天才怪盗の社会奉仕(エリート怪盗だった俺が問題だらけの学園で事件を解決します)

ハルサメ

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ミネルヴァの梟、探る

第21話

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「シラを切ろうにも、ここまで看破されるとダメね。因みにどこで気付いたのかな?」

「一番最初におかしいと思ったのは、密室だと分かった時だ。というのも、実際に部屋の中に鍵があることを確認したのが、あんただけだったからだ。俺を含む他の人間は、『部屋の中に入ったばかりのあんたが鍵を持っていた』って認識でしかないから、そういった意味で俺は真っ先にあんたを疑った。あんたが実行犯ならこの密室は完全に崩れるからな」

「それだけで? いやいや注意する点おかしくない?」

「まぁそうなんだろうが、ガキの頃からそういった思考回路を鍛えられたからな。基本的に自分の目で確認したこと以外は信じない」

 そうしないと生きていけなかった。固定概念を捨て去り、全てを疑ってかかるぐらいの勢いじゃないと簡単に喰われてしまう。

「実際あんたから鍵を受け取った時、僅かに熱かった。おそらくロッカーから取り出した後、ずっと握り締めていたんだろうな。しまうと取り出す時に不自然な行動を取る必要がある。後は他の仕掛けが使えないか確認して判断した」

 窓から糸で動かすことも考えたが、あーやに言った通り成功する確率は低い。結果、外から密室を作ることは難しい。だとすれば、密室は最初から作られていなかったと仮定することができる。

「いろいろ調べてたから、まさかとは思っていたけど……それで君はどうするの?」

「どうするって何をだ?」

「私がやったのは不祥事のもみ消しだよ? 分室としてそれは取り締まる義務があるんじゃないの?」

「一つ言っておこう。これは分室は一切関係ない。今の話を分室で話すこともなければ、公に知らせるなんてこともしない。と、それはあんたもだぞ、あーや」

 俺は振り向き、背後にあった扉に向き直る。わずかな時間をおいて扉が開き、あーやが姿を現した。その表情は少し緊張しているように見えた。

「君塚さん? 一体いつから?」

「密室の仕掛けの話の辺りからだよな」

「気づいていたのですか? それに、気づいていながら話を続けたのですか?」

「あぁ。盗み聞きしていたってネタを上げれば、流石のあんたも黙ってくれるんじゃないかと思ってな。悪いが利用させてもらうぞ」

 あーやは眉をひそめて不機嫌そうな顔をする。いや、もはや睨みに近いものがある。誰だって弱みを握られたら面白くないのは当然だから仕方ないか。

「一つ聞かせてください、何故あなたはこの件を隠そうとするのですか? 話し方から、あなたはもう部室を調べた時点で真相が分かっていたはずです。なのに何故何も知らないと嘘をついて高坂さんたちを庇い、私の評価を下げる真似をしたのですか?」

「んなもん簡単だ。この仕掛けは高坂のミスを帳消しにするには、十分すぎるほどに仕組まれていた。これはそれに対する称賛だ」

 仕掛けて欺くためには、その仕掛けを見抜く力が必要不可欠になる。それができなければ新たな仕掛けを思いつかないため、その訓練を十分にやらされていた。それ以来、見知らぬ仕掛けを出されると、意地になって解きたくなってしまった。

 だからこそ、この密室の仕掛けに心躍った。
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