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12章 美味しいもの大好き!
487.ガラスは取り扱い注意
驚きの水獺竜情報はおいといて。
僕は「はいどーぞ」とお土産を差し出した。
ウサギ柄の包装に包まれたそれを、レアナさんが「ありがとう」とにこやかに受け取る。
モンちゃんは何故か爆発物でも見るかのような、警戒心に満ちた目で凝視していた。
失礼だなぁ。ちゃんと美味しいものなのに。
「可愛らしいわね」
「見た目と中身のギャップがヤバいパターンだろ。コイツそっくり」
「モンちゃん、それ、どういう意味!? 僕の見た目と中身のギャップがヤバいみたいな言い方しないでよー」
プンプン、と怒って僕が抗議すると、モンちゃんに半眼で見据えられた。
「……自覚ないのか」
「なんのこと??」
じっと見つめ合う僕とモンちゃんを、レアナさんが微笑ましげに見比べる。
「ふふっ、楽しそうね、二人とも。仲がいいのは素敵なことよ」
「仲良くねーよ」
「うん、僕たち仲良し!」
同じタイミングで正反対のことを言った僕たちに、レアナさんは「やっぱり気が合うのね」とクスクス笑った。
モンちゃんはそっぽを向く。
重ねて否定しないってことは、実は仲がいいことを認めてるんだ。モンちゃんって素直じゃないよねぇ。
「……ニヤニヤ笑ってんなよ、ウサギ」
「そんな変な笑い方してないもん! それと、僕のことウサギって呼ばないで。モモだよ!」
「知ってる。ウサギ」
「わかってないじゃんー!」
ペシペシと机を叩いて僕が抗議したら、モンスフードを食べ終えたラッタンが楽しそうに真似をした。
「らっぴゅ、らぴゅぴゅー(ぺし、ぺし、ぺしぃ♪)」
可愛い。
僕の曲『もふもふプリティ』のリズムと似た叩き方なのは、最近レコーディングしてたくさん歌ったからかな。
覚えが早くて、応用力あるなんて、ラッタン優秀!
「すげぇ親バカな気配を感じた……」
「もふもふはすべからく可愛いからしかたないね」
「開き直ってんじゃねーよ。あと、可愛いのはもふもふだけじゃなくて、全モンスだ。敵意がなけりゃ、すべからく尊ぶべし」
「もふもふ至上主義を超える、だと……!?」
さすが世界一のテイマーのモンちゃん。全モンスター推しで、一番好きなのは王鮪というだけある。
正直、その好みはわりと変人の域に入ってると、僕は密かに思ってます。
「不本意なことを考えられている気がする……」
「モンちゃんって察しが良すぎるところあるよね」
「それ、自白してるよな? ぁあ? お前、なに考えた?」
モンちゃんが凄んで言うけど、僕が「てへぺろっ」とお茶目に返したら、脱力した感じで目を逸らした。
多少の苛立ちを感じていたとしても、全モンスター推しのモンちゃんは、僕のもふもふパワーが通用するのだ。もふもふの効果はバツグンだぁ。
「らぴゅ(てへぺろぉ)」
ラッタンが僕を真似て、テヘッと笑いながら舌をチョロッと出した。
思わず、僕はモンちゃんと真顔で見つめ合う。
「僕の真似っ子なラッタン、可愛すぎない!?」
「……異議なし」
モンちゃんと意見の一致を得ました。握手。
「あら……綿菓子?」
マイペースにお土産の包装を開けたレアナさんが、中を見て楽しそうに呟く。
モンちゃんは「綿菓子?」と不思議そうに復唱しながら横から覗き込んだ。
「そうだよ。お土産は綿菓子なんだ~。僕のもふもふさを表現しました!」
えっへん、と胸を張って言う。
お土産はウサギの形をした綿菓子。丸い玉にうさ耳が付いてる感じの形なんだよ。
しかも、こだわったのは可愛い見た目だけじゃない。実はふわふわの綿菓子の中には驚きが隠れてるんだ。
「へぇ、こんなもん作るなんて器用だな」
手のひら大の綿菓子を眺めてから、モンちゃんがカプッと耳から食べる。
「ああ……そこから食べたら、残るのはただの丸い玉……」
ウサギ要素がなくなったことを僕が大げさに嘆くと、モンちゃんは「ウサギの頭を齧ってるように見える方がグロくないか?」と、ご尤もなことを言った。
「まあ、中から星が出てきたわ」
耳を残して顔面から食べるという大胆な食べ方をしたレアナさんが、綿菓子の真ん中に詰め込まれた星型のクッキーに目を輝かせる。
そのクッキー、すごくホロホロで美味しいんだよー。綿菓子で甘くなった口をちょっと和らげてくれる絶妙な甘さに調整してあるし。
「……俺のはハートだ」
「僕の想いをたっぷり込めました♡」
「気色悪いな」
茶目っ気を出して手でハートマークを作って言ったのに、返ってきたのは冷たい言葉。
僕はとっても傷つきました。
「悪口が端的すぎてひどい。僕のガラスのハートにヒビが入りました。慰謝料を要求します」
「ガラス? オリハルコン製じゃね?」
モンちゃんに心底不思議そうな顔をされた。
「誰が、世界で最も硬い金属製の心の持ち主じゃい! 怒りのあまりキャラ変しちゃうぞ、こんにゃろー!」
ちなみに、幻の金属といわれるオリハルコンは、この世界では最も硬い金属として、高値で取り扱われているらしい。まだ、僕が行けるフィールド上では採集できないよ。
「このクッキー、ホロホロで、口に入れたら溶けてなくなるような食感が面白いわね。味も甘すぎなくて美味しいわ」
「レアナさん、超マイペース……でも、褒めてくれてありがとう」
僕たちのやり取りをスルーしてお菓子を楽しんでくれているレアナさんに、すごく慣れを感じた。
こうして僕の周りの人たちは、僕に染まっていくんだね。
「らぴゅ(ラッたんも、モモのハート欲しぃ)」
「たくさんあげるよ!」
ラッタンにハートクッキーをたくさん渡した。
僕のハートを欲しがるラッタン、可愛すぎる。
「らぴゅ(【頬張る】よぉ)」
「あれ? 今、スキル使った?」
パクッとハートクッキーを食べたラッタンが、頬を両手で押さえて「らぴゅ(うままぁ)」と幸せそうな顔をする。
可愛いなぁ──じゃなくて、なんで今スキル使ったの??
キョトンとする僕の前で、ラッタンが脇にズボッと手を突っ込み、何かを取り出した。
「らぴゅ(なんかできたぁ。あげるぅ)」
「ありがとう?」
首を傾げながら受け取る。
もらったのは透明なハート型の石だ。
——————
【硝子の心】レア度☆☆☆
ハートの形をした透明な石
敵に投げると、精神力を5下げる
——————
なんでこれをくれたの?
あと、アイテム名のルビがひどい。ガラスのハートがもう壊れちゃってるじゃん!
「ぶっは!」
「モンちゃん、笑いすぎー!」
呆然としてたら、モンちゃんに爆笑された。
ラッタンは「らぴゅ(どうしたのぉ?)」と不思議そう。
狙ってやったことじゃないだろうから、怒れないぞ……。
「ぴえん」
しょぼんとしながら、紅葉の形の練り切りを大胆に切って口に放り込んだ。
あんこ美味しいナァ……。優しい甘みが心に沁みる気がするよ。
僕は「はいどーぞ」とお土産を差し出した。
ウサギ柄の包装に包まれたそれを、レアナさんが「ありがとう」とにこやかに受け取る。
モンちゃんは何故か爆発物でも見るかのような、警戒心に満ちた目で凝視していた。
失礼だなぁ。ちゃんと美味しいものなのに。
「可愛らしいわね」
「見た目と中身のギャップがヤバいパターンだろ。コイツそっくり」
「モンちゃん、それ、どういう意味!? 僕の見た目と中身のギャップがヤバいみたいな言い方しないでよー」
プンプン、と怒って僕が抗議すると、モンちゃんに半眼で見据えられた。
「……自覚ないのか」
「なんのこと??」
じっと見つめ合う僕とモンちゃんを、レアナさんが微笑ましげに見比べる。
「ふふっ、楽しそうね、二人とも。仲がいいのは素敵なことよ」
「仲良くねーよ」
「うん、僕たち仲良し!」
同じタイミングで正反対のことを言った僕たちに、レアナさんは「やっぱり気が合うのね」とクスクス笑った。
モンちゃんはそっぽを向く。
重ねて否定しないってことは、実は仲がいいことを認めてるんだ。モンちゃんって素直じゃないよねぇ。
「……ニヤニヤ笑ってんなよ、ウサギ」
「そんな変な笑い方してないもん! それと、僕のことウサギって呼ばないで。モモだよ!」
「知ってる。ウサギ」
「わかってないじゃんー!」
ペシペシと机を叩いて僕が抗議したら、モンスフードを食べ終えたラッタンが楽しそうに真似をした。
「らっぴゅ、らぴゅぴゅー(ぺし、ぺし、ぺしぃ♪)」
可愛い。
僕の曲『もふもふプリティ』のリズムと似た叩き方なのは、最近レコーディングしてたくさん歌ったからかな。
覚えが早くて、応用力あるなんて、ラッタン優秀!
「すげぇ親バカな気配を感じた……」
「もふもふはすべからく可愛いからしかたないね」
「開き直ってんじゃねーよ。あと、可愛いのはもふもふだけじゃなくて、全モンスだ。敵意がなけりゃ、すべからく尊ぶべし」
「もふもふ至上主義を超える、だと……!?」
さすが世界一のテイマーのモンちゃん。全モンスター推しで、一番好きなのは王鮪というだけある。
正直、その好みはわりと変人の域に入ってると、僕は密かに思ってます。
「不本意なことを考えられている気がする……」
「モンちゃんって察しが良すぎるところあるよね」
「それ、自白してるよな? ぁあ? お前、なに考えた?」
モンちゃんが凄んで言うけど、僕が「てへぺろっ」とお茶目に返したら、脱力した感じで目を逸らした。
多少の苛立ちを感じていたとしても、全モンスター推しのモンちゃんは、僕のもふもふパワーが通用するのだ。もふもふの効果はバツグンだぁ。
「らぴゅ(てへぺろぉ)」
ラッタンが僕を真似て、テヘッと笑いながら舌をチョロッと出した。
思わず、僕はモンちゃんと真顔で見つめ合う。
「僕の真似っ子なラッタン、可愛すぎない!?」
「……異議なし」
モンちゃんと意見の一致を得ました。握手。
「あら……綿菓子?」
マイペースにお土産の包装を開けたレアナさんが、中を見て楽しそうに呟く。
モンちゃんは「綿菓子?」と不思議そうに復唱しながら横から覗き込んだ。
「そうだよ。お土産は綿菓子なんだ~。僕のもふもふさを表現しました!」
えっへん、と胸を張って言う。
お土産はウサギの形をした綿菓子。丸い玉にうさ耳が付いてる感じの形なんだよ。
しかも、こだわったのは可愛い見た目だけじゃない。実はふわふわの綿菓子の中には驚きが隠れてるんだ。
「へぇ、こんなもん作るなんて器用だな」
手のひら大の綿菓子を眺めてから、モンちゃんがカプッと耳から食べる。
「ああ……そこから食べたら、残るのはただの丸い玉……」
ウサギ要素がなくなったことを僕が大げさに嘆くと、モンちゃんは「ウサギの頭を齧ってるように見える方がグロくないか?」と、ご尤もなことを言った。
「まあ、中から星が出てきたわ」
耳を残して顔面から食べるという大胆な食べ方をしたレアナさんが、綿菓子の真ん中に詰め込まれた星型のクッキーに目を輝かせる。
そのクッキー、すごくホロホロで美味しいんだよー。綿菓子で甘くなった口をちょっと和らげてくれる絶妙な甘さに調整してあるし。
「……俺のはハートだ」
「僕の想いをたっぷり込めました♡」
「気色悪いな」
茶目っ気を出して手でハートマークを作って言ったのに、返ってきたのは冷たい言葉。
僕はとっても傷つきました。
「悪口が端的すぎてひどい。僕のガラスのハートにヒビが入りました。慰謝料を要求します」
「ガラス? オリハルコン製じゃね?」
モンちゃんに心底不思議そうな顔をされた。
「誰が、世界で最も硬い金属製の心の持ち主じゃい! 怒りのあまりキャラ変しちゃうぞ、こんにゃろー!」
ちなみに、幻の金属といわれるオリハルコンは、この世界では最も硬い金属として、高値で取り扱われているらしい。まだ、僕が行けるフィールド上では採集できないよ。
「このクッキー、ホロホロで、口に入れたら溶けてなくなるような食感が面白いわね。味も甘すぎなくて美味しいわ」
「レアナさん、超マイペース……でも、褒めてくれてありがとう」
僕たちのやり取りをスルーしてお菓子を楽しんでくれているレアナさんに、すごく慣れを感じた。
こうして僕の周りの人たちは、僕に染まっていくんだね。
「らぴゅ(ラッたんも、モモのハート欲しぃ)」
「たくさんあげるよ!」
ラッタンにハートクッキーをたくさん渡した。
僕のハートを欲しがるラッタン、可愛すぎる。
「らぴゅ(【頬張る】よぉ)」
「あれ? 今、スキル使った?」
パクッとハートクッキーを食べたラッタンが、頬を両手で押さえて「らぴゅ(うままぁ)」と幸せそうな顔をする。
可愛いなぁ──じゃなくて、なんで今スキル使ったの??
キョトンとする僕の前で、ラッタンが脇にズボッと手を突っ込み、何かを取り出した。
「らぴゅ(なんかできたぁ。あげるぅ)」
「ありがとう?」
首を傾げながら受け取る。
もらったのは透明なハート型の石だ。
——————
【硝子の心】レア度☆☆☆
ハートの形をした透明な石
敵に投げると、精神力を5下げる
——————
なんでこれをくれたの?
あと、アイテム名のルビがひどい。ガラスのハートがもう壊れちゃってるじゃん!
「ぶっは!」
「モンちゃん、笑いすぎー!」
呆然としてたら、モンちゃんに爆笑された。
ラッタンは「らぴゅ(どうしたのぉ?)」と不思議そう。
狙ってやったことじゃないだろうから、怒れないぞ……。
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