もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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13章 ワクワク冒険がいっぱいだ!

559.ちゃんと聞きました

 フラグが消えてスッキリした視界にニコニコしながら、改めて本題の話を聞いてみる。

「ダーロンさんが知ってる、第四の街関連の情報を教えてー」
「そこは俺に聞いてくれよ」
「王様とダーロンさんは、知ってることに差があるの?」
「……ない」

 拗ねた顔の王様に言うと、ぷいっと顔を背けられた。機嫌を損ねちゃったらしい。

 そういえば、最後に見た時に、王様派のフラグが少なくなってたなー、と思い出した。
 せっかく仲良くなったのに、お友だちじゃなくなるのも寂しいな。うん、王様と話そう。

「そっかぁ。じゃあ、王様がお話して」
「……ダーロンがいいんだろう?」
「ううん、どっちでも──王様がいいんだよ!」

 また王様が拗ねそうな気配を察して、言葉の途中で軌道修正した。
 王様が嬉しそうだしセーフ! ちょっとは友好度が復活したかなー?

 ダーロンさんは呆れた顔で王様を見てる。その目から王様のことを『ガキだな』って思ってるのが伝わってくるよ。
 その思いは僕も同じです。まあ、少年の心を忘れないところが、王様のいいところでもあるから、嫌いになれないけど。

「フッ……じゃあ、教えてやろう! 今、第四の街は【木精霊玉トゥリーフェアリスタ】を狙う闇使徒団によって、攻撃を受けているらしいぞ!」

 ババーン、と効果音が付きそうな勢いで言い放った王様に、ダーロンさんの絶対零度な視線が突き刺さる。

 ねぇ、これ、本来は簡単に言っちゃいけない話だったんじゃない?
 だってダーロンさんが「国家機密を軽々しく──」って、憎々しげに呟いてるよ。

「……【木精霊玉トゥリーフェアリスタ】ってなぁに?」

 僕はダーロンさんの様子には気付かないフリをして、王様に詳しい情報をねだった。
 レア情報をゲットできる機会は見逃さないよー。怒られるのは王様だけだろうし。

 王様は僕を見てるから、ダーロンさんの様子には気づかない。
 知らないって幸せだね。
 まあ、王様が話そうとするのをダーロンさんが止めないんだから、僕に聞かれても大した問題じゃないんだろう。たぶん、きっと。

「【木精霊玉トゥリーフェアリスタ】は森のエルフたちの秘宝で、それを使えば森を支配できるっていうアイテムだ。凄いだろ? 森の覇者になれるんだぞー」
「へえ……すごぉい……」

 正直あんまり心惹かれないけど、王様が望むような返事をしておいた。
 僕、森を支配したいなんて思ってないしね。それを使ってバトルが楽になるなら、ちょっと嬉しい気もするけど。

 王様は僕の反応を気にせず、ニコニコと楽しそうに話を続ける。
 相変わらず冒険とか伝説とか、派手な話が好きなようだ。

「だが、その秘宝は悪用されないように、普段は封印されていてな? 森で災害が起きそうな時とかに使われるわけだが……その封印を解く鍵の一つが俺なんだ!」

 胸を張ってドヤっと自分を指す王様を、僕はジッと見つめる。
 なんでそんな重要そうな役目をこのオジサンが……?

「正確に言うと、【王位にある者】が封印を解く鍵です」
「あぁ……王様だったね、この人」

 ダーロンさんが補足してくれて、ようやく納得した。
 王様があだ名のように思えてくるくらいフランクな人だから、すっかり忘れてたよ。この人、めちゃくちゃ偉い立場の人だったね。

「そうなんですよ、これでも」
「ビックリだよねー。あ、ということは、王城に侵入者が来てた理由って──」

 ダーロンさんと頷きあった後に、ふと前に見かけた侵入者たちのことを聞いてみる。
 すると、すぐさま肯定された。

「封印を解く鍵目当てですね。陛下の拉致が、あの者たちの狙いのようです」
「うわぁ……大変だねぇ」
「本当に。それがわかっているのに、この方は自由気ままに動き回りやがってまして」
「口調! 口調が乱れてるよ!」

 沸々とこみ上げる怒りを声に滲ませたダーロンに、僕は「どーどー」と宥めた。なぜか半眼で見下ろされたけど。
 ひっひっふー、の方がよかったかな? え、どっちも違う?

「大丈夫だって! 俺が捕まることなんてないし、捕まったところですぐに自力で帰ってくるからな!」

 王様が胸を張って言う。
 随分と自信がありそうだけど、王様ってもしかして強いの?

 チラッとダーロンさんを見ると、頭痛を和らげようとするように、額を指先で揉んでいた。

「……それを完全に否定できないのが、また厄介なんですよね」
「へぇ、そうなんだ」
「陛下は執務から逃れるために、ありとあらゆる脱走用スキルを習得していますので」
「そっちかーい」

 呆れのあまり、力の抜けたツッコミをしちゃった。
 せめて戦う方で強くあってほしかったよ。

「とりあえず今は、第四の街の状況がわからないので、その調査を優先しています。その結果、もしすでに闇使徒団が街内に入り込んでいたとわかったなら、一刻でも早く【木精霊玉トゥリーフェアリスタ】の保護に努めなければなりません」

 ダーロンさんが深刻そうな表情で言う。
 封印を解く鍵が奪われることは避けられているから安心、というわけにはいかないらしい。大変だねぇ。

 僕が他人事だと思ってのほほんとしていたら、ダーロンさんにジッと見つめられた。
 お、なんかフラグが立った気が……

「モモさんたち旅人プレイヤーの皆様が、現在調査をしてくれていることは知っています。もし第四の街に入れるようになったなら、すぐさま【木精霊玉トゥリーフェアリスタ】の保護に動いていただけないでしょうか?」
「おっとぉ……やっぱりそう来るかぁ」

 これが周知してほしい情報ってことだね。

 調査に出てボスを倒した人が、第四の街に一番乗りするのは間違いない。
 だから、その人たちに木精霊玉トゥリーフェアリスタを守ってもらうのが、ダーロンさんたちにとって、最も都合がいい展開だろう。
 後から騎士さんとかに頼むにしても、守りが薄い時間は少しでも短い方がいいしね。

 僕にとっても今のところは不都合はないかな。
 きっとボス討伐はたくさんの人でするんだし、予定があってログアウトしなくちゃいけなくなっても、なんとかなるでしょ。

「──おっけー。みんなにも言っておくね!」

 僕が頷くと、ダーロンさんがホッとした表情で「よろしくお願いします」と手を伸ばしてきた。はい、握手~。

 王様が「のけ者にされてる……」と拗ねてたから、そっちとも握手。
 まったく、すぐ拗ねちゃう困った王様だなー。

〈〈あるプレイヤーがストーリーに関わる情報を入手しました。ワールドミッション【木精霊玉トゥリーフェアリスタを守れ】が開始しました〉〉

——————
ワールドミッション【木精霊玉トゥリーフェアリスタを守れ】
 第四の街にある秘宝【木精霊玉トゥリーフェアリスタ】が闇使徒団に狙われている!
 街を開放して、秘宝を守ろう

〈クリア条件〉
 第四の街開放後、一時間、闇使徒団の猛攻から秘宝を守る
〈報酬〉
・称号【木精霊トゥリーフェアリーの友】
——————

 そんな気はしてたけど、やっぱりストーリーに関わる依頼だったのか。
 ちゃんとルトに報告しなくちゃ!
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