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13章 ワクワク冒険がいっぱいだ!
550.情報盛りだくさん
遊ばれてプンプンしながらも、「ここは僕が大人になって我慢するべき……」と自分に言い聞かせて、渡されたファイルに視線を落とした。
僕は優しいからね! ナカムラさんは僕に感謝してよ!
淡い緑色のファイルの表面に『第四の街・異常事態発生の調査報告書』と書かれてる。
ペラリと表紙をめくると、中には数枚の紙が挟まれていた。
「なになに──事態の発覚経緯……第四の街との連絡途絶……調査チームの壊滅……」
軽く読んだだけでも、結構厄介な状態になっていることがわかる。
フワッと飛んできたアリアが、僕の頭に乗って一緒にファイルを覗き込んだ。
「ピルル(モンスターの異常行動の話?)」
「うん。第四の街との定期連絡が途絶えて、異常事態の発生を察して、すぐに冒険者で編成した調査チームを組んだみたいだね。ほぼ壊滅の状態で帰ってきたらしいけど」
現在も治療中である調査チームの冒険者は、多少の情報を持ち帰ったようだ。
それは、王都北エリア奥──第四の街近くに生息するモンスターの一部が好戦的になり、かつ強さも以前と段違いに増していること。
そして、恐ろしいモンスターが行く手を阻み、第四の街の状態を確認することもできなかったこと。
最初の調査チームの後に、高ランクの冒険者で再び編成された調査団が、その恐ろしいモンスター──おそらく街開放ミッションのボス──の追加情報を持ち帰っている。
恐ろしいモンスターは妖樹系であり、第四の街を囲むように複数体存在していること。
攻撃力と防御力に優れ、耐久力(=体力)がべらぼうに高いこと。
デバフにかかりやすいけど、戦っている最中に耐性ができる様子であること。
一体のボスモンスターとは、最大六人の一パーティしか戦えないこと。
おそらく複数体のボスモンスターを一時間以内に全滅させないと、倒した個体も復活して、再び行く手を阻むこと。
──そこまで読んで、僕は「ふぅむ」と声を漏らした。
これ、変則的なレイド戦になるのかな。
ボス一体と戦えるのは一パーティ。
でも、ボスは複数体いて、耐久力が高く、時間制限があることを考えると、一パーティだけで全てのボスを倒すのは現実的じゃない。
ボスと同じ数の冒険者パーティで、タイミングを合わせて攻撃するのがベストだ。
その場合、どこか一つのボスを倒しきれなかったら、みんな討伐ミッション失敗ってことになるけど。
「──それが、まだ街開放が叶ってない理由かな」
ルトが教えてくれたことを考えるに、第四の街開放ミッションに挑戦してる人はたくさんいるはずだ。
現時点でボスを倒せているパーティもそれなりにいると思う。僕以上に強いプレイヤーはたくさんいるし。
でも、その数が揃ってなかったら、さすがに難しいだろう。
僕もこのミッションに挑むなら、他のプレイヤーと協力する必要があるんだろうなぁ。
「え、めんど……」
思っていた以上に厄介なミッションだぞぉ。
スタンドプレーが好きなわけじゃないけど、結果的に一人で行動してどうにかするのが僕の常だから、こういうミッションには慣れてない。
これまでもなかったわけじゃないけどね。
ルトやタマモたちと協力して、レアアイテムを探したり、ボスを倒したり、レイドイベントで戦ったりもしたし。
「んー……これ、絶対ルトはわかってて説明しなかったな……どうせ後で連絡してくるって予想してたでしょ……」
僕が他のプレイヤーと協力してミッションに挑むなら、ルトやタマモを間に置くのが手っ取り早くて楽なのだ。
人間関係の調整とか、二人は得意としてるし。特にタマモは。
「んー……他の情報はあんまりないなー。でも、この異常事態の原因が闇使徒団っていうのは、ほぼ確定でいいのかな?」
黒幕の可能性として挙げられる形で書かれている名前を僕が呟くと、ナカムラさんが目を細めた。
「その名前をご存知でしたか。モンスターの異常行動など、第三の街で起きた騒動と似通っている点が多いですし、闇使徒団が関わっている可能性は非常に高いと思われますよ」
なるほど、と頷く僕を、ナカムラさんは口元だけで微笑みながら観察している。
「──闇使徒団と関わりがある者たちが、王城に侵入しているようですし、そちらの状況について詳しく知りたければ、王城を訪ねるのがいいでしょうね。私は、その情報を開示する権限を持っておりませんので」
「……なるほどー」
これ、王様と会うフラグが立ったね?
決して悪い人ではないんだけど、テンションが高くてちょっぴり面倒くさいんだよなぁ。
運がよければ、ダーロンさん単独に会って情報をもらえるかもしれないけど。
……いや、僕の幸運力は、こういう方面では働かない気がする。
王様に会わせようとしてくるでしょ、きっと!
すでに王城への侵入者は見かけてるしなぁ。
うーむ……流れに身を任せるか! 王城に行くことになれば、何かしら起きるはず。
「第四の街に関する情報は、神殿と魔術学院、冒険者ギルドでも集めた方がいいかな」
ルトが言ってたミッション達成のキーになる異世界の住人のことを思い出して僕が呟くと、ナカムラさんが首を傾げた。
「ここに集まっている情報は、その全てのところから報告されたものですよ? 行ったところで、これより少ない情報しか得られないと思いますが」
「あ、そうなんだ? じゃあ、これでミッションのフラグ回収ができたってことかな?」
僕が目を瞬かせながらそう言った途端、アナウンスが聞こえてきた。
〈ミッション【第四の街ツーリが閉ざされた謎を探る】をクリアしました。報酬としてアイテム【加熱薬】が贈られます〉
——————
【加熱薬】レア度☆☆☆
使用すると、十分間スキルのクールタイムが半分になる
——————
ベストタイミング!
なかなかいいアイテムももらえて嬉しい。
でも、このミッション、第二王女で巫女のラファイエットさんと初めて会った時に開始したやつだな。
クリアまでにすごく時間がかかって、なんかごめんね?
これ以外にも放置してるミッションが多すぎて、確認するのが大変だから、ミッション欄ってあまり見ないんだよねぇ。
「ああ、でも現在、第四の街近くに行くには、王都の冒険者ギルドで依頼を受けることを必須にしているので、そちらには行った方がいいでしょうね」
ナカムラさんに言われて、ルトが連絡で『冒険者ギルドで指定の依頼を受ける必要がある』と教えてくれたことを思い出した。
なるほど、こういう流れになるわけねー。
「わかったよ~。じゃあ、この後、冒険者ギルドに行ってみるね!」
「はい、どうぞお気をつけて」
よーし、久々の冒険者ギルドにレッツゴー!
王都のは初めてだな~。
僕は優しいからね! ナカムラさんは僕に感謝してよ!
淡い緑色のファイルの表面に『第四の街・異常事態発生の調査報告書』と書かれてる。
ペラリと表紙をめくると、中には数枚の紙が挟まれていた。
「なになに──事態の発覚経緯……第四の街との連絡途絶……調査チームの壊滅……」
軽く読んだだけでも、結構厄介な状態になっていることがわかる。
フワッと飛んできたアリアが、僕の頭に乗って一緒にファイルを覗き込んだ。
「ピルル(モンスターの異常行動の話?)」
「うん。第四の街との定期連絡が途絶えて、異常事態の発生を察して、すぐに冒険者で編成した調査チームを組んだみたいだね。ほぼ壊滅の状態で帰ってきたらしいけど」
現在も治療中である調査チームの冒険者は、多少の情報を持ち帰ったようだ。
それは、王都北エリア奥──第四の街近くに生息するモンスターの一部が好戦的になり、かつ強さも以前と段違いに増していること。
そして、恐ろしいモンスターが行く手を阻み、第四の街の状態を確認することもできなかったこと。
最初の調査チームの後に、高ランクの冒険者で再び編成された調査団が、その恐ろしいモンスター──おそらく街開放ミッションのボス──の追加情報を持ち帰っている。
恐ろしいモンスターは妖樹系であり、第四の街を囲むように複数体存在していること。
攻撃力と防御力に優れ、耐久力(=体力)がべらぼうに高いこと。
デバフにかかりやすいけど、戦っている最中に耐性ができる様子であること。
一体のボスモンスターとは、最大六人の一パーティしか戦えないこと。
おそらく複数体のボスモンスターを一時間以内に全滅させないと、倒した個体も復活して、再び行く手を阻むこと。
──そこまで読んで、僕は「ふぅむ」と声を漏らした。
これ、変則的なレイド戦になるのかな。
ボス一体と戦えるのは一パーティ。
でも、ボスは複数体いて、耐久力が高く、時間制限があることを考えると、一パーティだけで全てのボスを倒すのは現実的じゃない。
ボスと同じ数の冒険者パーティで、タイミングを合わせて攻撃するのがベストだ。
その場合、どこか一つのボスを倒しきれなかったら、みんな討伐ミッション失敗ってことになるけど。
「──それが、まだ街開放が叶ってない理由かな」
ルトが教えてくれたことを考えるに、第四の街開放ミッションに挑戦してる人はたくさんいるはずだ。
現時点でボスを倒せているパーティもそれなりにいると思う。僕以上に強いプレイヤーはたくさんいるし。
でも、その数が揃ってなかったら、さすがに難しいだろう。
僕もこのミッションに挑むなら、他のプレイヤーと協力する必要があるんだろうなぁ。
「え、めんど……」
思っていた以上に厄介なミッションだぞぉ。
スタンドプレーが好きなわけじゃないけど、結果的に一人で行動してどうにかするのが僕の常だから、こういうミッションには慣れてない。
これまでもなかったわけじゃないけどね。
ルトやタマモたちと協力して、レアアイテムを探したり、ボスを倒したり、レイドイベントで戦ったりもしたし。
「んー……これ、絶対ルトはわかってて説明しなかったな……どうせ後で連絡してくるって予想してたでしょ……」
僕が他のプレイヤーと協力してミッションに挑むなら、ルトやタマモを間に置くのが手っ取り早くて楽なのだ。
人間関係の調整とか、二人は得意としてるし。特にタマモは。
「んー……他の情報はあんまりないなー。でも、この異常事態の原因が闇使徒団っていうのは、ほぼ確定でいいのかな?」
黒幕の可能性として挙げられる形で書かれている名前を僕が呟くと、ナカムラさんが目を細めた。
「その名前をご存知でしたか。モンスターの異常行動など、第三の街で起きた騒動と似通っている点が多いですし、闇使徒団が関わっている可能性は非常に高いと思われますよ」
なるほど、と頷く僕を、ナカムラさんは口元だけで微笑みながら観察している。
「──闇使徒団と関わりがある者たちが、王城に侵入しているようですし、そちらの状況について詳しく知りたければ、王城を訪ねるのがいいでしょうね。私は、その情報を開示する権限を持っておりませんので」
「……なるほどー」
これ、王様と会うフラグが立ったね?
決して悪い人ではないんだけど、テンションが高くてちょっぴり面倒くさいんだよなぁ。
運がよければ、ダーロンさん単独に会って情報をもらえるかもしれないけど。
……いや、僕の幸運力は、こういう方面では働かない気がする。
王様に会わせようとしてくるでしょ、きっと!
すでに王城への侵入者は見かけてるしなぁ。
うーむ……流れに身を任せるか! 王城に行くことになれば、何かしら起きるはず。
「第四の街に関する情報は、神殿と魔術学院、冒険者ギルドでも集めた方がいいかな」
ルトが言ってたミッション達成のキーになる異世界の住人のことを思い出して僕が呟くと、ナカムラさんが首を傾げた。
「ここに集まっている情報は、その全てのところから報告されたものですよ? 行ったところで、これより少ない情報しか得られないと思いますが」
「あ、そうなんだ? じゃあ、これでミッションのフラグ回収ができたってことかな?」
僕が目を瞬かせながらそう言った途端、アナウンスが聞こえてきた。
〈ミッション【第四の街ツーリが閉ざされた謎を探る】をクリアしました。報酬としてアイテム【加熱薬】が贈られます〉
——————
【加熱薬】レア度☆☆☆
使用すると、十分間スキルのクールタイムが半分になる
——————
ベストタイミング!
なかなかいいアイテムももらえて嬉しい。
でも、このミッション、第二王女で巫女のラファイエットさんと初めて会った時に開始したやつだな。
クリアまでにすごく時間がかかって、なんかごめんね?
これ以外にも放置してるミッションが多すぎて、確認するのが大変だから、ミッション欄ってあまり見ないんだよねぇ。
「ああ、でも現在、第四の街近くに行くには、王都の冒険者ギルドで依頼を受けることを必須にしているので、そちらには行った方がいいでしょうね」
ナカムラさんに言われて、ルトが連絡で『冒険者ギルドで指定の依頼を受ける必要がある』と教えてくれたことを思い出した。
なるほど、こういう流れになるわけねー。
「わかったよ~。じゃあ、この後、冒険者ギルドに行ってみるね!」
「はい、どうぞお気をつけて」
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【全10話+後日談 完結まで投稿済 最終投稿は3/27】