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9章 もふうさフィーバー
360.探索中です
ユキマルが元気いっぱいに跳ね回って浄化してくれたおかげで、その後三つの宝箱を発見できた。
中身はどれも人魚薬。正直こんなにたくさんいらない気がする……。
「つーか、これ、どこまで続くんだよ」
ルトがげっそりした表情で呟いた。
随分と歩き続けてるけど、ずっと道が続いてるもんねぇ。果てがないように思えてきちゃう。
「暴走鯱の大きさを考えたら、まだまだ続いててもおかしくないよね」
まるで島のようだった暴走鯱の大きさを思い出す。あはは……と乾いた笑いが漏れた。
ルトも同じものを脳裏に思い浮かべたのか、ぐったりと肩を落とす。
突然、大きく足元が揺れた。
「うおっ! ……はぁ、みんな攻撃がんばってんな」
「そうだねぇ」
プレイヤーたちによる口内への攻撃が本格化しているようで、揺れる頻度が高くなってる。
タマモによると、外からの攻撃も少し通りやすくなっているらしいから、もしかしたら体内から浄化してる効果が防御力低下という形で表れてるのかも。
「早く外に出てぇ……この先、何があんだよ……」
すっかり酔いにやられて俯くルトを見て、先に戻ってもいいんだよー、と言おうとしたところで、ユキマルがぶつかって現れたものを見つけた。
「……ねぇ、ルト。あれ何?」
指し示す。ユキマルが跳ねるのをやめて、現れたものを不思議そうに眺めていた。
「あ? ——目がおかしくなったのか? なんか扉があるんだけど」
「やっぱり見間違いじゃないよね。というか、もう道がなくない?」
行き止まりに赤い扉があった。
どういうことなの。ここってモンスターの体内じゃなかったっけ?
二人と一体で呆然と扉を眺める。
ユキマルの浄化のおかげで、扉は隠れることなくそこにあり続けた。
「ダンジョンみたいなものか?」
「モンスターの体内がダンジョンになってるってこと?」
「……ありえなくはねぇと思うんだけど。ここは穢れた魔力がたっぷりあるみたいだし」
「まぁ、そうだねー」
ダンジョンは世界の穢れた魔力が集まって生み出されるものだ。シャチの穢れ具合を考えると、なんとなく納得できる。
ルトとぽつりぽつりと会話をして、気を取り直した。
なにはともあれ、果てのない探索が一旦終わりそうなことを喜ぼう!
「中入る?」
「ここまで来て、入らねぇはずがないだろ」
「だよねー」
念の為に確認しただけです。
ということで、一応装備の確認をしてから、扉に手を伸ばした。
「——あ、開かない……!」
「モモが非力だからじゃね?」
ふんぬーっ、と全体重をかけて扉を押しても、びくともしない。僕非力じゃないもん。小さいだけだもん。
今度はルトが手を伸ばし扉を押す——全然動かない。
「ほらー! 僕が非力なわけじゃなかったよ!」
「……悪い」
ルトが眉間にシワを寄せながらも謝る。その間もなんとか扉を開けようと、押したり引いたりしていた。全然動く気配がないけど。
これどうしたらいいの?
困っていたら、ユキマルがぴょんと跳ねて提案をしてくる。
「ぴぅ(ナッティを喚んでみたら?)」
「あ、そうだね。ナッティなら何かわかるかも」
星栗鼠のナッティは、罠探知とかの探索が得意なのだ。この状況で役に立ってくれそう。
そこでユキマルを帰還させ、ナッティを召喚してみた。
「【召喚】ナッティ!」
「きゅーきゅい(久しぶりねー。って、ここは何?)」
現れた途端、ナッティがキョロキョロと周囲を見渡す。
僕は状況を説明してから、扉を指して開け方を尋ねてみた。
「この扉を開けたいんだけど、どうしたらいいと思う?」
「きゅー……きゅーきゅい(そうねぇ……これが気になるわ)」
ナッティが扉の横にあった丸い模様を指した。
ユキマルによる浄化の跡に紛れていて気づかなかったけど、白っぽい丸が突起のようになってる。
「なんかボタンみたいだね」
「確かに。これ、押せばいいのか?」
「きゅーきゅい(そうね。悪い感じはしないわよ)」
ナッティがそう言ってくれたから遠慮なく押すことにした。高い位置にあるから、ルトがポチッと触る。
途端に、扉が横にぬるっと動いた。横開きだったんかい!
「お、中が広間みたいになってる。道が続いてるわけじゃなくてよかったな」
中を覗き込んだルトがホッとした様子で言う。そのまま一歩中に入ろうとしたところで、ナッティが「きゅーきゅい(そこ、落とし穴があるわよ)」と注意した。
「ルト! 落とし穴!」
「え、うおっ!」
ぽっかりと口を開けた落とし穴から、ルトが跳び退く。間一髪回避できたようだ。
「危なかったねぇ」
「ああ。警告してくれてサンキュ。でも、モンスターの体内に落とし穴ってなんだよ……」
ルトが「意味わからん」と眉を寄せた。
でも、扉がある時点でその疑問は今更だと思うよ。
「ナッティ、他に罠はなさそう?」
「きゅーきゅい(落とし穴がいくつかあるわね。安全な場所を先導するわ)」
ナッティが尻尾をフリフリしながら、僕たちの前を歩いた。
「俺もこんなモンスをテイムしたいかもしれねぇ……」
「いいでしょー」
ルトがマジマジとナッティを見ているから、僕の仲間を自慢する。みんないい子だし、頼りになるんだよー。
そんなことを話していたら、ナッティがピタリと立ち止まった。
「きゅーきゅい(ここから下に行けるみたいよ)」
「え、下?」
ナッティの隣りに立つと、階段があるのが見えた。
体内に階段……なんとも不思議な光景だ。またルトが「意味わからん」と顔を顰めてる。
まぁ、気にせず進んじゃいましょー。
この先に何があるのかなー?
中身はどれも人魚薬。正直こんなにたくさんいらない気がする……。
「つーか、これ、どこまで続くんだよ」
ルトがげっそりした表情で呟いた。
随分と歩き続けてるけど、ずっと道が続いてるもんねぇ。果てがないように思えてきちゃう。
「暴走鯱の大きさを考えたら、まだまだ続いててもおかしくないよね」
まるで島のようだった暴走鯱の大きさを思い出す。あはは……と乾いた笑いが漏れた。
ルトも同じものを脳裏に思い浮かべたのか、ぐったりと肩を落とす。
突然、大きく足元が揺れた。
「うおっ! ……はぁ、みんな攻撃がんばってんな」
「そうだねぇ」
プレイヤーたちによる口内への攻撃が本格化しているようで、揺れる頻度が高くなってる。
タマモによると、外からの攻撃も少し通りやすくなっているらしいから、もしかしたら体内から浄化してる効果が防御力低下という形で表れてるのかも。
「早く外に出てぇ……この先、何があんだよ……」
すっかり酔いにやられて俯くルトを見て、先に戻ってもいいんだよー、と言おうとしたところで、ユキマルがぶつかって現れたものを見つけた。
「……ねぇ、ルト。あれ何?」
指し示す。ユキマルが跳ねるのをやめて、現れたものを不思議そうに眺めていた。
「あ? ——目がおかしくなったのか? なんか扉があるんだけど」
「やっぱり見間違いじゃないよね。というか、もう道がなくない?」
行き止まりに赤い扉があった。
どういうことなの。ここってモンスターの体内じゃなかったっけ?
二人と一体で呆然と扉を眺める。
ユキマルの浄化のおかげで、扉は隠れることなくそこにあり続けた。
「ダンジョンみたいなものか?」
「モンスターの体内がダンジョンになってるってこと?」
「……ありえなくはねぇと思うんだけど。ここは穢れた魔力がたっぷりあるみたいだし」
「まぁ、そうだねー」
ダンジョンは世界の穢れた魔力が集まって生み出されるものだ。シャチの穢れ具合を考えると、なんとなく納得できる。
ルトとぽつりぽつりと会話をして、気を取り直した。
なにはともあれ、果てのない探索が一旦終わりそうなことを喜ぼう!
「中入る?」
「ここまで来て、入らねぇはずがないだろ」
「だよねー」
念の為に確認しただけです。
ということで、一応装備の確認をしてから、扉に手を伸ばした。
「——あ、開かない……!」
「モモが非力だからじゃね?」
ふんぬーっ、と全体重をかけて扉を押しても、びくともしない。僕非力じゃないもん。小さいだけだもん。
今度はルトが手を伸ばし扉を押す——全然動かない。
「ほらー! 僕が非力なわけじゃなかったよ!」
「……悪い」
ルトが眉間にシワを寄せながらも謝る。その間もなんとか扉を開けようと、押したり引いたりしていた。全然動く気配がないけど。
これどうしたらいいの?
困っていたら、ユキマルがぴょんと跳ねて提案をしてくる。
「ぴぅ(ナッティを喚んでみたら?)」
「あ、そうだね。ナッティなら何かわかるかも」
星栗鼠のナッティは、罠探知とかの探索が得意なのだ。この状況で役に立ってくれそう。
そこでユキマルを帰還させ、ナッティを召喚してみた。
「【召喚】ナッティ!」
「きゅーきゅい(久しぶりねー。って、ここは何?)」
現れた途端、ナッティがキョロキョロと周囲を見渡す。
僕は状況を説明してから、扉を指して開け方を尋ねてみた。
「この扉を開けたいんだけど、どうしたらいいと思う?」
「きゅー……きゅーきゅい(そうねぇ……これが気になるわ)」
ナッティが扉の横にあった丸い模様を指した。
ユキマルによる浄化の跡に紛れていて気づかなかったけど、白っぽい丸が突起のようになってる。
「なんかボタンみたいだね」
「確かに。これ、押せばいいのか?」
「きゅーきゅい(そうね。悪い感じはしないわよ)」
ナッティがそう言ってくれたから遠慮なく押すことにした。高い位置にあるから、ルトがポチッと触る。
途端に、扉が横にぬるっと動いた。横開きだったんかい!
「お、中が広間みたいになってる。道が続いてるわけじゃなくてよかったな」
中を覗き込んだルトがホッとした様子で言う。そのまま一歩中に入ろうとしたところで、ナッティが「きゅーきゅい(そこ、落とし穴があるわよ)」と注意した。
「ルト! 落とし穴!」
「え、うおっ!」
ぽっかりと口を開けた落とし穴から、ルトが跳び退く。間一髪回避できたようだ。
「危なかったねぇ」
「ああ。警告してくれてサンキュ。でも、モンスターの体内に落とし穴ってなんだよ……」
ルトが「意味わからん」と眉を寄せた。
でも、扉がある時点でその疑問は今更だと思うよ。
「ナッティ、他に罠はなさそう?」
「きゅーきゅい(落とし穴がいくつかあるわね。安全な場所を先導するわ)」
ナッティが尻尾をフリフリしながら、僕たちの前を歩いた。
「俺もこんなモンスをテイムしたいかもしれねぇ……」
「いいでしょー」
ルトがマジマジとナッティを見ているから、僕の仲間を自慢する。みんないい子だし、頼りになるんだよー。
そんなことを話していたら、ナッティがピタリと立ち止まった。
「きゅーきゅい(ここから下に行けるみたいよ)」
「え、下?」
ナッティの隣りに立つと、階段があるのが見えた。
体内に階段……なんとも不思議な光景だ。またルトが「意味わからん」と顔を顰めてる。
まぁ、気にせず進んじゃいましょー。
この先に何があるのかなー?
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