レベル“0”ですが、最強です。

勇崎シュー

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序章ー転移ー

01 転移しちゃった。

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 あ、やべ、異世界転移した。

 そう確信したのは、目の前が私物に塗れた汚部屋から、豪奢で優美な城に一瞬でクラスアップしたからだ。

 うん。これは……一旦状況を整理しよう。
 先ず、俺の名前は鹿羽琢真。極々普通の高校二年生だ。
 よし、名前と年齢位はすぐ思い出せる。次は……ここに来るまでに何をしていたか。
 確か昨日は、いつも通り小説サイトで作品を眺めながら、これくらいなら俺でもかけそうだなと思い自作の小説を投稿した所、30PV位しか伸びなくて絶望していた筈……。

 …………。

 悲しい記憶で泣きそうになりつつ、あれこれ考えていると、壇上の様な所から、俺が王様だ。とでも言わんばかりの身なりの老人が現れる。

「皆様、よくぞ召喚に応えてくれました」

 “皆様”?
 と、その単語に違和感を覚え、周りを見ていると……。
 俺と同じく床に座り込んだ男達が、左右に一人ずつ居た。
 他にも、始めから居たのだろうフードを着た人や甲冑に身を包んだ騎士達がちらほら見える。

 年間百作以上小説サイトで異世界系ラノベを読み耽っている俺は察した。

 これ……魔王軍とかと戦わされるヤツだ。

「お集まり頂いたのにはワケがあります。あなた方三人の勇者様には……魔王討伐を御依頼したい!」

 やっぱり。
 なんならこの後の展開も分かる。少し前に流行っていたパターンなら……ステータス画面を開くよう言われる筈だ。

「勇者!? 俺達が? やっべぇー!」

 急な大声に身体を震わすと、左に座していた同年くらいの男が、立ち上がり目を輝かせている事に気がつく。
 何だこの馬鹿っぽいの……と思いつつ、そういやいつまで座ってんだ俺。とふと我に返り、続け様に起立した。

 王様は咳払いしてから、体勢を改めた俺達への説明を再開する。

「我々人類は、近年悪魔族の王を筆頭とした魔王軍と戦争状態なのです。然しここの所……我々人類に明るい知らせは届きませぬ。そこで最終手段として、禁忌とされている勇者召喚の儀を執り行い、皆さんを招集させて頂きました」

 あくまで慇懃に話す彼の姿勢に、俺は思わず顎を引く。

「では、失礼なのは承知で頼みます。皆様の能力をご提示下さい……!」

 やっぱり! と心の中で叫んだ。
 恐らくこれからステータスを開く方法を教わるのだろうが……。

 うん。この後の展開も容易に想像出来る。
 どうせ俺達三人の中で、誰か一人(今のところ)役立たずな人間が国外追放とかされるのだろう。
 最近は追放系とか流行ってるしな……と、ふとそんな流暢な事考えている場合でないことに気づく。

 左右の二人を見るに、左のは明らかに馬鹿っぽく、右のは長い前髪が邪魔してよく見えないが、暗そうな雰囲気を醸し出している。
 現状では誰が追放ポジションでもおかしくないが、それはつまり、俺が追放されるケースも有るということだ。

 それは不味い。作品として見る分には「でもこの後どうせ無双するんでしょ?」とある意味安心して読み進められるが、自身に起きた時、そうなる確証は無い。
 つまり、追放されでもしたら本当に洒落にならないワケだ。
 ならば俺がやるべき事はただ一つ……。

 明らかに追放されないポジションのキャラを演じれば良い。

 天才か!? と自身の発想に驚嘆しそうになるが、今はとにかく、すぐにでも実行しなければ。
 絶対に追放されないポジ……それは……。

「ふん……俺達に魔王軍と戦えだと? 急に呼び出して置いて、随分なお願いだな」

 そう、クールキャラだ。
 これは偏見だが、基本的に作者も読者も、クールキャラは好きだから殺しにくい筈。
 例えば俺が長身の美丈夫であれば、噛ませ犬役をやらされていたかもしれないが、残念ながらというか幸いというか、自身の顔は中の中……又は下か上といったとこだろう。
 つまり……。

 フツメンでクールキャラならば、追放などされるワケが無い!!

 確信を得た俺はあくまで堂々と、人類の王(恐らく)と対峙した。
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