仲良し家族、まとめて突然！異世界ライフ

狙われるザッパムーン星

シミュレータ―２

「ンディバス星の保有戦艦数はおよそ２００艦かん、一方、こちらは元々持っていなくて、８０艦かん建造予定。それに…」


　シミュレーターの置かれたサフィンザー宮殿の広場から、近くにある会議室に移動して、世界各国の軍部の重鎮じゅうちんに、ンディバス星とザッパムーン星の戦力差について話しをするエミール。

　元々重鎮じゅうちんたちは先ほどの話を聞いて顔色が悪かったが、話が進むにつれ、次々と青色吐息を漏らし始めた。


「ただ、ンディバス星はザッパムーン星をナメています。最新鋭機では攻めてこないと思われます。それに自星に防衛力も残すでしょう。出撃中に他星から攻めて来られたらたまらないですからね」

「それも、そうですね」


　ジリアンは覇気はき無くそう返答する。


「但ただし、戦艦にしても我々は習いたての素人しろうと。あちらは脂あぶらののった熟練者が来るかは分かりませんが、ある程度は知り尽くした者が来るでしょう」


　部屋からは、あまりの戦力差に”もう聞きたくない”という雰囲気ふんいきに包まれた。

　それに気付きつつ、エミールは話しを続けた。


「皆様みなさまは何のために軍部に席を置きますか？先祖代々の役職を継ついだからですか？自力で上り詰めましたか？まぁ、それはいいとして、軍部に居る以上、守りたいものはありませんか？自国の村を、街を、都市を、山々を、森を、草原を、人々を守りたいとは思いませんか？」


　このエミールの呼びかけに、


「私には、守りたいものがある！」

「私もあるぞ」

「私もだ！」

「守りたいものもなく、軍部に入るものか！」


　次々と重鎮じゅうちんから声が上がった。

　戦力差に失望していた重鎮じゅうちんたちは、声を上げることで、気持ちが上がっていく。

　その声が落ち着いたところで、


「絶望的な戦力差ですが、あなたたちがやらなければ、何の抵抗もできずこの星は一方的に攻撃を受けて、やがて植民地にされます。戦力差があろうと無かろうと、守りたいもののために全力で抵抗しましょう？軍人ならば」


　すると、


「やるぞ、俺たちは」

「抵抗もせずに言いなりになるのは軍人の恥はじである！」

「いっちょやってやるか！」


　次々に意欲いよくある言葉が次々と起こり始めた。


「それでは続きを、対抗するための武器を、これから見ていきましょう」