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十六話
しおりを挟むとっても大きなお風呂に入った後、用意してもらった服に着替えて夕食の席に着いた。
夕食の席と言っても私とアティスだけしかいないけど。
リベルさんは皇帝のお仕事があるとかでいなくなってしまったし、皇妃であるアティスのお母さんは現在帝都に居ないらしい。
「それで、私は今後何をすればいいんですか?」
このまま何も言わないでおけば当分は客人として過ごせそうな気がしないでもないけど、ずっと養ってもらっているような感じになるのはちょっと嫌だ。
「そうですね、まだ特に考えていないんですが……私の仕事に同行してもらいたいです」
「そんなことでいいんですか?」
強さを買われているのでてっきり、森の魔物を一人で殲滅してこい! とか言われると思ってました。
「でも、私なんて同行しなくてもアティスさんだけの力で大抵のことは何とかなりますよね?
効率を考えるなら私の方にも別の仕事をさせた方が良くないですか?」
「確かにその通りなのですが、流石に女の子一人を危険な仕事に向かわせるわけには行きません。
それに私だって全ての敵に確実に勝てるとは限りませんし、出来ればサポートをお願いしたいです」
男の人から見たら私が一人で魔物を討伐したりするのは危険に見えるんでしょうか? 聖女をやっていた頃は何処に行くにも護衛がつきましたが、それは結界と加護の維持で他の魔法が使えなかったからですし。
今ならどんな魔物にも負けるような気がしませんが……まぁ、でもわざわざ大変な仕事の方へ行く必要もありませんしね。
「分かりました。では全力でサポートさせていただきます」
「はい、よろしくお願いします。
それで、仕事をするにあたっての報酬はどの位がご希望ですか? それと休みの日数も」
え!?
お給料って私が決められるんですか!?
というか、休みも決められるなんて最高ではないですか! 聖女時代は週一休みがあればいい方だったので、出来れば週二回、欲を言えば週三回休みを貰えるようなホワイトなお仕事をしたいです。
「休みは、週二回くらい欲しいです」
本当は三回欲しいけど我慢します。流石に言い過ぎなような気がします。
「分かりました。それくらいなら問題ありません。というか、週に3回くらい休んでもらってもいいくらいです。ですが、仕事というのが帝国騎士団の手に負えない魔物などの討伐なので遠出になる事が多いです。その場合はその後にまとめて休みを取るという事でいいですか?」
「はい、全然大丈夫です」
「それで、報酬の方は月にどれくらいがご希望ですか?」
「え、えーと、普通でいいです! 普通で!」
どれくらいを要求すればいいのか分からないので普通といってしまいましたが、そもそもこの仕事しているのアティスだけだそうですし普通ってあるのでしょうか?
「普通ですか……では私と同じということでいいですか?」
「アティスさんと同じとは?」
「月に二億リルです」
「に、二億!?」
思わず大声を出してしまいました。
二億なんて平民の方々が一生働いても稼げませんよ!?
「いえ、騎士団ですら討伐できない魔物を相手にするんですから少ないくらいですよ」
「そうなん、ですか?」
「はい。それと、仕事にあたって言っておきたい事がありまして」
なんでしょうか?
「これは私の杞憂なのかもしれませんが、ここ二週間ほど魔物の様子がおかしいような気がします。特に王国に隣接している地域で。
私も最大限マリアを守るようにしますが、私が殺された場合、すぐに逃げてください」
あははは……王国に隣接するですか……
それって私の所為だったりします……?
「わ、分かりました。でも、アティスさんが負けるなんてことあります?」
「ないと思いたいですが、屍食鬼之王との戦闘で危機一髪のところで助けられました。あんな経験は初めてだったのですが、あれを思い出すとないとは言い切れません」
アティスが真剣な表情で言う。
「そうですか……でも、私も全力でサポートしますので安心してください!」
「それは、頼もしいですね。
あぁ、それと、父さんも言っていましたが客人として歓迎するのでいつまででも宮廷に居てもらって構いませんので」
ひとまずお給料が出たらマイホームを買うことにします。
いつまでたっても養われるなんて嫌です!
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