転生乙女のケセラセラ

ケセラセラ

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かつての恋人のと新しい関係とは?

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叔父さんと香織叔母さんは、今後はもっと頻繁に遊びに来てねと誘ってくれた。
泊まりにも来てね、と香織叔母さんは結構本気な目をしていたので、「もちろん遊びに行きますよ」と返していたのだか、我が家の家族は、「お泊まり?なっちゃんが行くなら俺もっ」とカズ。「菜津、お兄ちゃんも着いていくぞ」とお兄ちゃん。「お父さんだって!」「あなた、私が母として行きます」とか家族みんなで行くの?というくらいの騒ぎになってしまい、叔父さん達は、苦笑していた。
なんか、すいません。


私は、しばらく自分のやれることの少なさに落ち込んでいた。

そんなある日、私にお客さんだと客間で待っていたのは、かつての恋人の真人。

「ま、真人!」

病院で入院している、あの日から真人とは会ってない。
真人は、実家暮らしではなく、学生寮に入って大学で勉強しているらしく、中々頻繁に帰ってこれない事情があった。
あれから5ヶ月ぶりかな?

「おう、んー、今は菜津って呼べばいいのか?何か変だな」

ハハッと爽やかに真人が笑った。

真人に何と呼ばれたいのか?菜津?なっちゃん?正直、また「真由」って呼ばれたい。
だけど、いつか菜津から真由の記憶がなくなった時、真由と呼ばれることが嫌だと思うかもしれない。
私は、新しく生まれ変わった「菜津」として人生を歩まなければいけないと思う。だから家族にも菜津として呼んでもらっている。

「菜津って呼んで」

「わかった。ところでー」

バタンッ

突然、客間のドアが空けられると、弟のカズが飛び込んできた。

「ちょ、ま、真人さん?なっちゃんに何の用?」

カズの勢いに、真人も苦笑い。

「カズ?真人に失礼でしょ?まずは、ドアをノックして、挨拶しなきゃダメでしょ?」

私は、精一杯元姉の威厳を出して、胸を張ってカズに注意した。

「なっちゃん、怒っても可愛い過ぎるよ」

と、反省が少しもなかったが。

「ハハッ、やっぱり菜津は、真由の時と変わらないな」

真人が嬉しそうに微笑む。

ウッ、真人の大人の色気が堪らなくヤバい。
私が頬を赤くすると、カズが面白くなさそうに舌を鳴らした。

「真人さん、お久しぶりです。なっちゃんに会いに来られたみたいだけど、どんな用ですか?」

「ん?恋人に会いに来ただけだけど?」

「「え」」

「菜津?俺たち、あの夏休みから付き合い始めたんだよな?それは、前世を思い出したなら今でも有効だろ?」

真人が当然のように言うが、実際そうだろうか?
生まれ変わった時点で無効ではないだろうか?
しかも、私は3才の幼児である。
真人を犯罪者にするわけにはいかない。

「真人がそう言ってくれるのは嬉しいけど、私はまだ3才だよ?真人を犯罪者にはしたくないから恋人関係は無効で」

私がピシャリと言うと、真人は別にショックを受けた顔でもなく余裕そうに笑った。

「まぁ、そう言うだろうなって思ってたよ」

カズは、噛みつかんばかりに真人に睨みをきかせている。困った子だ。

「でも、俺は待つよ。菜津が16才になるまで。あの待ち合わせ場所で、菜津が来てくれるのを待つ」

あ、あの場所?私は震える。
事故があった場所の近くだ。

「真人さん!俺は反対だ。なっちゃんを待つと言って縛るのも、あの事故近くで待ち合わせするのも」

カズが毅然と真人に立ち向かう。

「俺は、あの日から時間が止まってるんだ」

真人が苦し気に告白した。

「今でも、真由が生まれ変わったことが信じられないんだ。だけど、こうして菜津と話してると安心する。時間が進むし、生きていたことを思い出せる」

「ま、真人」

真人の4年間も大変なものだったのだと想像がついた。
いや、本当の苦しみは本人しかわからない。
でも、少しでも楽にしてあげたい。
今でも好きなのは真人だから。

「わかった。私が大きくなるまで待ってて。あの日の約束を今度こそ守るって約束する!」

私がそう言うと、真人は嬉しそうに蕩けるような笑顔になった。

「ありがとう、でも待つと言ったのは恋人関係であって、16まで菜津に会わないわけじゃないからな?」

「え、あ、ん?そっか」

私は、会えないことに寂しさを感じてしまっていたので、嬉しいやら、拍子抜けだ。
さっきから私真人に振り回されてない?

「会うって?真人さんは学生寮に入ってるし、大学忙しいでしょ?」

そうだ、そんなに会える時間がないんだったよね。

「春から、学生寮を退寮して実家から大学へ行くことにしたから毎日とはいかないけど会えるよ」

真人が私に近づき、そっと抱き上げた。

あ、え、えーー!!

「ま、真人、だ、抱っこ、ダメ!ノーロリコン!」

「そ、そうだっ、抱っこしていいのは家族の俺だ!」

カズもその反応どうかと思うよ?お姉ちゃんは心配です。私は、ちょっとカズのおかげで冷静になれた。

「菜津は、俺に会えるの嬉しくない?」

「ひゃ、あ、嬉しいです」

サンキュ、と真人が私の頬っぺに軽くチュッとキスをした。

「菜津が大きくなるまで、これで我慢しとくよ」

ドキュン!


えっ、何か4年前より色気とか、何か色々とマシマシではないでしょうか?
カズは開いた口がふさがらないようだ。パクパクしてる。

「菜津、早く大きくなって」

甘える眼差しは、決して3才の幼女に向けてはいけないものだ。
私、耐えられるのかしら?

「ま、真人さん!なっちゃんはまだ3才なんだから2人で会うのは絶対に禁止ですからね!!」

カズが真っ赤な顔で真人にいい放つと、私を奪い返し、さっさっと追い返してしまった。
真人は、懲りた風でもなく、「また来るよ」と軽く手を振って帰っていった。

カズは、その後「真人さんは危険だ、真人さんは危険だ」とブツブツ呟いていて、カズのことも心配になってしまった。

これから、真人とはどんな関係を築いていけるのか、16才まで待つとはいえど、13年間は長い。
その間に、真人に恋人ができるかもしれないことは覚悟しなければならないだろう。
成人した男性が33才まで何もないというのが信じられない。
しかも、あれだけカッコいいのだから女性がほっとくはずもない。


真人と私の新しく関係は、友達以上恋人未満?
抱っことほっぺにキスを許す関係?

早く大人になって、真人とまた恋人になれますように。
私は、そっと祈るような気持ちで手を胸に当てた。
私は、いつの間にか、小さな自分ができないことを悩むより、できることを増やしていこうと思えるようになっていた。
いつか、真人にふさわしい大人の女性になりたい。
その為には、できることからコツコツとだよね!




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