もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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12章 美味しいもの大好き!

526.仲良くなろう♪

 はぐはぐと雷精鳥サンディフェアリアがハニーチュロを頬張ってる。
 小さなくちばしで啄んでて可愛い~。

「ピルル~♡」
「美味しい? よかったねー」

 ニコニコしちゃう。嬉しそうに食べてもらえるのは、料理人として一番の喜びだよ。

「モモの普段が理解できるな……モンスたらしか……」

 僕のやることを黙って見守ってたルトが、襲ってきた敵を倒しながら呟く。
 ビアンやオギン、ユキマルもルトに協力してて、僕と雷精鳥サンディフェアリアだけほのぼのしてる。ちょっと申し訳なくなっちゃうなぁ。

「ルトも休憩にどうぞー」
「ん」

 僕があげたハニーチュロを食べながら、ルトが剣を振り回す。

 お行儀がよくないけど、ここはセーフティエリアじゃないからしかたないね。
 普通のプレイヤーはたいてい動き回りながら食べるらしいし。満腹度管理は大変なのです。

「ね……おれは……?」

 ちょっとだけ痺れから回復してきたヤナが、もぞもぞと骨を組み立てながら恨みがましげに呟く。
 雷精鳥サンディフェアリアくんが怒っちゃうからこっちを見ないでくださーい。
 ジト目を向けながら、とりあえず事情を聞いてみた。

 その話によると、ヤナは雷精鳥サンディフェアリアを見つけて興奮のあまり、いきなり捕まえちゃったんだって。わざわざ【影踏み】っていうスキルを使って行動阻害して。

 そのスキルはすごいけど、好感度はダダ下がりするんじゃないかな?
 ヤナはテイムスキルも持ってないし、雷精鳥サンディフェアリアを最終的にどうしたかったのか謎。

「ピルル」
「あ、食べ終わった? もう一個いる?」
「ピル~」

 雷精鳥サンディフェアリアが首を横に振った。普通にコミュニケーションをとれてるのが嬉しい。
 このエリアで敵意がないモンスターに出会うのは稀だから、余計にテンションが上がっちゃう。もっと仲良くなれないかな。

「ねぇ、僕と友だちになってくれる?」
「ピルル? ピル……ピルル!」

 期待を込めて聞いてみたら、雷精鳥サンディフェアリアが首を傾げた後に、パチッと電撃を放った。電撃は近くの草にぶつかる。
 するとその草がスルスルと伸びて、あっという間に一輪の花が咲いた。黄色い野ばらに似てる。

 その花を風の刃でカットした雷精鳥サンディフェアリアが、くわえて僕に渡してくれる。

「もらっていいの? ありがとー」
「ピルルー」

 これなんだろ?
 首を傾げながら受け取ると、アナウンスが聞こえた。

〈野生の【雷精鳥サンディフェアリア】から【雷の花サンダーフラワー】が贈られました〉
〈ミッション【友情の花の栽培】が開始しました〉

——————
雷の花サンダーフラワー】レア度☆☆☆☆
 特殊な電撃を受けて咲いた花
 農地に植えると数を増やすことができる

ミッション【友情の花の栽培】
 野生のモンスターから託された花を育てよう
 十輪の花に増やしてモンスターに贈ると、テイムが可能になるよ

〈クリア状況〉
 【雷の花サンダーフラワー】0/10
——————

 ふあ!? こういうテイムの仕方は初めて見たかも。
 ……がんばって育ててテイムしたいな! 雷精鳥サンディフェアリア、小さくてふわふわで可愛いし!

「これを育てるから、待っててね!」
「ピルル」

 頷いた雷精鳥サンディフェアリアが僕の頭に乗る。なんで?

〈野生の【雷精鳥サンディフェアリア】が【居場所共有】を実行しました。マップに【小鳥】マークが表示されます〉

 おっとー? そんなシステムがあるんだね?
 マップを確認したら、現在地に重なって、シマエナガのようなイラストのマークが表示されてた。
 雷の花サンダーフラワーを育てたら、雷精鳥サンディフェアリアを探して渡しに来い、ってことだね。

 がんばるぞー、と改めて気合いを入れていると、ルトが「モモ」と呼びかけてきた。

「なぁに?」
龍馬ドラシュバルはまだこの辺にいるのか?」
「あ、そういえば、そっちを探してたんだったー」

 雷精鳥サンディフェアリアとの出会いにテンションが上がって、すっかり忘れちゃってた。
 ルトの目がちょっぴり冷たい気がする。ごめんねー。

 改めてマップを確認する。
 馬のマークは──

「……真上?」

 現在地の表示と重なるマークを見て、すぐさま空に視線を向けた。
 たくさんの星を隠すように、大きな翼が見える。

「うわっ、高いとこいるな……」

 僕の視線を辿ったルトが、嫌そうに呟いた。届くかね、と思案げにしてるから、攻撃を与えて降りてきてもらうつもりらしい。
 でも、それは敵対行動になるからダメなんじゃないかな。

「待って。部位識別スキルを使ってみるから。運が悪いと、これでも敵対しちゃうけど……」

 僕がそう言ったところで、頭の上にいた雷精鳥サンディフェアリアがピョンと跳ねた。
 どうしたの?

「ピルル(トモだー。呼んでくるね)」
「トモ……って友? えっ、龍馬ドラシュバルと友だちなの!?」

 僕が驚いてる間に、雷精鳥サンディフェアリアが飛んでいく。
 しばらくすると、龍馬ドラシュバルがゆっくりと降りてくる。その鼻先では雷精鳥サンディフェアリアが楽しそうに揺れていた。

『美味しいものをくれるウサギって君かい?』

 龍馬ドラシュバルが目を細めて首を傾げる。相変わらずデカい。雷精鳥サンディフェアリアとのサイズ差がすごい。これで友だちなのかー。

「……うん、そうだよ」

 とりあえずフルーツタルトをホールのままプレゼント。

 雷精鳥サンディフェアリアに出会えて、上手いこと龍馬ドラシュバルを呼べたなんて、僕の幸運値がまた仕事してくれた気がする。
 ラッキーすぎてちょっと怖いぞぉ……。

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