もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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12章 美味しいもの大好き!

515.神ってるぅ

 神級カスタードを見つめて、ゴクッと唾液を飲み込む。
 ヨダレが出そうだったわけじゃないよ。
 天に昇るような心地がする味の神級カスタードに、ちょっぴり慄いてるだけだ。

「……即死効果があるわけじゃないよね?」

 アイテム説明にそんなこと書いてないから、問題ないんだろうけど。
 うぅむ……味が気になるけど、ちょっと怖い。

 じぃと見つめて固まっていると、アナウンスが聞こえてきた。

〈〈あるプレイヤーがワールド内で初めて【神級アイテム】を作製しました。神級アイテム作製の詳細とコツがヘルプに追加されます〉〉
〈ワールドミッション【神級アイテム作製】をクリアしました。称号【神の手】が贈られます〉

——————
【神級アイテム】
 最高品質の素材を使って、一切のミスなく作製された結果、最高品質を超える仕上がりになったアイテム
 光り輝く見た目が特徴
 特殊な効果が付与されることがある

【神級アイテム作製のコツ】
 各生産スキルは、【器用さ】【幸運値】などのステータスによって、仕上がりに差が生じます
 集中して丁寧な作業を心がけると、品質が上がりやすいです
 ぜひがんばってくださいね
——————
——————
ワールドミッション【神級アイテム作製】
 最高品質を超えるアイテムを作製せよ!
 努力はキミを裏切らない!
 気合いだー!

称号【神の手】
 ワールド内で初めて神級アイテムを作製した者に贈られる称号
 神級アイテム作製の成功率が5%アップする
——————

 まさかのワールドミッション! 久々だね!

「ほあ~、これが棚からぼた餅ってやつかな」

 ポカンとしながら呟く。やったねー。

 ルトがこのアナウンスを聞いてたら、「またかよ、お前!」って連絡してきそう。
 まあ、今はテスト中のはずなのでー、言われるのは一緒に遊ぶ時かなー、そうであってほしいなー。

 ……『あるプレイヤー』の匿名性を回復させてほしいと思う今日この頃です。
 普通にみんなにバレてる気がするよ。

「それにしても、ミスなく作製って、器用さとか幸運値とかが関係してくるんだ? 集中力も隠し要素になってる気がするなぁ」

 神級アイテムについての詳細を読みながら考察してみた。

 やっぱり、今回神級アイテムが完成したのは、ラッタンから借りた応援旗エールフラッグのおかげな気がするんだよね。それくらいしか、普段と違うことしてないもん。
 まさか、桃太郎なりきりが影響してるわけはないだろうし?

「らぴゅ(モモ、旗返してぇ)」

 手を伸ばしてくるラッタンと見つめ合う。
 ラッタンはきょとんと首を傾げ、手を『ん!』とさらに突き出した。

 返したくない……せめて、料理特訓中だけでも貸してほしい!

「ラッタン、これあげるから、しばらくこの旗を貸して!」

 皿の上に山積みになったイカボールを差し出した。ついでに、タコ焼きとつくねもあげるね。
 ラッタンの目がキラキラと輝く。

「らぴゅ(いいよぉ!)」
「交渉成立! ありがとう、ラッタン」

 わーい!
 好物をたくさん食べられてラッタンは幸せだし、僕も料理特訓が捗りそうだし、Win-Winだ。

 ルンルンとしながら、カスタード作製を再開しようとして、ハタと動きを止める。
 オギンたちが、興味津々な顔で神級カスタードが入ったボールを覗き込んでいた。

「キュオ(光ってるわ……)」
「きゅーきゅい(食べ物とは思えないわね)」
「くまま(次は光り輝くチョコレートを作ってほしいなー)」

 オギンとナッティがちょっと引いてる気がするのは見間違いかな?
 ショコラはのほほんと希望を口にして、チラッと僕に視線を向ける。

 はいはい、料理特訓が終わったら『光り輝くチョコレート』作製にも取り組んでみるね。
 最高品質のチョコレート(製菓用)を持ってないから、それを作るところから始めないといけないけど。

「それ、食べてみる?」

 アイテムボックスからスプーンを五つ取り出した。そして、神級カスタードを掬い、みんなに差し出す。

 一口ずつ味見しよー。
 美味しければ、作製意欲がさらに高まるし。みんなで味見すれば怖くないし!

「いただきます!」
「キュオ(……いただきます)」

 オギンたちが神級カスタードをペロッと舐める。
 最初は恐る恐るという感じだったけど、一瞬で変わった。

 目を閉じて恍惚とした表情……変化が劇的すぎて、やっぱり怖いです!
 オギンたちに毒味させた形になっちゃったのが、アダになった気がする。余計に恐ろしくなったよぉ。

「……ええい、ままよ! はぐっ」

 気合いを入れ直して、怖じ気を振り払う。
 スプーンを口に放り込んだ瞬間、フワッと体が浮き上がるような心地がした。安心感に優しく包み込まれる。
 これが幸せというものか……。

 卵のまろやかで濃厚な風味とミルクのコク。舌に絡みつきつつも、淡く溶けてなくなる優しい甘さ。
 今まで食べたカスタードとは、一線を画す味わいだった。
 美味しいを超えた美味しさなんて、語彙力がなくて上手く言い表せないよ。

「ふあ~うまうま~」
「らぴゅ(うままぁ)」

 ほっぺたが落ちそうな美味しさに、ニコニコと緩んだ顔でラッタンたちと見つめ合う。
 幸せな味だねぇ。

 神級アイテム、恐るべし。量産できるように特訓をがんばろう!
 神級アイテムをグルメ大会で出せたら、高評価間違いなしだよね~。

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