62 / 66
61. 脱兎の如く生徒会室
しおりを挟む
「お前、田中だっけ?」
「…………中田……」
「中田ね、ふーん」
「……」
授業が終わると後席のヤンキーが今度は口頭で云ってきた。
普段は自ら壁のような僕なので別に誤りは気にしないが、人の名前を聞く前に自分の名前を名乗れと言いたい。
そもそも変態新聞部の二人組によって羞恥的な事態を引き起こされて遺憾の極意だけど、 しかしながら恥ずべきことに任せて僕はタカ先輩に抗議をしようと思うんだ!
い、いくら好きだからってですね。腐男子に首筋キスマークはルール違反だと思うんだよ……!
僕が脳内妄想するには、恥じらいのある平凡受けとか、やんちゃ強気受けが攻めのキスマークにあわわと慌てふためくのが道理なのぉ!!口調が若干変わってしまって定まらないのは恋愛事情の諸事情かどうか自分でもよくわからない。
放課後になっても、クラス的に人の眼が変わったように思えちょっとしたホラーを感じてしまい瞬間移動で生徒会室に向かった。
ドア付近を過ぎるまでは幾多の視線を感じたが、ヤツらは追いかけては来ない。
脱兎のごとく逃げるのも隠れるのも超一流の僕には敵うまい!!!!!
生徒会室のドアには『入室するときはノックする事』と紙が貼ってある。
(ん? 紙ーー?)
軽くなった頭部を再び両手で触れてみる。
「……」
このままじゃ入れない。そう思ってドアに貼ってある紙をそーっと剥がした。
手に持った『入室云々』の紙にはテープが残っていて、首元にあるアレを隠したいけど、まずはキュー〇ーのような前髪にその紙をぺたんっと貼り付けた。
目前は白いが歩けないことも無いな。
しっくりと馴染むとつい身を隠れそうなところを探したい衝動になったけど、真っ向から行こうと生徒会室のドアをノックした。
「…………中田……」
「中田ね、ふーん」
「……」
授業が終わると後席のヤンキーが今度は口頭で云ってきた。
普段は自ら壁のような僕なので別に誤りは気にしないが、人の名前を聞く前に自分の名前を名乗れと言いたい。
そもそも変態新聞部の二人組によって羞恥的な事態を引き起こされて遺憾の極意だけど、 しかしながら恥ずべきことに任せて僕はタカ先輩に抗議をしようと思うんだ!
い、いくら好きだからってですね。腐男子に首筋キスマークはルール違反だと思うんだよ……!
僕が脳内妄想するには、恥じらいのある平凡受けとか、やんちゃ強気受けが攻めのキスマークにあわわと慌てふためくのが道理なのぉ!!口調が若干変わってしまって定まらないのは恋愛事情の諸事情かどうか自分でもよくわからない。
放課後になっても、クラス的に人の眼が変わったように思えちょっとしたホラーを感じてしまい瞬間移動で生徒会室に向かった。
ドア付近を過ぎるまでは幾多の視線を感じたが、ヤツらは追いかけては来ない。
脱兎のごとく逃げるのも隠れるのも超一流の僕には敵うまい!!!!!
生徒会室のドアには『入室するときはノックする事』と紙が貼ってある。
(ん? 紙ーー?)
軽くなった頭部を再び両手で触れてみる。
「……」
このままじゃ入れない。そう思ってドアに貼ってある紙をそーっと剥がした。
手に持った『入室云々』の紙にはテープが残っていて、首元にあるアレを隠したいけど、まずはキュー〇ーのような前髪にその紙をぺたんっと貼り付けた。
目前は白いが歩けないことも無いな。
しっくりと馴染むとつい身を隠れそうなところを探したい衝動になったけど、真っ向から行こうと生徒会室のドアをノックした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
52
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる