もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

文字の大きさ
616 / 661
13章 ワクワク冒険がいっぱいだ!

560.毒薬と毒料理

 ルンルルルーン♪
 僕は現在、鼻歌を歌いながらバトルフィールドで採集作業中です!
 もちろん、毒目当てだよー。

「きゅーきゅい(こっちのポイントも良さそうよ)」
「あ、ほんと? 今行くー」
「らぴゅ(たくさん採れたぁ)」
「毒物をニコニコしながら掲げるのって、ちょっと猟奇的だよね……」

 採集のお手伝いをしてくれてるのはナッティとラッタン。

 ナッティは毒採取スキルを持ってないから、採集ポイントを教えてくれるだけなんだけど。僕よりこのエリアのことを知ってるから、見つけるのが上手いんだ。
 ここは第三の街・西のキーリ湖エリアだからね。ナッティの元々のすみかだもん。

 ラッタンはお手伝いスキルがあるから、早々に僕の真似をして毒採取スキルを習得したんだよ。めちゃくちゃ優秀! ありがとー。
 でも、毒々しい色の花とそれを持ってるラッタンの無邪気な笑顔がアンバランスすぎて、ちょっと引く。

 かく言う僕も、ニコニコしながら毒採取に勤しんでるんだけど。
 西のキーリ湖エリアはいろんな毒が採れて面白いんだよー。
 ラナンさんから依頼を受けた毒もたくさん採取できたし、近々納品しに行かなきゃね。

「毒って、そのままでもダメージを与えられるからすごいよねぇ」

 チラッと近くの茂みを見て、しみじみと呟く。
 そこには大きな蜘蛛みたいなモンスターがいて、スラリン・ユキマルと戦ってた。
 というか、一方的に蜘蛛がスラリンたちに殺られてる感じ。蜘蛛は今毒状態で弱ってるからね。

 最初、蜘蛛が急に木から下りてきたから、僕がビックリして反射的に採取したばかりの血毒花ブラッディフラワを投げちゃったんだよ。そしたら、いい感じに口に入ったみたいなんだよねぇ。

 僕、蜘蛛、キライ。
 バトルはスラリンたちに任せるヨ!

 血毒花ブラッディフラワは、加工しなくても『毎秒2ダメージ、素早さ-5』の効果があるアイテム。

 おかげで、素早さがあまり高くないスラリンたちでも、難なくフルボッコ──『ずっと僕のターン!』っていう感じで戦えてるんだ。
 ここが僕たちにとって難度低めのバトルフィールドだから、っていうのも理由だけど。

 スラリンたちが周囲の警戒とバトルを請け負ってくれてるから、僕たちは採集活動に専念できるのです。ありがとー。
 ついでに毒料理スキルを使って、いくつか毒アイテムを作ったよ。
 ルトに渡す前に、ちゃんと自分で使って試した方がいいしね。

「きゅぃ(倒したよ!)」
「お疲れさまー。ありがとう!」
「ぴぅ(いっぱい糸もらえたみたい)」
「ほんとだね! 今度リリにあったらあげようかな」

 スラリンたちが蜘蛛を倒したら、ドロップアイテムで【頑丈な白糸】をたくさんもらえた。
 これは裁縫スキルでよく使うらしいから、リリにあげて、僕の新作衣装を作ってもらおう。

 バトル勝利を報告してくれたスラリンとユキマルにそう言いながら、キョロキョロと周囲を見回す。
 どこかに毒効果を確かめるのにちょうどいいモンスターはいないかな。

「らぴゅ(それ、食べていぃ?)」
「ダメです! これは毒!」

 僕が持ってる【毒クッキー】にラッタンが手を伸ばすから、慌てて遠ざける。
 毒料理の難点は、食いしん坊たちが食べたがっちゃうことだ。特にラッタンは危ない。
 ダメって言ったら、やめてくれるけど。ちゃんとしつけをしていてよかったよ。

 ちなみに毒クッキーは『毎秒5ダメージ、素早さ-10』の効果がある。
 素材そのものより、やっぱり効果が高くなるよねー。

 錬金術を使うと【毒ポーション】とかも作れるみたいだ。
 効果は毒料理とあまり変わらない。
 それなら敵に投げて使える毒ポーションの方が便利そうに感じるけど、毒料理にはめちゃくちゃすごい利点があるんだよ。

「あ、敵が来そう! ということで、これを地面に置いて……みんな、ちょっと離れるよー」

 毒クッキーを置き去りにして、みんなを連れて茂みに身を潜める。
 入れ違いで現れた敵は、大きめのネズミだった。ネコくらいのサイズ感で、僕よりちょっと小さいくらい。

 このネズミ、立派な前歯を持ってて、噛まれると弱体化っていう状態異常になっちゃうから、厄介なんだ。
 弱体化すると、全ステータスが一割下がっちゃうからね。

 そのネズミが、僕が置いた毒クッキーに気づいてすぐさま駆け寄り、食べ始めた。
 僕たちの気配に気づいて近づいてきただろうに、毒クッキーにまっしぐらだ。

「キィー!?」
「毒状態になってる! あとは、みんなやっちゃってー」

 毒にやられたネズミを、スラリンたちが袋叩き。ネズミはほとんど抵抗できないまま倒れた。

「毒料理、凄いねぇ。品質が高ければ高いほど、敵が毒料理に惹かれて無警戒で食べちゃうんだもん……」

 何度目かの毒料理実験を繰り返して、毎回同じ結果になるから、ちょっと怖いくらいだ。

 毒料理の最大の利点がこれなんだよ。
 まるで釣り餌のように、敵が自ら進んで毒料理を食べて、毒状態になってくれるんだ。
 品質が高いほど、食いつく率が高くて効果も凄い。

 料理人としては、ちょっと微妙な気分になるけど、バトル効率がいいのは間違いない。

「きゅぃ(モモは陸でも釣りマスターになるんだね! たくさんモンスターが釣れてる!)」
「う、ん……? なんか違う気がするけど、否定しきれないかも?」

 凄い、と褒めてくれるスラリンに苦笑して、そろそろ毒採取の作業を切り上げようと、マップを開いて眺めた。
 このあとは、他のデバフ系アイテムを作るか、レベリングするか……どっちにしようかな?

「きゅーきゅい(モモって、妖樹トレント系モンスターに効く毒アイテムを作りたいのよね?)」
「うん、そうだよ。それがどうかした?」

 毒クッキーがあったところを見つめて、ナッティがちょっと首を傾げてる。
 なんか不思議なものある?

「きゅーきゅい(妖樹トレントって、食べ物を食べるの?)」

 沈黙。
 草木が風に揺られてサワサワと音を立てているのが、やけにはっきりと聞こえた。

「……ハッ、もしかして、妖樹トレント系に毒料理は効果ない!?」

 今更気づいた事実に、硬直が解けた瞬間に叫んじゃった。

 がんばって、毒料理たくさん練習したのにー。やっぱり毒ポーション一択の方がよかったのかなー?

 ガクッと項垂れた僕を、スラリンたちが慌てて慰めてくれる。

「きゅぃ(妖樹トレントは顔があるから食べるかもよ!?)」
「ぴぅ(口開いてるし……!)」
「らぴゅ(木だって気合いで食べられるよ、きっとぉ)」

 気合いで食べる、とは?
 不思議な慰め文句に笑っちゃって、ショックが和らいだ。

「きゅーきゅい(ま、まぁ……スープとかジュースとか、液体なら根っこから吸収できるかもしれないしね?)」

 今更気づいたんかい、と言いたげな顔をしていたナッティの言葉に「それだ!」と僕のテンションが復活した。

 妖樹トレント系は根っこを動かして移動するし、そこから毒を吸収できるかも。
 つまり、液体系の毒料理なら、無駄にならない可能性が高い!

 僕は毒ジュース(スープでも可)職人になってやるぞぉ。

 ……でも、保険で、毒ポーションも量産しておきます。ルトに「役立たず」って言われたくないからね。

感想 3,048

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・

青空一夏
恋愛
私はダーシー・オークリー女伯爵。愛する夫との間に子供はいない。なんとかできるように努力はしてきたがどうやら私の身体に原因があるようだった。 「養女を迎えようと思うわ・・・・・・」 私の言葉に夫は私の妹のアイリスのお腹の子どもがいいと言う。私達はその産まれてきた子供を養女に迎えたが・・・・・・ 異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定。ざまぁ。魔獣がいる世界。

うちに待望の子供が産まれた…けど

satomi
恋愛
セント・ルミヌア王国のウェーリキン侯爵家に双子で生まれたアリサとカリナ。アリサは黒髪。黒髪が『不幸の象徴』とされているセント・ルミヌア王国では疎まれることとなる。対してカリナは金髪。家でも愛されて育つ。二人が4才になったときカリナはアリサを自分の侍女とすることに決めた(一方的に)それから、両親も家での事をすべてアリサ任せにした。 デビュタントで、カリナが皇太子に見られなかったことに腹を立てて、アリサを勘当。隣国へと国外追放した。

死にたくないので、今世は「悪女」の看板を下ろして「聖女」の利権を奪い尽くします

あめとおと
恋愛
「死に様なら、もう八通りも見てきたわ」 公爵令嬢レオノーラは、義妹ミアを「聖女」として引き立てるための「悪役」として、九回の人生をループしてきた。 どれほど善人に振る舞おうと、どれほど婚約者の王太子に縋ろうと、最後は常に処刑台か追放。 すべては、周囲の好感度を強制的に書き換えるミアの「偽りの奇跡」のせいだった。 十度目の十六歳。 累計八十年の人生を経験し、精神年齢も魔導知識も「枯れた」域に達したレオノーラは、ついに決意する。 「いい子を演じるのは、もう飽きたわ。今世は悪役令嬢らしく、あなたの『幸運』をすべて奪い尽くしてあげる」 ミアが手に入れるはずだった【癒やしの聖杯】を先回りして献上し、 ミアの信奉者になるはずだった【最強の騎士団長】を魔導の力で救済して味方につけ、 王太子との「思い出の場所」を物理的に整地してバラ園に変える。 「あら、殿下。ゴミ(思い出)を片付けて何が悪いのかしら?」 冷徹に、そして優雅に「ざまぁ」を完遂していくレオノーラ。 そんな彼女の前に、前世では「死神」と恐れられた隣国の皇帝ギルバートが現れる。 彼は、聖女の補正が効かない唯一の男。そして、誰よりも重すぎる独占欲を抱えた男だった――。 「君は世界を奪え。私は、そんな君を奪うとしよう」 これは、九回殺された悪役令嬢が、十回目で「真の幸福」と「最強の地位」を力ずくでもぎ取る、逆転無双の物語。 【全10話+後日談 完結まで投稿済 最終投稿は3/27】

私から略奪婚した妹が泣いて帰って来たけど全力で無視します。大公様との結婚準備で忙しい~忙しいぃ~♪

百谷シカ
恋愛
身勝手な理由で泣いて帰ってきた妹エセル。 でも、この子、私から婚約者を奪っておいて、どの面下げて帰ってきたのだろう。 誰も構ってくれない、慰めてくれないと泣き喚くエセル。 両親はひたすらに妹をスルー。 「お黙りなさい、エセル。今はヘレンの結婚準備で忙しいの!」 「お姉様なんかほっとけばいいじゃない!!」 無理よ。 だって私、大公様の妻になるんだもの。 大忙しよ。

「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした

しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」 十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。 会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。 魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。 ※小説家になろう様にも投稿しています※

将来の嫁ぎ先は確保済みです……が?!

翠月 瑠々奈
恋愛
ある日階段から落ちて、とある物語を思い出した。 侯爵令息と男爵令嬢の秘密の恋…みたいな。 そしてここが、その話を基にした世界に酷似していることに気づく。 私は主人公の婚約者。話の流れからすれば破棄されることになる。 この歳で婚約破棄なんてされたら、名に傷が付く。 それでは次の結婚は望めない。 その前に、同じ前世の記憶がある男性との婚姻話を水面下で進めましょうか。

畑の隣にダンジョンが生えたので、農家兼ダンチューバーになることにした件について〜隠れ最強の元エリート、今日も野菜を育てながら配信中〜

グリゴリ
ファンタジー
 木嶋蒼、35歳。表向きは田舎で農業を始めて1年目の、どこにでもいる素朴な農家だ。しかし実態は、内閣直轄の超エリート組織・ダンジョン対策庁において「特総(特別総括官)」という非公開の最高職を務める、日本最高峰の実力者である。その事実を知る者は内閣総理大臣を含む極少数のみ。家族でさえ、蒼が対策庁を早々に退庁したと信じて疑わない。  SSSランクのテイムスキルと攻撃スキル、SSランクの支援スキルと農業スキルを18歳時に鑑定され、誰もが「化け物」と称えたその実力を、蒼は今日も畑仕事に注ぎ込んでいる。農作物の品質は驚異的に高く、毎日の収穫が静かな喜びだ。少し抜けているところはあるが、それもご愛嬌——と思っていた矢先、農業開始から1年が経ったある朝、異変が起きた。  祖父母の旧宅に隣接する納屋の床に、漆黒に金の縁取りをしたゲートリングが突如出現したのだ。通常の探索者には認識すらできないそれは、蒼だけが見えるシークレットプライベートダンジョン——後に「蒼天の根」と呼ばれることになる、全100階層の特異空間だった。  恐る恐る潜ったダンジョンの第1層で、蒼は虹色に輝くベビースライム「ソル」と出会い、即座に従魔として契約。さらに探索を進める中でベビードラゴンの「ルナ」、神狼種のベビーシルバーウルフ「クロ」を仲間に加えていく。そしてダンジョン初潜入の最中、蒼の体内に「究極進化システム」が覚醒する。ダンジョン内の素材をエボリューションポイント・ショップポイント・現金へと変換し、自身や従魔、親しい者を際限なく強化・進化させるこのシステムは、ガチャ機能・ショップ機能・タスク機能まで備えた、あまりにもチートじみた代物だった。  蒼は決める。「せっかくだから配信もしよう」と。農家兼ダンチューバーという前代未聞のスタイルで探索者ライセンスを取得し、「農家のダンジョン攻略配信」を開始した彼の動画はじわじわと注目を集め始める。  そんな中、隣のダンジョンの取材にやってきたのが、C級探索者ライセンスを持つ美人記者兼ダンチューバー・藤宮詩織だった。国際探索者協会の超エリート一家に生まれながら自らの道を切り開いてきた彼女は、蒼の「農家なのになぜかとても強い」という矛盾に鋭い鑑定眼を向ける。  隠れ最強の農家配信者と、本質を見抜く美人記者。チート級の従魔たちが賑やかに囲む日常の中で、二人の距離は少しずつ縮まっていく。ダンジョン攻略・農業・配信・ガチャ・そして予期せぬ大事件——波乱と笑いと感動が交錯する、最強農家の新米配信者ライフが、今幕を開ける。