もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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10章 海は広くて冒険いっぱい

394.フラグさん『バイバイ……』

 問題なく女王様の陣地に着いた──とは、なりませんでした!
 やっぱりさっき見たフラグは間違ってなかったんだぁああっ。気になっちゃうから、フラグ可視化はオフするよ!

「のぉおお」
「きゃー、はやーい♡」
『唸るぜ、オレちゃんの亀エンジンがなっ!』

 キークンが爆走中です。泳いでるから、爆泳中っていうのが正しい?
 とりあえず、たくさんの海精霊シーフェアリーに追われて、僕たちは逃亡中だよ。

 なんでタマモは楽しそうなの? スピード狂なのかな?
 それと、キークンの亀エンジンってなんだろう? キークンはエンジン付きの生き物だった……? それ、本当に生き物かな?

『侵入者ー!』
『待ちなさーい』
『首狩るぞー』

 首狩族な精霊は解釈違いです。Uターンしてどうぞ。
 怖い顔をした海精霊シーフェアリーたちに追われてヒエッとしちゃう。

 僕、精霊に好かれる称号を持ってるんだけどなー。その効果もないくらいヘイトを集めちゃってる? それ、悲しいよぉ。
 しょんぼりしてたら、ルージュが胸びれで頭を叩いて雑に慰めてくれた……ほんとに慰めてる?

「女王様の陣地は遠いのー?」
『もうすぐだよー』
「それなら、逃げ切れればいいわけかぁ」

 キークンの応えを聞いて、ふむ、と考える。
 背後からはジリジリと海精霊シーフェアリーたちが迫ってきてた。速いね。

「どうします? 私が足止めしましょうか?」
「敵対しちゃうのはよくないんじゃないかな」
「もう敵対してる気がしますけど……」

 タマモが首を傾げる。
 確かに、侵入者として追われてるけど、逃げ切れればセーフな気がするんだよね。勘だけど。

「まぁ、まずは逃げるのを優先しよう。こんな時のために……てってれー!」

 アイテムボックスからあるアイテムを取り出す。
 タマモがきょとんと目を瞬いた。ついでにルージュとアール君も不思議そうに体を傾けた。泳いでるのに器用だね。

「──【煙玉】~♪」
「煙玉、ですか」
「いえす。投げたらブワッと煙が出るアイテムだよ。いわゆる、煙幕!」
「おー、いいですね。さすがモモさん!」

 パチパチと拍手されながら褒められた。
 えへへ、僕の用意周到さをもっと褒めてくれてもいいんだよー。

「──でも、それって水中で使えるんです?」
「……え?」

 タマモと顔を見合わせた。
 そうだね、ここ、水中だったね……普通に話せてるから忘れてたよ。
 果たして、煙は水中で広がるのかな。

「うーん、ほら、タコさんの墨みたいに使えるかもよ?」
「あ、そうですね!」

 思いついたことを言ってみたら、タマモが「確かに!」と納得した。まぁ、使ってみないと実際のところはわからないけどねー。
 ということで使ってみましょ。

「そーれ!」

 泳ぐキークンの甲羅の上から煙玉をポイッと放る。
 落ちた衝撃で煙が出るはず……と考えた通りにブワッと煙幕が発生した。

『ええっ!?』
『タコ!?』
『タコ野郎だと!?』
『どこにいやがる!? 悪魔めーっ』

 海精霊シーフェアリーさんたちが予想以上のパニック状態。
 え、タコさんって海精霊シーフェアリーの天敵だったりする?

 チラッとルージュたちを見たら、『えげつない……』と言いたげの目を向けられた。僕、やらかしたっぽい。

 海精霊シーフェアリーたちは僕たちを追うどころじゃなくなったらしく、普通に逃げ切れそうなのはよかったけど。

『あ、タコ? タコ出た? え、美味いやつ?』

 キークンがソワソワとしながら戻りたそうにしてるから慌てて止める。キークンはタコ好きらしい。

「タコはいないからこのまま女王様のところに行くよー」
『……うぃっすー』

 しょんぼりされた。そんなにタコ食べたかったの? あいにく、タコは手持ちにないなぁ。

〈シークレットミッション【海精霊シーフェアリーと追いかけっこ】をクリアしました。報酬としてアイテム【透明な羽】が贈られます〉

――――――――
【透明な羽】レア度☆☆☆☆☆
 透明感のある羽型のアクセサリー(分類:ネックレス)
 精霊の羽に似ているが……?
 装備すると、素早さ+20
――――――――

 なんか知らない間にシークレットミッションをクリアしてたし、凄いアイテムをもらった。
 素早さが上がるのは嬉しいけど、これ、精霊の羽をむしった疑惑ない……?

 アイテムボックスから取り出して眺める。
 見れば見るほど、海精霊シーフェアリーの羽に似てるー……ヒェッ。

 ネックレスと言いつつ、完全に背中に装備する感じのアイテムです。僕がつけたら羽が四枚になっちゃうね。サイズは全然違うけど。

「あら、まぁ……」
「これ、持ってたら海精霊シーフェアリーたちに嫌われないかな……?」
「そういう効果はなさそうですけど、このゲームだと明示されてなくてもNPCに影響を与える可能性がなくもないんですよねぇ」

 タマモと二人して「困ったねー」と首を傾げる。
 とりあえず、アイテムボックスに入れて、なかったことにしちゃう? 今のところ素早さに困ってないし。陸上で使う分には問題ない気がするし。

 うん、と頷き合って、アイテムボックスに収納。
 今は女王様の陣地に入ることが優先だよ。キークンの甲羅に乗ってるだけで行けると思うけど。

『あ、女王様の陣地が見えてきたよー』
「……違いがわからん」
「私もです」

 キークンが教えてくれたけど、景色が変わらないよ。え、どこから女王様の陣地?

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