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第1話:偽りの聖女
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白い光に包まれた瞬間、私は息を止めていた。眩しすぎて、目を開けることができない。熱い太陽の下に立たされたように、肌がじりじりと焼ける感覚に全身が襲われた。耳元で雷鳴のように響く鼓動に、心臓が跳ね上がる。次に視界が開けた時、私は金の装飾がまばゆい広間の、冷たい石の床に立っていた。空気はひんやりとしていて、どこか金属のような匂いが鼻をくすぐる。足先は冷え切っているのに、背中だけがじっとりと汗ばむ。見知らぬ人々が、期待と、わずかな不安を伴った視線を一斉に突き刺してきた。
「おお、成功したぞ!」
「聖女様が、お見えになった!」
玉座から立ち上がったのは、物語の王子様をそのまま写し取ったような青年――エドウィン王子だった。夜空を閉じ込めたような深い紺色の瞳が、まっすぐに私を見つめている。彼は厳かな声で言う。
「ようこそ、異世界の聖女よ。我が国、アステルは今、滅亡の危機にある。正体不明の『瘴気』が国土を蝕み、人々は病に倒れ、作物は枯れている。どうか、あなたの聖なる力で、この国を救ってはくれまいか」
聖女。救済。平凡なOL、田中香としての人生しか知らない私にとって、それはあまりに縁遠い言葉だった。残業続きで疲れ果て、コンビニ飯ばかりを食べていた日々。誰かに必要とされることなど、一度もなかった。けれど、彼の真摯な瞳は、私の胸の奥に熱いものを灯した。人生で初めて与えられた、明確な役割。この広間に立つ誰もが、まるで飢えた子どものように私を必要としている。その事実に、胸の奥から熱い誇りのようなものがこみ上げてくるのを感じた。
「私に、できることがある。この人たちの役に立てるかもしれない……!」
私は決意を込めて頷こうとした。その瞬間だった。
足元で、先ほどとは比べ物にならないほど激しい光が放たれ、魔法陣が炎を上げる。
「きゃっ、何よこれ!?」
悲鳴と共に光の中から現れたのは、私とは対照的な、派手な出で立ちの若い女性だった。明るい茶髪に、華やかなメイク。彼女――ユナは、一瞬驚いた顔をしたものの、すぐに状況を理解したようだ。その瞳は、獲物を定めた狩人のように、玉座の王子、廷臣たちの顔、そして広間の豪華さを素早く見て回る。彼女の口角が、わずかに吊り上がった。
「日本のしがないフリーター生活とはおさらば。家賃滞納の督促状も、もう怖くない!ここなら、私が主役になれる!」
誰も気づかないかもしれない。だが私は、彼女の肩が微かに震えているのを見逃さなかった。その震えは、まるで彼女が握りしめた拳の中で、自分の居場所を必死に掴もうとしている切実な焦りのようだった。
白く長い髭をたくわえた老神官が、困惑を隠しきれない様子で咳払いをした。
「……おかしなことになりましたな。聖女は一人のはず。どちらが真の聖女か、神の前でその力をお示しいただかねばなりますまい」
「よかろう」と王子が頷き、ユナに力を示すよう促す。
「オーケー!」
ユナは快活に返事をすると、芝居がかった仕草で両手を天に掲げた。
「聖なる光よ、我が声に応え、その輝きを示したまえ!」
「もし失敗したら……あんな、誰からも必要とされない生活にはもう二度と戻らない!」
不安が渦巻く内心を必死に力に変え、彼女は祈り続けた。大げさな詠唱に応え、ユナの手のひらの間に、まばゆい光の球体が生まれる。それはみるみるうちに膨らみ、広間全体を昼間のように煌々と照らし出した。廷臣たちから感嘆の声が漏れる。しかし、その光はただまぶしいだけで、広間に漂う重く淀んだ空気は変わらない。瘴気に蝕まれた者たちの咳き込みが、ごく微かに聞こえてくる。
やがて光が消え、興奮の余韻が広間を支配する中、私の番が来た。
「あんなすごい光、私に出せるわけがない……!」
心臓が早鐘を打つ。鼓動が早まるたびに、先ほどまで胸に灯っていた熱い光が、みるみるうちに色褪せていくのを感じた。私の力は、あの光に比べれば砂粒ほどのもの。でも、きっと私にしかできないことがある。
それは、アロマやハーブの知識を活かした香りの力だ。この世界に満ちる『瘴気』は、この地のエネルギーの流れが淀んだものだと直感的に理解していた。ならば、香りでその流れを整える。それが私の信じる、空間を浄化する力だ。
「たとえ派手じゃなくても、私の信じるやり方で……! この人たちの苦しみを、少しでも和らげたい」
私は目を閉じ、大きく息を吸い込むと、ただひたすらに、この空間が清められることだけを祈った。夜明けの森の奥、静かな湖畔に咲く一輪の蓮の花を、心に思い浮かべて。
私の体から、目に見える光はほとんど放たれなかった。その代わり、私の息と共に、ほのかに甘く、しかし凛とした白檀の香りがゆっくりと広間を満たしていく。その香りはまるで静かな朝の森の息吹のように、重く淀んだ空気をすーっと押し流し、瞬く間に瘴気の暗い影を薄めていった。咳払いが次第に静まり、人々の顔に安堵と柔らかな微笑みが戻る。誰もが知らず知らずのうちに深く息を吸い込み、その清らかな香りに心を和ませていた。
老神官が、何かを言おうと口を開きかけた。しかし、王子は満面の笑みを浮かべたが、その瞳は鋭く冷たかった。彼は民衆の期待を背負い、自身の恐怖を隠している。
「この選択が正しくなくても、これで民の不安を一時的にでも鎮められるのなら……」
王子は、誰にも気づかれぬよう口元を歪めた。
「決まりだ。この国の伝承では、“より強き輝きを放つ者”こそ真の聖女。迷う必要はない」
老神官の声が割り込もうとしたが、王子の冷たい視線に押し返された。
「民は光を求める。それが希望だ」
彼の声はかすかに震えていた。これは本心なのか、演技なのか――誰も判別できなかった。そして、彼はユナに向き直り、満面の笑みで高らかに宣言する。
「真の聖女は、ユナ殿だ!」
広間が、ユナへの歓迎と賞賛の歓声で満たされる。しかし、その歓声の裏には、老神官や一部の廷臣たちの戸惑いが、さざ波のように隠されているのを、私は聞き逃さなかった。ユナは勝ち誇った笑みを浮かべる。
「やっぱりね。だって私、この日のために何年も祈り続けてきたんだもん」
その声は甘いが、奥底には焦りのような何かが滲んでいるのを、私だけが気づいた。
喧騒の中、私の世界だけが音を失っていた。
必要とされる喜び。生まれて初めて感じた、確かな使命感。それらが、ほんの数分で、冬の川底の石のように冷え、粉々に砕け散った。自分の持つ、ささやかで、しかし本物だと信じていた「力」が、見た目の派手さという、あまりに表層的な価値観の前で、無価値だと断じられた。唇を強く噛み締め、両の拳を握りしめた。その手に力がこもると同時に、隣でざわめく廷臣たちの顔がちらついた。
「それでも……! 諦めない。私の力は、本物だ。誰かに認められなくても、私は信じて進む。」
その日、私は知った。
光は、必ずしも正しい者に宿るわけじゃない。
でも、私は私のやり方で、この国を救ってみせる。派手な魔法じゃなくても、この香りが奇跡を起こすと、私は信じる。
「おお、成功したぞ!」
「聖女様が、お見えになった!」
玉座から立ち上がったのは、物語の王子様をそのまま写し取ったような青年――エドウィン王子だった。夜空を閉じ込めたような深い紺色の瞳が、まっすぐに私を見つめている。彼は厳かな声で言う。
「ようこそ、異世界の聖女よ。我が国、アステルは今、滅亡の危機にある。正体不明の『瘴気』が国土を蝕み、人々は病に倒れ、作物は枯れている。どうか、あなたの聖なる力で、この国を救ってはくれまいか」
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「私に、できることがある。この人たちの役に立てるかもしれない……!」
私は決意を込めて頷こうとした。その瞬間だった。
足元で、先ほどとは比べ物にならないほど激しい光が放たれ、魔法陣が炎を上げる。
「きゃっ、何よこれ!?」
悲鳴と共に光の中から現れたのは、私とは対照的な、派手な出で立ちの若い女性だった。明るい茶髪に、華やかなメイク。彼女――ユナは、一瞬驚いた顔をしたものの、すぐに状況を理解したようだ。その瞳は、獲物を定めた狩人のように、玉座の王子、廷臣たちの顔、そして広間の豪華さを素早く見て回る。彼女の口角が、わずかに吊り上がった。
「日本のしがないフリーター生活とはおさらば。家賃滞納の督促状も、もう怖くない!ここなら、私が主役になれる!」
誰も気づかないかもしれない。だが私は、彼女の肩が微かに震えているのを見逃さなかった。その震えは、まるで彼女が握りしめた拳の中で、自分の居場所を必死に掴もうとしている切実な焦りのようだった。
白く長い髭をたくわえた老神官が、困惑を隠しきれない様子で咳払いをした。
「……おかしなことになりましたな。聖女は一人のはず。どちらが真の聖女か、神の前でその力をお示しいただかねばなりますまい」
「よかろう」と王子が頷き、ユナに力を示すよう促す。
「オーケー!」
ユナは快活に返事をすると、芝居がかった仕草で両手を天に掲げた。
「聖なる光よ、我が声に応え、その輝きを示したまえ!」
「もし失敗したら……あんな、誰からも必要とされない生活にはもう二度と戻らない!」
不安が渦巻く内心を必死に力に変え、彼女は祈り続けた。大げさな詠唱に応え、ユナの手のひらの間に、まばゆい光の球体が生まれる。それはみるみるうちに膨らみ、広間全体を昼間のように煌々と照らし出した。廷臣たちから感嘆の声が漏れる。しかし、その光はただまぶしいだけで、広間に漂う重く淀んだ空気は変わらない。瘴気に蝕まれた者たちの咳き込みが、ごく微かに聞こえてくる。
やがて光が消え、興奮の余韻が広間を支配する中、私の番が来た。
「あんなすごい光、私に出せるわけがない……!」
心臓が早鐘を打つ。鼓動が早まるたびに、先ほどまで胸に灯っていた熱い光が、みるみるうちに色褪せていくのを感じた。私の力は、あの光に比べれば砂粒ほどのもの。でも、きっと私にしかできないことがある。
それは、アロマやハーブの知識を活かした香りの力だ。この世界に満ちる『瘴気』は、この地のエネルギーの流れが淀んだものだと直感的に理解していた。ならば、香りでその流れを整える。それが私の信じる、空間を浄化する力だ。
「たとえ派手じゃなくても、私の信じるやり方で……! この人たちの苦しみを、少しでも和らげたい」
私は目を閉じ、大きく息を吸い込むと、ただひたすらに、この空間が清められることだけを祈った。夜明けの森の奥、静かな湖畔に咲く一輪の蓮の花を、心に思い浮かべて。
私の体から、目に見える光はほとんど放たれなかった。その代わり、私の息と共に、ほのかに甘く、しかし凛とした白檀の香りがゆっくりと広間を満たしていく。その香りはまるで静かな朝の森の息吹のように、重く淀んだ空気をすーっと押し流し、瞬く間に瘴気の暗い影を薄めていった。咳払いが次第に静まり、人々の顔に安堵と柔らかな微笑みが戻る。誰もが知らず知らずのうちに深く息を吸い込み、その清らかな香りに心を和ませていた。
老神官が、何かを言おうと口を開きかけた。しかし、王子は満面の笑みを浮かべたが、その瞳は鋭く冷たかった。彼は民衆の期待を背負い、自身の恐怖を隠している。
「この選択が正しくなくても、これで民の不安を一時的にでも鎮められるのなら……」
王子は、誰にも気づかれぬよう口元を歪めた。
「決まりだ。この国の伝承では、“より強き輝きを放つ者”こそ真の聖女。迷う必要はない」
老神官の声が割り込もうとしたが、王子の冷たい視線に押し返された。
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彼の声はかすかに震えていた。これは本心なのか、演技なのか――誰も判別できなかった。そして、彼はユナに向き直り、満面の笑みで高らかに宣言する。
「真の聖女は、ユナ殿だ!」
広間が、ユナへの歓迎と賞賛の歓声で満たされる。しかし、その歓声の裏には、老神官や一部の廷臣たちの戸惑いが、さざ波のように隠されているのを、私は聞き逃さなかった。ユナは勝ち誇った笑みを浮かべる。
「やっぱりね。だって私、この日のために何年も祈り続けてきたんだもん」
その声は甘いが、奥底には焦りのような何かが滲んでいるのを、私だけが気づいた。
喧騒の中、私の世界だけが音を失っていた。
必要とされる喜び。生まれて初めて感じた、確かな使命感。それらが、ほんの数分で、冬の川底の石のように冷え、粉々に砕け散った。自分の持つ、ささやかで、しかし本物だと信じていた「力」が、見た目の派手さという、あまりに表層的な価値観の前で、無価値だと断じられた。唇を強く噛み締め、両の拳を握りしめた。その手に力がこもると同時に、隣でざわめく廷臣たちの顔がちらついた。
「それでも……! 諦めない。私の力は、本物だ。誰かに認められなくても、私は信じて進む。」
その日、私は知った。
光は、必ずしも正しい者に宿るわけじゃない。
でも、私は私のやり方で、この国を救ってみせる。派手な魔法じゃなくても、この香りが奇跡を起こすと、私は信じる。
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