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10章 海は広くて冒険いっぱい
397.早い再会です
キークンが『またね~』と去っていったのを見送り、ルージュたちと向き合う。
さて、ここがどこで、これから何をしたらいいのか教えてもらいましょう。
といっても、ルージュたちはおしゃべりしてくれないから……どうしようねぇ?
「僕たち、これからどうすればいいの?」
とりあえず問いかけてみると、ルージュがきのこの形をした岩の軸部分に体当りした。
急に暴力的になってビックリ──と固まったら、ぶつかったところに扉ができてまた驚いた。
「……あ、これ、宝物庫の時と同じパターンだ」
デジャヴを感じるぅ、と思ってすぐ気づく。
ルージュたちは体当たりでなんらかの能力を発揮してるのかな。『扉出現!』みたいなスキルがある? 『開けゴマ!』ってアフレコしていい?
「私は初めて見ましたよ」
「え、アール君はどうやってタマモをこの海(?)までつれてきたの?」
「普通に宮殿内にあった扉を使って、ですかね。扉を開けたら海の中だったので驚きましたけど」
体当たりで扉を作るのはルージュ独自の能力だった?
アール君は普通に道案内をしてくれただけらしい。色だけじゃなくて違いがあるんだねぇ。
僕とタマモがのんびりと話していたら、ルージュとアール君が尾ビレで扉をパシパシと叩いて、僕たちをジト目で見つめた。
さっさと入れってことね。はいはい、ここまで来たら突き進むよー。
「タマモは準備おっけー?」
「そもそもどんな準備が必要かわかりませんけど……おっけーです!」
ニコッと笑ったタマモが、僕と手を繋いで歩き始める。
ここが海中で、僕がふわーっと浮いてる状態だからできることだね。普段だと身長差があるから手を繋いで歩くのは難しい。
なんとなく繋いだ手をゆらゆらと揺らしながら扉に向かう。
未知の場所に向かうのに緊張感がない気がするけど……まぁ、それは僕らだからしかたないよねー。なるようになるさー。
「入りまーす」
タマモが律儀に扉をノックしてから開く。
その先にあったのは──
「……花畑?」
「っぽく見えますけど、貝や海藻のようです」
キラキラと彩り豊かな花に似たものが埋め尽くす空間が広がっていた。
ここも海の中のようで、水流で海藻などが揺れる光景が美しい。上からは光の柱が降り注ぎ、幻想的な風景になっていた。
……きのこ形の岩の中とは思えない。霊峰の頂上にあった別時空に近いかも。
一応確認したけど、時空門ではないみたいだから、別時空イベントは始まらないと思う。
「綺麗だけど、だから何っていうか……どうしたらいいの?」
「アール君たちがこっちに来てって言ってます」
首を傾げて立ち止まる僕たちの前を、ルージュたちがスッと横切り、先導するように泳いでいく。また移動かぁ。
ふわふわーっと泳ぎながらついていく途中でアナウンスが聞こえた。
〈行動蓄積によりスキル【遊泳】を習得しました〉
――――――
【遊泳】
水中での行動がしやすくなる
パッシブスキル
――――――
「お、水泳じゃなくて遊泳スキルげっとー」
「まだ持ってなかったんですね? 遊泳スキルを育てたら水泳スキルも入手できますよ」
「そうなんだ? タマモはもう持ってるの?」
「持ってます! いつか水中戦があると思って鍛えました!」
意外と用意周到らしい。タマモすごーい。
水中戦がいつあるかはわからないけどね。まだ情報全然ないらしいし。
──そんな感じで話をしながら、たまに採集ポイントを見つけてアイテムをゲットしつつ、どんどん進む。ここはお宝いっぱい! レアアイテム、ざっくざくだー。
「あ、海精霊がたくさんいますよ」
「ほんとだー、って、あれ、メーアだ!」
貝殻が積み上がったようなお城の前に、メーアとたくさんの海精霊たちがいる。
大きな丸い玉──人が入れそうなほどの大きさ──に全員でハァーッと力を込めてるみたい。大玉転がしでもしてるの? 玉はガラス玉のような透明感のある石で重そうだし、精霊の力で転がすのは無理じゃない?
『あら、もう来てくれたのね』
僕に気づいたメーアが、微笑みながら手を振ってくれた。
「こんちゃー」
『……それ、魚人たちに急速に広まっている挨拶よね? あなたが発信源だったの……』
なぜかメーアに呆れた顔をされた。
魚人さんたちと僕の話、メーアにまで届いてるんだ? めっちゃ早いね。
「えへ、そうかもね」
「うふふ、可愛い挨拶ですよね。もふもふ教の公式挨拶にしました」
「え」
『え』
タマモがにこやかな笑みを浮かべながら、とんでもないことを言った気がするぅ!
ぎょっとしながらタマモを見る。
メーアは『もふもふ教って、さすらいの精霊たちが噂してる、最近陸上を支配しようとしてる宗教組織のこと? つまりこの子、そこの関係者? え、とんでもない人を招いてしまったかしら……』と困った顔をしてた。
もふもふ教って、精霊さんたちにも噂されてる存在なの?
でも、僕たちは陸上を支配するつもりなんてないよ。だから違う組織かも……もしかして、同じ名前の別組織がある? 名誉毀損で訴えちゃうぞ?
『あ、忘れるところだったわ──』
認識の訂正をする前に、メーアがポンと手を打って何かを取り出した。そのせいで、タイミングを逃しちゃったよ。
『これ、訪問者みんなに渡している贈り物よ』
〈シークレットミッション【海精霊の里訪問】をクリアしました。アイテム【海涙】が贈られます〉
――――――
【海涙】レア度☆☆☆☆
海の力が込められた結晶
生産用素材になる
――――――
渡されたのは、涙型の水色の宝石だった。
どんなものを作れるかは、後でチェックしないと。
なにはともあれ、シークレットミッションをクリアできてよかった!
「ありがとー」
「ありがとうこざいます」
お礼を言った僕とタマモを見たメーアが、にこりと微笑む。
微妙に嫌な予感がするぞ……?
『受け取ったわね? ふふ、それじゃあ、私のお願いを聞いてね』
「……まさか、これ、強制的に依頼を受けさせるために渡したの!?」
『うふふ、受け取ったからにはがんばってもらわないと』
笑顔で肯定された。まさかの罠だった!?
さて、ここがどこで、これから何をしたらいいのか教えてもらいましょう。
といっても、ルージュたちはおしゃべりしてくれないから……どうしようねぇ?
「僕たち、これからどうすればいいの?」
とりあえず問いかけてみると、ルージュがきのこの形をした岩の軸部分に体当りした。
急に暴力的になってビックリ──と固まったら、ぶつかったところに扉ができてまた驚いた。
「……あ、これ、宝物庫の時と同じパターンだ」
デジャヴを感じるぅ、と思ってすぐ気づく。
ルージュたちは体当たりでなんらかの能力を発揮してるのかな。『扉出現!』みたいなスキルがある? 『開けゴマ!』ってアフレコしていい?
「私は初めて見ましたよ」
「え、アール君はどうやってタマモをこの海(?)までつれてきたの?」
「普通に宮殿内にあった扉を使って、ですかね。扉を開けたら海の中だったので驚きましたけど」
体当たりで扉を作るのはルージュ独自の能力だった?
アール君は普通に道案内をしてくれただけらしい。色だけじゃなくて違いがあるんだねぇ。
僕とタマモがのんびりと話していたら、ルージュとアール君が尾ビレで扉をパシパシと叩いて、僕たちをジト目で見つめた。
さっさと入れってことね。はいはい、ここまで来たら突き進むよー。
「タマモは準備おっけー?」
「そもそもどんな準備が必要かわかりませんけど……おっけーです!」
ニコッと笑ったタマモが、僕と手を繋いで歩き始める。
ここが海中で、僕がふわーっと浮いてる状態だからできることだね。普段だと身長差があるから手を繋いで歩くのは難しい。
なんとなく繋いだ手をゆらゆらと揺らしながら扉に向かう。
未知の場所に向かうのに緊張感がない気がするけど……まぁ、それは僕らだからしかたないよねー。なるようになるさー。
「入りまーす」
タマモが律儀に扉をノックしてから開く。
その先にあったのは──
「……花畑?」
「っぽく見えますけど、貝や海藻のようです」
キラキラと彩り豊かな花に似たものが埋め尽くす空間が広がっていた。
ここも海の中のようで、水流で海藻などが揺れる光景が美しい。上からは光の柱が降り注ぎ、幻想的な風景になっていた。
……きのこ形の岩の中とは思えない。霊峰の頂上にあった別時空に近いかも。
一応確認したけど、時空門ではないみたいだから、別時空イベントは始まらないと思う。
「綺麗だけど、だから何っていうか……どうしたらいいの?」
「アール君たちがこっちに来てって言ってます」
首を傾げて立ち止まる僕たちの前を、ルージュたちがスッと横切り、先導するように泳いでいく。また移動かぁ。
ふわふわーっと泳ぎながらついていく途中でアナウンスが聞こえた。
〈行動蓄積によりスキル【遊泳】を習得しました〉
――――――
【遊泳】
水中での行動がしやすくなる
パッシブスキル
――――――
「お、水泳じゃなくて遊泳スキルげっとー」
「まだ持ってなかったんですね? 遊泳スキルを育てたら水泳スキルも入手できますよ」
「そうなんだ? タマモはもう持ってるの?」
「持ってます! いつか水中戦があると思って鍛えました!」
意外と用意周到らしい。タマモすごーい。
水中戦がいつあるかはわからないけどね。まだ情報全然ないらしいし。
──そんな感じで話をしながら、たまに採集ポイントを見つけてアイテムをゲットしつつ、どんどん進む。ここはお宝いっぱい! レアアイテム、ざっくざくだー。
「あ、海精霊がたくさんいますよ」
「ほんとだー、って、あれ、メーアだ!」
貝殻が積み上がったようなお城の前に、メーアとたくさんの海精霊たちがいる。
大きな丸い玉──人が入れそうなほどの大きさ──に全員でハァーッと力を込めてるみたい。大玉転がしでもしてるの? 玉はガラス玉のような透明感のある石で重そうだし、精霊の力で転がすのは無理じゃない?
『あら、もう来てくれたのね』
僕に気づいたメーアが、微笑みながら手を振ってくれた。
「こんちゃー」
『……それ、魚人たちに急速に広まっている挨拶よね? あなたが発信源だったの……』
なぜかメーアに呆れた顔をされた。
魚人さんたちと僕の話、メーアにまで届いてるんだ? めっちゃ早いね。
「えへ、そうかもね」
「うふふ、可愛い挨拶ですよね。もふもふ教の公式挨拶にしました」
「え」
『え』
タマモがにこやかな笑みを浮かべながら、とんでもないことを言った気がするぅ!
ぎょっとしながらタマモを見る。
メーアは『もふもふ教って、さすらいの精霊たちが噂してる、最近陸上を支配しようとしてる宗教組織のこと? つまりこの子、そこの関係者? え、とんでもない人を招いてしまったかしら……』と困った顔をしてた。
もふもふ教って、精霊さんたちにも噂されてる存在なの?
でも、僕たちは陸上を支配するつもりなんてないよ。だから違う組織かも……もしかして、同じ名前の別組織がある? 名誉毀損で訴えちゃうぞ?
『あ、忘れるところだったわ──』
認識の訂正をする前に、メーアがポンと手を打って何かを取り出した。そのせいで、タイミングを逃しちゃったよ。
『これ、訪問者みんなに渡している贈り物よ』
〈シークレットミッション【海精霊の里訪問】をクリアしました。アイテム【海涙】が贈られます〉
――――――
【海涙】レア度☆☆☆☆
海の力が込められた結晶
生産用素材になる
――――――
渡されたのは、涙型の水色の宝石だった。
どんなものを作れるかは、後でチェックしないと。
なにはともあれ、シークレットミッションをクリアできてよかった!
「ありがとー」
「ありがとうこざいます」
お礼を言った僕とタマモを見たメーアが、にこりと微笑む。
微妙に嫌な予感がするぞ……?
『受け取ったわね? ふふ、それじゃあ、私のお願いを聞いてね』
「……まさか、これ、強制的に依頼を受けさせるために渡したの!?」
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