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やっぱり敵です!
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「俺の嫁になってくれ」
僕が地下室に入るなりそう告げたあの男。嫁?嫁って言ったのか?反応に困ってミリアンヌに助けを求めるが
「貴様!ヴィント様を殺すと言ったくせに嫁だと?ヴィント様の目に入らぬよう細切れにしてやる!」
頼みの綱は般若の形相で殺害予告をしていました。どうしよ……うん、無視しよう!
「それであなたたちに聞きたいことがあるんだけど」
「「「「無視した!?」」」」
騎士さんたち全員につっこまれました。え~、僕にどうしろと?
「なぁ、嬢ちゃんなんで俺の方見ないんだ?」
「…………」
「なあってば」
あの男がしつこくそんなことを言ってくるが…見れない!みると僕の心臓が変な動悸起こすんだもん!無視、無視、無視…僕が自分に必死に言い聞かせていると
「団長。いい加減になさい。話が進まないでしょう」
美人系のお兄さんがあの男に拳骨を落とした。やった!僕の救世主だ!
「それに、何を言ってるんですか。こんな子供に対して貴方のような厳つい男が嫁になれだなんて…。呆れてものも言えませんよ」
……コドモ。こども。子供。この僕が子供。
「ふふ、ふふふふふ」
いきなり笑いだした僕に視線が集まるのを感じる。だからなんだ!あの男は僕を嬢ちゃんって呼ぶし、お兄さんに至っては子供だよ?
「僕はもう16才だ!嬢ちゃんでも子供でもない!!」
「「「えっ」」」
この瞬間にやっと地下室は静まり返った。なんでこのタイミングなの!?身長が低くても雰囲気が大人びてるでしょ!ほんっと失礼な人たち!
頭を撫でてくれるミリアンヌ。やっぱり僕の味方はミリアンヌだけだ!
※
「……ってな訳で俺たちはここまで来たんだ。いきなり攻撃なんかして悪かったな」
「まぁ、それに関しては別にいいよ。ただ次に僕の畑を踏んづけたら許さないから」
「あぁ、了解した」
あれからしばらくして落ち着いた地下室で、僕たちはお互いの誤解を解いていた。向こうが話を聞かなかったら強制的に森の外に送り返そうと思っていたんだけど…。必要なかったらしい。
「では、こちらの質問に答えてもらってもいいですか?」
「うん、いいよ。それで何かな?お兄さん」
「お兄さん…。いえ、ではまず貴女方がなぜこのような場所に住んでいるのですか?」
「え?誰かの私有地だった?」
「いえ、特に誰のものというわけではありませんが」
「そっか、う~ん…」
どうしよ。全部話した方がいいかな。でも信じられないかもしれないし…。ま、いっか。その時はそのときだよね。
「ミリアンヌも初めて聞くことだと思うんだけどね。僕、別の世界で死んでこの場所に転生したの。信じられないよね」
「ヴィント様…。そうだったのですか。でもお気になさらないでください。私には関係ありません!私はいつまでも貴女様の徒です!」
ミリアンヌはいつもと変わらぬ反応。ほっとしている自分に我ながら驚いてしまった。あんなに転生前は一人でいたかったのに。今の僕が少し怖い気もする。ミリアンヌに依存してしまっている気がして…。そんな空気をぶち壊すようにかけられた言葉。
「気にしなくていいぞ。俺はお前がなんだろうと変わらず愛してるからな」
しまった。思わずあの男を見てしまった。2m10㎝はあるだろう長身に、実践向きの鍛え上げられた体。無造作に揃えられた燃えるような赤い髪と瞳。その瞳になんだか、溶けてしまいそうなくらいの熱を感じてしまう。
おかしい。また、動悸が!それになんだか顔が火照ってる気がする。やっぱり魔法?
「どうした?顔が真っ赤だぞ?」
そう言ってくつくつと笑う男。なぜだろう、また顔に熱が!おかしい、おかしいぞ。僕。しっかりするんだ!
くっ、この男。やっぱり敵なんだな!
僕が地下室に入るなりそう告げたあの男。嫁?嫁って言ったのか?反応に困ってミリアンヌに助けを求めるが
「貴様!ヴィント様を殺すと言ったくせに嫁だと?ヴィント様の目に入らぬよう細切れにしてやる!」
頼みの綱は般若の形相で殺害予告をしていました。どうしよ……うん、無視しよう!
「それであなたたちに聞きたいことがあるんだけど」
「「「「無視した!?」」」」
騎士さんたち全員につっこまれました。え~、僕にどうしろと?
「なぁ、嬢ちゃんなんで俺の方見ないんだ?」
「…………」
「なあってば」
あの男がしつこくそんなことを言ってくるが…見れない!みると僕の心臓が変な動悸起こすんだもん!無視、無視、無視…僕が自分に必死に言い聞かせていると
「団長。いい加減になさい。話が進まないでしょう」
美人系のお兄さんがあの男に拳骨を落とした。やった!僕の救世主だ!
「それに、何を言ってるんですか。こんな子供に対して貴方のような厳つい男が嫁になれだなんて…。呆れてものも言えませんよ」
……コドモ。こども。子供。この僕が子供。
「ふふ、ふふふふふ」
いきなり笑いだした僕に視線が集まるのを感じる。だからなんだ!あの男は僕を嬢ちゃんって呼ぶし、お兄さんに至っては子供だよ?
「僕はもう16才だ!嬢ちゃんでも子供でもない!!」
「「「えっ」」」
この瞬間にやっと地下室は静まり返った。なんでこのタイミングなの!?身長が低くても雰囲気が大人びてるでしょ!ほんっと失礼な人たち!
頭を撫でてくれるミリアンヌ。やっぱり僕の味方はミリアンヌだけだ!
※
「……ってな訳で俺たちはここまで来たんだ。いきなり攻撃なんかして悪かったな」
「まぁ、それに関しては別にいいよ。ただ次に僕の畑を踏んづけたら許さないから」
「あぁ、了解した」
あれからしばらくして落ち着いた地下室で、僕たちはお互いの誤解を解いていた。向こうが話を聞かなかったら強制的に森の外に送り返そうと思っていたんだけど…。必要なかったらしい。
「では、こちらの質問に答えてもらってもいいですか?」
「うん、いいよ。それで何かな?お兄さん」
「お兄さん…。いえ、ではまず貴女方がなぜこのような場所に住んでいるのですか?」
「え?誰かの私有地だった?」
「いえ、特に誰のものというわけではありませんが」
「そっか、う~ん…」
どうしよ。全部話した方がいいかな。でも信じられないかもしれないし…。ま、いっか。その時はそのときだよね。
「ミリアンヌも初めて聞くことだと思うんだけどね。僕、別の世界で死んでこの場所に転生したの。信じられないよね」
「ヴィント様…。そうだったのですか。でもお気になさらないでください。私には関係ありません!私はいつまでも貴女様の徒です!」
ミリアンヌはいつもと変わらぬ反応。ほっとしている自分に我ながら驚いてしまった。あんなに転生前は一人でいたかったのに。今の僕が少し怖い気もする。ミリアンヌに依存してしまっている気がして…。そんな空気をぶち壊すようにかけられた言葉。
「気にしなくていいぞ。俺はお前がなんだろうと変わらず愛してるからな」
しまった。思わずあの男を見てしまった。2m10㎝はあるだろう長身に、実践向きの鍛え上げられた体。無造作に揃えられた燃えるような赤い髪と瞳。その瞳になんだか、溶けてしまいそうなくらいの熱を感じてしまう。
おかしい。また、動悸が!それになんだか顔が火照ってる気がする。やっぱり魔法?
「どうした?顔が真っ赤だぞ?」
そう言ってくつくつと笑う男。なぜだろう、また顔に熱が!おかしい、おかしいぞ。僕。しっかりするんだ!
くっ、この男。やっぱり敵なんだな!
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