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幼馴染の声優が自キャラに恋したらしいです。⑤
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昔からずっと夢を持つことに憧れていた。
だから隣にいる渚が輝いて見えた。
渚は子供の頃から「声優になりたい」という夢を持ち、その為に努力をしてきた。
隣でずっと見ていた俺にはそれがどれ程大変だったか分かる。
だから渚が夢を叶えた瞬間は本当に嬉しかった。
同時に自分も変わろうと思った。
いい加減本気で夢を持とう、と。
探して探して──やっと見つけた夢はやはり渚が切っ掛けだった。
(俺の人生の半分は渚で出来てるのかもしれねぇな)
大好きな幼馴染は俺の憧れであり、俺の指標でもあった。
だから渚が切っ掛けで自分の夢を見つけることが出来たのは必然だとも言える。
今の俺は夢を見つけ、その夢に向かって邁進している。
何かに一生懸命になることがこんなに難しくてこんなに苦しくて──こんなに楽しいなんて思いもしなかった。
20年以上生きてきて初めて自分のことを好きになれた気がした。
(だから渚、俺は待ってるから)
夢を見つけて、自分のことを好きになった。
自分のことを好きになれたら渚に思いを伝えると決めていた。
けれどそれは渚から連絡が来た時だ。
昔と違って今度こそ渚は俺に連絡をくれるはずだから。
「その日」が来るまで俺は夢に向かって走り続けた。
『駿河の話が聞きたい』
そう連絡が来たのは最後に会ってから半年後のことだった。
久しぶりのメッセージはシンプルで、だからこそ渚の真剣な気持ちが伝わってきた。
『分かった。いつなら会える?』
『突然だけど明日でもいいかな?』
『明日の夕方なら空いてる』
『了解。夕方に駿河の家行くね』
渚はメッセージの後に「楽しみ!」とセリフがついたラルトのスタンプを押してきた。
ボイス付きのスタンプが再生され、スマホから渚の声が聞こえる。
渚であって渚でないその声を聞くと不思議な気持ちになる。
俺は無難な『OK』と書かれた猫のスタンプを押し返した。
「その日」は突然やってくると思っていたけれど、本当に突然やってきた。
心の準備が出来ていないとか気持ちを伝えられないかもしれないとか──そんな考えは一切なかった。
夢を見つけた時から俺は自分に自信が持てるようになったのだと思う。
それまではいつでもふわふわ宙に浮かんでいる気分だったが今はしっかり地に足がついている気がする。
何より毎日充実感があった。
大学に行って勉強して、家に帰ったら夢の為に勉強する日々。
昔よりも忙しくなったのに昔よりも元気になった。
(勉強終わったら明日の準備すっか)
部屋の片付けと食料の買い出しと、それから渚にプレゼントを買いに行こうと決め、俺は再び机の上のテキストに目を向けた。
翌日、大学を終えて帰宅した俺は渚からの連絡を待っていた。
けれど一向に連絡が来ることなく突然玄関チャイムが鳴った。
「……そっちだったか」
渚なら連絡なく家に来る可能性もあるなと思っていたがどうやらそっちが正解だったらしい。
「駿河!めちゃくちゃ久しぶり!」
ドアを開けると渚は満面の笑みで手を上げた。
相変わらず可愛い笑顔だ。
「おぅ。久しぶり過ぎるな。ま、入れよ」
「お邪魔しまーす!あ、靴のラック増えてない?これ、前はなかったよね?」
部屋に入った瞬間気付かれ、少し恥ずかしくなる。
新しいラックは組み立てた後、色を塗って仕上げた自分用の靴入れだ。
組み立てる時に自分好みにしたいと思い設計まで拘った。
設計図を書いて1から計算して作り上げたラックには思い入れがある。
「まぁな。考えて作ってみた」
「だから幅もピッタリなんだ。靴ごとに高さ合わせてあるしすごくない?」
「時間掛かったけど作るの楽しかったぜ」
「色合いもいい感じだなぁ。こっちのインテリアとかも増えてるし。可愛い」
棚の上に置いてあるインテリアは余った廃材で作ったものだった。
ネットで調べて適当に作ったものだが渚は気に入ってくれたらしい。
「欲しかったらやるよ。またすぐ出来るし」
「本当?じゃあこの猫と犬欲しい」
「おぅ、持ってけ」
渚は嬉しそうに鞄にいれ、やっとクッションの上に座った。
机の上に飲み物を出す。
「ありがと。久しぶりだし話したいこといっぱいあるけどとりあえず1番気になるから駿河の話、聞いていい?」
「あぁ、そうだな。まずは3ヶ月ぐらい前に夢が見つかった」
「本当!?それ、早く聞きたかった!」
「誰かに言うのはお前が1番だからいいだろ」
「そっか。ならいいや。で?何にしたの?」
渚は目をキラキラと輝かせて尋ねてくる。
その輝きに押されつつ小声で答えた。
「インテリア系」
「わ!やっぱりそっち系にしたんだ。コーディネーター?デザイナー?作る系?」
「んー、全部」
「全部ってことは……すごく大変じゃん」
「インテリアについて色々考えてて思ったんだけど丸々出来る人がいたら助かるよなって。だから万能なアドバイザー的なのになれねぇかなと思ってさ。全部出来たら全部アドバイス出来るだろ。こういう部屋の雰囲気でこういうの作りたいって言われた時に全部教えられるような奴になりてぇの」
職業で言うならインテリアアドバイザーというものになるのかもしれない。
ただ俺はDIYも含めてアドバイスしたいと思っている。
何かを作りたいだけの人がいればそれだけを教えるし、部屋全体を変えたいのであればコーディネートしたいと思う。
「だから設計図の作り方とかも勉強しててさ。そのついでにさっきのラック作ったわけ」
「駿河の夢が思ってた以上に壮大でびっくりしてる。本当にそれ、ここ最近浮かんだの?昔から描いてる夢みたい」
「最近だって。今まで沢山考えても夢なんて浮かばなかったのに前回渚が家に来た時に話したのが切っ掛けで見つかったんだよな。マジで感謝してる。ありがとな」
改めて礼を言うのは照れくさいけれど、絶対に「ありがとう」は言うと決めていた。
渚のおかげで毎日が充実し始めたようなものだから。
「え?何か照れるな。俺の言葉が役に立ったなら良かった」
「大体いつも渚のおかげだ。で、渚に話したかったことはもうひとつあるんだよな。てかこっちが本題」
「うん。何?」
キョトンと見上げる渚を見ると言葉が出なくなりそうで、俺は目を合わせず一気に言った。
「ずっとお前のこと好きだったから付き合って欲しい」
「……」
「お前の好きな奴のことは知ってるし3次元の俺じゃ2次元のアイツに勝てるとも思ってねぇ。けど、なんつーか……」
言葉を探す俺に渚はふふっと笑った。
「それが勝っちゃったんだよなぁ」
「は?どういうことだ?」
「俺も駿河が好きってこと。あ、でも本当にラルト君が好きだったんだよ?駿河が好きってことに気付いたのがすごく遅かったんたよね。きっと本当は俺もずっと好きだったんだと思うけど」
渚の言葉に俺はかなり驚いた。
自キャラに恋したと聞いた時と同じぐらいの驚きだったかもしれない。
今でも渚はラルトが1番好きで、俺のことは恋愛対象ではないと思っていたから。
「だから付き合おうよ」
「……叶うと思わなかったからすげぇ驚いてる」
「まぁそうだよね。俺、ラルト君に本気だったし。でもラルト君のこと好きになったから恋ってものが分かった気がする。だからラルト君を好きになったことには意味があったのかなって」
「だとしたら今告白して良かった。中学の時1回言おうと思ってたんだよな」
「俺が落ち着いたら話すって言ってくれてた時だよね?あの時は申し訳なかったなって思ってたけど確かにあの頃告白されてたらOKしてなかったな」
苦笑する渚にこくりと頷く。
あの頃告白して失敗していたら今こうして一緒にいられなかったかもしれない。
当時は言えなかったことに複雑な気持ちを抱いていたが、結果としては良かったことになる。
「だよな。どうも俺には遠回りってのが似合ってるみたいだ。夢も恋も」
「むしろ俺のこと飽きずに好きでいてくれてありがとう。てかそう考えるとラルト君の話された時嫌だったよね?」
「まぁな。最大のライバルが出来たって思った」
「うわ……酷いことしたな、俺。でもこうやって両思いになったからいっか」
渚は笑って俺に手を差し出した。
「こういう時どうしたらいいか分からないけどとりあえずこれからもよろしくね?」
「あぁ、よろしく」
手を強く握り返す。
思えば握手など初めてかもしれない。
笑い出した渚につられて笑い返す。
「絶対こうじゃないよね。でも何か俺らっぽいかも」
「そうだな。付き合ったからって何か変える必要ねぇしな。あ、そうだ。ちょっと待ってろ」
渚の手を離し、棚から紙袋を取り出した。
そのまま渚の前に置く。
「これ、プレゼントな。貰ってくれ」
「え?何で何で?誕生日じゃないけど」
「渚が落ち着いた記念。ついでに上手くいったから付き合った記念」
俺の言葉に渚は大爆笑した。
「ついでに、って!確かに上手くいかなかったら記念にならないけどさ。じゃ、開けさせてもらうね」
「おぅ。多分気に入ってもらえると思うけど」
箱を開けた渚は「わ!」と嬉しそうな声を上げた。
「これ、サファイアじゃん。ヤバい。めちゃくちゃ嬉しい」
「アクセと悩んだけどストラップの方が付けやすいかなって思った」
俺が渚にあげたプレゼントはメインにサファイアがついたストラップだった。
昨日プレゼントを買いに行った時「青色が大好きで宝石の中ではサファイアが1番好き」と言っていた渚を思い出し、すぐに決まった。
シンプルでカッコイイストラップは渚にピッタリだ。
「えー、本当に嬉しい。ありがとう、駿河」
「そんなに喜んでもらえるなんて俺の方が嬉しい」
「大切にする。てかもう付ける」
スマホケースに付けてからも渚はストラップを眺めていた。
余程サファイアが好きらしい。
「お前にとって特別なんだな、サファイアって」
「うん。誕生石っていうのもあるけどこの青色見てると落ち着くんだよね。何回も助けられてる」
「そうか。これにして良かった」
「ちなみに駿河、サファイアの宝石言葉知ってる?」
サファイアから目を離し、俺に視線を向けた渚は悪戯っぽく笑っている。
俺は素直に首を傾けた。
「え?知らねぇけど……ヤバかったか?」
「ううん。むしろ照れる方のやつだから嬉しいよ」
「それって意味分かったら俺が照れるやつじゃねぇの?」
「まぁね。折角だからそういう意味もあると思っておく」
スマホで検索しようか悩み、やめておいた。
今意味を知ってしまったら渚の顔を見られなくなりそうだ。
「けど本当にありがとう。プレゼントすごく嬉しい。落ち着くまで半年掛かるとは思わなかったけど駿河のおかげで仕事上手くいってるよ」
「そりゃ良かった」
この半年間、渚は色々なものと戦っていたという。
マネージャーと話し合い、やりたいこととやりたくないことを明確にした。
ワガママを聞いてもらった分、声の仕事へ更に力を入れるようになった。
働き過ぎていた環境を自分のペースに戻して行った。
努力して声優になった渚は声優になってもこうして努力を続けている。
それは俺に力をくれた。
話を聞き終わった俺は渚の頭を撫でた。
「お疲れ様。本当に色々大変だっただろ」
「大変だった。上手くいかないかもって思った時もあったし、何度も駿河に連絡したくなったもん」
「してくれても良かったのに」
「それは俺の中で最後の選択だったから。本当にどうしようもなくなったら連絡しようと思ってた。次会う時はこうして落ち着いた時にするって決めてたからさ。駿河の話聞くために頑張ったのかも、俺」
ニコッと笑う渚は以前よりもずっと元気そうだ。
忙し過ぎると自分を蔑ろにしてしまう渚だから、今ぐらいのペースがちょうどいいのかもしれない。
まだまだ考えることはあるのだろうが、渚の中で一段落ついたことは俺としても嬉しかった。
悩んでいる渚も疲弊している渚もなるべく見たくないから。
「お前の役に立ったなら何よりだ」
「俺はいつも駿河に助けられてるよ。あ、そうだ。一緒に写真撮らない?」
「写真?」
「部屋に駿河との写真飾ってるんだけどもう5年ぐらい前の写真だから更新したくて」
そう言いつつ渚はスマホをインカメにして手を伸ばした。
あまりカメラが得意でない俺は写真に写ること自体が久々だった。
「ちゃんと笑ってねー」
よく撮影されている渚と比べたらぎこちない笑顔になった気もするが、撮られた写真は2人ともしっかりと笑っていた。
「すごくいい!これプリントして飾ろっと。画像、駿河にも送っとくね」
「おー、ありがと」
送られてきた画像を眺める。
笑顔でピースをしている2ショットは懐かしささえ感じる。
渚の可愛さは昔から変わらない。
「ね?いい写真でしょ?」
「そうだな。撮って良かった。渚の笑顔は見てると元気出るし可愛い」
「そ、そう?褒められるのは照れるな」
「褒め言葉なんて沢山聞いてるだろ」
「駿河に褒められたから照れるんだって。好きな人に言われるのはファンに言われるのと違うもん」
少しムッとした顔で言われ「悪かった」と返す。
考えてみれば当然だ。
自分の好きな人に言われる言葉は特別なのだから。
それは俺自身がずっと感じていたはずなのに。
「そうだよな。俺も渚の言葉は特別だ」
「でしょ?だからやっぱり駿河に褒められるのは1番嬉しい」
「じゃ、これからもっと褒めるわ。てかさ、渚が嫌じゃなかったら一緒に住まねぇ?そしたら忙しくても会えるし」
目を合わせずに一気に言ったのは完全に照れ隠しだ。
少しでも視線が合ったら恥ずかしくなってしまいそうで。
「え、いいの?駿河、俺と住んだらストレス溜まらない?」
「多分大丈夫だろ。渚が案外だらしないことなんて知ってるし」
「ふふっ、そっか。幼馴染ってそういうとこ楽だね。全部知ってくれてるから。じゃあここに引っ越して来ようかな」
「ここだと狭くねぇ?新しく探してもいいけど」
渚は笑って首を振った。
「ここがいい。大事な話、全部ここでしたから思い入れがあるんだよね」
「まあ……渚がいいならいいけど。いつでも引っ越してきていいから」
「うん、ありがとう。部屋にラルト君のグッズ置いてもいい?」
俺の肩に凭れながら言う渚に苦笑を返す。
「別にいいぜ。嫉妬なんてしねぇから」
「じゃあ沢山飾っちゃおう」
「……いいけどよ」
渚は俺の反応を楽しんでいるのだろう。
ふふっと楽しそうに笑って言った。
「嘘だって。少しは飾るけど。ラルト君より駿河の方が好きだから安心して」
「そんなこと気にしねぇってば」
「でも顔に出てたからさ。駿河って結構顔に本音が出るんだよね」
「……それ、知りたくなかった」
薄々自分でも気付いていた。
俺は顔に感情が出るタイプなのではないかと。
渚に指摘されてしまったらそれはもう確実だ。
「一緒に暮らしたら駿河が知りたくないこと全部教えてあげる」
「えー、マジかよ。折角自分のこと好きになったのに」
「もっと好きになるから大丈夫だよ。欠点ある方が可愛いじゃん」
「そういうもんか?けどまぁ、渚と暮らせるのは楽しみだ」
きっと今までとは違った生活になるだろう。
気苦労もあるかもしれない。
けれどそれ以上に沢山幸せがありそうな気がする。
「そうだね。これからは最前列で駿河の夢応援させてよ。今まで沢山応援してもらったから返したいんだ」
「ん、頼んだ」
それまで笑っていた渚が真剣な瞳で俺を見たのは本気で応援したいと思ってくれているからだろう。
子供の頃から今まで待たせ過ぎてしまった。
けれどこれからは──大丈夫だ。
「渚」
「ん?」
名前を呼んでキスをする。
途端に渚の顔は赤くなった。
「可愛い」
「……想像以上に照れるもんだね」
「俺も一生慣れねぇかも」
ずっと一緒にいたはずなのにやっと今、全てが繋がった気がした。
それがすごく嬉しかった。
「駿河。これからも宜しく」
「こちらこそ」
ここから俺たちの新たな1歩が始まるのだろう。
それはきっと絶対──幸せでなきゃ有り得ない。
だから隣にいる渚が輝いて見えた。
渚は子供の頃から「声優になりたい」という夢を持ち、その為に努力をしてきた。
隣でずっと見ていた俺にはそれがどれ程大変だったか分かる。
だから渚が夢を叶えた瞬間は本当に嬉しかった。
同時に自分も変わろうと思った。
いい加減本気で夢を持とう、と。
探して探して──やっと見つけた夢はやはり渚が切っ掛けだった。
(俺の人生の半分は渚で出来てるのかもしれねぇな)
大好きな幼馴染は俺の憧れであり、俺の指標でもあった。
だから渚が切っ掛けで自分の夢を見つけることが出来たのは必然だとも言える。
今の俺は夢を見つけ、その夢に向かって邁進している。
何かに一生懸命になることがこんなに難しくてこんなに苦しくて──こんなに楽しいなんて思いもしなかった。
20年以上生きてきて初めて自分のことを好きになれた気がした。
(だから渚、俺は待ってるから)
夢を見つけて、自分のことを好きになった。
自分のことを好きになれたら渚に思いを伝えると決めていた。
けれどそれは渚から連絡が来た時だ。
昔と違って今度こそ渚は俺に連絡をくれるはずだから。
「その日」が来るまで俺は夢に向かって走り続けた。
『駿河の話が聞きたい』
そう連絡が来たのは最後に会ってから半年後のことだった。
久しぶりのメッセージはシンプルで、だからこそ渚の真剣な気持ちが伝わってきた。
『分かった。いつなら会える?』
『突然だけど明日でもいいかな?』
『明日の夕方なら空いてる』
『了解。夕方に駿河の家行くね』
渚はメッセージの後に「楽しみ!」とセリフがついたラルトのスタンプを押してきた。
ボイス付きのスタンプが再生され、スマホから渚の声が聞こえる。
渚であって渚でないその声を聞くと不思議な気持ちになる。
俺は無難な『OK』と書かれた猫のスタンプを押し返した。
「その日」は突然やってくると思っていたけれど、本当に突然やってきた。
心の準備が出来ていないとか気持ちを伝えられないかもしれないとか──そんな考えは一切なかった。
夢を見つけた時から俺は自分に自信が持てるようになったのだと思う。
それまではいつでもふわふわ宙に浮かんでいる気分だったが今はしっかり地に足がついている気がする。
何より毎日充実感があった。
大学に行って勉強して、家に帰ったら夢の為に勉強する日々。
昔よりも忙しくなったのに昔よりも元気になった。
(勉強終わったら明日の準備すっか)
部屋の片付けと食料の買い出しと、それから渚にプレゼントを買いに行こうと決め、俺は再び机の上のテキストに目を向けた。
翌日、大学を終えて帰宅した俺は渚からの連絡を待っていた。
けれど一向に連絡が来ることなく突然玄関チャイムが鳴った。
「……そっちだったか」
渚なら連絡なく家に来る可能性もあるなと思っていたがどうやらそっちが正解だったらしい。
「駿河!めちゃくちゃ久しぶり!」
ドアを開けると渚は満面の笑みで手を上げた。
相変わらず可愛い笑顔だ。
「おぅ。久しぶり過ぎるな。ま、入れよ」
「お邪魔しまーす!あ、靴のラック増えてない?これ、前はなかったよね?」
部屋に入った瞬間気付かれ、少し恥ずかしくなる。
新しいラックは組み立てた後、色を塗って仕上げた自分用の靴入れだ。
組み立てる時に自分好みにしたいと思い設計まで拘った。
設計図を書いて1から計算して作り上げたラックには思い入れがある。
「まぁな。考えて作ってみた」
「だから幅もピッタリなんだ。靴ごとに高さ合わせてあるしすごくない?」
「時間掛かったけど作るの楽しかったぜ」
「色合いもいい感じだなぁ。こっちのインテリアとかも増えてるし。可愛い」
棚の上に置いてあるインテリアは余った廃材で作ったものだった。
ネットで調べて適当に作ったものだが渚は気に入ってくれたらしい。
「欲しかったらやるよ。またすぐ出来るし」
「本当?じゃあこの猫と犬欲しい」
「おぅ、持ってけ」
渚は嬉しそうに鞄にいれ、やっとクッションの上に座った。
机の上に飲み物を出す。
「ありがと。久しぶりだし話したいこといっぱいあるけどとりあえず1番気になるから駿河の話、聞いていい?」
「あぁ、そうだな。まずは3ヶ月ぐらい前に夢が見つかった」
「本当!?それ、早く聞きたかった!」
「誰かに言うのはお前が1番だからいいだろ」
「そっか。ならいいや。で?何にしたの?」
渚は目をキラキラと輝かせて尋ねてくる。
その輝きに押されつつ小声で答えた。
「インテリア系」
「わ!やっぱりそっち系にしたんだ。コーディネーター?デザイナー?作る系?」
「んー、全部」
「全部ってことは……すごく大変じゃん」
「インテリアについて色々考えてて思ったんだけど丸々出来る人がいたら助かるよなって。だから万能なアドバイザー的なのになれねぇかなと思ってさ。全部出来たら全部アドバイス出来るだろ。こういう部屋の雰囲気でこういうの作りたいって言われた時に全部教えられるような奴になりてぇの」
職業で言うならインテリアアドバイザーというものになるのかもしれない。
ただ俺はDIYも含めてアドバイスしたいと思っている。
何かを作りたいだけの人がいればそれだけを教えるし、部屋全体を変えたいのであればコーディネートしたいと思う。
「だから設計図の作り方とかも勉強しててさ。そのついでにさっきのラック作ったわけ」
「駿河の夢が思ってた以上に壮大でびっくりしてる。本当にそれ、ここ最近浮かんだの?昔から描いてる夢みたい」
「最近だって。今まで沢山考えても夢なんて浮かばなかったのに前回渚が家に来た時に話したのが切っ掛けで見つかったんだよな。マジで感謝してる。ありがとな」
改めて礼を言うのは照れくさいけれど、絶対に「ありがとう」は言うと決めていた。
渚のおかげで毎日が充実し始めたようなものだから。
「え?何か照れるな。俺の言葉が役に立ったなら良かった」
「大体いつも渚のおかげだ。で、渚に話したかったことはもうひとつあるんだよな。てかこっちが本題」
「うん。何?」
キョトンと見上げる渚を見ると言葉が出なくなりそうで、俺は目を合わせず一気に言った。
「ずっとお前のこと好きだったから付き合って欲しい」
「……」
「お前の好きな奴のことは知ってるし3次元の俺じゃ2次元のアイツに勝てるとも思ってねぇ。けど、なんつーか……」
言葉を探す俺に渚はふふっと笑った。
「それが勝っちゃったんだよなぁ」
「は?どういうことだ?」
「俺も駿河が好きってこと。あ、でも本当にラルト君が好きだったんだよ?駿河が好きってことに気付いたのがすごく遅かったんたよね。きっと本当は俺もずっと好きだったんだと思うけど」
渚の言葉に俺はかなり驚いた。
自キャラに恋したと聞いた時と同じぐらいの驚きだったかもしれない。
今でも渚はラルトが1番好きで、俺のことは恋愛対象ではないと思っていたから。
「だから付き合おうよ」
「……叶うと思わなかったからすげぇ驚いてる」
「まぁそうだよね。俺、ラルト君に本気だったし。でもラルト君のこと好きになったから恋ってものが分かった気がする。だからラルト君を好きになったことには意味があったのかなって」
「だとしたら今告白して良かった。中学の時1回言おうと思ってたんだよな」
「俺が落ち着いたら話すって言ってくれてた時だよね?あの時は申し訳なかったなって思ってたけど確かにあの頃告白されてたらOKしてなかったな」
苦笑する渚にこくりと頷く。
あの頃告白して失敗していたら今こうして一緒にいられなかったかもしれない。
当時は言えなかったことに複雑な気持ちを抱いていたが、結果としては良かったことになる。
「だよな。どうも俺には遠回りってのが似合ってるみたいだ。夢も恋も」
「むしろ俺のこと飽きずに好きでいてくれてありがとう。てかそう考えるとラルト君の話された時嫌だったよね?」
「まぁな。最大のライバルが出来たって思った」
「うわ……酷いことしたな、俺。でもこうやって両思いになったからいっか」
渚は笑って俺に手を差し出した。
「こういう時どうしたらいいか分からないけどとりあえずこれからもよろしくね?」
「あぁ、よろしく」
手を強く握り返す。
思えば握手など初めてかもしれない。
笑い出した渚につられて笑い返す。
「絶対こうじゃないよね。でも何か俺らっぽいかも」
「そうだな。付き合ったからって何か変える必要ねぇしな。あ、そうだ。ちょっと待ってろ」
渚の手を離し、棚から紙袋を取り出した。
そのまま渚の前に置く。
「これ、プレゼントな。貰ってくれ」
「え?何で何で?誕生日じゃないけど」
「渚が落ち着いた記念。ついでに上手くいったから付き合った記念」
俺の言葉に渚は大爆笑した。
「ついでに、って!確かに上手くいかなかったら記念にならないけどさ。じゃ、開けさせてもらうね」
「おぅ。多分気に入ってもらえると思うけど」
箱を開けた渚は「わ!」と嬉しそうな声を上げた。
「これ、サファイアじゃん。ヤバい。めちゃくちゃ嬉しい」
「アクセと悩んだけどストラップの方が付けやすいかなって思った」
俺が渚にあげたプレゼントはメインにサファイアがついたストラップだった。
昨日プレゼントを買いに行った時「青色が大好きで宝石の中ではサファイアが1番好き」と言っていた渚を思い出し、すぐに決まった。
シンプルでカッコイイストラップは渚にピッタリだ。
「えー、本当に嬉しい。ありがとう、駿河」
「そんなに喜んでもらえるなんて俺の方が嬉しい」
「大切にする。てかもう付ける」
スマホケースに付けてからも渚はストラップを眺めていた。
余程サファイアが好きらしい。
「お前にとって特別なんだな、サファイアって」
「うん。誕生石っていうのもあるけどこの青色見てると落ち着くんだよね。何回も助けられてる」
「そうか。これにして良かった」
「ちなみに駿河、サファイアの宝石言葉知ってる?」
サファイアから目を離し、俺に視線を向けた渚は悪戯っぽく笑っている。
俺は素直に首を傾けた。
「え?知らねぇけど……ヤバかったか?」
「ううん。むしろ照れる方のやつだから嬉しいよ」
「それって意味分かったら俺が照れるやつじゃねぇの?」
「まぁね。折角だからそういう意味もあると思っておく」
スマホで検索しようか悩み、やめておいた。
今意味を知ってしまったら渚の顔を見られなくなりそうだ。
「けど本当にありがとう。プレゼントすごく嬉しい。落ち着くまで半年掛かるとは思わなかったけど駿河のおかげで仕事上手くいってるよ」
「そりゃ良かった」
この半年間、渚は色々なものと戦っていたという。
マネージャーと話し合い、やりたいこととやりたくないことを明確にした。
ワガママを聞いてもらった分、声の仕事へ更に力を入れるようになった。
働き過ぎていた環境を自分のペースに戻して行った。
努力して声優になった渚は声優になってもこうして努力を続けている。
それは俺に力をくれた。
話を聞き終わった俺は渚の頭を撫でた。
「お疲れ様。本当に色々大変だっただろ」
「大変だった。上手くいかないかもって思った時もあったし、何度も駿河に連絡したくなったもん」
「してくれても良かったのに」
「それは俺の中で最後の選択だったから。本当にどうしようもなくなったら連絡しようと思ってた。次会う時はこうして落ち着いた時にするって決めてたからさ。駿河の話聞くために頑張ったのかも、俺」
ニコッと笑う渚は以前よりもずっと元気そうだ。
忙し過ぎると自分を蔑ろにしてしまう渚だから、今ぐらいのペースがちょうどいいのかもしれない。
まだまだ考えることはあるのだろうが、渚の中で一段落ついたことは俺としても嬉しかった。
悩んでいる渚も疲弊している渚もなるべく見たくないから。
「お前の役に立ったなら何よりだ」
「俺はいつも駿河に助けられてるよ。あ、そうだ。一緒に写真撮らない?」
「写真?」
「部屋に駿河との写真飾ってるんだけどもう5年ぐらい前の写真だから更新したくて」
そう言いつつ渚はスマホをインカメにして手を伸ばした。
あまりカメラが得意でない俺は写真に写ること自体が久々だった。
「ちゃんと笑ってねー」
よく撮影されている渚と比べたらぎこちない笑顔になった気もするが、撮られた写真は2人ともしっかりと笑っていた。
「すごくいい!これプリントして飾ろっと。画像、駿河にも送っとくね」
「おー、ありがと」
送られてきた画像を眺める。
笑顔でピースをしている2ショットは懐かしささえ感じる。
渚の可愛さは昔から変わらない。
「ね?いい写真でしょ?」
「そうだな。撮って良かった。渚の笑顔は見てると元気出るし可愛い」
「そ、そう?褒められるのは照れるな」
「褒め言葉なんて沢山聞いてるだろ」
「駿河に褒められたから照れるんだって。好きな人に言われるのはファンに言われるのと違うもん」
少しムッとした顔で言われ「悪かった」と返す。
考えてみれば当然だ。
自分の好きな人に言われる言葉は特別なのだから。
それは俺自身がずっと感じていたはずなのに。
「そうだよな。俺も渚の言葉は特別だ」
「でしょ?だからやっぱり駿河に褒められるのは1番嬉しい」
「じゃ、これからもっと褒めるわ。てかさ、渚が嫌じゃなかったら一緒に住まねぇ?そしたら忙しくても会えるし」
目を合わせずに一気に言ったのは完全に照れ隠しだ。
少しでも視線が合ったら恥ずかしくなってしまいそうで。
「え、いいの?駿河、俺と住んだらストレス溜まらない?」
「多分大丈夫だろ。渚が案外だらしないことなんて知ってるし」
「ふふっ、そっか。幼馴染ってそういうとこ楽だね。全部知ってくれてるから。じゃあここに引っ越して来ようかな」
「ここだと狭くねぇ?新しく探してもいいけど」
渚は笑って首を振った。
「ここがいい。大事な話、全部ここでしたから思い入れがあるんだよね」
「まあ……渚がいいならいいけど。いつでも引っ越してきていいから」
「うん、ありがとう。部屋にラルト君のグッズ置いてもいい?」
俺の肩に凭れながら言う渚に苦笑を返す。
「別にいいぜ。嫉妬なんてしねぇから」
「じゃあ沢山飾っちゃおう」
「……いいけどよ」
渚は俺の反応を楽しんでいるのだろう。
ふふっと楽しそうに笑って言った。
「嘘だって。少しは飾るけど。ラルト君より駿河の方が好きだから安心して」
「そんなこと気にしねぇってば」
「でも顔に出てたからさ。駿河って結構顔に本音が出るんだよね」
「……それ、知りたくなかった」
薄々自分でも気付いていた。
俺は顔に感情が出るタイプなのではないかと。
渚に指摘されてしまったらそれはもう確実だ。
「一緒に暮らしたら駿河が知りたくないこと全部教えてあげる」
「えー、マジかよ。折角自分のこと好きになったのに」
「もっと好きになるから大丈夫だよ。欠点ある方が可愛いじゃん」
「そういうもんか?けどまぁ、渚と暮らせるのは楽しみだ」
きっと今までとは違った生活になるだろう。
気苦労もあるかもしれない。
けれどそれ以上に沢山幸せがありそうな気がする。
「そうだね。これからは最前列で駿河の夢応援させてよ。今まで沢山応援してもらったから返したいんだ」
「ん、頼んだ」
それまで笑っていた渚が真剣な瞳で俺を見たのは本気で応援したいと思ってくれているからだろう。
子供の頃から今まで待たせ過ぎてしまった。
けれどこれからは──大丈夫だ。
「渚」
「ん?」
名前を呼んでキスをする。
途端に渚の顔は赤くなった。
「可愛い」
「……想像以上に照れるもんだね」
「俺も一生慣れねぇかも」
ずっと一緒にいたはずなのにやっと今、全てが繋がった気がした。
それがすごく嬉しかった。
「駿河。これからも宜しく」
「こちらこそ」
ここから俺たちの新たな1歩が始まるのだろう。
それはきっと絶対──幸せでなきゃ有り得ない。
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サークルに一人暮らしと、完璧なキャンパスライフが始まった俺……広瀬 陽(ひろせ あき)
ひとつ問題があるとすれば金欠であるということだけ。
「そうだ、バイトをしよう!」
一人暮らしをしている近くのカフェでバイトをすることが決まり、初めてのバイトの日。
教育係として現れたのは……なんと高二の冬に俺を振った元カレ、三上 隼人(みかみ はやと)だった!
なんで元カレがここにいるんだよ!
俺の気持ちを弄んでフッた最低な元カレだったのに……。
「あんまり隙見せない方がいいよ。遠慮なくつけこむから」
「ねぇ、今どっちにドキドキしてる?」
なんか、俺……ずっと心臓が落ち着かねぇ!
もう一度期待したら、また傷つく?
あの時、俺たちが別れた本当の理由は──?
「そろそろ我慢の限界かも」
【完結】巷で噂の国宝級イケメンの辺境伯は冷徹なので、まっっったくモテませんが、この度婚約者ができました。
明太子
BL
オーディスは国宝級イケメンであるにも関わらず、冷徹な性格のせいで婚約破棄されてばかり。
新たな婚約者を探していたところ、パーティーで給仕をしていた貧乏貴族の次男セシルと出会い、一目惚れしてしまう。
しかし、恋愛偏差値がほぼ0のオーディスのアプローチは空回りするわ、前婚約者のフランチェスカの邪魔が入るわとセシルとの距離は縮まったり遠ざかったり…?
冷徹だったはずなのに溺愛まっしぐらのオーディスと元気だけどおっちょこちょいなセシルのドタバタラブコメです。
だって、君は210日のポラリス
大庭和香
BL
モテ属性過多男 × モブ要素しかない俺
モテ属性過多の理央は、地味で凡庸な俺を平然と「恋人」と呼ぶ。大学の履修登録も丸かぶりで、いつも一緒。
一方、平凡な小市民の俺は、旅行先で両親が事故死したという連絡を受け、
突然人生の岐路に立たされた。
――立春から210日、夏休みの終わる頃。
それでも理央は、変わらず俺のそばにいてくれて――
📌別サイトで読み切りの形で投稿した作品を、連載形式に切り替えて投稿しています。
エピローグまで公開いたしました。14,000字程度になりました。読み切りの形のときより短くなりました……1000文字ぐらい書き足したのになぁ。
過労死転生した公務員、魔力がないだけで辺境に追放されたので、忠犬騎士と知識チートでざまぁしながら領地経営はじめます
水凪しおん
BL
過労死した元公務員の俺が転生したのは、魔法と剣が存在する異世界の、どうしようもない貧乏貴族の三男だった。
家族からは能無しと蔑まれ、与えられたのは「ゴミ捨て場」と揶揄される荒れ果てた辺境の領地。これは、事実上の追放だ。
絶望的な状況の中、俺に付き従ったのは、無口で無骨だが、その瞳に確かな忠誠を宿す一人の護衛騎士だけだった。
「大丈夫だ。俺がいる」
彼の言葉を胸に、俺は決意する。公務員として培った知識と経験、そして持ち前のしぶとさで、この最悪な領地を最高の楽園に変えてみせると。
これは、不遇な貴族と忠実な騎士が織りなす、絶望の淵から始まる領地改革ファンタジー。そして、固い絆で結ばれた二人が、やがて王国を揺るがす運命に立ち向かう物語。
無能と罵った家族に、見て見ぬふりをした者たちに、最高の「ざまぁ」をお見舞いしてやろうじゃないか!
【完結】I adore you
ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。
そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。
※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。
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