赤ずきんくんと白雪くん。

空々ロク。

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赤ずきんくんと白雪くん。第1話

「赤ずきん君、赤ずきん君」
つんつんと頬をつつかれる感覚があって目を開ける。
声と呼び方で誰が来たのかは分かっていた。
「……白雪、おはよ」
「おはよう。またここで寝てたの?風邪引くよ」
広い草原のど真ん中にある大きな木の下。そこが俺の居場所だった。
程よく暖かくて心地良い風が吹くこの場所を俺は気に入っていた。
「朝まで寝る気はなかったんだけどな。昨日の夜、うたた寝したらそのまま寝ちまったみたい」
「もう。心配だなぁ。これからここで寝る時はボクに声掛けてからにして」
「はいはい」
ジト目で見られ、うっと声を詰まらせる。
「わ、わかったって。そうする。で、俺に用事?」
「うん。ちょっと家に来て欲しいんだよね」
「何かあったのか?」
「……家で話すよ」
差し出された手を掴み、引っ張ってもらう。逆の手には愛用のバスケットを掴んだ。食べ物や飲み物の他、様々な物を詰め込んだそれは俺にとって必需品だ。
立ち上がった俺はまず身体を伸ばした。
木に寄りかかったまま寝てしまった所為で身体が固まってしまった。
頭を覆う赤い頭巾も乱れている。
しっかりと被り直し、身体をバキッと鳴らすと白雪は怪訝そうな顔をした。
「だ、大丈夫?すごい音したけど」
「あぁ。気持ちいいぐらい。ってか顔色悪くねぇ?」
歩き出した足もトボトボという音が聞こえてくるくらい心許ない。
何かがあったことは間違いないようだった。
元から消えそうなぐらい白い肌の白雪がますます白くなったように見える。
「まぁね。少し面倒なことになりそうで」
「そうか。ま、何にしても俺は100%お前の味方だから安心しろよ」
ニッと笑うと白雪はほっとしたように微笑んだ。
「やっぱりボクには赤ずきん君が必要みたい」
「そうじゃなかったら困る」
何せ俺は白雪の恋人なのだから。

白雪は昔から肌が白く、身体が弱かった。
見た目は透き通るような白い肌、艶やかな短い黒髪、白と黒で統一された洋服。
一見、シンプルとも言える白雪にはひとつだけ目立つ特徴があった。
それは左頬に描かれた大きなリンゴ。
神々しい光を放つそれはまるで宝石が埋め込まれたようだった。
実際宝石みたいなものだ。
白雪にとってそれはなくてはならないもので、一生外せないものだということはよく知っている。
今の白雪がいるのはそのリンゴのおかげとも言えた。

「あのね」
家に着くとすぐに白雪が話を切り出した。
あまりにも真剣な表情。
こんなにも緊張感が漂うのは珍しかった。
リンゴ模様のソファに座ってから尋ねる。
「どうした?」
「色、薄くない?」
何が、と聞かなくてもわかる。
頬のリンゴのことだ。
じっと見つめれば確かにいつもより薄い赤色になっていた。
「……そうだな。何かしたのか?」
「ううん。だから不安になっちゃって」
はぁ、と溜息をつく白雪を安心させる為に手を引っ張って隣に座らせた。
「落ち着け。ちゃんと考えれば原因がわかるかもしれねぇから。な?」
「……うん。ありがと、赤ずきん君」
なでなでと頭を撫でるとやっと白雪は落ち着きを見せ、小さく頷いてから語り始めた。
「気付いたのは今日の朝。鏡を見た時に何か違和感があるなって思って。そしたらキギムにも言われたの。お前、何か魔法使っただろって」
「あー、キギムにな」
キギムというのは白雪の鏡の中に住んでいる「何か」のことだった。
実態はなく、存在もない。
白雪が鏡を覗き込むと紫色のモヤのようなものが見え、声が聞こえるという。
一緒に鏡を覗けば俺もその紫色のモヤを見ることは出来る。
だが、声を聞いたことは1度もない。
どうやら白雪の頭に直接話しかけているようだった。
俺以上に口が悪いらしいそいつは時に白雪を傷つけ、時に白雪を助ける。
厄介なようで役に立つ部分もあった。
「でも、使ってないんだよね」
「キギムはそれ以外何も言ってなかったのか?」
「面倒なことになりそうじゃねぇか、って言ってた。どういうこと?って聞いたら何も答えてくれなかったけど」
「……ますます謎だな。色が薄くなってる以上、何らかの事情はあるはずだ」
「寝てる時とか?無意識に使ったとか?」
「それは考えにくいよな、やっぱり」
白雪の顔に描かれたリンゴには魔力が宿っている。
魔法を使えば使うほど色を失っていく。
つまり真っ赤に輝いている時が1番魔力があり、白くなると魔力を失っている状態になる。
魔法使いの白雪にとって白いリンゴは危険な状態とも言える。
今は多少魔力を使った程度の色合いになっていた。
「素人ならまだしもボクはもうずっと使ってるわけだし……何より今までこんなことなかった」
「あぁ、そうだな」
「どうしよう……」
ヘナヘナと元気を失っていく白雪を支えるように両肩を掴んだ。
「白雪、大丈夫だからしっかりしろ!お前が元気なくなったら終わりだぞ。絶対ぇ何とかしてやるから」
「……うん。そうだね、ありがとう」
「とにかくお前は休んでな。顔色も良くねぇから」
返事を聞く前にソファに横たわらせ、ブランケットを身体に掛けてやった。
「赤ずきん君は?」
「俺はちょっと情報収集してくるわ。絶対ぇ寝てろよ?起きてたら許さねぇからな」
「ふふっ、了解」
去り際に白雪の頭を撫で、額にキスをした。
嬉しそうに笑う白雪に俺の方が照れてしまう。
(ったく……)
頬が赤くなったことがバレないうちにバスケットを掴み、家を飛び出した。

「さぁて……どうすっかな」
正直に言えば魔法使いでない俺には何の知識もない。
だが、この辺りには魔法使いが沢山いる。誰でもいいから捕まえて何かしらの情報を得ることぐらいしか思いつかない。
白雪の家を出て、草原に戻る。
先程まで寝ていた木の前を通りがかった時「シシシ」と笑う声が聞こえた。
妙に甲高くて耳障りな声。
「……チェシャ猫か?」
返事はない。姿も見えない。
「何処にいる?」
再び尋ねるとやっと返事があった。
「赤ずきんには見えないにゃあ♪」
「……バカにしやがって」
ちっと舌打ちをする。
チェシャ猫は神出鬼没な猫だった。大きな猫耳とふさふさの尻尾はピンク色と紫色のボーダー。そしてドギツイピンク色に所々紫色のメッシュが入った髪の毛をしている目立つ奴だ。
いつもニィっと大きな口を開け、嘲るように笑っている。
「困ってるみたいだにゃ」
「何でわかる?」
「チェシャにわからにゃいことにゃんてにゃーい♪」
シシシと笑うチェシャ猫はやはり姿を見せない。
魔法使いの1人である彼はいつもこんな調子だった。
はぁ、と大きく溜息をつく。
「あのな、いい加減姿現せよ。何処見て喋りゃいいかわかんねぇ」
「シシシ♪ここにゃ」
ペタッと後ろから目隠しをされる。両手で剥がして振り向くといつも通りの笑みを浮かべたチェシャ猫が立っていた。
「……で、何の用だ?」
「白雪ちゃんのことにゃ」
「何か知ってるのか!?」
ばっと身を乗り出すと目の前に掌を向けられた。
「悪ぃ」
「焦るのもわかるけど落ち着くにゃ」
チェシャ猫は突然ぴょんと跳ね、上下逆さまになった。
逆立ちをするような体勢。
顔が下になってしまった為、仕方がなく地面に座った。
「そう。それでいいにゃ。座って座って」
「で?」
「白雪ちゃんの魔力が減ってるにゃ。その理由は──」
「理由は?」
肝心な部分をチェシャ猫はなかなか言わない。大きく笑ったまま動かなくなってしまった。
「おい、理由は?」
「……」
「魔法にでもかかったのか?」
「かかってないにゃ」
「なら早く言えよ」
チェシャ猫がマイペースなのはいつものことだが、こういう時に焦らされるのは腹が立つ。
「まぁまぁ。チェシャが知ってることはひとつだけにゃ」
「教えてくれ」
「……」
再び無言になったチェシャ猫を見つめる。文句を言ったら終わりだと今度は静かに耐える。
5分後、チェシャ猫はくるりと身体を戻し、そしてポンッと姿を消した。
「……は?」
パチパチと瞬きを繰り返す。草原には俺しかいなくなっていた。
「チェシャ猫!?」
辺りを見回すが、チェシャ猫は何処にもいない。
「せめて答えてから消えろって!」
大声で叫ぶと「シシシ」と高い声が聞こえた。
「大切な物を持っているのはチェシャ、何も持っていないのは帽子屋♪」
歌うような声。それだけ聞ければ充分だった。
「何も持っていないのは帽子屋……サンキュ!」
何処にいるかわからないチェシャ猫に向かって叫ぶ。
ポンッと姿を現したのは俺の後ろだった。
「……そっちかよ」
「シシシ♪だからチェシャは赤ずきんが1番嫌いにゃ」
「お前のこと見えないからだろ。ま、いいけど。ありがとな!」
俺の言葉にニィっと笑い、チェシャ猫は消えた。
「帽子屋は……いつもの場所だな」
だっと駆け出す。この時間、あの場所ならきっと──開催しているはずだ。

「あっれー?1人?珍しいじゃン」
「事情知ってるんだろ?チェシャ猫に聞いたぜ。お前が大切な物持ってるって」
帽子屋は今日もお茶会を開いていた。
大きなテーブルに載せられた食べ物と飲み物。
まるでパーティのようだが、今日もきっと「何でもない日」なのだろう。
帽子屋は毎日のようにお茶会を開き、毎日のように誰かを招待している。
その顔の広さから情報屋のようなものをやっている。
頭に被った緑色の大きなハット。緑色の髪の毛、緑色と黄色のオッドアイ。
いつも着ている緑色スーツにはハート、ダイヤ、スペード、クラブの柄が描かれている。
「まぁネェ。持ってると言えば持ってるかもしれないネ」
「チェシャ猫みたいなこと言うなよ。俺は早くアイツを助けてぇの!」
机に乗り出す俺を見て帽子屋はふふふっと笑った。
「とりあえず椅子に座ってヨ。お茶淹れるからサ」
「……」
無言で勧められた席に座る。
帽子屋はお茶会に参加しない者を客だとは認めない。座ってお茶を飲むことが1番の近道だった。
置かれていたカップに突如現れた赤い液体。
お茶を自動的に出現させるのは帽子屋の得意な魔法だった。
赤い頭巾を被って赤い瞳をした俺にはこれが似合うと帽子屋が勝手に決めた飲み物。一口飲むと甘い味が広がった。
帽子屋は最初に出会った時に人の飲み物を決め、それ以降はずっとそれを出し続ける。その味がそれぞれの好みにピッタリなのだから不思議だ。
「白雪君は魔力を奪われたネェ」
「え?」
突然言われた衝撃的な言葉。ティーカップを置いて冷静に尋ねた。
「……誰かが奪ったってことか?」
「そう。小人かなぁ……うん、多分小人ダ」
「小人って……」
脳内に浮かんだのは白雪の友達でもある7人の小人たち。
だが、あの小人たちが魔力を奪うことなど出来るとは思えない。
力では白雪より劣っているし──何より白雪のことを慕っている。
「赤ずきん君が想像した小人じゃないヨ。悪い小人」
「悪い小人?何だそりゃ」
「えーっとネ」
帽子屋はスティックを取り出し、空中に振った。
緩慢な手の動きに合わせてカラフルな線が絵を描いていく。
30秒後、空中に出来上がったのは人相の悪い顔をした小人だった。
「誰だコイツ」
「人の前には滅多に現れないから見たことないと思うナァ」
「何で帽子屋は知ってんだ?」
「以前お茶会に招待したカラ」
「……は?」
つまり以前この場所に白雪を苦しめた小人がいたということだ。
途端に複雑な気持ちになる。
「まぁこの小人も良い所あるんだよネェ。秘密を秘密にしない、トカ」
「情報屋にとってはちょうどいいってことか」
「だネェ。魔女の使いをしていることも教えてくれたシ」
「……魔女か」
顔を顰めると帽子屋は「あぁ、そっか」と頷いた。
「赤ずきん君は会ったことないかもネェ。魔法使いでないとなかなか機会がないかもしれなイ」
「白雪にリンゴを植え付けたのも魔女だったな」
「そうだネ。懐かしいなぁ、あの事件」
「……それはともかく今は魔力の話だ。どうしたら戻るんだ?」
「さぁ?知らなイ」
笑って言う帽子屋。思わず睨みつける。
「嘘だろ?」
「うん、嘘」
「この野郎」
チェシャ猫といい帽子屋といい人を小馬鹿にするのが好きらしい。
「ごめんって。赤ずきん君いじるの面白いんだもン」
「人で遊ぶな。どいつもこいつも」
「チェシャ猫のこと?アイツは全員で遊んでるデショ。俺は赤ずきん君だけだカラ☆」
「それはそれでムカつくんだけどな」
俺の言葉が聞こえていないフリをした帽子屋はひらりと手を振った。
「戻す方法はいくつかあるヨ。どれがいいかナァ」
「俺に出来るやつにしてくれ。俺は魔法使えねぇんだから」
「うーん……そうなると黒リンゴかナァ」
「黒リンゴ?」
「そう。黒リンゴを食べさせるダケ」
いかにも怪しげな名前。それを食べさせるだなんてどうかしていると一蹴したいところだが、帽子屋は真面目に言っているようだった。
「その黒リンゴがコチラ」
「持ってんのかよ」
「赤ずきん君が来ると思ったから買っておいたんだヨ。優しいデショ?」
「……何もかも見透かしやがって」
ゴクッと最後までお茶を飲んだ俺は机の上にコインを置いた。
「お茶代と毒リンゴ代な。足りるだろ?」
ちらっと俺のカップを見た帽子屋は満足気に笑った。
「まいどあり☆帰っていいヨ」
帽子屋のお茶会は1滴でも飲み物が残っていたら帰してもらえない。
しっかり飲みきったと認めてもらえたらしい。
ぽいっと投げられた黒リンゴを受け取る。黒いリンゴはいかにも毒々しく見えた。
「信じるからな、お前のこと」
「お金貰う時は嘘つかないって知ってるデショ」
ウインクする帽子屋。頷いてから、駆け出した。

「白雪っ!」
バンッとドアを開けて家に入る。ソファに駆け寄ると白雪は笑みを見せた。
「おかえり、赤ずきん君。ちゃんと寝てたよ」
「ん、偉い偉い」
「何かわかった?」
「これ。黒リンゴっつってたけど……多分大丈夫なはずだ。帽子屋が言ってた」
バスケットから取り出した黒いリンゴを白雪の手に握らせる。
「あ、黒リンゴかぁ……。成程ね。ボクは魔力を奪われたんだ」
「あぁ。悪い小人が奪ったんだろうって。これで治るんだろ?」
「そうだね。黒リンゴを食べれば回復するはず。魔力を取り戻すというよりは回復薬みたいなものかな」
その割に白雪の顔に笑顔はない。
もしかしたらまだ何か問題があるのかもしれないと不安になる。
感情が顔に出ていたらしく、白雪が「大丈夫だよ」と微笑んだ。
「ちゃんと治るよ。ただ……不味いんだ、これ」
「……は?」
「とても不味いから食べるの嫌だなぁと思って」
「何だ、良かった。不味いのは我慢しろよ。早く食えって」
「うん。折角赤ずきん君がもらってきてくれたわけだし……いただきます」
1口リンゴを齧った白雪はすぐに顔を顰めた。
余程不味かったのだろう。可哀想だが俺に出来ることは何もない。
「うー……もう辞めていい?」
「駄目だ。全部食っとけよ。良くなると思えば我慢出来るって」
「じゃあ食べ切ったらご褒美頂戴?」
小首を傾げる白雪は元々これが狙いだったのだろう。
「わかったよ。やるからちゃんと食え」
「わーい。頑張ろっと」
モグモグとリンゴを食べ続ける白雪はどんどんスピードを上げていき、気付けばリンゴの芯だけが残されていた。
「……はぁ、不味かった。ボク、頑張ったよね」
「あぁ、よく食べた」
なでなでと白雪の頭を撫でる。
これだけじゃ満足しないだろうと思っていると案の定白雪は「これだけ?」と不機嫌そうな声を出した。
本来、白雪個人の問題なのだから俺が何かをする必要はないのだけれど、甘えられると甘やかしたくなってしまう。
「えーっと、ご褒美な」
「うんうん!頂戴」
何がいいか悩んだ結果、白雪の右頬にキスをした。
「わ!嬉しい」
それから色が赤く戻った左頬のリンゴにキスをした。
「サービスいいね」
最後に唇にキスをする。
「……もうっ!赤ずきん君優しい、大好き!」
「うおっ!?」
唇を離すと同時に飛びついてきた白雪に押し倒される形でソファに倒れ込む。
その拍子に被っていた頭巾が取れた。
「白雪、激しすぎ。頭巾取れただろ」
「ごめんごめん。赤ずきん君のヘアピンが取れたら大変」
露わになった俺の赤毛には無数のヘアピンが無造作に刺さっている。
それを隠すように白雪が頭巾を被せてくれた。
「こんなもんなくても生きられるようになりてぇけどな」
ヘアピンを触りながら言うと、白雪はふわりと笑った。
「でもボクは好きだよ。ヘアピン付けてる赤ずきん君」
「ありがと。お前がそう言ってくれんならそれでいいや」
白雪は隣に転がって俺の手を握った。
「助けてくれてありがとう」
「きっと根本的な解決にはなってねぇけどな」
「それはまた今度考えることにするよ。色、戻ったでしょ?」
「あぁ。綺麗な赤いリンゴ」
「ふふっ、やっぱりボクのリンゴは赤ずきん君と同じ色じゃないとね」
俺の指に指を絡めた白雪はそのまま目を閉じた。
「おやすみ、白雪」
「おやすみ」
手を強く握り、すぐに白雪は眠りに落ちた。
その寝顔を眺めているだけで幸せな気持ちになる。
(俺もコイツも色々抱えてるけど──いや、抱えすぎてるけど)
それでもずっと一緒にいたいと思う。一生守りたいと思う。
(だから今は──まだ)
先のことなんて考えない。
今、お前といられるこの日々、この時間があれば、それで。

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