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10章 海は広くて冒険いっぱい
371.海上バカンス
スタ島から王都の船着き場にルンルンとやって来た僕たちは、すぐに項垂れた。だって、船に乗れなかったんだもん。
「定員に達しましたー。次の運行は三十分後ですー」
船着き場のスタッフらしき人が呼びかけてる。長い行列ができていて、全員が乗れるのがいつになることか、と考えるとちょっと気が遠くなりそう。
「出遅れたぁ……」
通知を見てすぐに来たつもりなのに、みんなの行動が早すぎる。
しょんぼりと肩を落としていると、僕より前に並んでいる人がチラチラと振り返り、「もふもふ神さまに順番譲る?」と相談していた。
でも、そういうのはしなくても大丈夫だよ。ズルな気がしちゃうからね。
「んー……ログアウトの時間を考えたら、今日中に行くのは無理かなぁ」
列の長さを眺めて思案していたら、スラリンがぴょんと跳ねるのが見えた。
「きゅぃ(この船じゃないと行けないの?)」
「え? どういう意味?」
「きゅぃ(モモは船を持ってるよね?)」
言われてハッと気づく。
そうだ。僕、海賊と戦った報酬で、船を手に入れたんだった!
自分の船でも海底都市リュウグウに行けるのかなぁ? わからないけど、試してみる価値はあるね。
「よぉし、僕の船で行こうか!」
意気揚々と列から離れ、海の近くに向かう。
出港直前の船の甲板と列に並んでいる人から、「一体何事?」「もふもふ神さま、何をするつもりなんだろう?」と疑問と期待が入り混じった声が聞こえてきた。
気にせず海岸に立ち、アイテムボックスから【小型帆船】を取り出して、海に浮かべる。
実は、この船を手に入れてから、建築ギルドに頼んで見た目を変えてもらったんだー。
僕らしい外観にしようと思って、全体は淡いピンクベージュの色にして、ところどころに白い羽のオブジェや絵がある。
帆にはウサギと羽のイラスト——つまり天兎をオマージュしたものが描かれてるんだよ。可愛いでしょー。
「きゃあ、天兎船だ!」
「可愛い! え、あれ、モモさんの持ち物? さすがすぎるー」
「あっちの船に乗りたいー」
興奮した声が聞こえてきた。僕の船、すごく好評だね! ほぼ建築ギルドの大工さんのセンスのおかげ。
いつかこの船を舞台にコンサートをしてもいいなぁ、と思いながらさっさと乗り込む。乗りたがってる人がいるみたいだけど、この船の定員は六人だから、ごめんねー。
スラリンたちも乗り込んできたのを確認して、船室内の操縦パネルの前に立つ。ここにあるマップで目的地を設定できるんだけど……海底都市リュウグウってどの辺りにあるんだろう?
「むむっ……いきなり問題発生……」
そうこうしている間にも、最初の定期船が動き始めた。
あの船について行ったらいいはず、と思ったところで、アナウンスが聞こえてくる。
〈追尾機能を設定可能です。追尾する場合は、対象を選択してください〉
「え、そんな機能があったんだ?」
マップ上に点滅する船のマークが現れた。はじまりの街に向かう定期船と同じ位置にある。
とりあえず、そのマークをタッチしてみた。
〈定期船【オウハ号】が選択されました。追尾を開始します〉
アナウンスが終わったのと同時に、船が動き始める。
「おお、楽ちーん♪」
安心して甲板に移動。スラリンたちはそこで日差しを受けて寛いでる。
海上レイドイベントでの経験から考えると、海底都市リュウグウまであまり時間はかからないだろうけど、短い船旅を楽しもう。
「そうとなれば——」
前々から準備していたものをアイテムボックスから嬉々と取り出す。
小型帆船の居心地をよくしようと思って、錬金術でいろいろと作っておいたんだ。前に釣りで船を使った時は、ほぼ何もない状態で、ちょっとつまらなかったから。
「まずは椅子!」
揺れるカゴのような丸い吊り椅子を設置する。乗るとユラユラしてブランコみたいなんだよ。
他にもタープやベンチ、テーブルを置いて、さらにヤシの木のような観葉植物とみかんの木が植わった植木鉢を設置。
とっても南国な感じ!
「仕上げにトロピカルフルーツジュース!」
喉が渇いたなぁ、と思っていたからちょうどいいとテーブルの上に出してみれば、バカンスな雰囲気が増して最高に気分が上がる。いいね、いいねー。
スラリンたちも楽しそうにぴょんぴょんと跳ねてる。
遊びものを置くには、この甲板はちょっと狭いから、これくらいで我慢してね。
ベンチに座り、煌めく青い海を眺めながら、ちゅーっとジュースを飲む。うまうま。
ちょっとお腹が空いたから、食べ物は……フライドポテトと桃ソルベにしよう。塩気のあるものと甘いものは相性抜群だよ。
「んー……幸せ♪」
吊り椅子(人間サイズだから、僕にとっては揺りかごに近い)に寝転び、波を感じてゆらゆらと揺れる。
波音が心地よくて、潮風が優しく気持ちよくて、目を瞑ったら眠ってしまいそうだ。ここでログアウトしたらダメだから我慢するけど。海底都市リュウグウに行きたいもん。
眠気覚ましに、自分を毛繕いしてみる——おお、綿毛がたくさんとれた。結構溜まってきたから、またもふもふアイテムを作らないとなぁ。購入希望者がたくさんいるんだよね。
ついでにヒスイとナッティも毛繕い。
ヒスイからは【ふんわり猫毛】、ナッティからは【もちっと栗毛】を入手した。新アイテムを作れるかな?
ユキマルとスラリンを磨くと色違いの【スライムジェル】を入手。
「着くまでまだ時間がありそうだし、錬金術でもやろうかなー」
ということで、続いては錬金術のお時間です!
「定員に達しましたー。次の運行は三十分後ですー」
船着き場のスタッフらしき人が呼びかけてる。長い行列ができていて、全員が乗れるのがいつになることか、と考えるとちょっと気が遠くなりそう。
「出遅れたぁ……」
通知を見てすぐに来たつもりなのに、みんなの行動が早すぎる。
しょんぼりと肩を落としていると、僕より前に並んでいる人がチラチラと振り返り、「もふもふ神さまに順番譲る?」と相談していた。
でも、そういうのはしなくても大丈夫だよ。ズルな気がしちゃうからね。
「んー……ログアウトの時間を考えたら、今日中に行くのは無理かなぁ」
列の長さを眺めて思案していたら、スラリンがぴょんと跳ねるのが見えた。
「きゅぃ(この船じゃないと行けないの?)」
「え? どういう意味?」
「きゅぃ(モモは船を持ってるよね?)」
言われてハッと気づく。
そうだ。僕、海賊と戦った報酬で、船を手に入れたんだった!
自分の船でも海底都市リュウグウに行けるのかなぁ? わからないけど、試してみる価値はあるね。
「よぉし、僕の船で行こうか!」
意気揚々と列から離れ、海の近くに向かう。
出港直前の船の甲板と列に並んでいる人から、「一体何事?」「もふもふ神さま、何をするつもりなんだろう?」と疑問と期待が入り混じった声が聞こえてきた。
気にせず海岸に立ち、アイテムボックスから【小型帆船】を取り出して、海に浮かべる。
実は、この船を手に入れてから、建築ギルドに頼んで見た目を変えてもらったんだー。
僕らしい外観にしようと思って、全体は淡いピンクベージュの色にして、ところどころに白い羽のオブジェや絵がある。
帆にはウサギと羽のイラスト——つまり天兎をオマージュしたものが描かれてるんだよ。可愛いでしょー。
「きゃあ、天兎船だ!」
「可愛い! え、あれ、モモさんの持ち物? さすがすぎるー」
「あっちの船に乗りたいー」
興奮した声が聞こえてきた。僕の船、すごく好評だね! ほぼ建築ギルドの大工さんのセンスのおかげ。
いつかこの船を舞台にコンサートをしてもいいなぁ、と思いながらさっさと乗り込む。乗りたがってる人がいるみたいだけど、この船の定員は六人だから、ごめんねー。
スラリンたちも乗り込んできたのを確認して、船室内の操縦パネルの前に立つ。ここにあるマップで目的地を設定できるんだけど……海底都市リュウグウってどの辺りにあるんだろう?
「むむっ……いきなり問題発生……」
そうこうしている間にも、最初の定期船が動き始めた。
あの船について行ったらいいはず、と思ったところで、アナウンスが聞こえてくる。
〈追尾機能を設定可能です。追尾する場合は、対象を選択してください〉
「え、そんな機能があったんだ?」
マップ上に点滅する船のマークが現れた。はじまりの街に向かう定期船と同じ位置にある。
とりあえず、そのマークをタッチしてみた。
〈定期船【オウハ号】が選択されました。追尾を開始します〉
アナウンスが終わったのと同時に、船が動き始める。
「おお、楽ちーん♪」
安心して甲板に移動。スラリンたちはそこで日差しを受けて寛いでる。
海上レイドイベントでの経験から考えると、海底都市リュウグウまであまり時間はかからないだろうけど、短い船旅を楽しもう。
「そうとなれば——」
前々から準備していたものをアイテムボックスから嬉々と取り出す。
小型帆船の居心地をよくしようと思って、錬金術でいろいろと作っておいたんだ。前に釣りで船を使った時は、ほぼ何もない状態で、ちょっとつまらなかったから。
「まずは椅子!」
揺れるカゴのような丸い吊り椅子を設置する。乗るとユラユラしてブランコみたいなんだよ。
他にもタープやベンチ、テーブルを置いて、さらにヤシの木のような観葉植物とみかんの木が植わった植木鉢を設置。
とっても南国な感じ!
「仕上げにトロピカルフルーツジュース!」
喉が渇いたなぁ、と思っていたからちょうどいいとテーブルの上に出してみれば、バカンスな雰囲気が増して最高に気分が上がる。いいね、いいねー。
スラリンたちも楽しそうにぴょんぴょんと跳ねてる。
遊びものを置くには、この甲板はちょっと狭いから、これくらいで我慢してね。
ベンチに座り、煌めく青い海を眺めながら、ちゅーっとジュースを飲む。うまうま。
ちょっとお腹が空いたから、食べ物は……フライドポテトと桃ソルベにしよう。塩気のあるものと甘いものは相性抜群だよ。
「んー……幸せ♪」
吊り椅子(人間サイズだから、僕にとっては揺りかごに近い)に寝転び、波を感じてゆらゆらと揺れる。
波音が心地よくて、潮風が優しく気持ちよくて、目を瞑ったら眠ってしまいそうだ。ここでログアウトしたらダメだから我慢するけど。海底都市リュウグウに行きたいもん。
眠気覚ましに、自分を毛繕いしてみる——おお、綿毛がたくさんとれた。結構溜まってきたから、またもふもふアイテムを作らないとなぁ。購入希望者がたくさんいるんだよね。
ついでにヒスイとナッティも毛繕い。
ヒスイからは【ふんわり猫毛】、ナッティからは【もちっと栗毛】を入手した。新アイテムを作れるかな?
ユキマルとスラリンを磨くと色違いの【スライムジェル】を入手。
「着くまでまだ時間がありそうだし、錬金術でもやろうかなー」
ということで、続いては錬金術のお時間です!
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