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ローウェンの正体
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ガタガタと揺れる馬車の中、ローウェンの真摯な瞳が私を捉え、私の答えを待っている。
私は、自分がこれからどうしたいのか考えた時、どうしてもすぐに結婚したいと思えなかった。
ローウェンを好きな気持ちは確かにあるけど、まだ日本に戻れるのではと、どこか期待しているところもあり、安易に決めていい問題ではないと感じた。
もし結婚してから、日本に戻れる方法があったとしたら?私は、ローウェンを裏切る可能性が怖い。
もし子供ができた場合もそう。
そこで、後悔してしまったら、それこそローウェンを傷付けしてしまうことになる。
私の中で、絶対にこの国に残るっていう覚悟がない限り、簡単にOKしてはいけないということだけは分かる。
それに、詳しく聞いていないけど、ローウェンはかなり身分が高い貴族であることは間違いないと思う。
きっと彼の家族は私のようなどこの馬の骨とも分からないような小娘を迎えいれてはくれないはず。
例え、それが可能だとしても、私に貴族的な社交は絶対に無理だし、出来れば関わりたくない。
ローウェンには悪いと思うけど、好きという気持ちだけで、どうにかなる問題じゃないんだよね。
私は、ゴクンと喉を鳴らし、覚悟を決めた。
彼の正体を明らかにしてから、彼とのはいいお友達関係でいようと思う。
出来れば、住むところと仕事だけは紹介してもらいたのは我が儘だろうか?
「・・結婚は出来ません」
「・・僕が嫌い?」
「嫌いなわけっ!・・嫌いなわけない・・」
私が反射的に否定すれば、ローウェンがすがり付くように私を胸に抱きしめた。
「なら!!・・・愛してる・・ずっと側に居て欲しい・・」
ローウェンの声が切なげに震えている。
「ごっ、ごめんなさい・・」
ローウェンを傷付けたいわけじゃないのに、ローウェンを喜ばせてあげる言葉が出てこない・・。
「レイナ・・・・すぐに結婚してと言わないから、せめて一緒に暮らさないか?それで前向きに考えて欲しい」
住む場所がローウェンと?
そしたら、もう逃げきれる予感がしない・・。
「ローウェン・・・結婚しようと言ってくれて嬉しくないわけじゃないの。でも、私はまだ自分の国へ帰ることを諦めてないし、あなたの事を知らない。多分あなたはかなり身分が高いと思う。そして身分が高いのであれば・・私には身分不相応だと思ってしまうくらい、私は弱い人間なの。だからあなたの身分が何かなんて聞かないでおこうと思ってたけど、今聞かせてくれる?」
私はついに聞いてしまった。
聞きたくなかったけど、やっぱり気になるから。
ジッと私がローウェンを見つめると、弱ったようにローウェンが微笑んだ。
ハァと大きな溜め息をつくローウェンは大きな犬がしょげてるように見えた。
「参ったな。出来れば身分を言わないままレイナから結婚の承諾を得たかったんだけどな」
「あなたのことを知らないままに承諾できるわけないわよ。覚悟がなくてもあなたの妻には簡単になれるものなの?」
ローウェンは、初めてその考えに思い立ったかのように目を瞬きした。
「ハハッ・・そうだ。ごめん、秘密にしたまま結婚しようなんて卑怯だった。レイナには知った上で僕を選んで欲しいから」
ローウェンは、覚悟を決めたようだ。
だけど、緊張しているのが伝わる。
「僕の名前は、ローウェン・サルド・イル・アルソード」
「アルソード?も、もしかして・・」
「うん、この国の第1王子になるよ」
お、お、お、王子様?
侯爵とか公爵あたりかもとは思ってたけど、一番やっかいな王族でしかも第1王子様・・。
王子様みたく素敵な人たどは思っていたけれど、本当の王子様なんて!!
初めて遭遇したのが王子とかって、テンプレなの?
普通の青年にしといてよ。
結婚なんて、ムリムリムリ!ぜっったいにムリ!!!
「わ、私!無理!ごめん、結婚出来ッー・・あっ・・・」
私は最後まで言葉は発せれず、ローウェンのキスによって言葉は呑み込まれてしまった。
舌が口内を縦横無尽に動き、噛み付くようなキス。
何度も角度を変えては、キスを繰り返した。
しばらくしてキスをするのはやめて、悲しそうに私を見下ろし、ギュッと抱きしめた。
それでも、私は結婚という答えを出すことができない。
ローウェンは、スッと私から少しだけ離れた。
まるで捨てられた子犬のようにこちらを見つめて。
そんな顔はズルい!!
「王子だからダメなの?僕は、王太子でもないけど、それでもダメ?」
「え、次の王様はローウェンじゃないの?」
「僕には、二人の弟がいるからね、彼らの成長を待ってから決めることになってる。レイナが王太子妃になりたいなら頑張るけど、そうじゃないなら僕は王太子にはならないよ」
「でも、なりたくないからって勝手に自分で決められるの?王様がローウェンやりなさいって言ったら断れないでしょ?」
私が日本に帰る、帰らないの前に、王太子妃なんてポジションは絶対に無理だし、国民が許さないよ。
「レイナが、王太子の結婚は嫌だけど、そうじゃなければ結婚してくれるって言うなら、どんな手を使っても阻止するし、絶対にならないって誓うよ」
「ま、待って!そんなこと誓わないでいいから!」
どんな手を使うのか怖くて聞けないよ!
「ただの王子でも結婚はダメ?」
「私には荷が重いよ」
「じゃあ、公爵婦人ならなってもいい?」
公爵?そ、それも無理・・。
私の引きつった顔で分かったのか、ローウェンがしょげている。
「ま、まあ?王妃になるより公爵婦人の方がいけそうだけど、私の為に無理して欲しくないよ」
ローウェンがパッと顔が華やいだ。
「任せて!必ず王族から抜け出すから、それまで待ってくれる?」
「え、ええ??いや、あの、それだけじゃなくてね?」
「うん?なに?」
「まだ、ずっとこの国に残るって覚悟決めてないからね?自分の国に戻れるって分かったら帰ると思う」
「そっか。覚悟がないから結婚しないってことは、覚悟ができたら結婚してもいいってことだよね?」
え、そういうこと?
「この国と僕のことをたくさん知ってもらって、ずっとここに居たいって思えるように頑張るよ」
ニッコリとローウェンが笑って、ゆっくりと顔が近づいてきて、チュッとおでこにキスを落とした。
「僕から離れたくないって、必ず言わせてみせるよ」
ローウェンがどんな顔をして言ったのか分からないけど、なぜかゾクリとしてしまった。
私が顔を上げて、ローウェンの顔を見上げると、甘い微笑みを浮かべ、その瞳には妖しく情欲が浮かび、再び私を捉えて離さなかった。
私は、自分がこれからどうしたいのか考えた時、どうしてもすぐに結婚したいと思えなかった。
ローウェンを好きな気持ちは確かにあるけど、まだ日本に戻れるのではと、どこか期待しているところもあり、安易に決めていい問題ではないと感じた。
もし結婚してから、日本に戻れる方法があったとしたら?私は、ローウェンを裏切る可能性が怖い。
もし子供ができた場合もそう。
そこで、後悔してしまったら、それこそローウェンを傷付けしてしまうことになる。
私の中で、絶対にこの国に残るっていう覚悟がない限り、簡単にOKしてはいけないということだけは分かる。
それに、詳しく聞いていないけど、ローウェンはかなり身分が高い貴族であることは間違いないと思う。
きっと彼の家族は私のようなどこの馬の骨とも分からないような小娘を迎えいれてはくれないはず。
例え、それが可能だとしても、私に貴族的な社交は絶対に無理だし、出来れば関わりたくない。
ローウェンには悪いと思うけど、好きという気持ちだけで、どうにかなる問題じゃないんだよね。
私は、ゴクンと喉を鳴らし、覚悟を決めた。
彼の正体を明らかにしてから、彼とのはいいお友達関係でいようと思う。
出来れば、住むところと仕事だけは紹介してもらいたのは我が儘だろうか?
「・・結婚は出来ません」
「・・僕が嫌い?」
「嫌いなわけっ!・・嫌いなわけない・・」
私が反射的に否定すれば、ローウェンがすがり付くように私を胸に抱きしめた。
「なら!!・・・愛してる・・ずっと側に居て欲しい・・」
ローウェンの声が切なげに震えている。
「ごっ、ごめんなさい・・」
ローウェンを傷付けたいわけじゃないのに、ローウェンを喜ばせてあげる言葉が出てこない・・。
「レイナ・・・・すぐに結婚してと言わないから、せめて一緒に暮らさないか?それで前向きに考えて欲しい」
住む場所がローウェンと?
そしたら、もう逃げきれる予感がしない・・。
「ローウェン・・・結婚しようと言ってくれて嬉しくないわけじゃないの。でも、私はまだ自分の国へ帰ることを諦めてないし、あなたの事を知らない。多分あなたはかなり身分が高いと思う。そして身分が高いのであれば・・私には身分不相応だと思ってしまうくらい、私は弱い人間なの。だからあなたの身分が何かなんて聞かないでおこうと思ってたけど、今聞かせてくれる?」
私はついに聞いてしまった。
聞きたくなかったけど、やっぱり気になるから。
ジッと私がローウェンを見つめると、弱ったようにローウェンが微笑んだ。
ハァと大きな溜め息をつくローウェンは大きな犬がしょげてるように見えた。
「参ったな。出来れば身分を言わないままレイナから結婚の承諾を得たかったんだけどな」
「あなたのことを知らないままに承諾できるわけないわよ。覚悟がなくてもあなたの妻には簡単になれるものなの?」
ローウェンは、初めてその考えに思い立ったかのように目を瞬きした。
「ハハッ・・そうだ。ごめん、秘密にしたまま結婚しようなんて卑怯だった。レイナには知った上で僕を選んで欲しいから」
ローウェンは、覚悟を決めたようだ。
だけど、緊張しているのが伝わる。
「僕の名前は、ローウェン・サルド・イル・アルソード」
「アルソード?も、もしかして・・」
「うん、この国の第1王子になるよ」
お、お、お、王子様?
侯爵とか公爵あたりかもとは思ってたけど、一番やっかいな王族でしかも第1王子様・・。
王子様みたく素敵な人たどは思っていたけれど、本当の王子様なんて!!
初めて遭遇したのが王子とかって、テンプレなの?
普通の青年にしといてよ。
結婚なんて、ムリムリムリ!ぜっったいにムリ!!!
「わ、私!無理!ごめん、結婚出来ッー・・あっ・・・」
私は最後まで言葉は発せれず、ローウェンのキスによって言葉は呑み込まれてしまった。
舌が口内を縦横無尽に動き、噛み付くようなキス。
何度も角度を変えては、キスを繰り返した。
しばらくしてキスをするのはやめて、悲しそうに私を見下ろし、ギュッと抱きしめた。
それでも、私は結婚という答えを出すことができない。
ローウェンは、スッと私から少しだけ離れた。
まるで捨てられた子犬のようにこちらを見つめて。
そんな顔はズルい!!
「王子だからダメなの?僕は、王太子でもないけど、それでもダメ?」
「え、次の王様はローウェンじゃないの?」
「僕には、二人の弟がいるからね、彼らの成長を待ってから決めることになってる。レイナが王太子妃になりたいなら頑張るけど、そうじゃないなら僕は王太子にはならないよ」
「でも、なりたくないからって勝手に自分で決められるの?王様がローウェンやりなさいって言ったら断れないでしょ?」
私が日本に帰る、帰らないの前に、王太子妃なんてポジションは絶対に無理だし、国民が許さないよ。
「レイナが、王太子の結婚は嫌だけど、そうじゃなければ結婚してくれるって言うなら、どんな手を使っても阻止するし、絶対にならないって誓うよ」
「ま、待って!そんなこと誓わないでいいから!」
どんな手を使うのか怖くて聞けないよ!
「ただの王子でも結婚はダメ?」
「私には荷が重いよ」
「じゃあ、公爵婦人ならなってもいい?」
公爵?そ、それも無理・・。
私の引きつった顔で分かったのか、ローウェンがしょげている。
「ま、まあ?王妃になるより公爵婦人の方がいけそうだけど、私の為に無理して欲しくないよ」
ローウェンがパッと顔が華やいだ。
「任せて!必ず王族から抜け出すから、それまで待ってくれる?」
「え、ええ??いや、あの、それだけじゃなくてね?」
「うん?なに?」
「まだ、ずっとこの国に残るって覚悟決めてないからね?自分の国に戻れるって分かったら帰ると思う」
「そっか。覚悟がないから結婚しないってことは、覚悟ができたら結婚してもいいってことだよね?」
え、そういうこと?
「この国と僕のことをたくさん知ってもらって、ずっとここに居たいって思えるように頑張るよ」
ニッコリとローウェンが笑って、ゆっくりと顔が近づいてきて、チュッとおでこにキスを落とした。
「僕から離れたくないって、必ず言わせてみせるよ」
ローウェンがどんな顔をして言ったのか分からないけど、なぜかゾクリとしてしまった。
私が顔を上げて、ローウェンの顔を見上げると、甘い微笑みを浮かべ、その瞳には妖しく情欲が浮かび、再び私を捉えて離さなかった。
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