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後日談
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「はぁはぁはぁ。死ぬ。もう無理だ、騎士団長……」
「何を甘いことを。次は我が息子による魔術特訓ですからな。覚悟して下さい」
つい先日までは王太子としてチヤホヤされ、メイド達が足元の小石にさえ躓かないようにと、俺の周りを皆が気遣っていたというのに。
今、俺は砂ボコまみれの訓練場で、腰には逃亡禁止の縄が付けられ、騎士団長である公爵にしごかれている。
おまけに頭には、転んで打たないようにというルシアからの妙な気遣いでヘルメットをつけられて、暑いことこの上ない。
ーーこんな無惨な姿になった理由は、俺が婚約破棄をした後に、いつもは大人しいルシアがキレたことが原因だ。忌々しい女め。
俺はギリっと歯を噛み締めて、先日の事件を思い出す。
★
「殿下こそ覚悟は出来ていて?私まだまだ百二十分も踊らされた恨みを晴らせていなくてよ」
ルシアが優雅に微笑むと。
嘲るように王太子は笑いだした。
「ハハハッ!ついに頭まで可笑しくなったか! 貴様は踊るどころか、そこから動いてなどいないだろうがっ」
「……まぁ、そうですわね。そう言えば陛下はこの婚約破棄をご存知なのかしら?」
可愛らしく小首をかしげるルシアに答えるように、事態を聞きつけた国王が会場に転がるように入ってきた。
「ルシア、我が愚息が済まなかった! 婚約破棄は待ってくれないか!?」
だが、ルシアが何か言う前に父の公爵が答えてしまう。
「それは出来ませんな、陛下。私は娘を連れてこの国を出ようと思っております。幸い、妻は隣国出身。身を寄せることくらいならすぐにでも出来るでしょう」
「こ、公爵! 騎士団長のそなたが居なくなったら騎士団の統率はどうするっ」
割り込むように兄が話し出す。
「つれないですね、父上。もちろん僕も付いていきますよ」
「公爵令息! そなたは次期宰相ではないかっ」
親友のメルシア伯爵令嬢も張り合うように声をあげた。
「まぁ! それでしたら、私も連れて行って下さいませ。両親も説得しますわ。騎士団長も次期宰相も居ない国など不安ですもの」
メルシア伯爵令嬢の言葉に傍観者に徹していた貴族達もザワザワしだした。
トドメを刺したのは幼馴染のクロード候爵令息だった。
「俺も、ともに行こう。婚約者などと言ったしがらみのない身軽な立場だしな」
この国の者たちに絶大な人気を誇る剣の天才の言葉に、会場にいるほぼ全ての貴族が、『では私も……』『僕達も……』と囁き出す。
「婚約者がいないのはルシアに片思いしてるからでしょっ」
と、メルシア伯爵令嬢が呟いた言葉は周囲の動揺にかき消され、ルシアには残念ながら届かなかったが。
ざわめきを断ち切ったのは、成り行きを見守っていたルシアであった。
「皆さま、お待ち下さいませ!! 領地は、領民はどうするおつもりですっ」
朗らかな笑顔で、兄は答える。
「さすがルシアだね。だけど大丈夫。隣国は国土はかなり広いのに人口は少ないだろう? 過疎地域のことで相談を受けてたんだ」
「望む領民達は我々とともに。望まない領民達はご立派な王太子がいるこの国が、キチンと面倒をみるだろう」
青褪めていく国王とは正反対に、王太子は顔を真っ赤にして啖呵を切った。
「馬鹿め! 簡単に国外逃亡出来ると思うなよ。兵士達よ、こいつらを捕えろっ」
だが、壁際に控えている兵士達は誰一人として動かない。
「王太子よ、ご存知でしたかな? 兵というものは、時に統治者よりも上官に従うのですよ」
公爵は、射るような眼差しを国王と王太子に向けて、続ける。
「ルシアは恨みを晴らしたいのだろう? クーデターでも起こすかな」
公爵の本気に怯えた王は、息子を捨てた。
「や、やめてくれ公爵! 愚息は廃嫡の上、魔物の森に打ち捨てると約束するっ。だからクーデターだけは!」
「ほぉ。ピンク髪の令嬢はどうします?」
「お、同じ刑に処す!」
ーーほとんど剣も操れない王太子と、全く出来ないピンク髪。実質、処刑と同じである。
「だからっ! 私の話を聞いて下さいませっ!!」
流れを断ち切ったのは、ルシアであった。王太子には全く未練はない。だが、必死に命を助けてやったのに、死なれては目覚めが悪いではないか。
それに何より、ルシアの手で痛い目に合わせなければ気がすまない。
「今回の被害者は私でしてよ! 私の意見を尊重して下さいませっ」
事態の恐ろしさにようやく気付いた王太子は、助かったとばかりにニヤニヤしだした。
ルシアは心の中で助からねーよ、と罵っておく。
「殿下は廃嫡にして、無一文でピンク髪さんと王都追放ぐらいが相応しいのでは? 結果だけみれば、私に婚約破棄しただけですもの」
溜息をつきながらルシアが言うと。
「よ、よいのか!」
ぬか喜びする国王と、青褪めていく元王太子。
「ええ。でも、オプションがございます。元王太子殿下には個人的に恨みつらみがつきませんの。我が家でフラフラになるまで特訓した後で、私に殴られて下さいませ」
こうして、元王太子はあっという間に公爵家に連行されたのであった。
★
「もう……立てない」
公爵の次はルシアの兄にボロボロになるまで、ありとあらゆる魔術を打ち込まれた元王太子は、涙ながらに懇願する。
「助けて下さい……」
「これくらいで女々しいことを。だが、もう逃げる気力もないようですし、いいでしょう」
こうして公爵家の私兵に、元王太子が担ぎ込まれたのは。
床がクッションになっているベビールームであった。
「ここは……?」
キョロキョロとあたりを見回す元王太子。
「ここは私が子供の時に使っていた部屋ですの。今はガラクタ置き場ですわ」
ルシアは、ボロボロで、憐れな姿になった王太子を見下げる。隣には幼馴染のクロードが控えていた。
「さっさと殴れよ……」
「ええ。でも手で殴ると私の手が痛むでしょう?ですから、考えましたの」
そう言ってルシアが取り出した箱には、色々な物が入っていた。
在りし日に王太子が義務的にではあるが、ルシアに贈っていた贈り物である。
「これは一番初めに貰った人形っ」
可愛らしいクマの人形が元王太子に当たる。
よろけるがヘルメットとクッションのおかげで、転んでも平気だからやりたい放題だ。
「これは誕生日に貰ったハンカチっ」
「痛いっ ハンカチに何を包んでるんだっ」
「ただの小石でしてよ、次はネックレスっ」
小石入りハンカチが鼻に当たって、真っ赤な鼻をこする元王太子。
「最後は婚約指輪ですわっ」
婚約指輪は見事なピッチングで額に当たると、力尽きた元王太子は伸びてしまった。
「これで復讐は終わりよ、お疲れさまでした。この部屋にある、貴方から頂いたガラクタは持って行ってよろしくてよ。無一文さん」
★
捨て台詞を吐いて部屋を出たルシアに、クロードは優しい眼差しを向けた。
「お前は優しいな、ルシア」
「どこが? 私を捨てた男を痛めつけただけよ」
心外だ、と言うように目を丸くするルシア。
「無一文で放り出される元王太子に、餞別をくれてやったのだろう? ハンカチには小銀が入っていたし、ネックレスも指輪も売れば相当なものだ」
「ピンク髪さんが、いち早く逃げて隣国の商家の後家に入ったと聞いたから同情しただけよ。それに物語だと、昔の男に貰った物を海に捨てたりするでしょう? 同じようなことをしただけよ」
「そうかな? まだ元王太子が好きなのかい?」
少し俯き加減で伺うような表情を向けるクロードに気づかないルシアは吐き捨てる。
「ありえないわっ。あんな男、生ゴミ以下よ」
ホッと安堵したクロードが、懐から取り出したのは。
「ははは。なら、俺にもチャンスはあるよな」
それはそれは、美しいダイヤモンドの指輪だった。
「すぐに答えを出さなくていい。だが、俺は昔から君が好きだった。」
あまりのことに顔を真っ赤に染まらせるルシアを見て、クロードは意地悪そうに微笑む。
「初めて男として見てもらえたかな? いつか君を振り向かせてみせるよ。失望もさせないと誓う」
そう言ってクロードは、ルシアのおでこにキスする。
心臓をバクバクさせて、ありがとう、としか答えられないルシアがクロードに恋するまで……
あとわずか
「何を甘いことを。次は我が息子による魔術特訓ですからな。覚悟して下さい」
つい先日までは王太子としてチヤホヤされ、メイド達が足元の小石にさえ躓かないようにと、俺の周りを皆が気遣っていたというのに。
今、俺は砂ボコまみれの訓練場で、腰には逃亡禁止の縄が付けられ、騎士団長である公爵にしごかれている。
おまけに頭には、転んで打たないようにというルシアからの妙な気遣いでヘルメットをつけられて、暑いことこの上ない。
ーーこんな無惨な姿になった理由は、俺が婚約破棄をした後に、いつもは大人しいルシアがキレたことが原因だ。忌々しい女め。
俺はギリっと歯を噛み締めて、先日の事件を思い出す。
★
「殿下こそ覚悟は出来ていて?私まだまだ百二十分も踊らされた恨みを晴らせていなくてよ」
ルシアが優雅に微笑むと。
嘲るように王太子は笑いだした。
「ハハハッ!ついに頭まで可笑しくなったか! 貴様は踊るどころか、そこから動いてなどいないだろうがっ」
「……まぁ、そうですわね。そう言えば陛下はこの婚約破棄をご存知なのかしら?」
可愛らしく小首をかしげるルシアに答えるように、事態を聞きつけた国王が会場に転がるように入ってきた。
「ルシア、我が愚息が済まなかった! 婚約破棄は待ってくれないか!?」
だが、ルシアが何か言う前に父の公爵が答えてしまう。
「それは出来ませんな、陛下。私は娘を連れてこの国を出ようと思っております。幸い、妻は隣国出身。身を寄せることくらいならすぐにでも出来るでしょう」
「こ、公爵! 騎士団長のそなたが居なくなったら騎士団の統率はどうするっ」
割り込むように兄が話し出す。
「つれないですね、父上。もちろん僕も付いていきますよ」
「公爵令息! そなたは次期宰相ではないかっ」
親友のメルシア伯爵令嬢も張り合うように声をあげた。
「まぁ! それでしたら、私も連れて行って下さいませ。両親も説得しますわ。騎士団長も次期宰相も居ない国など不安ですもの」
メルシア伯爵令嬢の言葉に傍観者に徹していた貴族達もザワザワしだした。
トドメを刺したのは幼馴染のクロード候爵令息だった。
「俺も、ともに行こう。婚約者などと言ったしがらみのない身軽な立場だしな」
この国の者たちに絶大な人気を誇る剣の天才の言葉に、会場にいるほぼ全ての貴族が、『では私も……』『僕達も……』と囁き出す。
「婚約者がいないのはルシアに片思いしてるからでしょっ」
と、メルシア伯爵令嬢が呟いた言葉は周囲の動揺にかき消され、ルシアには残念ながら届かなかったが。
ざわめきを断ち切ったのは、成り行きを見守っていたルシアであった。
「皆さま、お待ち下さいませ!! 領地は、領民はどうするおつもりですっ」
朗らかな笑顔で、兄は答える。
「さすがルシアだね。だけど大丈夫。隣国は国土はかなり広いのに人口は少ないだろう? 過疎地域のことで相談を受けてたんだ」
「望む領民達は我々とともに。望まない領民達はご立派な王太子がいるこの国が、キチンと面倒をみるだろう」
青褪めていく国王とは正反対に、王太子は顔を真っ赤にして啖呵を切った。
「馬鹿め! 簡単に国外逃亡出来ると思うなよ。兵士達よ、こいつらを捕えろっ」
だが、壁際に控えている兵士達は誰一人として動かない。
「王太子よ、ご存知でしたかな? 兵というものは、時に統治者よりも上官に従うのですよ」
公爵は、射るような眼差しを国王と王太子に向けて、続ける。
「ルシアは恨みを晴らしたいのだろう? クーデターでも起こすかな」
公爵の本気に怯えた王は、息子を捨てた。
「や、やめてくれ公爵! 愚息は廃嫡の上、魔物の森に打ち捨てると約束するっ。だからクーデターだけは!」
「ほぉ。ピンク髪の令嬢はどうします?」
「お、同じ刑に処す!」
ーーほとんど剣も操れない王太子と、全く出来ないピンク髪。実質、処刑と同じである。
「だからっ! 私の話を聞いて下さいませっ!!」
流れを断ち切ったのは、ルシアであった。王太子には全く未練はない。だが、必死に命を助けてやったのに、死なれては目覚めが悪いではないか。
それに何より、ルシアの手で痛い目に合わせなければ気がすまない。
「今回の被害者は私でしてよ! 私の意見を尊重して下さいませっ」
事態の恐ろしさにようやく気付いた王太子は、助かったとばかりにニヤニヤしだした。
ルシアは心の中で助からねーよ、と罵っておく。
「殿下は廃嫡にして、無一文でピンク髪さんと王都追放ぐらいが相応しいのでは? 結果だけみれば、私に婚約破棄しただけですもの」
溜息をつきながらルシアが言うと。
「よ、よいのか!」
ぬか喜びする国王と、青褪めていく元王太子。
「ええ。でも、オプションがございます。元王太子殿下には個人的に恨みつらみがつきませんの。我が家でフラフラになるまで特訓した後で、私に殴られて下さいませ」
こうして、元王太子はあっという間に公爵家に連行されたのであった。
★
「もう……立てない」
公爵の次はルシアの兄にボロボロになるまで、ありとあらゆる魔術を打ち込まれた元王太子は、涙ながらに懇願する。
「助けて下さい……」
「これくらいで女々しいことを。だが、もう逃げる気力もないようですし、いいでしょう」
こうして公爵家の私兵に、元王太子が担ぎ込まれたのは。
床がクッションになっているベビールームであった。
「ここは……?」
キョロキョロとあたりを見回す元王太子。
「ここは私が子供の時に使っていた部屋ですの。今はガラクタ置き場ですわ」
ルシアは、ボロボロで、憐れな姿になった王太子を見下げる。隣には幼馴染のクロードが控えていた。
「さっさと殴れよ……」
「ええ。でも手で殴ると私の手が痛むでしょう?ですから、考えましたの」
そう言ってルシアが取り出した箱には、色々な物が入っていた。
在りし日に王太子が義務的にではあるが、ルシアに贈っていた贈り物である。
「これは一番初めに貰った人形っ」
可愛らしいクマの人形が元王太子に当たる。
よろけるがヘルメットとクッションのおかげで、転んでも平気だからやりたい放題だ。
「これは誕生日に貰ったハンカチっ」
「痛いっ ハンカチに何を包んでるんだっ」
「ただの小石でしてよ、次はネックレスっ」
小石入りハンカチが鼻に当たって、真っ赤な鼻をこする元王太子。
「最後は婚約指輪ですわっ」
婚約指輪は見事なピッチングで額に当たると、力尽きた元王太子は伸びてしまった。
「これで復讐は終わりよ、お疲れさまでした。この部屋にある、貴方から頂いたガラクタは持って行ってよろしくてよ。無一文さん」
★
捨て台詞を吐いて部屋を出たルシアに、クロードは優しい眼差しを向けた。
「お前は優しいな、ルシア」
「どこが? 私を捨てた男を痛めつけただけよ」
心外だ、と言うように目を丸くするルシア。
「無一文で放り出される元王太子に、餞別をくれてやったのだろう? ハンカチには小銀が入っていたし、ネックレスも指輪も売れば相当なものだ」
「ピンク髪さんが、いち早く逃げて隣国の商家の後家に入ったと聞いたから同情しただけよ。それに物語だと、昔の男に貰った物を海に捨てたりするでしょう? 同じようなことをしただけよ」
「そうかな? まだ元王太子が好きなのかい?」
少し俯き加減で伺うような表情を向けるクロードに気づかないルシアは吐き捨てる。
「ありえないわっ。あんな男、生ゴミ以下よ」
ホッと安堵したクロードが、懐から取り出したのは。
「ははは。なら、俺にもチャンスはあるよな」
それはそれは、美しいダイヤモンドの指輪だった。
「すぐに答えを出さなくていい。だが、俺は昔から君が好きだった。」
あまりのことに顔を真っ赤に染まらせるルシアを見て、クロードは意地悪そうに微笑む。
「初めて男として見てもらえたかな? いつか君を振り向かせてみせるよ。失望もさせないと誓う」
そう言ってクロードは、ルシアのおでこにキスする。
心臓をバクバクさせて、ありがとう、としか答えられないルシアがクロードに恋するまで……
あとわずか
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