もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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12章 美味しいもの大好き!

517.ご褒美嬉しい…!?

「ルンルルルーン♪」

 ついこの間訪れたばかりの王城を、鼻歌を歌いながら進む。
 本日も騎士さんが先導してくれてます。

 ご機嫌な理由はもちろん、ここに来る前に行った錬成耐爆発特訓が、いい感じに進んだからだよ!

 ピアがいてくれたからか、それとも応援旗エールフラッグのおかげか、錬成の九割が爆発で終わる程度で済んだのです!

 ……自分で言ってて、ちょっと悲しくなっちゃうけど。
 これまで99%爆発してたことを考えると、めちゃくちゃ成功率が上がってるんだよ。

 ちなみに錬成スキルのレベルは3になりました。
 レベルが上がったことで、錬成杖が錬成壺を混ぜるリズムを教えてくれるようになったんだー。錬成杖から、オルゴールみたいな音楽が流れるんだよ。それに合わせて混ぜれば、錬成の成功率爆上がり!

 初めて音楽が流れてきた時は、『へ!?』と驚き過ぎてすぐさま爆発しちゃった……。
 そんなミスはもう二度としないよ!

 音楽に身を任せて動くのは僕の得意技。伊達にたくさん歌って踊ってないからね。
 おかげでレベルアップ後は、ほとんどミスなく錬成できたんだー。

 ただ、音楽が流れるのは、十回以上ミスした錬成レシピの時だけだって判明したのは残念。
 これからも、新レシピを錬成する度に爆発しちゃう運命からは逃れられなさそうだなぁ。

 ……いいもん。グルメ大会用のレシピさえ、ほぼ100%成功できるようになれば、当面は問題ないからね。

「あら、アドバイスが欲しくなったの?」

 いつの間にか調理場に到着していて、ちょうどラナンさんが出てくるところだった。
 ニコニコと笑うラナンさんに、ビシッと手を上げる。

「こんちゃー。課題クリアの報告に来たよ!」
「えっ、もう!?」

 ラナンさんが目を丸くして驚く。
 えへへー、もう、なのです! ラッタンがくれた応援旗エールフラッグのおかげだよー。

「──凄いわねぇ。上達が早いわ」
「でしょ。もっと褒めてー」
「おーよしよしよしっ、よくできました!」
「ふあっ」

 胸を張ってご褒美をねだったら、満面の笑みを浮かべたラナンさんに、わしゃわしゃと容赦なく撫でられた。
 頭が揺れるぅ、毛がボサボサになっちゃうー!

 しばらくして満足気な表情で解放される。
 やっぱりボサボサだぁ……自分にグルーミングスキルを使おう。
 キラッとしたら一瞬でフワモフボディが復活! 僕可愛い!

 もらえたアイテムは【ちまっとウサたん】【もふもふ綿毛】だった。
 ちまっとウサたんは、人の手のひらサイズのウサギのぬいぐるみだよ。にぎにぎすると、一時間精神力+1だって。効果弱い……。
 でも、可愛いから人気が出るだろうなぁ。

「え、自分をぎゅっとしてるの可愛すぎんか。きゃわゆい……」
「ラナンさん、キャラ崩壊してるよ」
「ハッ……いや、なんのことカナー」

 悶えてるラナンさんに冷静に指摘したら、わかりやすく誤魔化された。
 ラナンさんは怖いスパイさんかと思いきや、もふもふに弱すぎる可愛い人だ。

「きゃわゆいお弟子ちゃんには、追加の課題を渡しちゃうわよー!」
「ご褒美が欲しかった……」

 ペラッとした紙を受け取りつつ、しょぼんと呟いてみる。

 弟子ミッションの課題が五つであることは知ってたから、三つの課題に続きがあるんだろうな、とはわかってた。
 でもでも、一旦ご褒美くれてもいいじゃん。

 ラナンさんが「ああっ、きゃわゆいモフモフが悲しんでる……!?」と嘆いているのを聞きながら、紙を確認。
 僕を案内してくれた騎士さんが、ラナンさんにドン引きしてるのはスルーです。

〈王城料理長ラナンから【二つの課題】を受け取りました〉

——————
【二つの課題】
 料理長をあっと驚かせる素晴らしい料理を作りましょう
 作る料理は『果物を使ったスイーツ』『肉を使ったパーティーメニュー』の二種類です
 必ず料理スキル【混ぜる】【成形】【伸ばす】を使って調理してください

 作製した料理は、料理長が試食して100点満点中90点取れれば合格になります
——————

 おお? 今回は特定のレシピじゃなくて、自由課題って感じかー。
 練習した三つのスキルを使った応用編ってことだね。

 作るのはスイーツと肉料理……
 これ、グルメ大会用のレシピを味見してもらういい機会にもなるんじゃないかな?
 どんなの作ろう? 楽しくなってきたぞー。

「きゃわゆいお弟子ちゃんには、これをあげちゃう!」
「ほあっ」

 いろいろ考えていたら、突然ラナンさんに箱を渡された。
 ラナンさんのキャラ崩壊が止まらないなぁ。僕、いつから『きゃわゆいお弟子ちゃん』呼びになったんだろ? 友好度がマックスになった?

 首を傾げつつ、ご褒美をもらえたことに「わーい、ありがとう!」と喜ぶ。
 無理を承知でねだってみてよかったー。

 箱は可愛いピンクのリボンがついてて、プレゼントって感じ。
 あらかじめ用意してたのかな。

 不思議に思いながらリボンを解いて、中身を確認。

「……うん? 瓶がいっぱい……」

 カラフルな液体が入った小瓶が、ぎっしりと詰められていた。全部で九個だ。
 紫色のものを取り出して鑑定してみる。

——————
【麻痺毒】レア度☆☆☆☆
 摂取すると体が麻痺し、毎分30ダメージを負う
 この毒状態は自然回復しない
 危険物指定されているため、この毒を使ったアイテムは売買不可
——————

「ふあっ!? これ、ヤバいアイテムじゃん! 毒だよ!」

 慌てて小瓶を箱に戻す。
 ラナンさんを見上げると、ニコニコとまったく悪意のない笑みを浮かべていた。

「そうなの! その毒は飲んだらピリッとして、動かない体が末端から冷えていって──ゾクゾクする体験をできる毒なのよ!」
「そんな食レポみたいな感じで毒の評価をしないで! 怖いよ!」

 もしかして、ラナンさんはこの毒を摂取したことがあるの? ……あるんだろうなぁ。

 僕が遠い目をしていたら、騎士さんが控えめに「あの、王城内に危険物を持ち込まれるのは困るんですけど……」と注意していた。
 ラナンさんは笑顔で黙殺。
 捕まっちゃわないでね? 僕の料理の師匠がいなくなるのは困るよ。

 大きくため息をついてから、小瓶をすべて鑑定する。
 どれもこれも『売買不可』認定されてる毒だった。毒ってこんなに種類があるんだね。こわーい。
 でも、強敵とのバトル時には有用なんだろうなぁ。アイテムボックスに入れておこう。

「ラナンさん、ありがとー。次の課題もがんばるね」
「ええ! モモが何を作ってくるのか、楽しみにしてるわ」

 ニコニコ笑顔のラナンさんに手を振って別れる。
 期待されたらさらにやる気が高まるよ。
 美味しい料理を作るぞ~!

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