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13章 ワクワク冒険がいっぱいだ!
577.つよつよアイテム
視察(という名の社会勉強)を終えたベラちゃんを交えて、パティエンヌちゃんが出してくれた幻桃スイーツを食べて一服。
相変わらず、パティエンヌちゃんが作る幻桃スイーツは最高でした。
……さっきから僕、食べ過ぎでは?
いくらでも食べられちゃうの、改めて考えても凄い。満腹度が常に100%だよ。
ただ、ちょっとさすがに口の中が甘ったるくなってきたから、アイテムボックスから取り出したフライドポテトを食べる。
もひもひ、もひもひ──フライドポテトをひたすら口に入れて頬に貯めてたら、ベラちゃんがフフッと笑う声が聞こえてきた。
「モモ、かわいいわね」
「そーお? ありがとお」
ほっぺたがパンパンで不明瞭な響きになったけど、ちゃんと言えたはず。
微笑み合う僕たちの周りでは、なぜか護衛さんたちがソッと視線を逸らして肩を揺らしてる。面白いことでもあった?
「ふふ、モモさん、ピーチティをどうぞ。無糖ですので、口がさっぱりすると思いますよ」
「パティエンヌちゃん、ありがとー」
頬に貯めたフライドポテトをゴクッと飲み込んだところで、ピーチティをもらった。
甘い桃の香りがするけど、飲んでみると紅茶らしい渋みと爽やかで、口の中がリフレッシュする。うまうま。
「お嬢様、そろそろ視察の終了時間です」
「あら、もうそんな時間なのね……」
シシリーに予定を教えられたベラちゃんがしょんぼりしてる。
あっという間だったね。僕ももっとおしゃべりしたかった──って、呪いについての話を聞いてない!
ハッと思い出して、「あ」と声が漏れた。
「モモ、どうしたの?」
渋々と帰り支度を始めていたベラちゃんが、僕を振り向いて首を傾げる。
んー、モンちゃんから有力情報をもらったから、わざわざベラちゃんに聞かなくてもいいと言えばいいんだけど……一応話しておくか。
ちょっとだけ悩んでから、その時間ももったいないな、と思って呪いについて説明してみた。
「第四の街近くの魔物が呪われて、闇堕ち状態になってるんだけどね──ん!?」
かくかくしかじか。
説明を終えた途端、シシリーや護衛さんたちの顔が控えめに言って般若になった。
その様子にビビったあまりに、ぴょーんと跳ねて、ベラちゃんの後ろに隠れちゃったよ。
どうしたのみんな、お顔が怖いよ!
「またアレは性懲りもなく呪いを振りまいていると……?」
シシリーが言うアレとは、間違いなく闇使徒団のことである。殺意100%な目に、僕の体が勝手にプルプル震えちゃう。
「お嬢様を呪った時点で万死に値する所業でしたが……なるほど、地獄行きでも甘いですなぁ。はっはっは」
「王都の騎士共は何をしてるんだ。さっさと根絶やしにしろ。職務怠慢だろう」
「俺、弟が王城騎士団に所属してるので、発破をかけときます」
「頼んだ」
護衛さんたちの殺意も100%だった。
どこの誰だか知らないけど、圧たっぷりの発破をかけられちゃう弟さん、なんかごめんね?
こんなにみんなが怒ってるのは、大事なお嬢様であるベラちゃんが、以前呪いの被害を受けたからだろうなぁ。
うん、怒るの当然すぎる。
「ベラちゃん、愛されてるねぇ」
「……そうね。それは嬉しいのだけれど、あまり怖い顔をしてほしくないわ。みんな本当は優しいのに、他の人に誤解されちゃうもの」
困った顔をしてそう言うベラちゃんに、みんなが「「「お嬢様……!」」」と言って感動してる。
相思相愛だね。麗しき主従愛? 僕、お邪魔かな?
ほっこり笑みに戻ったシシリーに手招きされて、ベラちゃんの後ろから出て近づいた。
僕にご用事ですかー?
「こちらを差し上げます」
「ヒエッ!?」
なぜか護衛さんたちが壁になって、ベラちゃんから見えない位置に連れ込まれたと思ったら、目が笑ってないシシリーに、何かを押し付けられた。
圧を感じて怖いんですけどー!? 無警戒に近づいた僕、おバカ!
〈シシリーから【伯爵家紋章付きペンダント】を受け取りました〉
——————
【伯爵家紋章付きペンダント】レア度☆☆☆☆
第二の街オースの領主である伯爵家の紋章が描かれた金のペンダント
特別な場所で示せば、伯爵家の威光を使用することができる
——————
なんか凄そうなものをもらったんだけど。
でも、どう使うものなのか、よくわからないよ?
「権力が必要な時は、それを使ってください。伯爵家が全力でモモさんの味方になります。モモさんは私たちのお嬢様の恩人……恩兎ですからね」
めっちゃマジの顔でシシリーに言われた。
わざわざ恩人を恩兎に言い換えなくてもいいのに。これは気を遣ってもらったのかな。
それにしても、伯爵家が後ろ盾って凄い気がする。でも、僕はもう王様と仲良いし、その凄さの実感がいまいち湧かない。
「よくわかんないけど、怖いこと言ってる?」
「いえ。明確に言うと、闇使徒団を討つ時は、それを王城騎士団に提示して、戦力を出してもらってください」
「討つ時……なるほど、王城騎士団との共闘用アイテムか……」
使い方を教えてもらって、今これをもらった意味がわかった。
闇使徒団憎し、からの、第二の街を離れられない自分たちの代わりに王城騎士団にがんばってもらおう、という結論になったんだね。
……これをもらわなくても、王様やダーロンさん経由で、王城騎士団に動いてもらうのは容易い気がする。
まあ、そんなことシシリーたちは知らないだろし、自分たちの自己満足のためでもあるだろうから、ここは大人しく受け取っておこう。
正直、もふもふ教を動かした上で、騎士団まで使ったら、闇使徒団に同情しちゃいそう。
敵なんだけど「逃げてー!」と言いたくなるよ。
相変わらず、パティエンヌちゃんが作る幻桃スイーツは最高でした。
……さっきから僕、食べ過ぎでは?
いくらでも食べられちゃうの、改めて考えても凄い。満腹度が常に100%だよ。
ただ、ちょっとさすがに口の中が甘ったるくなってきたから、アイテムボックスから取り出したフライドポテトを食べる。
もひもひ、もひもひ──フライドポテトをひたすら口に入れて頬に貯めてたら、ベラちゃんがフフッと笑う声が聞こえてきた。
「モモ、かわいいわね」
「そーお? ありがとお」
ほっぺたがパンパンで不明瞭な響きになったけど、ちゃんと言えたはず。
微笑み合う僕たちの周りでは、なぜか護衛さんたちがソッと視線を逸らして肩を揺らしてる。面白いことでもあった?
「ふふ、モモさん、ピーチティをどうぞ。無糖ですので、口がさっぱりすると思いますよ」
「パティエンヌちゃん、ありがとー」
頬に貯めたフライドポテトをゴクッと飲み込んだところで、ピーチティをもらった。
甘い桃の香りがするけど、飲んでみると紅茶らしい渋みと爽やかで、口の中がリフレッシュする。うまうま。
「お嬢様、そろそろ視察の終了時間です」
「あら、もうそんな時間なのね……」
シシリーに予定を教えられたベラちゃんがしょんぼりしてる。
あっという間だったね。僕ももっとおしゃべりしたかった──って、呪いについての話を聞いてない!
ハッと思い出して、「あ」と声が漏れた。
「モモ、どうしたの?」
渋々と帰り支度を始めていたベラちゃんが、僕を振り向いて首を傾げる。
んー、モンちゃんから有力情報をもらったから、わざわざベラちゃんに聞かなくてもいいと言えばいいんだけど……一応話しておくか。
ちょっとだけ悩んでから、その時間ももったいないな、と思って呪いについて説明してみた。
「第四の街近くの魔物が呪われて、闇堕ち状態になってるんだけどね──ん!?」
かくかくしかじか。
説明を終えた途端、シシリーや護衛さんたちの顔が控えめに言って般若になった。
その様子にビビったあまりに、ぴょーんと跳ねて、ベラちゃんの後ろに隠れちゃったよ。
どうしたのみんな、お顔が怖いよ!
「またアレは性懲りもなく呪いを振りまいていると……?」
シシリーが言うアレとは、間違いなく闇使徒団のことである。殺意100%な目に、僕の体が勝手にプルプル震えちゃう。
「お嬢様を呪った時点で万死に値する所業でしたが……なるほど、地獄行きでも甘いですなぁ。はっはっは」
「王都の騎士共は何をしてるんだ。さっさと根絶やしにしろ。職務怠慢だろう」
「俺、弟が王城騎士団に所属してるので、発破をかけときます」
「頼んだ」
護衛さんたちの殺意も100%だった。
どこの誰だか知らないけど、圧たっぷりの発破をかけられちゃう弟さん、なんかごめんね?
こんなにみんなが怒ってるのは、大事なお嬢様であるベラちゃんが、以前呪いの被害を受けたからだろうなぁ。
うん、怒るの当然すぎる。
「ベラちゃん、愛されてるねぇ」
「……そうね。それは嬉しいのだけれど、あまり怖い顔をしてほしくないわ。みんな本当は優しいのに、他の人に誤解されちゃうもの」
困った顔をしてそう言うベラちゃんに、みんなが「「「お嬢様……!」」」と言って感動してる。
相思相愛だね。麗しき主従愛? 僕、お邪魔かな?
ほっこり笑みに戻ったシシリーに手招きされて、ベラちゃんの後ろから出て近づいた。
僕にご用事ですかー?
「こちらを差し上げます」
「ヒエッ!?」
なぜか護衛さんたちが壁になって、ベラちゃんから見えない位置に連れ込まれたと思ったら、目が笑ってないシシリーに、何かを押し付けられた。
圧を感じて怖いんですけどー!? 無警戒に近づいた僕、おバカ!
〈シシリーから【伯爵家紋章付きペンダント】を受け取りました〉
——————
【伯爵家紋章付きペンダント】レア度☆☆☆☆
第二の街オースの領主である伯爵家の紋章が描かれた金のペンダント
特別な場所で示せば、伯爵家の威光を使用することができる
——————
なんか凄そうなものをもらったんだけど。
でも、どう使うものなのか、よくわからないよ?
「権力が必要な時は、それを使ってください。伯爵家が全力でモモさんの味方になります。モモさんは私たちのお嬢様の恩人……恩兎ですからね」
めっちゃマジの顔でシシリーに言われた。
わざわざ恩人を恩兎に言い換えなくてもいいのに。これは気を遣ってもらったのかな。
それにしても、伯爵家が後ろ盾って凄い気がする。でも、僕はもう王様と仲良いし、その凄さの実感がいまいち湧かない。
「よくわかんないけど、怖いこと言ってる?」
「いえ。明確に言うと、闇使徒団を討つ時は、それを王城騎士団に提示して、戦力を出してもらってください」
「討つ時……なるほど、王城騎士団との共闘用アイテムか……」
使い方を教えてもらって、今これをもらった意味がわかった。
闇使徒団憎し、からの、第二の街を離れられない自分たちの代わりに王城騎士団にがんばってもらおう、という結論になったんだね。
……これをもらわなくても、王様やダーロンさん経由で、王城騎士団に動いてもらうのは容易い気がする。
まあ、そんなことシシリーたちは知らないだろし、自分たちの自己満足のためでもあるだろうから、ここは大人しく受け取っておこう。
正直、もふもふ教を動かした上で、騎士団まで使ったら、闇使徒団に同情しちゃいそう。
敵なんだけど「逃げてー!」と言いたくなるよ。
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