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第5話:【奇跡】民の知恵と、二人の絆
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私とカイ様の本当の戦いが始まってから数ヶ月が過ぎた。
その間にも王国の干ばつの被害は深刻化し民衆の不安は日に日に募っていく。大神官は人々の前に姿を現しては「聖女様が祈りを捧げておられる!希望を捨てるな!」と叫び全ての責任を私という存在に押し付けようとしていた。
彼にとって私は便利な象徴なのだ。成功すれば彼の手柄となり失敗すれば私を偽物として断罪し民衆の怒りの捌け口にできる。
その大神官がついに最後の大博打を打った。
「来る満月の日!聖女アリア様が王都の中央広場にて天に奇跡を乞う『雨乞いの儀』を執り行う!」
それは私に対する事実上の公開処刑宣告だった。
もちろん私に雨を降らせる力などない。儀式が失敗すれば待っているのは石打ちか火あぶりか。
絶望的な状況。だが不思議と私の心は穏やかだった。
なぜなら私はもう一人ではなかったからだ。
「……作戦通りいくぞ」
儀式の前夜、神殿の地下書庫でカイ様は集まった数人の男たちを前に低い声で言った。
そこにいたのは騎士ではなかった。白髪の背中の曲がった老人ばかり。一人は王家を引退した元高名な地質学者。一人は忘れ去られた古代の水路について唯一記憶しているという歴史家。そして数人の頑固そうな顔をした元土木技師たち。
カイ様はこの数ヶ月、騎士団の情報網を使い国中に散らばる見捨てられた「知恵」を探し出し密かに集めてくれていたのだ。
「ダムの構造は完全に把握した。あとは堰を合図と共に爆破するだけだ」
元土木技師の一人が自信ありげに言う。
彼らの計画はこうだ。王都の北にそびえる山の奥深くには古代に作られた巨大なダム湖が存在する。だがその水路は数百年前に土砂で完全に埋まり忘れ去られていた。彼らはその水路を数ヶ月かけて密かに掘り起こしていたのだ。
そして私が「祈り」を捧げるその瞬間にダムの堰を破壊し大量の水を干上がった王都の川へと一気に流し込む。
それが私たちが起こす「奇跡」の正体だった。
「……アリア」
作戦会議が終わった後カイ様が私の名を呼んだ。
「お前は本当にいいのか。これは国を神殿をそして神をも騙す大罪だぞ」
「いいえ」
私はきっぱりと首を振った。
「私たちがやろうとしていることは誰も騙すことではありません。誰か一人の犠牲に頼るのではなく忘れ去られた人々の知恵と協力で国を救う。それこそが本当の意味での『祈り』だと私は信じています」
私の言葉に彼は何も言わなかった。ただその氷のようだった瞳に初めて見る穏やかな誇りのような光を浮かべていた。
そして儀式の当日。
王都の中央広場は最後の希望を求めて集まった数万の民衆で埋め尽くされていた。乾いた大地はひび割れ空気は熱気と絶望で淀んでいる。
大神官が壇上から私を紹介する。
「見よ!我らが聖女アリア様が今、天に奇跡を乞う!」
私はゆっくりと祭壇の中心へと進み出た。
民衆のすがるような視線が痛いほど突き刺さる。
(怖い……)
足が震える。だが私は壇上の隅に立つカイ様の姿を視界に捉えた。
彼はただ静かに私を見つめている。その瞳が「俺がついている」と雄弁に語っていた。
私は意を決して目を閉じ天に両手を掲げた。
祈りを捧げる。
それは大神官が教えた空虚な美辞麗句ではない。
ただひたすらに願う。
(どうか届いて。私たちのこのささやかな人間の力が。この乾いた大地を潤して――!)
私が祈りの言葉を紡ぎ終えたその瞬間。
カイ様が懐から取り出した小さな手鏡を太陽にかざした。遠い山の頂へ向けたそれが作戦開始の合図だった。
数秒の永遠のように長い沈黙。
大神官の顔に嘲るような笑みが浮かび始めたその時だった。
ゴゴゴゴゴ……!
遠く地平線の彼方から地鳴りのような音が聞こえてきた。
広場がどよめく。
そして一人の子供が叫んだ。
「……み、水だ!川に水が!」
広場のすぐ脇を流れる干上がっていたはずの大河。そのひび割れた川底に勢いよく濁流が流れ込んできたのだ。
水はみるみるうちにその水量を増し乾ききっていた王都の水路を次々と満たしていく。
人々は最初何が起きたのか分からなかった。やがてそれが現実だと理解した瞬間、熱狂的な歓声の渦が広場を支配した。
「奇跡だ!聖女様が川を蘇らせた!」
「我らの国は救われたのだ!」
大神官が壇上に駆け上がり私の手を高々と掲げた。
「見よ!これぞ聖女様の御業なり!」
彼がこの奇跡をすべて自分の手柄にしようとしたその時だった。
「――お待ちください大神官様」
その狂乱を遮ったのはカイ様の静かでしかしどこまでも通る声だった。
彼は壇上の中央に進み出ると民衆とそして玉座からその様子を見守っていた国王陛下に向かって告げた。
「今起きたことは聖女様の奇跡ではありません」
広場が再び静まり返る。
カイ様は彼の後ろに控えていたあの白髪の老人たちを皆の前に促した。
「この国を救ったのは神の力ではない。忘れ去られていた古代の知恵。そしてこの国を心から憂いた名もなき民の力です」
彼はすべてを話した。古代のダムのこと。この老人たちが命がけで水路を掘り起こしたこと。
そして最後に私を指し示した。
「聖女アリア様の祈りは我々民に希望とそして共に困難に立ち向かう勇気を与えてくれた。それこそが彼女が起こした本当の『奇跡』なのです」
その言葉に民衆は今度こそ心からの万雷の拍手を送った。
それは偽りの偶像ではなく真の勇気と知恵に対する賞賛だった。
大神官はその場で崩れ落ちた。民の力を軽視し一人の少女を生贄にしようとした彼の罪は白日の下に晒された。彼の権威は完全に失墜した。
儀式の後、二人きりになった神殿のバルコニー。
眼下には蘇った川が月明かりを浴びて銀色に輝いていた。
「……終わったのですね」
「ああ。最初の戦いはな」
カイ様は穏やかな顔で言った。
「大神官は失脚するだろう。だがこの国を本当に立て直す戦いはこれからだ」
彼は私に向き直った。
「大神官は偽りの聖女を欲した。だが皮肉なことに彼は本物の指導者を生み出してしまった。お前は民の心を掴んだ。それも奇跡ではなくお前自身の力でな」
彼のそのあまりにも温かい賞賛の言葉。
「俺の当初の任務はお前を偽りの聖女として見張ることだった。だが今俺には新しい任務が必要だ」
彼はそう言って微笑んだ。それは私が初めて見る彼の心の底からの笑顔だった。
「この国を本当に救うことができるただ一人の人間。その護衛騎士という大役がな」
そして彼は私の手をそっと取った。
「アリア。俺と生涯を共に戦ってほしい。共犯者としてではなく対等なパートナーとして」
それはあまりにも不器用でしかしあまりにも誠実な愛の告白だった。
私は涙をこらえきれずにただ何度も頷いた。
私たちの本当の戦いはまだ始まったばかりなのかもしれない。
だがもう私たちは独りではなかった。
嘘から始まった私たちの物語は今この瞬間、国を救うという最大の真実へとたどり着いたのだから。
その間にも王国の干ばつの被害は深刻化し民衆の不安は日に日に募っていく。大神官は人々の前に姿を現しては「聖女様が祈りを捧げておられる!希望を捨てるな!」と叫び全ての責任を私という存在に押し付けようとしていた。
彼にとって私は便利な象徴なのだ。成功すれば彼の手柄となり失敗すれば私を偽物として断罪し民衆の怒りの捌け口にできる。
その大神官がついに最後の大博打を打った。
「来る満月の日!聖女アリア様が王都の中央広場にて天に奇跡を乞う『雨乞いの儀』を執り行う!」
それは私に対する事実上の公開処刑宣告だった。
もちろん私に雨を降らせる力などない。儀式が失敗すれば待っているのは石打ちか火あぶりか。
絶望的な状況。だが不思議と私の心は穏やかだった。
なぜなら私はもう一人ではなかったからだ。
「……作戦通りいくぞ」
儀式の前夜、神殿の地下書庫でカイ様は集まった数人の男たちを前に低い声で言った。
そこにいたのは騎士ではなかった。白髪の背中の曲がった老人ばかり。一人は王家を引退した元高名な地質学者。一人は忘れ去られた古代の水路について唯一記憶しているという歴史家。そして数人の頑固そうな顔をした元土木技師たち。
カイ様はこの数ヶ月、騎士団の情報網を使い国中に散らばる見捨てられた「知恵」を探し出し密かに集めてくれていたのだ。
「ダムの構造は完全に把握した。あとは堰を合図と共に爆破するだけだ」
元土木技師の一人が自信ありげに言う。
彼らの計画はこうだ。王都の北にそびえる山の奥深くには古代に作られた巨大なダム湖が存在する。だがその水路は数百年前に土砂で完全に埋まり忘れ去られていた。彼らはその水路を数ヶ月かけて密かに掘り起こしていたのだ。
そして私が「祈り」を捧げるその瞬間にダムの堰を破壊し大量の水を干上がった王都の川へと一気に流し込む。
それが私たちが起こす「奇跡」の正体だった。
「……アリア」
作戦会議が終わった後カイ様が私の名を呼んだ。
「お前は本当にいいのか。これは国を神殿をそして神をも騙す大罪だぞ」
「いいえ」
私はきっぱりと首を振った。
「私たちがやろうとしていることは誰も騙すことではありません。誰か一人の犠牲に頼るのではなく忘れ去られた人々の知恵と協力で国を救う。それこそが本当の意味での『祈り』だと私は信じています」
私の言葉に彼は何も言わなかった。ただその氷のようだった瞳に初めて見る穏やかな誇りのような光を浮かべていた。
そして儀式の当日。
王都の中央広場は最後の希望を求めて集まった数万の民衆で埋め尽くされていた。乾いた大地はひび割れ空気は熱気と絶望で淀んでいる。
大神官が壇上から私を紹介する。
「見よ!我らが聖女アリア様が今、天に奇跡を乞う!」
私はゆっくりと祭壇の中心へと進み出た。
民衆のすがるような視線が痛いほど突き刺さる。
(怖い……)
足が震える。だが私は壇上の隅に立つカイ様の姿を視界に捉えた。
彼はただ静かに私を見つめている。その瞳が「俺がついている」と雄弁に語っていた。
私は意を決して目を閉じ天に両手を掲げた。
祈りを捧げる。
それは大神官が教えた空虚な美辞麗句ではない。
ただひたすらに願う。
(どうか届いて。私たちのこのささやかな人間の力が。この乾いた大地を潤して――!)
私が祈りの言葉を紡ぎ終えたその瞬間。
カイ様が懐から取り出した小さな手鏡を太陽にかざした。遠い山の頂へ向けたそれが作戦開始の合図だった。
数秒の永遠のように長い沈黙。
大神官の顔に嘲るような笑みが浮かび始めたその時だった。
ゴゴゴゴゴ……!
遠く地平線の彼方から地鳴りのような音が聞こえてきた。
広場がどよめく。
そして一人の子供が叫んだ。
「……み、水だ!川に水が!」
広場のすぐ脇を流れる干上がっていたはずの大河。そのひび割れた川底に勢いよく濁流が流れ込んできたのだ。
水はみるみるうちにその水量を増し乾ききっていた王都の水路を次々と満たしていく。
人々は最初何が起きたのか分からなかった。やがてそれが現実だと理解した瞬間、熱狂的な歓声の渦が広場を支配した。
「奇跡だ!聖女様が川を蘇らせた!」
「我らの国は救われたのだ!」
大神官が壇上に駆け上がり私の手を高々と掲げた。
「見よ!これぞ聖女様の御業なり!」
彼がこの奇跡をすべて自分の手柄にしようとしたその時だった。
「――お待ちください大神官様」
その狂乱を遮ったのはカイ様の静かでしかしどこまでも通る声だった。
彼は壇上の中央に進み出ると民衆とそして玉座からその様子を見守っていた国王陛下に向かって告げた。
「今起きたことは聖女様の奇跡ではありません」
広場が再び静まり返る。
カイ様は彼の後ろに控えていたあの白髪の老人たちを皆の前に促した。
「この国を救ったのは神の力ではない。忘れ去られていた古代の知恵。そしてこの国を心から憂いた名もなき民の力です」
彼はすべてを話した。古代のダムのこと。この老人たちが命がけで水路を掘り起こしたこと。
そして最後に私を指し示した。
「聖女アリア様の祈りは我々民に希望とそして共に困難に立ち向かう勇気を与えてくれた。それこそが彼女が起こした本当の『奇跡』なのです」
その言葉に民衆は今度こそ心からの万雷の拍手を送った。
それは偽りの偶像ではなく真の勇気と知恵に対する賞賛だった。
大神官はその場で崩れ落ちた。民の力を軽視し一人の少女を生贄にしようとした彼の罪は白日の下に晒された。彼の権威は完全に失墜した。
儀式の後、二人きりになった神殿のバルコニー。
眼下には蘇った川が月明かりを浴びて銀色に輝いていた。
「……終わったのですね」
「ああ。最初の戦いはな」
カイ様は穏やかな顔で言った。
「大神官は失脚するだろう。だがこの国を本当に立て直す戦いはこれからだ」
彼は私に向き直った。
「大神官は偽りの聖女を欲した。だが皮肉なことに彼は本物の指導者を生み出してしまった。お前は民の心を掴んだ。それも奇跡ではなくお前自身の力でな」
彼のそのあまりにも温かい賞賛の言葉。
「俺の当初の任務はお前を偽りの聖女として見張ることだった。だが今俺には新しい任務が必要だ」
彼はそう言って微笑んだ。それは私が初めて見る彼の心の底からの笑顔だった。
「この国を本当に救うことができるただ一人の人間。その護衛騎士という大役がな」
そして彼は私の手をそっと取った。
「アリア。俺と生涯を共に戦ってほしい。共犯者としてではなく対等なパートナーとして」
それはあまりにも不器用でしかしあまりにも誠実な愛の告白だった。
私は涙をこらえきれずにただ何度も頷いた。
私たちの本当の戦いはまだ始まったばかりなのかもしれない。
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