もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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11章 夏の海ではしゃいじゃお

467.お祝い会でまた一騒動

 祝福の声が静まってきたところで、アナウンスが聞こえた。

〈シークレットミッション【精霊の陣地争い】を勝利でクリアしました〉
〈勝利貢献度により報酬としてアイテム【精霊召喚石(海)】✕10、【水の調べ】が贈られます〉

——————
【精霊召喚石(海)】レア度☆☆☆☆☆
 海精霊シーフェアリーを召喚できる石
 召喚可能時間は三十分
 海精霊シーフェアリーを召喚している間は、パーティ枠を一つ消費する
〈効果〉
 パーティ全体の水属性耐性を50%、火属性に対する攻撃力を30%上げる

〈水の調べ〉
 透明な石でできたオカリナ
 吹くと涼やかな音がする
 水属性の敵の攻撃力を10%下げる
 三十分に一回使用できる
——————

 ほうほう……
 そういえば、これって、シークレットミッションだったね! 凄くたくさんの人に知れ渡ってるから、全然シークレット感がなかったけど。

 とりあえず、目的だった【精霊召喚石】をたくさんゲットできて嬉しい~♪
 効果も結構よさそうだね。
 アクセサリーやスキルと違って、使ったらなくなっちゃうのがちょっと悲しいけど。

 追加でもらった【水の調べ】は、効果が小さくても何度も使えるからいいね!
 オカリナを吹くのも楽しそうだし。

「わぁい、報酬もらえたー」
「精霊召喚石は、海中窟ダンジョンで役立ちそうだな」

 両手を上げて喜んでる僕のそばで、ルトは満足そうに頷いてる。
 他のみんなも歓声を上げてて……これはもしかして、王様派閥に協力した人がほとんどいない感じ?

「お、このままパーティーが始まるみたいだぞ」

 オジさんが嬉しそうに言う。
 視線の先には、海精霊シーフェアリーが運ぶ料理があった。お腹空いてたのかな?

「本日二度目のパーティー!」
「さすがに、そんなに腹減ってねぇな……」

 僕はルンルンと飛んで料理の観察を始めたけど、ルトはちょっと食傷気味。さっきのパーティーで結構たくさん食べたもんね。

「料理の種類も、宮殿で出ていたのとあまり変わらなくない?」
「え……確かに、そうかも?」

 リリに言われてよく観察してみると、見覚えのある料理がちらほら──どころか大量に見つかった。
 もしかして、海園遊会とこっちのパーティーは同じところで料理が作られてる? ちょっとしょんぼりしちゃうー。

 ルンルンとしていた気分が萎んで、がっくりと肩を落とした僕の頬を、リリがツンツンとつついた。

「モモなら自分で美味しいご飯作れるでしょ」
「そうだけどー……」
「あ、飯といえば!」

 不意にオジさんが声を張り上げた。
 どうしたのー? 今の僕はちょっとやさぐれてるから、優しい対応はできないかもよー?

 ジトッと見上げた僕の前にオジさんがしゃがみ、キラキラとした目を向けてきた。
 急に少年みたいな顔してるじゃん……おじさんなのに。

「──もふもふ愛ランドで、宿借蛸パクルオクトを使った料理を作ったんだろう? 俺も作ってほしいなー、なんて」

 お願い、と手を合わせるオジさんは、おじさんのくせにちょっとあざとい可愛げがある。なんで。

「……作るのはいいけどぉ、僕、もう宿借蛸パクルオクトを持ってないよ?」

 残念ながら、この前の海鮮パーティーで使い果たしちゃったからね。
 まだお店の買取にも宿借蛸パクルオクトが入ってきてないし。

「俺が狩った分があるぞ!」

 オジさんがニコニコと笑いながら、宿借蛸パクルオクトの触腕を次々とアイテムボックスから取り出した。

「多いよ! え、どんだけ狩ったの!?」

 ギョッとしちゃう。
 これ、一回戦っただけでゲットできる量じゃないよね? つまり、オジさんは──

「レベリングしたいから、今周回中なんだよ」

 グッとサムズアップしたオジさんを見て、僕は「さ、さすが、攻略組……」と呟くしかなかった。

 正直、ちょっと引きました。
 宿借蛸パクルオクトくん、カワイソウ……。

 でも、また宿借蛸パクルオクトを食べられるのは嬉しいから、遠慮なく受け取るよ。
 何を作ろうかなー。

「オジさん、さすがっすね」
「俺のもふもふたちのおかげだけどな」
「あ、そういえば、今日はもふもふちゃんたちいないんですかー?」

 ルトの称賛にオジさんが肩をすくめると、リリが輝いた目で問いかけた。

「もふもふちゃん?」

 リリの言葉を拾って、僕は首を傾げる。
 とても魅力的な言葉が聞こえた気がするね?

「うん。オジさんはテイマーさんなんだよ。しかも、テイムしてる子みんな、もふもふ可愛いの! さすがモフ好きーなおじさん!」
「なるほどー……とっても気になる!」

 僕の疑問はリリの説明で解消された。オジさんのテイムモンスターへの興味が一気に高まる。
 僕はオジさんをジッと見つめてみた。

「いや、そんな気にするほどでも……もふうさ君には敵わないだろうし……」

 オジさんが苦笑しながら「──でも、まあ、見たいんなら召喚しようか?」と言ってくれたから、僕は間髪入れずに「うん!」と頷いた。

 でも、同じタイミングでザワザワとざわめきが聞こえてきて、そっちに全員の意識が向く。

 海精霊シーフェアリーたちが僕たちを凝視して、口々に何かを叫んでいた。

 みんなが一斉に声を出してるから、言葉の一つ一つを拾うのが難しい。それでも、耳を澄ませばいくつかの単語が理解できた。

『タコ──!』
『憎き悪魔──!』
『──タコ野郎──!?』
『でも──足だけ──?』

 これ絶対、オジさんが取り出した宿借蛸パクルオクトのせいで起きた騒ぎでしょ!
 海精霊シーフェアリーが凝視してるのも、僕たちというより宿借蛸パクルオクトの触腕だし!

 慌てて宿借蛸パクルオクトを隠そうとして、ふと手が止まった。
 海精霊シーフェアリーたちの一部が、キラキラした目で僕たちを見てる気がする?

『あー……すまん、そこのモフモフ君』
「僕はモモだよ」

 反射的に言葉を返しながら声の主を見て、僕はちょっと固まった。
 だって、声を掛けてきたのは海精霊シーフェアリーの王様だったんだもん。

 王様は結果発表前よりちょっと明るい雰囲気になってて、宿借蛸パクルオクトの触腕をじっと見つめてる。

『それは失礼。我が名はダロン。海精霊シーフェアリーの王の地位にある者だ』
「……どうも、こんちゃー」

 ようやく王様の名前を知れたネ!
 ……とりあえず挨拶してみたけど、これ、どういうイベントが起きてるの??

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