寝てる間に××されてる!?

しづ未

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「はあ……はあ……」
「…………」

 束の間の沈黙が訪れた。気まずい、とても気まずい。冷静になって考えると、この時間最初から最後までとんでもないことをしていた。だって、絃星と……セックスまでしてしまった。絃星と目が合った瞬間顔に一気に熱が昇り、勢いよく起き上がった。

「いや!そもそも俺が起きた時点でおかしかったんだよ!」
「何が?」
「何がって……俺の尻に指入れてたよな?あそこから全然意味分かんないよ!」

 絃星は何がおかしいのかといった顔をしたけど、これはちゃんと聞かなければいけない。俺はただ寝ていただけなのだ。それがどうしてこんなことになっているのか全く見当がつかない。

「……言っただろ、もう何されても文句言えないって」
「え?」

 絃星は身なりを整えながら真剣なトーンで言った。

「学校で寝たらロクな目に遭わないんだ。今まで何回俺が一葉を魔の手から守ってきたか……」
「え、ええ~~……?」

 今まで絃星に散々言われていた言葉がまさかこんなことになるなんて思う訳が無い。何なら今が一番ロクな目に遭わされた。俺がそこまで誰かに狙われるような気もしないんだけど。

「俺、そんな何回も危険な目に遭ってたの……?」
「ああ」
「てか俺がいつもどこで寝てるか知ってたの?」
「……他の奴らが探してたし。あとはその……気配で」
「気配!?」

 気配でバレてしまうなんて、もはや学校中でかくれんぼしたって絃星には見つかってしまうだろう。

「だ、だからってこんなことする!?」
「それは一葉が俺の言うこと聞かなかったから、お仕置き」
「はぇ?」
「あまりにも危機感が無いから身をもって分かってもらおうと思っただけ」

 えっと……つまり、絃星は俺に学校で昼寝する危険性を体を張って教えてくれたってこと……?絃星があまりにも普段通りに話すから大したことではなかったのかと思ってしまう。いつも俺が分からない問題を教えてくれる時と同じように、教えてあげようと思っただけなのかもしれない。

「体調は大丈夫か?」
「あっ、うん。なんかもう、大丈夫みたい」
「そうか。じゃあもう教室戻れば?ズボン履けよ」

 俺が下半身丸出しの状態で話し続けている間に、絃星はすでに帰る準備が万端になっていた。俺もいそいそと準備をした。

「はっそういえば今何時?昼休みは……?それに先生も」
「昼休みはとっくに終わって午後の授業始まってるよ。一葉が寝てる間に先生は戻ってきたけど、あとは俺に任せて良いって言っておいたから」

 そう言って絃星は保健室の鍵を取り出した。どうやら今まで保健室は鍵がかかっていたらしい。確かに、あんなことしてる時に誰か入ってきたら誤魔化しようが無いだろう。さっきはもし誰か来たらなんて考えていなかった。こう言うところが危機感が無いってことなのだろうか。

「放課後様子見に行くから。また後で」

 二人してさっきまでヤッてたとは思えないくらい普通の格好で保健室の前で別れた。とぼとぼと教室に戻る途中、やっぱりさっきのは色々おかしかったよなと思ったものの、もう考えるのがめんどくさくなってしまった。
 うん、細かいことを考えるのはまた後でにしよう。
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