以降のいつがいいか聞いておいてくれ。こちらも動けるようにしておくから」

「はっ。かしこまりました」


　そこで、エミールはスキカに言われたことを思い出し、


「それから、ニムテズ大陸の各国王と話しがしたい。このインダスニカル大陸の大陸の支配者の宝玉はもらったんだが、他の大陸ではまだでね。まずはニムテズ大陸で交渉したい。各国の国王を集めるのは大変なので、個別に向かおうと思っている」

「はっ。かしこまりました。話しを通しておきます」


　エミールはしばし考え、


「以上かな？」

「はっ。こちらからの報告は以上になります」

「僕からも他にないな。じゃぁ書類仕事を済ませたらまたサガントリアシティの王城へ戻るよ」

「はっ。それでは失礼します」


　そして、テレンス宰相は部屋を辞した。


「エミール様、かっこ良かったです」

「え、エミール様の執務姿、初めて拝見しました。かっこ良かったです」


　アボシーとカルラのそんな感想にヘクディーは、


「そりゃぁカッコイイでしょう。だって私たちの旦那様ですもの」

「「おぉーー」」


　それから、エミールは書類に目を通してサインをしていき、書類がなくなってからサガントリアシティの王城へ戻るのであった。