もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

文字の大きさ
457 / 661
11章 夏の海ではしゃいじゃお

423.バトル開始?

 バトルをするなら、まずは敵の情報を集めなきゃ。
 事前に集められたらよかったんだけどなぁ。とりあえず、全鑑定スキルを使ってみよう。

 瞬く金色の目を見据えて、スキルを発動すると……

――――――
宿借蛸パクルオクト
 水属性モンスター。タコとヤドカリのキメラのような姿をしている
 六本の触腕と二本の鋏を持つ
 体格に合わせた貝殻を見つけると乗っ取り、基本的には出てこなくなる
 主に、鋏を使ったスキル【ハサミ切り】と触腕によるスキル【拘束】【絞め上げ】【薙ぎ払い】で攻撃する
 巨大化した個体は、エリアボス並みの強さを持つ
 得意属性【火】苦手属性【風】
――――――

 鑑定結果を見て、思わず首を傾げちゃった。

「つまり、タコなの? ヤドカリなの?」
「どっちの要素もあるってことだろ」

 僕と同じく敵を鑑定したようで、ルトが肩をすくめながら答えてくれた。
 タコでヤドカリかぁ……ちょっと不気味な見た目な気がするね。今の状態じゃ、目くらいしか見えないけど、攻撃したら出てくるのかな。

「タコなら、このモンスターが海精霊シーフェアリーたちが嫌ってる悪魔の可能性もあるかな」

 前に海精霊シーフェアリーの里に行った時、海精霊シーフェアリーたちがタコを悪魔って呼んで、嫌ってるっていう情報を入手したんだよね。

 海精霊シーフェアリーの里まで僕とタマモを乗せて行ってくれたカメのキークンはタコが好物だったみたいだし……リュウグウ内ではタコって特別な存在なのかも。

 特に、この宿借蛸パクルオクトっていうタコ(?)は、リュウグウと海精霊シーフェアリーの里に近い重要地点を陣取っているわけで……

「──海精霊シーフェアリーに倒したことを報告したら、またシークレットミッションを引き当てちゃうかも?」
「は? なんで」

 心底不思議そうにするルトに、現時点でわかっている情報を伝えると、「また、このウサギはよくわかんないフラグを立てやがって……」と呆れた顔をされた。

 そろそろ変なフラグ立てを僕の特技にしてもよさそうだよね! ──なんて、ちょっぴりやけっぱちな気分で考えながら、宿借蛸パクルオクトを見据える。

 どうでもいいけど、このタコの名前、ひどくない?
 パクるって、返すつもりないってことじゃん。

「とりあえず、戦ってみようよ。ミッションを引き当てられたらラッキーってことでいいでしょ」

 リリがニコニコと微笑みながら僕たちに準備を促した。
 ルトは「それ、ラッキーなのか?」とぼやきながらも、装備の確認を済ませ、僕に視線を向ける。

「モモはそのまま戦えそうか? 現状、パーティ制限はなさそうだから、このままパーティを二つ維持した状態でバトルを始めようと思うけど」
「パーティが一つに制限されそうだったらどうする?」
「モモがよければ、俺とリリのパーティが先攻で戦いたい。テイムモンスの数を調整して、モモがこっちに入る感じでもいいぞ」

 ルトに言われて、ちょっと考えてから頷く。

 別に僕は初討伐特典とかがどうしても欲しいとか思わないし、それより未知の敵との戦いを回避したい気持ちの方が強いもん。ルトたちが先に戦ってくれるならありがたい。

 ルトたちに倒された後、宿借蛸パクルオクトが復活せずに、僕が戦わなくて済む可能性もあるし、できれば様子見したいな。
 まぁ、このまま二つのパーティでバトルになだれ込む可能性の方が高い気がするけど。

「おっけー。パーティ制限があったら、僕たちは後攻にするね」

 戦う準備はバッチリ! ここに来るまでに、バトルのシミュレーションはしておいたんだ。
 こんなに大きな敵を相手にすることは想定してなかったけど、水属性なのは変わらないし、なんとかなるでしょ。


「んじゃ、先手は俺から──というか、ビアンに頼むな」
「キュルルン!」

 ルトが好戦的な笑みを口元に浮かべ、ビアンに視線を向ける。ビアンはその眼差しに答えるように、高らかに鳴き声を上げた。
 気合い十分だね! ビアンがどんな戦い方をするのか、僕も楽しみだなー。

「ビアン、宿借蛸パクルオクトに【水流鉾】だ!」
「キュルルンッ」

 ビアンがルトの指示に応え、すぐさま先端を尖らせた渦巻く水を敵の目に向けて放った。
 勢いがあってカッコいいスキルだ。ペタが使う【渦】スキルとは違う感じ。

「──デビィリアアアッ」
「ほえっ!?」

 尖った水が貝殻の隙間に飛び込んだ直後に、大音量の悲鳴のような鳴き声が聞こえてきてびっくりしちゃった。
 これ、宿借蛸パクルオクトの鳴き声?

〈〈とあるプレイヤーにより、デビル系モンスター【宿借蛸パクルオクト】との特殊バトルが開始しました。宿借蛸パクルオクトのテリトリー内にいるパーティが戦闘に参加可能です〉〉

 まさかの、ワールドアナウンス、だと……!?
 この言い方だと、もしかしてレイドバトルみたいな感じ?

 それに、宿借蛸パクルオクトの前に言われた『デビル系モンスター』って言葉が気になる。
 やっぱり悪魔なの? 海精霊シーフェアリーが嫌ってる悪魔って、このタコのこと?

宿借蛸パクルオクトとの特殊バトルに参加しますか?〉

 不意に聞かれて、すぐさま「もちろん参加するよ!」と答えた。
 これでルトたちと一緒に戦えるね。

〈〈パーティ【金銀とイルカ】とパーティ【もふっとウサちゃん&フレンズ】が参加表明しています。宿借蛸パクルオクトの攻撃開始まで残り十分です〉〉

 ワールドアナウンスでパーティ名が披露されちゃったー。
 あ、もちろん『もふっとウサちゃん&フレンズ』が僕のパーティ名だよ。実は前から名前を付けてたんだ。

「……お前、わかりやすいけど、そのパーティ名はどうなんだ?」
「ルトに言われたくないよ」

 ジト目を向けられたけど、ルトたちのパーティ名も大概だと思う。
 でも、変に厨二病を発揮してないのはよかったかもしれない。厨二的な名前をワールドアナウンスで出されたら、ちょっと恥ずかしいもんねー。

〈〈宿借蛸パクルオクトの攻撃開始まで残り九分です。パーティ【輝かしき勇者と仲間たち】が参加表明しました〉〉

 あ、早く攻撃開始しなきゃ──って、知らないパーティが参加してきた!?
 どこにいるの?

 突然のアナウンスにきょろきょろと周囲を見回す。
 攻撃を始めようとしてたルトも、つんのめった感じで止まった。

「……厨二病?」
「すごい名前だね」

 微妙そうな表情のルトの呟きに、リリが感心した雰囲気で応じる。

「だよねー。僕はなんとなく心当たりがあるよ……」

 ユウシャって名前の知り合いがいるから。

 ……知り合いってだけで、友だちじゃないよ!
 だから、ルトはそんなにドン引きした目で僕を見ないでほしいな!

感想 3,053

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

『彼を解放して!』とおっしゃいましたが、何から解放されたいのですか?

シエル
恋愛
「彼を解放してください!」 友人たちと教室に戻ろうとしていると、突如、知らない令嬢に呼び止められました。 「どなたかしら?」 なぜ、先ほどから私が問いかける度に驚いているのでしょう? まるで「え!?私のこと知らないの!?」と言わんばかりですけれど、知りませんよ? どうやら、『彼』とは私の婚約者のことのようです。 「解放して」とおっしゃっいましたが、私の目には何かに囚われているようには見えないのですが? ※ 中世ヨーロッパモデルの架空の世界 ※ ご都合主義です。 ※ 誤字、脱字、文章がおかしい箇所は気付いた際に修正しております。

(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・

青空一夏
恋愛
私はダーシー・オークリー女伯爵。愛する夫との間に子供はいない。なんとかできるように努力はしてきたがどうやら私の身体に原因があるようだった。 「養女を迎えようと思うわ・・・・・・」 私の言葉に夫は私の妹のアイリスのお腹の子どもがいいと言う。私達はその産まれてきた子供を養女に迎えたが・・・・・・ 異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定。ざまぁ。魔獣がいる世界。

【完結】精霊に選ばれなかった私は…

まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。 しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。 選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。 選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。 貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…? ☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

空港清掃員58歳、転生先の王宮でも床を磨いたら双子に懐かれ、国王に溺愛される

木風
恋愛
羽田空港で十五年、黙々と床を磨いてきた清掃員・田中幸子(58)は事故死し、没落寸前の子爵令嬢エルシアとして転生する。 婚約破棄の末に家を追われた彼女が選んだのは、王宮の清掃員――前世の技で空気まで変わるほど磨き上げていく仕事だった。 やがて母を亡くした双子王子王女に懐かれ、荒れた執務室の主である喪中の国王とも距離が縮まり……。 「泣くなら俺の胸で」――床も心も磨き直す、清掃令嬢の溺愛成り上がり。

番外編・もふもふで始めるのんびり寄り道生活

ゆるり
ファンタジー
『もふもふで始めるのんびり寄り道生活』の番外編です。 登場人物の説明などは本編をご覧くださいませ。 更新は不定期です。

畑の隣にダンジョンが生えたので、農家兼ダンチューバーになることにした件について〜隠れ最強の元エリート、今日も野菜を育てながら配信中〜

グリゴリ
ファンタジー
 木嶋蒼、35歳。表向きは田舎で農業を始めて1年目の、どこにでもいる素朴な農家だ。しかし実態は、内閣直轄の超エリート組織・ダンジョン対策庁において「特総(特別総括官)」という非公開の最高職を務める、日本最高峰の実力者である。その事実を知る者は内閣総理大臣を含む極少数のみ。家族でさえ、蒼が対策庁を早々に退庁したと信じて疑わない。  SSSランクのテイムスキルと攻撃スキル、SSランクの支援スキルと農業スキルを18歳時に鑑定され、誰もが「化け物」と称えたその実力を、蒼は今日も畑仕事に注ぎ込んでいる。農作物の品質は驚異的に高く、毎日の収穫が静かな喜びだ。少し抜けているところはあるが、それもご愛嬌——と思っていた矢先、農業開始から1年が経ったある朝、異変が起きた。  祖父母の旧宅に隣接する納屋の床に、漆黒に金の縁取りをしたゲートリングが突如出現したのだ。通常の探索者には認識すらできないそれは、蒼だけが見えるシークレットプライベートダンジョン——後に「蒼天の根」と呼ばれることになる、全100階層の特異空間だった。  恐る恐る潜ったダンジョンの第1層で、蒼は虹色に輝くベビースライム「ソル」と出会い、即座に従魔として契約。さらに探索を進める中でベビードラゴンの「ルナ」、神狼種のベビーシルバーウルフ「クロ」を仲間に加えていく。そしてダンジョン初潜入の最中、蒼の体内に「究極進化システム」が覚醒する。ダンジョン内の素材をエボリューションポイント・ショップポイント・現金へと変換し、自身や従魔、親しい者を際限なく強化・進化させるこのシステムは、ガチャ機能・ショップ機能・タスク機能まで備えた、あまりにもチートじみた代物だった。  蒼は決める。「せっかくだから配信もしよう」と。農家兼ダンチューバーという前代未聞のスタイルで探索者ライセンスを取得し、「農家のダンジョン攻略配信」を開始した彼の動画はじわじわと注目を集め始める。  そんな中、隣のダンジョンの取材にやってきたのが、C級探索者ライセンスを持つ美人記者兼ダンチューバー・藤宮詩織だった。国際探索者協会の超エリート一家に生まれながら自らの道を切り開いてきた彼女は、蒼の「農家なのになぜかとても強い」という矛盾に鋭い鑑定眼を向ける。  隠れ最強の農家配信者と、本質を見抜く美人記者。チート級の従魔たちが賑やかに囲む日常の中で、二人の距離は少しずつ縮まっていく。ダンジョン攻略・農業・配信・ガチャ・そして予期せぬ大事件——波乱と笑いと感動が交錯する、最強農家の新米配信者ライフが、今幕を開ける。

死にたくないので、今世は「悪女」の看板を下ろして「聖女」の利権を奪い尽くします

あめとおと
恋愛
「死に様なら、もう八通りも見てきたわ」 公爵令嬢レオノーラは、義妹ミアを「聖女」として引き立てるための「悪役」として、九回の人生をループしてきた。 どれほど善人に振る舞おうと、どれほど婚約者の王太子に縋ろうと、最後は常に処刑台か追放。 すべては、周囲の好感度を強制的に書き換えるミアの「偽りの奇跡」のせいだった。 十度目の十六歳。 累計八十年の人生を経験し、精神年齢も魔導知識も「枯れた」域に達したレオノーラは、ついに決意する。 「いい子を演じるのは、もう飽きたわ。今世は悪役令嬢らしく、あなたの『幸運』をすべて奪い尽くしてあげる」 ミアが手に入れるはずだった【癒やしの聖杯】を先回りして献上し、 ミアの信奉者になるはずだった【最強の騎士団長】を魔導の力で救済して味方につけ、 王太子との「思い出の場所」を物理的に整地してバラ園に変える。 「あら、殿下。ゴミ(思い出)を片付けて何が悪いのかしら?」 冷徹に、そして優雅に「ざまぁ」を完遂していくレオノーラ。 そんな彼女の前に、前世では「死神」と恐れられた隣国の皇帝ギルバートが現れる。 彼は、聖女の補正が効かない唯一の男。そして、誰よりも重すぎる独占欲を抱えた男だった――。 「君は世界を奪え。私は、そんな君を奪うとしよう」 これは、九回殺された悪役令嬢が、十回目で「真の幸福」と「最強の地位」を力ずくでもぎ取る、逆転無双の物語。 【全10話+後日談 完結まで投稿済 最終投稿は3/27】