もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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10章 海は広くて冒険いっぱい

411.海賊襲来ぱーと2

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 もふもふ愛ランドをたっぷり楽しんだ。
 今後、グッズ販売とかもする予定だって聞いたから、僕も協力することにしたよ。

 ウサ耳カチューシャとか作りたいねぇ。天兎アンジュラパ着ぐるみもいいんじゃないかな。
 お土産用にはクッキーやキャンディーが定番? 桃を使ったお菓子も用意したいね!
 この島限定のスイーツがあってもいいかも。ちょっと考えておこう。

 もふもふなモンスターをテイムしてるプレイヤーが増えたら、もふもふショーをする予定もあるんだって。
 遊具エリアをもふもふたちが練り歩きながら、みんなに癒やしを届けるんだよ。
 実際にショーをする時は、僕も混ざっていいかな?

 ──そんなことを考えつつ、せっせと動かしていた手を止める。

「ふぃー……いい感じになったねぇ」

 目の前の海には僕の船が浮かんでる。
 居心地をよくするために、アイテムを作ったり設置したり……がんばったんだよ!

 おかげで、僕らしさ全開のもふもふ可愛い船になってると思う。
 ソファには綿毛を使ったクッションを置いて、座り心地抜群! 大きな木も置いて、甲板に木陰ができてるから、強い日差しにも負けないよ。

「──では、出港!」

 船にぴょんと飛び乗って、操作する。
 港で見守ってくれているみんなに手を振りながら、ゆっくりと動き始める船にワクワクした。

「モモさん、お気をつけてー」
「ついて行きたいですぅ……」

 にこやかに手を振るルナの横で、タマモがしょんぼりとしながらも全力で両手を振っていた。

「はーい、いってきまーす!」

 僕は海を進んでリュウグウに行くつもりなんだ。
 転移で行けば早いけど、今は船旅を楽しみたい気分! 海鮮をゲットしたいしね。

「にゃ(イカ、イカ、おいしイカー♪)」

 ヒスイがにゃんにゃんと鳴きながらステップを踏んでる。
 海上を進むとなると海賊──海賊烏賊パイレイカに遭遇する可能性があるからね。そのことを教えてからずっと、ヒスイは上機嫌だ。

 そんなにイカを食べたかったんだねぇ。
 僕はどうせならタコをゲットしたいけど。亀さんへの贈り物として、ね。あと、たこ焼きとかアヒージョにして食べたい。

 海精霊シーフェアリーたちはタコを悪魔って呼んでたから、本当に悪魔なのか知りたいっていうのもある。

「きゅぃ(漁~)」
「ぴぅ(美味しいお魚、いっぱいとれるかな)」
「もふ(海~魚~イカ~タコ~)」
「きゅーきゅい(暑いの嫌だわ……)」

 海を覗き込んでるスラリン、ユキマル、ピアとは違い、ナッティはベンチで寝そべりながらジュースを飲み、自堕落を満喫していた。
 ナッティの気持ちはわかる。ちょっと気温が上がってる気がするよね。

「……この世界、夏があるのかな?」

 空にある太陽は今日も燦々と日差しを降り注いでる。
 雲は夏の雲っぽいんだよなー。通り雨とかあったら困るぅ。雷もやだぁ。

 まぁ、これまで天気が急変したことなんてないし、のんびりしててもいいはず。
 リュウグウまでは一時間もあれば着くはずなんだよね。

「きゅぃ(漁!)」
「えっ!?」

 スラリンが海に飛び込んだ。
 思わずソファで寛いでいた体勢から飛び起きる。
 動いてる船から飛び降りたら、置いていっちゃうよー!?

「ぴぅ(ボクも~)」
「ユキマルまでっ!?」

 スラリンとユキマル、自由すぎない? 船、止めるべきかな?

 悩んだけど、ふわふわと飛んだピアが分身して、海に浮かんで膨らみ始めたスラリンとユキマルを押して転がし始めたのを見て、悟る。

「──好きにさせてたらいいや……」

 海上で行われる大玉転がし。
 なお、大玉はスライムコンビで、転がすのは桃色毛玉ピーチ・ケサランパサランだ。とってもファンタジー!

 しばらくスラリンたちの漁を眺めて、大量に獲れた魚介類をアイテムボックスにしまい──と作業していたら、だいぶ沖に出ていた。
 もうもふもふ愛ランドの姿が見えないよ。というか、他の島もないなぁ。

 ……これ、船の自動操縦機能がなかったら、遭難間違いなしだったね!

〈海賊船が接近中です。船上イベント【海賊との交戦(再)】を行いますか?〉

 アナウンスが来たー!
 もちろん、海賊と戦うよ。イカ・タコくださいな~。

「みんな、海賊ゴーグル着けてねー。海賊が来るよ!」

 前回はラファイエットさんの配下の騎士さんたちと協力して戦ったけど、今回は僕たちだけしかいない。
 大切な船だから、できる限り損傷がないように戦いたいなぁ。

「きゅぃ(ゴーグル装着! いつでも戦えるよ)」

 スラリンやる気十分だね。
 それ以上に戦意が高いのはヒスイだけど。キラキラ(ギラギラ?)した目で海賊烏賊パイレイカを見てる。

「ピアは船を敵の攻撃から守ってね」
「もふ(がんばる~)」

 のほほんとした返事だけど、頼りになるのはわかってるよ。実績があるもん。

 続けて、スラリンには流星ステラスキルを、ユキマルには謎光線ミステリレイスキルを使うよう指示した。
 流星ステラスキルの反動に備えて、僕はフラグ可視化スキルをオンにして、いつでも魔術を発動できるように準備。

 ナッティには、船に接近する敵がいたら鉄尾アイアンテールスキルで倒すよう指示を出しておく。

「──いざ、勝負だ!」

 船を飲み込んでる海賊烏賊パイレイカから、たくさんの海賊蛸パイレオク海賊蟹パイレクラブが降りてきて、僕の船に接近してくる。

「【天からの祝福アンジュブレス】【天の祈りアンジュプレ】【ど~んど~ん、いって~み~よ~♪】【♪もふもーふ、プリッティ!】」

 体力・魔力の継続回復と歌唱スキルで攻撃力アップ・回復効果アップを使用。
 続けて「【天の断罪アンジュジャッジ】!」と防御力を低下させる。これを使うと、光属性への耐性が下がるから──

「【天兎の光アンジュラパ・ヘイロー】!」

 僕が持ってる天兎アンジュラパの天杖に付属したスキルを使用。
 光属性の攻撃で、30%の確率で目くらましのデバフを与えられるはず。

「──海賊烏賊パイレイカの動きが遅くなったよー!」

 見事に目くらましデバフを与えられたみたい。やったね。

 その隙に、ユキマルが謎光線ミステリレイを放ち、迫ってきていた海賊蛸パイレオク海賊蟹パイレクラブが麻痺状態になった。すごーい!

 麻痺して溺れそうになってる海賊蛸パイレオクたちを、ヒスイが鎌鼬で範囲攻撃する。
 水属性の敵に対して、風属性のヒスイの攻撃は効果抜群だ!

 瀕死状態の敵を、僕は風の刃ウィンドスラッシュで攻撃。
 倒しきれなくて麻痺から回復した海賊蛸パイレオクたちは船に迫って攻撃してこようとしたけど、分身したピアが防ぎ、ナッティが着実に一体ずつ鉄尾アイアンテールで仕留めていく。

 ……ピアがいるだけで、たくさんの騎士さんたち並みの防御力があるね!
 さすがピア、頼りになる♪

「きゅぴっ(【流星ステラ】!)」

 スラリンが鳴き、空から星が降ってくる。
 目くらましがかかった海賊烏賊パイレイカに逃げるすべはない。

 反動で生じた大波は、見えたフラグ氷弾アイスバレットをぶつけて帳消し……

「──されないっ!?」

 波は弱まったけど、完全に消すことはできなかった。どういうこと!?
 もしかして、フラグ折りスキルの効果に下方修正かかっちゃったかな? いろんなスキルの効果について、運営さんからのお知らせが来てた気がするぅ……。

「のわぁっ……みんな、落ちないようにね!」

 僕は飛翔フライスキルで飛んで、大きく揺れた船の影響からなんとか逃れた。
 落ちそうになってたナッティは抱っこして一緒に避難。危なかったねー。

 スラリンとユキマルはコロコロと転がって落ちちゃったけど、すぐさまピアが救出してたから問題なし。
 ヒスイはずっと飛んでたから、こちらも影響なさそう。

 船は……うん、損傷はないね。セーフ!
 戦闘継続です。

 僕は風属性のスキルをあまり持ってないから、ひとまず光属性攻撃をすることにした。
 アクセサリー【月の雫】を使って、月光ルナライトスキルを使う。海賊烏賊パイレイカに直撃して大ダメージだ。

 さらに武器を聖杖に変えて、武器付属スキル聖光ホーリーライトを放つ。
 範囲内の敵みんなに攻撃だぁ!

 スラリンは船に近づいてこようとする海賊蛸パイレオクたちをせっせと倒す。
 ユキマルは謎光線ミステリレイを放ちながら、時折回復ヒール範囲回復エリアヒールを使ってみんなを回復させていた。

 海賊烏賊パイレイカたちから飛んでくる遠距離攻撃は、ピアが跳ね返してくれるから安心して攻撃に集中できるね。

 ヒスイはひたすら鎌鼬を放ったり、白雲を出して、敵を目くらまし状態にしたり、殺意の高さ継続中。そんなにイカ食べたいんだね……。

 ピアとコンビを組んだナッティは海上を飛び回り、『毛がボサボサになっちゃうわぁ』と言いながら、容赦なく敵を鉄尾アイアンテールで沈めてる。

 僕も風属性魔術を放って、地道に攻撃してるよ。

 みんなで協力して戦うことしばし──

〈ボス海賊烏賊パイレイカを討伐しました。海賊モンスター討伐率100%を達成しました。船の損傷率は0%です〉

 二度目の完全勝利、達成です! わーい!

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