もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

文字の大きさ
381 / 661
9章 もふうさフィーバー

361.なんか見っけ!

 長い階段を延々とおりていく。

「……長すぎじゃない?」
「だな。っ、もう揺れんのヤダ……」

 大きく階段が揺れて、したたかに壁に体を打ちつけたルトが弱音を吐いてる。
 僕は危うく階段を転がり落ちそうになってヒヤヒヤした。

「ナッティ、大丈夫?」
「きゅーきゅい(問題ないわ。もうそろそろ着く気がするわよ)」
「あ、そうなんだ? よかったね、ルト」
「何がだ?」

 ナッティの言葉はルトに伝わらないって忘れてた。
 すぐに「もうすぐ到着しそうだよー」と教える。ルトは死んでた目を一気に輝かせた。

 やる気が回復したルトを連れ、さらに階段を下る。
 すると、ナッティが言った通り、階段が終わり小部屋に辿り着いた。

「……あれ、何?」

 小部屋の中央には黒い剣があった。床に突き刺さる感じで。え、めっちゃ痛そう。暴走鯱バイオレンシャチはこの剣が気にならないの?

「めっちゃ闇の気配がする。つーか、これ——」

 ルトが真剣な顔で観察し始めた。
 僕も鑑定しようっと。

——————
【呪われた剣】レア度???
 闇属性の呪いがかけられた剣。正体は浄化しなければわからない。
 触れているところから呪いを広げる。
——————

 呪われた剣ですと!?
 もしかして、暴走鯱バイオレンシャチが穢れてる理由って、これ?

「マジかー……」
「穢れてるけど、結構いい剣っぽいな」

 ポカンとする僕の横で、ルトが鍛冶士らしい評価をした。ちょっと欲しそうな顔をしてる。

「呪われた剣、欲しいの?」
「浄化できたら問題ないだろ? まぁ、触れた時点でこっちも呪われそうだから、入手できないだろうけど」

 ルトが残念そうにしてるから、ナッティを帰還させて再びユキマルを喚び出した。途端に、ルトの目が期待を滲ませて輝く。

「ユキマル、あの剣を浄化してー」
「ぴぅ(任せて)」

 気合いたっぷりに跳ねたユキマルが、浄化の光を放ちながら剣に突撃した。勢いがすごい。

「おー。浄化できたねー」
「できたな」

 黒い闇で染められていた剣が次第に青銀色に輝き始めた。すごくキラキラしてる。ルトの目も同じくらいキラキラ。

 伺うように見られたから、「どうぞー」と剣を指した。
 僕は剣を使わないし、いらないです。

「サンキュ——お、見た目より軽い」

 スッと剣が引き抜かれる。キラキラと輝く剣はまるで聖剣のような神々しさだ。
 あ、鑑定するの忘れてた。

——————
海竜剣シードラソード】レア度☆☆☆☆☆
 海にいるドラゴンの力で作られた水属性の剣
 厄災のモンスターの力を封じることができる
 水属性攻撃力と耐性を10%上げる
 物理攻撃力・魔力攻撃力+40、器用さ+8
 〈武器付属スキル〉
 【海流斬り】【海竜撃シードラバン
——————

 ……なんか凄そうな剣だね。
 ルトもアイテム詳細を確認したのか、無言で剣を凝視してる。

〈〈あるプレイヤーがワールドミッション【ドラゴンが作りし武器の入手】を達成しました。世界にはドラゴンが作りし武器が他に九個あります〉〉

 まさかのここでワールドアナウンス!
 このレイドイベント中で発見できなかったら、この剣は別の場所に置き直されることになってたのかな?

「うわー、マジか……ワールドミッションクリアしちまった」
「よかったねー。報酬は何?」
「この剣。追加報酬なし」
「ありゃま。それは残念だね」
「いや、強そうな剣だしこれで十分だ。つーか、悪いな。モモががんばってくれたのに」

 申し訳なさそうに見られたけど、僕は「ううん」と首を振った。
 正直ワールドミッションは何度もクリアしてるし、今更僕がクリアしたかったなんて思わない。

 それにしても、なんでここにこの剣が穢れた状態で刺さってたんだろうね?
 とりあえず周囲を探索してみる。とはいえ、小さい部屋だから他に何もない——

「うあっ!」

 突然床が消えて、咄嗟に飛翔フライスキルを使って飛んだ。
 びっくりしたー。ここにも落とし穴があったのか。
 ぽっかりと開いた穴を見下ろす……何かが穴の底にあるような?

「大丈夫か?」
「うん、飛んだから問題ないよー。それより気になるもの見つけた!」

 回避したばかりの穴に向けて飛ぶ。
 ルトが「おい!?」と慌てるのが聞こえてきた。すぐ戻ってくるから待っててねー。

 穴の底には金属のプレートらしきものがある。
 そこには文字が刻まれていた。

「えっとー……『世界に厄災をもたらすモンスターの内一体の力を剣により封じた。この封が解かれる前に、モンスターが討伐されることを願う』……?」

 これ、剣をここに刺した人が残したものみたいだね。
 暴走鯱バイオレンシャチは厄災のモンスターって言われるもので、ルトが手に入れた剣が力を封じて災いが起きるのを防いでいたらしい。

 それが穢れちゃってたのはなんでだろう?
 というか、この剣抜いちゃって問題なかったの?

 ちょっぴり嫌な予感がする。
 慌ててルトのところに戻ろうとしたら、再びワールドアナウンスが聞こえてきた。

〈〈あるプレイヤーがワールドミッション【封じられた災厄のモンスターの謎を発見】を達成しました〉〉
〈ワールドミッション達成報酬としてアイテム【聖杖】が贈られます〉
——————
【聖杖】レア度☆☆☆☆☆
 光属性の杖型の武器。魔術発動体として使用可能。
 光属性攻撃・耐性を30%上げる。魔力攻撃力+50、精神力+30
〈武器付属スキル〉
聖光ホーリーライト
 聖なる光で範囲内の敵を攻撃する。
 味方に対して使うと、体力を30回復させる。
——————

 なんか凄いものもらっちゃったー!
 というか、これもワールドミッションだったのか! 大盤振る舞いだね!

「……よかったな、モモ」
「うん、ちょっぴり疲労感があるけどね……」

 穴から出て、ルトと顔を見合わせる。
 ワールドミッションって、こんなに頻繁にクリアできるものじゃないと思うんだ。今更だけど。

感想 3,053

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

『彼を解放して!』とおっしゃいましたが、何から解放されたいのですか?

シエル
恋愛
「彼を解放してください!」 友人たちと教室に戻ろうとしていると、突如、知らない令嬢に呼び止められました。 「どなたかしら?」 なぜ、先ほどから私が問いかける度に驚いているのでしょう? まるで「え!?私のこと知らないの!?」と言わんばかりですけれど、知りませんよ? どうやら、『彼』とは私の婚約者のことのようです。 「解放して」とおっしゃっいましたが、私の目には何かに囚われているようには見えないのですが? ※ 中世ヨーロッパモデルの架空の世界 ※ ご都合主義です。 ※ 誤字、脱字、文章がおかしい箇所は気付いた際に修正しております。

(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・

青空一夏
恋愛
私はダーシー・オークリー女伯爵。愛する夫との間に子供はいない。なんとかできるように努力はしてきたがどうやら私の身体に原因があるようだった。 「養女を迎えようと思うわ・・・・・・」 私の言葉に夫は私の妹のアイリスのお腹の子どもがいいと言う。私達はその産まれてきた子供を養女に迎えたが・・・・・・ 異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定。ざまぁ。魔獣がいる世界。

【完結】精霊に選ばれなかった私は…

まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。 しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。 選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。 選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。 貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…? ☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

空港清掃員58歳、転生先の王宮でも床を磨いたら双子に懐かれ、国王に溺愛される

木風
恋愛
羽田空港で十五年、黙々と床を磨いてきた清掃員・田中幸子(58)は事故死し、没落寸前の子爵令嬢エルシアとして転生する。 婚約破棄の末に家を追われた彼女が選んだのは、王宮の清掃員――前世の技で空気まで変わるほど磨き上げていく仕事だった。 やがて母を亡くした双子王子王女に懐かれ、荒れた執務室の主である喪中の国王とも距離が縮まり……。 「泣くなら俺の胸で」――床も心も磨き直す、清掃令嬢の溺愛成り上がり。

番外編・もふもふで始めるのんびり寄り道生活

ゆるり
ファンタジー
『もふもふで始めるのんびり寄り道生活』の番外編です。 登場人物の説明などは本編をご覧くださいませ。 更新は不定期です。

畑の隣にダンジョンが生えたので、農家兼ダンチューバーになることにした件について〜隠れ最強の元エリート、今日も野菜を育てながら配信中〜

グリゴリ
ファンタジー
 木嶋蒼、35歳。表向きは田舎で農業を始めて1年目の、どこにでもいる素朴な農家だ。しかし実態は、内閣直轄の超エリート組織・ダンジョン対策庁において「特総(特別総括官)」という非公開の最高職を務める、日本最高峰の実力者である。その事実を知る者は内閣総理大臣を含む極少数のみ。家族でさえ、蒼が対策庁を早々に退庁したと信じて疑わない。  SSSランクのテイムスキルと攻撃スキル、SSランクの支援スキルと農業スキルを18歳時に鑑定され、誰もが「化け物」と称えたその実力を、蒼は今日も畑仕事に注ぎ込んでいる。農作物の品質は驚異的に高く、毎日の収穫が静かな喜びだ。少し抜けているところはあるが、それもご愛嬌——と思っていた矢先、農業開始から1年が経ったある朝、異変が起きた。  祖父母の旧宅に隣接する納屋の床に、漆黒に金の縁取りをしたゲートリングが突如出現したのだ。通常の探索者には認識すらできないそれは、蒼だけが見えるシークレットプライベートダンジョン——後に「蒼天の根」と呼ばれることになる、全100階層の特異空間だった。  恐る恐る潜ったダンジョンの第1層で、蒼は虹色に輝くベビースライム「ソル」と出会い、即座に従魔として契約。さらに探索を進める中でベビードラゴンの「ルナ」、神狼種のベビーシルバーウルフ「クロ」を仲間に加えていく。そしてダンジョン初潜入の最中、蒼の体内に「究極進化システム」が覚醒する。ダンジョン内の素材をエボリューションポイント・ショップポイント・現金へと変換し、自身や従魔、親しい者を際限なく強化・進化させるこのシステムは、ガチャ機能・ショップ機能・タスク機能まで備えた、あまりにもチートじみた代物だった。  蒼は決める。「せっかくだから配信もしよう」と。農家兼ダンチューバーという前代未聞のスタイルで探索者ライセンスを取得し、「農家のダンジョン攻略配信」を開始した彼の動画はじわじわと注目を集め始める。  そんな中、隣のダンジョンの取材にやってきたのが、C級探索者ライセンスを持つ美人記者兼ダンチューバー・藤宮詩織だった。国際探索者協会の超エリート一家に生まれながら自らの道を切り開いてきた彼女は、蒼の「農家なのになぜかとても強い」という矛盾に鋭い鑑定眼を向ける。  隠れ最強の農家配信者と、本質を見抜く美人記者。チート級の従魔たちが賑やかに囲む日常の中で、二人の距離は少しずつ縮まっていく。ダンジョン攻略・農業・配信・ガチャ・そして予期せぬ大事件——波乱と笑いと感動が交錯する、最強農家の新米配信者ライフが、今幕を開ける。

死にたくないので、今世は「悪女」の看板を下ろして「聖女」の利権を奪い尽くします

あめとおと
恋愛
「死に様なら、もう八通りも見てきたわ」 公爵令嬢レオノーラは、義妹ミアを「聖女」として引き立てるための「悪役」として、九回の人生をループしてきた。 どれほど善人に振る舞おうと、どれほど婚約者の王太子に縋ろうと、最後は常に処刑台か追放。 すべては、周囲の好感度を強制的に書き換えるミアの「偽りの奇跡」のせいだった。 十度目の十六歳。 累計八十年の人生を経験し、精神年齢も魔導知識も「枯れた」域に達したレオノーラは、ついに決意する。 「いい子を演じるのは、もう飽きたわ。今世は悪役令嬢らしく、あなたの『幸運』をすべて奪い尽くしてあげる」 ミアが手に入れるはずだった【癒やしの聖杯】を先回りして献上し、 ミアの信奉者になるはずだった【最強の騎士団長】を魔導の力で救済して味方につけ、 王太子との「思い出の場所」を物理的に整地してバラ園に変える。 「あら、殿下。ゴミ(思い出)を片付けて何が悪いのかしら?」 冷徹に、そして優雅に「ざまぁ」を完遂していくレオノーラ。 そんな彼女の前に、前世では「死神」と恐れられた隣国の皇帝ギルバートが現れる。 彼は、聖女の補正が効かない唯一の男。そして、誰よりも重すぎる独占欲を抱えた男だった――。 「君は世界を奪え。私は、そんな君を奪うとしよう」 これは、九回殺された悪役令嬢が、十回目で「真の幸福」と「最強の地位」を力ずくでもぎ取る、逆転無双の物語。 【全10話+後日談 完結まで投稿済 最終投稿は3/27】