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第28話 アスカとソニアの買い物
「買い物って何を買うのですか?」
「勿論衣類よ。アスカちゃん今着てる服しか持ってないでしょ?」
「そうですけど……」
ソニアにそう言って連れて来られたのはセヴィオルナにある衣類店の1つであった。
このセヴィオルナはくどいとは思うがこの世界の中心とも言われる街だ。だから、様々な地方にある町や村からその場所にしかない布や技術者が集まる。言えば日本の東京みたいな場所だ。
だから、ここには1つの店があってもそれぞれの店によって作りも売っている物も違う。
「顔とか可愛いし胸以外スタイルもいいんだから今のうちにお洒落とかしないと損よ?」
「胸以外……」
「え、あ、ごめん。ついつい言っちゃった。気にしてた?」
「別にいいですよー。どうせ小さい胸なんですから」
「だからごめんって。そうだ、この服なんてどう?」
胸のことについてしょぼんとしているアスカの気分を必死に紛らわそうと話題を服の方に変える。しかし、アスカの気分はどうも乗らないので仕方なくソニアはアスカに似合いそうな服を数十着買ってからアスカと共に店を出た。
「流石に最初に衣類店はまずかったかなー」
ソニアが次はどこに行こうかと考えていると、アスカがソニアの服をトントンと叩く。それに反応したソニアはアスカの方に振り返る。するとその瞬間、人がかなり多い中でも聞こえるくらいの腹の音がなった。
「……何か食べませんか? それと、できれば早くここから離れたいです」
「そ、そうね。丁度近くに私の友人がいるカフェがあるからそこで何か食べましょ」
腹の音の音源であるアスカを聞いた街にいた人がまるで公園で遊ぶ子供を見るような眼差しで見ており、それがあまりにも恥ずかしかったアスカはパーカーのフードを被り顔を隠す。そしてそんなアスカをソニアは友人がいるというカフェまで連れて行った。
「いらっしゃいませです」
カフェの名前は『カフェテラ』という。カフェラテではない。
店の中に入ると、そこには金髪で小学生くらいの幼女がコーヒー豆を挽いていた。
「こんにちはひーちゃん」
「あれ、ソニアさんじゃないですか。今日帰るんじゃなかったんですか?」
「いやー、それが予定変更。まだここにいることにしたの」
「そうですか。ところで、そちらの人はどなたですか?」
アスカの方を見るひーちゃんと呼ばれた幼女。指をさしてこないところを含め、この幼女はそこらの大人に負けないくらいに大人びていることにアスカは驚いた。
「紹介するわ。このやけに大人びている子はヒナちゃんよ」
「ヒナです。父のカフェを手伝ってます」
「あ、えっと、アスカです。冒険者してます」
ヒナの自己紹介に対し、アスカは慌ててフードを脱いで自己紹介をする。
どうも相手の礼儀が良すぎると気が狂う。
「ちょっとひーちゃん。折角私がひーちゃんの紹介をしてたのになんで自分から言っちゃうの?」
「こっちの方が手っ取り早いじゃないですか」
「……確かにそうね」
「まあとりあえず、適当に座ってください。まだこの店には誰も来てないですから」
「そうさせてもらうわ」
ソニアは近くにあった席に座るとアスカにこっちに来いと手招きをする。アスカがソニアと同じところに座るとヒナがカフェのメニューを置いて行った。
メニューを開き何があるのかと見てみるが、コーヒーはコーヒーでも種類が多かったり見たことも聞いたことも無い料理の名前が載っていた。
「うーん」
「どうしたの?」
「何かオススメってありますか? 食べたことないものばかりなので……」
「そうねー、これなんかどうかしら。この店では多分1番人気よ」
様々な名前が載っているメニューの中から『チョコバニラパフェ』というものを選択する。チョコバニラパフェと言われてもパフェ自体食べ事の無いアスカにはイマイチパフェとは何かという疑問が生まれるが、とにかく美味しい食べ物なのだろう。
「それじゃあ私はストロベリーサンデーでも貰おうかな」
「了解です」
「あれ? 聞こえてた?」
「人いないので聞こえて当然です」
「そっか。それじゃあお願いね」
注文を受けたヒナは1人で注文された品を作っていく。
作る音が止まない。それは何も失敗しておらず順調だという証拠だ。アスカが本当に子供なのかと疑い始めるほどにヒナは順調に注文されたデザートを作っていく。
「いつもあの子1人なんですか?」
「いえ、いつもならこのカフェのマスターであるひーちゃんのお父さんがいるわ。今日は多分買い出しにでも行ってるんじゃない?」
「……誘拐されたりしないんですか?」
「された事は無いらしいわよ。ま、この辺りは人が多いから当然ね」
そんな普通な会話をして時間を潰しているとヒナが注文したチョコバニラパフェとストロベリーサンデーを持ってアスカ達が座っている席まで来る。
「この2つで合ってますか?」
「合ってるわよー」
「わかりました」
チョコバニラパフェとストロベリーサンデーを机に置くとヒナはカフェのカウンターまで戻って行った。
アスカの目の前にあるチョコバニラパフェだが、本当にあの子が作った物なのかと驚くくらいの出来栄えであった。そして、一緒にあった専用のスプーンを使い、パクッと一口食べてみる。
「──っ!?」
その瞬間、アスカに脳内に電撃が走る。
何だこの今まで食べたことない味は。チョコレートとバニラがベストマッチしていてとてつもない美味を生み出している。
しかし、これはただチョコとバニラを混ぜ合わせただけでできるものなのか。いや、きっと何か隠し味が入っているのだろう。食材に関しては全く無知なので全くわからないがきっとそうだ。そうに違いない。
「んー、やっぱりストロベリーサンデーは美味しい」
「…………」
「どうしたのアスカちゃん? 口に合わなかった?」
「いえ、美味です」
ビシッとソニアの顔を見て言う。
アスカが考えているのは隠し味の正体。何の食材がここまで味を引き出しているのかをずっと考えている。
「そ、そう。ならよかったわ」
ソニアは若干アスカの対応に驚きながらストロベリーサンデーを食べて行く。
それから数分後。アスカとソニアは共にチョコバニラパフェとストロベリーサンデーを完食し、口直しにコーヒーを飲んでいた。
「コーヒーなんて久しぶりに飲みますね」
「そう? 私は結構飲んでたりするけど」
アスカが飲むコーヒーはブルーマウンテンというコーヒー豆の中では1番バランスがいいと言われている豆が使われている。それ故に酸味も苦味も丁度良く、コクと香りもバランスが良く、飲みやすいというのが特徴だ。
ソニアが飲んでいるのはクリスタルマウンテンというコーヒー豆が使われており、こちらもブルーマウンテン同様にバランスが良く飲みやすい。そして1番の特徴は味が良く、穏やかな口当たりだと言うところだ。
他にも様々なコーヒー豆の種類があったが、何故アスカのいた世界にあったコーヒー豆と全く同じ名前であったのかが気になっていた。
恐らくはアスカよりも遥か昔に転移してきた転移者がこの世界にコーヒーを広めたのではないかと考えたが、その真相はこの世界のコーヒーの歴史でも見なければわからない。
「そういえばアスカちゃん。ずっと気になってたんだけどその手袋どうしたの? ずっと付けてるけど」
「これですか。実は今朝寝ている時にぶつけたらしく赤くなっているんですよね」
あまり見せたくはないが、見せないと気になるだろうし無理に心配をかけたくない。
アスカは右手の手袋を取って、アスカにしか見えていないであろう痣を見せた。
「……これは酷いわね。これは隠しておいて正解よアスカちゃん」
「ですよね」
「にしても、どんな打ち方をしたらこんなになるのかしら?」
「……もういいですか?」
「あ、うん、いいわ。ごめんね、あまり見せたくはなかったでしょ?」
「……できればあまりみせたくはないですね」
アスカはソニアに右手を見せるとすぐに手袋を付ける。この痣が一体何を意味するのかはわからないが、あまり見られては欲しくない。
「さて、十分休んだことだし買い物の続きよ」
「ちなみに何をですか?」
「何って、勿論下着類よ。アスカちゃん絶対ノーブラでしょ?」
「………冗談ですよね?」
「冗談なわけないじゃない。それに、確かにあの時出来る限り何でも言う事を聞くって言ってたわよね?」
「うっ……そうでした……」
確かに言った。ダンジョンの壁破壊をお願いする時に報酬としてそう言った、今更だが、アスカは自分の発言に後悔した。
「さあ、行くわよ」
「ハァ……わかりました……」
抵抗したところで無駄だと悟ったアスカは大人しくソニアの言うことを聞くことにした。
「勿論衣類よ。アスカちゃん今着てる服しか持ってないでしょ?」
「そうですけど……」
ソニアにそう言って連れて来られたのはセヴィオルナにある衣類店の1つであった。
このセヴィオルナはくどいとは思うがこの世界の中心とも言われる街だ。だから、様々な地方にある町や村からその場所にしかない布や技術者が集まる。言えば日本の東京みたいな場所だ。
だから、ここには1つの店があってもそれぞれの店によって作りも売っている物も違う。
「顔とか可愛いし胸以外スタイルもいいんだから今のうちにお洒落とかしないと損よ?」
「胸以外……」
「え、あ、ごめん。ついつい言っちゃった。気にしてた?」
「別にいいですよー。どうせ小さい胸なんですから」
「だからごめんって。そうだ、この服なんてどう?」
胸のことについてしょぼんとしているアスカの気分を必死に紛らわそうと話題を服の方に変える。しかし、アスカの気分はどうも乗らないので仕方なくソニアはアスカに似合いそうな服を数十着買ってからアスカと共に店を出た。
「流石に最初に衣類店はまずかったかなー」
ソニアが次はどこに行こうかと考えていると、アスカがソニアの服をトントンと叩く。それに反応したソニアはアスカの方に振り返る。するとその瞬間、人がかなり多い中でも聞こえるくらいの腹の音がなった。
「……何か食べませんか? それと、できれば早くここから離れたいです」
「そ、そうね。丁度近くに私の友人がいるカフェがあるからそこで何か食べましょ」
腹の音の音源であるアスカを聞いた街にいた人がまるで公園で遊ぶ子供を見るような眼差しで見ており、それがあまりにも恥ずかしかったアスカはパーカーのフードを被り顔を隠す。そしてそんなアスカをソニアは友人がいるというカフェまで連れて行った。
「いらっしゃいませです」
カフェの名前は『カフェテラ』という。カフェラテではない。
店の中に入ると、そこには金髪で小学生くらいの幼女がコーヒー豆を挽いていた。
「こんにちはひーちゃん」
「あれ、ソニアさんじゃないですか。今日帰るんじゃなかったんですか?」
「いやー、それが予定変更。まだここにいることにしたの」
「そうですか。ところで、そちらの人はどなたですか?」
アスカの方を見るひーちゃんと呼ばれた幼女。指をさしてこないところを含め、この幼女はそこらの大人に負けないくらいに大人びていることにアスカは驚いた。
「紹介するわ。このやけに大人びている子はヒナちゃんよ」
「ヒナです。父のカフェを手伝ってます」
「あ、えっと、アスカです。冒険者してます」
ヒナの自己紹介に対し、アスカは慌ててフードを脱いで自己紹介をする。
どうも相手の礼儀が良すぎると気が狂う。
「ちょっとひーちゃん。折角私がひーちゃんの紹介をしてたのになんで自分から言っちゃうの?」
「こっちの方が手っ取り早いじゃないですか」
「……確かにそうね」
「まあとりあえず、適当に座ってください。まだこの店には誰も来てないですから」
「そうさせてもらうわ」
ソニアは近くにあった席に座るとアスカにこっちに来いと手招きをする。アスカがソニアと同じところに座るとヒナがカフェのメニューを置いて行った。
メニューを開き何があるのかと見てみるが、コーヒーはコーヒーでも種類が多かったり見たことも聞いたことも無い料理の名前が載っていた。
「うーん」
「どうしたの?」
「何かオススメってありますか? 食べたことないものばかりなので……」
「そうねー、これなんかどうかしら。この店では多分1番人気よ」
様々な名前が載っているメニューの中から『チョコバニラパフェ』というものを選択する。チョコバニラパフェと言われてもパフェ自体食べ事の無いアスカにはイマイチパフェとは何かという疑問が生まれるが、とにかく美味しい食べ物なのだろう。
「それじゃあ私はストロベリーサンデーでも貰おうかな」
「了解です」
「あれ? 聞こえてた?」
「人いないので聞こえて当然です」
「そっか。それじゃあお願いね」
注文を受けたヒナは1人で注文された品を作っていく。
作る音が止まない。それは何も失敗しておらず順調だという証拠だ。アスカが本当に子供なのかと疑い始めるほどにヒナは順調に注文されたデザートを作っていく。
「いつもあの子1人なんですか?」
「いえ、いつもならこのカフェのマスターであるひーちゃんのお父さんがいるわ。今日は多分買い出しにでも行ってるんじゃない?」
「……誘拐されたりしないんですか?」
「された事は無いらしいわよ。ま、この辺りは人が多いから当然ね」
そんな普通な会話をして時間を潰しているとヒナが注文したチョコバニラパフェとストロベリーサンデーを持ってアスカ達が座っている席まで来る。
「この2つで合ってますか?」
「合ってるわよー」
「わかりました」
チョコバニラパフェとストロベリーサンデーを机に置くとヒナはカフェのカウンターまで戻って行った。
アスカの目の前にあるチョコバニラパフェだが、本当にあの子が作った物なのかと驚くくらいの出来栄えであった。そして、一緒にあった専用のスプーンを使い、パクッと一口食べてみる。
「──っ!?」
その瞬間、アスカに脳内に電撃が走る。
何だこの今まで食べたことない味は。チョコレートとバニラがベストマッチしていてとてつもない美味を生み出している。
しかし、これはただチョコとバニラを混ぜ合わせただけでできるものなのか。いや、きっと何か隠し味が入っているのだろう。食材に関しては全く無知なので全くわからないがきっとそうだ。そうに違いない。
「んー、やっぱりストロベリーサンデーは美味しい」
「…………」
「どうしたのアスカちゃん? 口に合わなかった?」
「いえ、美味です」
ビシッとソニアの顔を見て言う。
アスカが考えているのは隠し味の正体。何の食材がここまで味を引き出しているのかをずっと考えている。
「そ、そう。ならよかったわ」
ソニアは若干アスカの対応に驚きながらストロベリーサンデーを食べて行く。
それから数分後。アスカとソニアは共にチョコバニラパフェとストロベリーサンデーを完食し、口直しにコーヒーを飲んでいた。
「コーヒーなんて久しぶりに飲みますね」
「そう? 私は結構飲んでたりするけど」
アスカが飲むコーヒーはブルーマウンテンというコーヒー豆の中では1番バランスがいいと言われている豆が使われている。それ故に酸味も苦味も丁度良く、コクと香りもバランスが良く、飲みやすいというのが特徴だ。
ソニアが飲んでいるのはクリスタルマウンテンというコーヒー豆が使われており、こちらもブルーマウンテン同様にバランスが良く飲みやすい。そして1番の特徴は味が良く、穏やかな口当たりだと言うところだ。
他にも様々なコーヒー豆の種類があったが、何故アスカのいた世界にあったコーヒー豆と全く同じ名前であったのかが気になっていた。
恐らくはアスカよりも遥か昔に転移してきた転移者がこの世界にコーヒーを広めたのではないかと考えたが、その真相はこの世界のコーヒーの歴史でも見なければわからない。
「そういえばアスカちゃん。ずっと気になってたんだけどその手袋どうしたの? ずっと付けてるけど」
「これですか。実は今朝寝ている時にぶつけたらしく赤くなっているんですよね」
あまり見せたくはないが、見せないと気になるだろうし無理に心配をかけたくない。
アスカは右手の手袋を取って、アスカにしか見えていないであろう痣を見せた。
「……これは酷いわね。これは隠しておいて正解よアスカちゃん」
「ですよね」
「にしても、どんな打ち方をしたらこんなになるのかしら?」
「……もういいですか?」
「あ、うん、いいわ。ごめんね、あまり見せたくはなかったでしょ?」
「……できればあまりみせたくはないですね」
アスカはソニアに右手を見せるとすぐに手袋を付ける。この痣が一体何を意味するのかはわからないが、あまり見られては欲しくない。
「さて、十分休んだことだし買い物の続きよ」
「ちなみに何をですか?」
「何って、勿論下着類よ。アスカちゃん絶対ノーブラでしょ?」
「………冗談ですよね?」
「冗談なわけないじゃない。それに、確かにあの時出来る限り何でも言う事を聞くって言ってたわよね?」
「うっ……そうでした……」
確かに言った。ダンジョンの壁破壊をお願いする時に報酬としてそう言った、今更だが、アスカは自分の発言に後悔した。
「さあ、行くわよ」
「ハァ……わかりました……」
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