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13章 ワクワク冒険がいっぱいだ!
568.バトルついでに検証
ちょうどいいから、催眠状態の検証をしよう!
「行動を操るってどうやったらいいのかなー? とりあえず、言葉で指示してみる?」
ちょっと首を傾げてから、ビシッと賢梟を指して口を開いた。
「──賢梟くん、こっちにおいで~」
「ホゥ」
音もなく飛んできた賢梟が、僕の傍にあった低木の枝に止まり、パチリと瞬きをする。ちょっとぼんやりとした目だ。
ちゃんと行動の操作ができてるみたい。
あとは、どのくらいのことをしてもらえるのか、だね。
「賢梟くん、暴手長猿に攻撃!」
「ホーッ」
バッと翼を広げて勢いよく羽ばたいた賢梟から、風の刃が飛ぶ。
その攻撃は見事に暴手長猿を直撃した。
元仲間であっても、催眠状態下で攻撃できるということだ。仲間割れだぁ。
「キィッ!?」
暴手長猿たちが『なんでっ!?』と言いたげな顔をしていて、ちょっと申し訳なくなる。
ひどいことをした気分だ。
むむぅ、と口を噤んで、次の指示を考えた。
もう攻撃させるのはナシとして、回避とかも試してみるかなぁ。
──そう考えていると、暴手長猿たちの攻撃が、前にいるオギンたちの間を抜けて、僕たちの方まで飛んできた。
葉っぱの矢が複数。
気づいたのが直前だったから、慌てて回避スキルで逃げる。見切りスキルの効果と合わせて、ギリギリで回避できた。
うぅ、やっぱりここのモンスターは、僕よりレベルが上で対応が大変だ。もっと鍛えなきゃ。
そんな反省をしたところで、賢梟の「ホゥッ」という悲鳴が聞こえてきてビックリ。
慌てて振り向くと、葉っぱの矢が掠ったのか、賢梟の体力が削られているのがわかった。
これまで見た感じ、賢梟の素早さなら暴手長猿の攻撃を余裕で回避できると判断していたんだけど……。
もしかして、催眠状態だと指示を受けないと自発的に回避することができない?
「──そうだったとしたら、わりと大きなデメリットだなぁ」
味方の状態異常回復に、催眠が使えるかと思っていたけど、使う状況をちゃんと考えないといけないかも。
ふむふむ、と考えながら頷いていると、賢梟が羽ばたく音が聞こえた。
見つめると、パチリと目が合う。
……さっきまでと違い、意思を感じる目をしてる。
「【全鑑定】──あ、もう催眠状態が解けてる」
予想以上に催眠状態の持続時間が短い!
これ、使い方が難しいな。たぶん、モンスターの精神力の高さ次第で持続時間が変わるだろうし……。
「ホーゥ?」
催眠状態が解けても、賢梟は敵に戻るわけではないようだ。うーんと唸ってる僕を見て、不思議そうに首を傾げてる。
闇堕ち状態が復活するわけじゃないし、元来の温厚さが発揮されているんだろうね。
暴手長猿との仲間意識もなさそう。
「あ、回復薬あげるねー」
僕の不手際のせいで攻撃を受けたんだし、とアイテムボックスから取り出した回復薬を振りかけてあげると、賢梟は嬉しそうにユラユラと体を揺らした。
「にゃ(暴手長猿を倒したにゃ。ソイツはどうするにゃ?)」
空中を跳ねるような足取りで駆けてきたヒスイが、僕の頭の近くでふよふよと浮く。
賢梟を少し警戒しているようだ。
「もう倒せたんだ? 予想より早ーい」
「キュオ(その鳥が戦線離脱したら、あの猿たちの連携が崩れて、対処しやすくなったから楽だったわ)」
「グルル(ヒスイが素早さアップのスキルを使ってくれたから、さらに戦いやすくなったぞ)」
「にゃ(褒められたにゃ~♪)」
オギンとレオパパも僕の傍に来て、バトルの感想を教えてくれた。
褒められたヒスイは、レオパパの鬣にスリスリと体を擦りつけて、嬉しそうにしてる。
レオパパとヒスイは同じネコ科だからか、仲間の中でも一際仲がいい気がする。
ヒスイが言うには、レオパパは風虎に似ていて安心するそうだ。
神魔風虎の眷属であるヒスイらしい感想だ。
でも、風虎はトラだろうし、レオパパはライオンだからちょっと違う気がする。
属性も、風虎はヒスイと同じく風で、レオパパは木・火だし。
ネコ科という括りと体の大きさが似てるのかな?
あとは、レオパパの方がヒスイよりレベルが低いけど、動きの無駄のなさとか力の入れ方とかが上手くて、それをヒスイに教えてあげてるから、というのも理由かも。
──なんて考察をしている間に、ショコラとペタも近づいてきて、みんなで賢梟を凝視していた。
見つめられた賢梟が戸惑ってる。可哀想。
すでに暴手長猿討伐アナウンスはされていて、ドロップアイテムや経験値ももらっているから、バトルは終了した扱いになってる。
つまり、闇堕ち状態が解けた賢梟は敵じゃない。
「賢梟くん、催眠の検証に付き合ってくれてありがとね。それと、よければ、闇堕ち状態になった原因とか聞いてもいい?」
このままサヨナラするのはなんだかイヤだし、かと言ってテイムするのもちょっと違う気がして、お話してみることにした。
まあ、友好度の問題があるから、会話できるとは限らないんだけど。ご飯あげてみるべきかな。
「ホゥ」
「うんうん……全然わからん!」
僕に梟語の理解は無理でした。
オギンたちに通訳を頼んでも『さあ?』という感じ。同じモンスターといえども、種族が違えば会話は難しいようだ。
そのわりに、敵のパーティが複数種族混合であることが珍しくないのが不思議だ。
独特な意思疎通方法があるのかな?
「賢梟くん、好きな食べ物はなぁに? 野菜、果物、魚、肉──」
「ホゥ!」
「肉かぁ。梟って、可愛いけど肉食だもんね。夜の森のハンターだし。お肉……スパイス焼き食べる?」
食事会を開催しよ~。
賢梟のお話を聞けるようになるまで、美味しいものを食べさせて友好度をアップするぞ。
「行動を操るってどうやったらいいのかなー? とりあえず、言葉で指示してみる?」
ちょっと首を傾げてから、ビシッと賢梟を指して口を開いた。
「──賢梟くん、こっちにおいで~」
「ホゥ」
音もなく飛んできた賢梟が、僕の傍にあった低木の枝に止まり、パチリと瞬きをする。ちょっとぼんやりとした目だ。
ちゃんと行動の操作ができてるみたい。
あとは、どのくらいのことをしてもらえるのか、だね。
「賢梟くん、暴手長猿に攻撃!」
「ホーッ」
バッと翼を広げて勢いよく羽ばたいた賢梟から、風の刃が飛ぶ。
その攻撃は見事に暴手長猿を直撃した。
元仲間であっても、催眠状態下で攻撃できるということだ。仲間割れだぁ。
「キィッ!?」
暴手長猿たちが『なんでっ!?』と言いたげな顔をしていて、ちょっと申し訳なくなる。
ひどいことをした気分だ。
むむぅ、と口を噤んで、次の指示を考えた。
もう攻撃させるのはナシとして、回避とかも試してみるかなぁ。
──そう考えていると、暴手長猿たちの攻撃が、前にいるオギンたちの間を抜けて、僕たちの方まで飛んできた。
葉っぱの矢が複数。
気づいたのが直前だったから、慌てて回避スキルで逃げる。見切りスキルの効果と合わせて、ギリギリで回避できた。
うぅ、やっぱりここのモンスターは、僕よりレベルが上で対応が大変だ。もっと鍛えなきゃ。
そんな反省をしたところで、賢梟の「ホゥッ」という悲鳴が聞こえてきてビックリ。
慌てて振り向くと、葉っぱの矢が掠ったのか、賢梟の体力が削られているのがわかった。
これまで見た感じ、賢梟の素早さなら暴手長猿の攻撃を余裕で回避できると判断していたんだけど……。
もしかして、催眠状態だと指示を受けないと自発的に回避することができない?
「──そうだったとしたら、わりと大きなデメリットだなぁ」
味方の状態異常回復に、催眠が使えるかと思っていたけど、使う状況をちゃんと考えないといけないかも。
ふむふむ、と考えながら頷いていると、賢梟が羽ばたく音が聞こえた。
見つめると、パチリと目が合う。
……さっきまでと違い、意思を感じる目をしてる。
「【全鑑定】──あ、もう催眠状態が解けてる」
予想以上に催眠状態の持続時間が短い!
これ、使い方が難しいな。たぶん、モンスターの精神力の高さ次第で持続時間が変わるだろうし……。
「ホーゥ?」
催眠状態が解けても、賢梟は敵に戻るわけではないようだ。うーんと唸ってる僕を見て、不思議そうに首を傾げてる。
闇堕ち状態が復活するわけじゃないし、元来の温厚さが発揮されているんだろうね。
暴手長猿との仲間意識もなさそう。
「あ、回復薬あげるねー」
僕の不手際のせいで攻撃を受けたんだし、とアイテムボックスから取り出した回復薬を振りかけてあげると、賢梟は嬉しそうにユラユラと体を揺らした。
「にゃ(暴手長猿を倒したにゃ。ソイツはどうするにゃ?)」
空中を跳ねるような足取りで駆けてきたヒスイが、僕の頭の近くでふよふよと浮く。
賢梟を少し警戒しているようだ。
「もう倒せたんだ? 予想より早ーい」
「キュオ(その鳥が戦線離脱したら、あの猿たちの連携が崩れて、対処しやすくなったから楽だったわ)」
「グルル(ヒスイが素早さアップのスキルを使ってくれたから、さらに戦いやすくなったぞ)」
「にゃ(褒められたにゃ~♪)」
オギンとレオパパも僕の傍に来て、バトルの感想を教えてくれた。
褒められたヒスイは、レオパパの鬣にスリスリと体を擦りつけて、嬉しそうにしてる。
レオパパとヒスイは同じネコ科だからか、仲間の中でも一際仲がいい気がする。
ヒスイが言うには、レオパパは風虎に似ていて安心するそうだ。
神魔風虎の眷属であるヒスイらしい感想だ。
でも、風虎はトラだろうし、レオパパはライオンだからちょっと違う気がする。
属性も、風虎はヒスイと同じく風で、レオパパは木・火だし。
ネコ科という括りと体の大きさが似てるのかな?
あとは、レオパパの方がヒスイよりレベルが低いけど、動きの無駄のなさとか力の入れ方とかが上手くて、それをヒスイに教えてあげてるから、というのも理由かも。
──なんて考察をしている間に、ショコラとペタも近づいてきて、みんなで賢梟を凝視していた。
見つめられた賢梟が戸惑ってる。可哀想。
すでに暴手長猿討伐アナウンスはされていて、ドロップアイテムや経験値ももらっているから、バトルは終了した扱いになってる。
つまり、闇堕ち状態が解けた賢梟は敵じゃない。
「賢梟くん、催眠の検証に付き合ってくれてありがとね。それと、よければ、闇堕ち状態になった原因とか聞いてもいい?」
このままサヨナラするのはなんだかイヤだし、かと言ってテイムするのもちょっと違う気がして、お話してみることにした。
まあ、友好度の問題があるから、会話できるとは限らないんだけど。ご飯あげてみるべきかな。
「ホゥ」
「うんうん……全然わからん!」
僕に梟語の理解は無理でした。
オギンたちに通訳を頼んでも『さあ?』という感じ。同じモンスターといえども、種族が違えば会話は難しいようだ。
そのわりに、敵のパーティが複数種族混合であることが珍しくないのが不思議だ。
独特な意思疎通方法があるのかな?
「賢梟くん、好きな食べ物はなぁに? 野菜、果物、魚、肉──」
「ホゥ!」
「肉かぁ。梟って、可愛いけど肉食だもんね。夜の森のハンターだし。お肉……スパイス焼き食べる?」
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