もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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10章 海は広くて冒険いっぱい

416.ピカッと綺麗に

 本日もログイン。
 海獣の卵の様子は変わらず、ちょっぴりしょんぼりしながらリュウグウにレッツゴー。
 今日はリュウグウの呪いの浄化を試してみるよ。せっかく情報とアイテムをもらったからね。

「──とはいえ、普通に行って、秘宝を使わせてくれるものかな?」

 のほほんと考えなしに宮殿まで来たけど、そこで立ち止まっちゃった。
 秘宝って、重要なものだよね? 呪い解除がリュウグウにとって必要なこととはいえ、秘宝をよそ者に貸し出してくれるの?

「おや、もふもふ神さま、どうされました?」
「えっ……魚人さん?」
「そうですよー」

 宮殿の門衛さんに声をかけられたんだけど、僕の呼ばれ方がおかしかった気がするのは聞き間違い?

「……僕、モモだよ」
「はい、存じ上げてますよ、もふもふ神さま」

 ニコッと微笑みながら言われた。
 聞き間違いじゃなかったー!!
 顔が引き攣るのを感じる。門衛さん、もしかしてもふもふ教の信徒さんですか?

「……こんちゃー」

 とりあえず手を上げて挨拶してみる。
 すぐさま輝くような笑顔で「こんちゃー!!」と返ってきた。
 ……これは、もふもふ教信徒さんですね!

 異世界の住人NPCの魚人さんまで、すでに加入してるのかー。もふもふ好きっぽかったから、時間の問題だとは思ってたけど、予想より早かったなぁ。

 まぁ、僕の味方が増えたと思っていいはずだから、喜ぼう! うん、もふもふ教の勢力拡大速度に慄いてるとか、そんなことはないんだよ……?

「門衛さん、秘宝って僕に貸してもらえるものかなー?」
「秘宝を? 何にお使いになるんです?」

 不思議そうな顔をしてる門衛さんに、呪いとその解除法について説明した。
 すると、門衛さんは真剣な表情になり、力強く頷く。

「──そういうことでしたら、上司にお伺いしてみましょう。おそらく許可が出ると思います」
「ほんとに!? お願いしまーす!」

 とんとん拍子に進んでる。ラッキーだ。
 門衛さんは空中(水中?)に手を伸ばして、何かをつまむような仕草をしたかと思うと、しゃべり始めた。

「『こちら門衛A。詰所上役にお伺いしたいことがあります』」

 おお? 魚人さんって、不思議な連絡手段があるんだね?
 魚人さんたちの間で僕の話がすぐに広がった理由がわかったかも。この連絡手段で情報を共有してたんだ。

 門衛さんはしばらくやり取りをした後、頷いて僕を見下ろした。
 ちなみに、相手の声は聞こえなかったよ。だから、どんな風に話が進んだのかわからなくて、ちょっとドキドキする。話してる雰囲気から考えると、大丈夫そうなんだけど。

「上司が王族の方に話を通しまして、許可が出ました。ですが、秘宝を使用可能な場所は、宮殿内にある紅の間だけです。秘宝は、使用後すみやかに宝物庫にご返却お願いいたします」
「りょうかい! 借りられるだけ嬉しいよー。紅の間ってどこ?」
「宮殿が案内しますので、まずは宝物庫に行って、秘宝をお借りください」

 にこやかに宮殿内へ促された。
 流れに身を任せればいい感じだねー。よし、行こう!

「わかったよー。じゃあ、いってきます!」
「いってらっしゃいませ」

 手を振って見送ってくれる門衛さんに手を振り返したら、凄く嬉しそうな顔をされた。完全にもふもふ教信徒だねー。

 宮殿に尋ねながら宝物庫に行き、その前で警備をしてる魚人さんたちにビシッと挨拶をされて中に入った。
 今回はモフられなかったよ!
 どうしてだろう、と喜びながらも首を傾げちゃった。

 警備さんたちは「もふもふ神さまに、気軽に触れるべからず!」「もふもふ神さまのご意思を何より重視すべし!」と言いながら、伸びかけた手を押さえて立礼してくれて──そこはかとなく、もふもふ教の教育の気配を感じるぅ……。

 もふもふ教って実は怖い集団? という思いが頭をよぎったけど、気づかなかったことにします!
 みんな可愛いもふもふを愛する素敵な人たちだもんね(自己暗示)

「秘宝げっとー」

 置かれている秘宝に触れたら、アイテムボックスに入った。
 アイテムには『貸出中(期限三十分)』と表示されてる。三十分以内に返しにこないといけないみたい。

 急げー!
 確か、秘宝を盗んだら罰が下るって話があったもんね。期限内に返せなかったら、なんか怖いことが起きちゃうかも。

 とっとこ、と駆けながら宮殿に尋ねる。

「紅の間はどこー?」

 ぴょこんと現れた矢印くんに従い、宮殿内を進んだ。上の方に向かってるような?

 途中で魚人さんや海エルフさんに出会ったけど、みんな僕の事情を知っているらしく、「もふもふ神さまファイトー」「ウサギちゃんがんばってねー」と声援をもらった。
 ちょっぴり駅伝選手になった気分だよ。応援ありがとー。

 しばらく駆けたら、やっぱり宮殿の上部に辿り着いた。
 矢印で示された突き当たりの部屋に飛び込むと、そこは赤珊瑚で作られた空間だった。
 展望室みたいな感じで壁には窓がたくさんあって、リュウグウの街を一望できる。

「見晴らしがいいねー」

 ちょっぴり景色を楽しんでから、時間制限があったことを思い出してハッとした。

 宝物庫からここまで十分弱。
 帰りも駆ければ余裕で返却期限に間に合いそうだけど、途中で何が起こるかわかんないんだから、急ぐに越したことはないよね。

「確か、秘宝を神雫の欠片ディロゼ・ド・モルソーと一緒に使えばいいんだよね?」

 ラファイエットさんに教えられたことを思い出しながら、アイテムボックスから秘宝と神雫の欠片ディロゼ・ド・モルソーを取り出して、両手に持つ。

 すると、青い丸玉の秘宝がキラキラと輝き始めた。秘宝の中で、まるで海が満ちては引くように複雑な波紋が生じる。
 同時に、神雫の欠片ディロゼ・ド・モルソーも白く輝き始めた。

 秘宝から生まれる青い光を神雫の欠片ディロゼ・ド・モルソーが吸収し、白い光が強くなっていく。

「綺麗……だけど、光が強いよぉ……」

 まぶしい!
 あまりに綺麗だから、目を瞑るのはもったいない。だから、薄目を開けて、じっと変化を見守る。

 白い光は紅の間の中を照らし、キラキラと輝かせた。そして、部屋におさまらずに溢れた光がリュウグウへと降り注ぐ──

「……おお、スノウドームの中にいるみたい」

 白い光の粒が街にゆっくりと舞い落ちる。
 それに気づいたリュウグウの住人たちが、不思議そうに手を差し伸ばしたり、楽しそうに歓声を上げたりしていた。

〈リュウグウ汚染度が89%になりました〉
〈シークレットミッション【救いの道を求めて】をクリアしました。報酬として称号【救世主】とアイテム【大海の冠オーシャンズ・サークレット】が贈られます〉

――――――
称号【救世主】
 世界を救う者に贈られる称号
 パーティ内の異世界の住人NPC・テイムモンスターの全ステータスが3%上昇する

大海の冠オーシャンズ・サークレット】レア度☆☆☆☆
 海の魔力が込められた青銀のサークレット
 装備すると、水属性攻撃力・耐性が10%上昇する
――――――

 あれ? これ、一回浄化するだけでミッションクリアできるんだ?
 汚染度は高いみたいだから、みんなで取り組んだ方がよさそうではあるねー。

 報酬で称号をもらえるのは結構惹かれる人が多そうだし、みんなにがんばってもらうために、情報を広げておこう!

 ……僕が持ってる称号がどんどん凄いことになってる気がするなぁ。

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