390 / 724
碧の邂逅
第三百八十九話 水中遺跡②
しおりを挟む
「でも、どうやって水の中に潜るの?」
問題は遺跡が水中深くにあるということ。遺跡の中に息継ぎできる場所があればいいが、なければ待っているのは窒息死。
「そうですわね。シェバンニ先生であれば水中呼吸の魔法を使えるでしょうからお願いするしかありませんわ」
「それなら私使えるけど?」
不意に声を発したのはサナ。
「サナが?」
「うん。私の生まれ故郷は港町だから、魔法が使える人は大体その魔法が使えるかどうか確認するのよ。それで私も使えたし、練習もしたから」
絶対に習得しておかなければならない魔法というわけではないその水中呼吸魔法。
水に従事する者が習得している場合が多いのだが、使えると稀にこういった水中探索の際に重宝する。大体の場合は局所的に臨時で使用者が雇われるというもの。
「そうですの。では一度に何人ぐらい行けますの? それと持続時間の方ですが」
「えっと、今なら五人までかな? 時間はたぶん大体二時間ぐらいなら問題ないはずだけど」
「……そうですか」
チラリと視線を見回すエレナ。サナ自身が把握できていない不確かな部分も合わせると多少の誤差は見ておいた方が良い。
中島にやってきているのはヨハンとエレナとサナ。それにモニカとニーナとカレンとレインとナナシーとユーリの全部で九人。
「でしたら、サナとヨハンさんは確定であとはわたくしと他に行きたい人はいますか?」
「わたしは残るわ。その代わり微精霊を飛ばしておくから異変があればすぐに応援を呼ぶようにしておくから」
ポッと翡翠の魔石が光り、五つの緑色の光が中空を漂う。
そのうちの三つがヨハンとエレナとサナの肩にぴとっとくっついた。
「助かりますわ。よろしくお願いしますわね」
「任せておいて」
微精霊を通して得られる共感覚。全てというわけではないのだが起きている事象のいくつかは把握できる。
「俺はやめておく。足手まといになる可能性があるからな」
「……ユーリ」
サナが視界に捉えるユーリの表情。力不足の実感。それはサナにしても同じ。偶然水中呼吸魔法を使えるため参加することになっているのだが、自信があるかと問われればそうではない。
「他は?」
エレナの問いにレインはゴクッと息を呑む。
(おいおい、未知の遺跡なんて何が起きるかわからねぇじゃねぇかよ)
尻込みしたまま視線の先に捉えるのはナナシー。
「私は入りたい!」
スッと手を上げ立候補するナナシー。
「俺も行くに決まってるじゃねぇかよ!」
「でしたらこれで決まりですわね」
「あっ……」
勢いで参加表明してしまった。
スーッと微精霊がレインとナナシーの肩に引っ付く。
(や、やっちまったあぁぁぁぁぁっ!)
ナナシーに釣られての参加。すぐさま後悔してモニカかニーナに代わってもらおうとするのだが目の前に来るナナシー。
「へぇ。レインも結構男前なところあるのね」
「へ?」
「中に何があるか楽しみだね。がんばろっ!」
グッと手を握りしめられたことににへらと表情を崩す。
「まかせとけってのぉ」
だらしない顔のまま答えている姿を見るエレナとモニカは考えていた。
(レイン、そんなことでは死にますわよ)
(やっぱり私が行こうかなぁ。アレじゃ死にかねないわ)
明らかに緊張感に欠けたレインの安否を気にかけていた。
◇ ◆ ◇
「こんな魔法あったんだ」
水の中に潜って泳いでいるのだが、まるで息苦しさを感じない。
「使いどころほとんどないけどね」
漁をする上であった方が便利なだけで内陸だとまず使用する機会はない。こうした機会の方が少ない。
「ううん。そんなことないよ。すごいよサナ」
「そぅかなぁ?」
水中での呼吸だけでなく、同じ魔法を使っている者同士であれば会話もできる。
「私なんかより、ヨハンくん達の方がずっと凄いよ」
「どうして?」
「…………」
チラリと見るヨハン達の姿。
水中呼吸魔法は確かにその効力を発揮しているのだが、使用者であるサナならまだしも魔法をかけてもらっているエレナたちも平然としていた。
「普通、いきなりそんな風に泳げないよ」
「そうなの?」
「うん」
「あっ、でもレインはちょっと手こずってるみたいだよ」
二人して見る視線の先にはレインがナナシーに手を引かれている。
「おわっ」
「もうっ、最初の勢いはどこにいったのよ」
「だってなんかふわふわして泳ぎにくいんだよ」
もう一つ泳ぐコツを掴めていなかった。
確かに感覚としては陸地とは大きく異なるのだが、それでも集中すれば泳ぐこと自体には問題はない。
(剣が振りにくいぐらいかな)
問題があるのは遺跡の中で戦闘が起きた際のことを考えておかなければならない。その感覚自体は全く違う。
「見えましたわ」
視界に映る石造りの建造物。土と木の根に覆われた中にあるその小さな入口に辿り着いた。
「すごい。ほんとに遺跡なんだ」
どうして水中にこのような建造物があるのかわからない。わかっているのはかなりの年月が経過しているであろうというその見た目。
「入りますわよ」
「うん。気を付けてみんな」
ヨハンの声に小さく頷き合い、周囲に気を配りながら遺跡の中にゆっくりと入っていく。
すいすいと泳ぎながら中を見回すと、壁面にはびっしりと苔が張り付いている。
「誰も来ていないみたいだね」
「ええ」
罅割れた壁に悠々と泳いでいるいくつもの魚。少なく見積もっても数年から数十年は人の出入りがなかったであろうということ。
「サナ、問題はありませんか?」
「うん。まだ全然余裕あるわ」
引き返す分も考えて進まなければいけない。魔法を使用しているサナだけが残りの時間を感覚で理解している。
(なに? この感覚?)
とはいえ、それとはまた別の感覚に襲われていた。
今まで何度となく使った魔法のはずなのに、これまでと明らかに違う得も知れない感覚、敢えて言うなら外部から干渉されるような感覚を得ている。
(言った方がいいのかな?)
スッと泳ぐのをやめ、前を泳ぐヨハンの背中を見た。
「どうかしたの、サナ?」
「あっ……――」
声を掛けようか迷っていたところにヨハンはサナが動きを止めたことに気付いて振り返る。
「――……あのねヨハンくん」
一度引き返した方が良いかもしれないと考えたところに強烈な気配がサナの脳裏に襲い掛かった。
【出ていけ】
頭痛を伴い響く声。
「だ、だれっ!?」
女性のような声に聞こえるのだが、辺りには誰もいない。
「サナっ!? 大丈夫!?」
「どうかしましたか?」
「なに? 具合が悪いの?」
エレナとナナシーも泳ぐのを止めて振り返るなりヨハンとサナの下に戻る。
「おいおい、なにやってんだ。早く進もうぜ」
「ちょっと待ってレイン! サナちゃんが」
後ろ向きに泳いでいるレインはヨハン達より僅かに進んでいた。
「だ、だめ、レイン、くん――」
「え?」
額を押さえながらサナは左腕をレインに伸ばす。
(サナ? レインがなに?)
具合が悪そうにしているにも関わらずレインの何らかを気にする素振りを見せていた。
首を回してレインを見る。
「――っ!」
その進行方向から渦が迫って来るのが視界に入ってきた。
「レイン! ダメだッ! 早くこっちに戻って来て!」
「あん?」
ヨハンの大きな声に反応したレインは振り返り、前を見る。
「え? がはっ!」
その瞬間にはもうレインは渦に飲み込まれてしまっていた。
「レイン!」
「ヨハンさんはサナを!」
「くっ!」
もう間もなく自分達も渦に飲み込まれてしまう。
瞬時の判断でヨハンはサナをグッと抱き寄せ、エレナとナナシーはレインを見失わないよう前に距離を詰めた。
巻き込まれる渦の勢いに逆らうことができず、サナを離さないようにがっしりと抱きしめる。
問題は遺跡が水中深くにあるということ。遺跡の中に息継ぎできる場所があればいいが、なければ待っているのは窒息死。
「そうですわね。シェバンニ先生であれば水中呼吸の魔法を使えるでしょうからお願いするしかありませんわ」
「それなら私使えるけど?」
不意に声を発したのはサナ。
「サナが?」
「うん。私の生まれ故郷は港町だから、魔法が使える人は大体その魔法が使えるかどうか確認するのよ。それで私も使えたし、練習もしたから」
絶対に習得しておかなければならない魔法というわけではないその水中呼吸魔法。
水に従事する者が習得している場合が多いのだが、使えると稀にこういった水中探索の際に重宝する。大体の場合は局所的に臨時で使用者が雇われるというもの。
「そうですの。では一度に何人ぐらい行けますの? それと持続時間の方ですが」
「えっと、今なら五人までかな? 時間はたぶん大体二時間ぐらいなら問題ないはずだけど」
「……そうですか」
チラリと視線を見回すエレナ。サナ自身が把握できていない不確かな部分も合わせると多少の誤差は見ておいた方が良い。
中島にやってきているのはヨハンとエレナとサナ。それにモニカとニーナとカレンとレインとナナシーとユーリの全部で九人。
「でしたら、サナとヨハンさんは確定であとはわたくしと他に行きたい人はいますか?」
「わたしは残るわ。その代わり微精霊を飛ばしておくから異変があればすぐに応援を呼ぶようにしておくから」
ポッと翡翠の魔石が光り、五つの緑色の光が中空を漂う。
そのうちの三つがヨハンとエレナとサナの肩にぴとっとくっついた。
「助かりますわ。よろしくお願いしますわね」
「任せておいて」
微精霊を通して得られる共感覚。全てというわけではないのだが起きている事象のいくつかは把握できる。
「俺はやめておく。足手まといになる可能性があるからな」
「……ユーリ」
サナが視界に捉えるユーリの表情。力不足の実感。それはサナにしても同じ。偶然水中呼吸魔法を使えるため参加することになっているのだが、自信があるかと問われればそうではない。
「他は?」
エレナの問いにレインはゴクッと息を呑む。
(おいおい、未知の遺跡なんて何が起きるかわからねぇじゃねぇかよ)
尻込みしたまま視線の先に捉えるのはナナシー。
「私は入りたい!」
スッと手を上げ立候補するナナシー。
「俺も行くに決まってるじゃねぇかよ!」
「でしたらこれで決まりですわね」
「あっ……」
勢いで参加表明してしまった。
スーッと微精霊がレインとナナシーの肩に引っ付く。
(や、やっちまったあぁぁぁぁぁっ!)
ナナシーに釣られての参加。すぐさま後悔してモニカかニーナに代わってもらおうとするのだが目の前に来るナナシー。
「へぇ。レインも結構男前なところあるのね」
「へ?」
「中に何があるか楽しみだね。がんばろっ!」
グッと手を握りしめられたことににへらと表情を崩す。
「まかせとけってのぉ」
だらしない顔のまま答えている姿を見るエレナとモニカは考えていた。
(レイン、そんなことでは死にますわよ)
(やっぱり私が行こうかなぁ。アレじゃ死にかねないわ)
明らかに緊張感に欠けたレインの安否を気にかけていた。
◇ ◆ ◇
「こんな魔法あったんだ」
水の中に潜って泳いでいるのだが、まるで息苦しさを感じない。
「使いどころほとんどないけどね」
漁をする上であった方が便利なだけで内陸だとまず使用する機会はない。こうした機会の方が少ない。
「ううん。そんなことないよ。すごいよサナ」
「そぅかなぁ?」
水中での呼吸だけでなく、同じ魔法を使っている者同士であれば会話もできる。
「私なんかより、ヨハンくん達の方がずっと凄いよ」
「どうして?」
「…………」
チラリと見るヨハン達の姿。
水中呼吸魔法は確かにその効力を発揮しているのだが、使用者であるサナならまだしも魔法をかけてもらっているエレナたちも平然としていた。
「普通、いきなりそんな風に泳げないよ」
「そうなの?」
「うん」
「あっ、でもレインはちょっと手こずってるみたいだよ」
二人して見る視線の先にはレインがナナシーに手を引かれている。
「おわっ」
「もうっ、最初の勢いはどこにいったのよ」
「だってなんかふわふわして泳ぎにくいんだよ」
もう一つ泳ぐコツを掴めていなかった。
確かに感覚としては陸地とは大きく異なるのだが、それでも集中すれば泳ぐこと自体には問題はない。
(剣が振りにくいぐらいかな)
問題があるのは遺跡の中で戦闘が起きた際のことを考えておかなければならない。その感覚自体は全く違う。
「見えましたわ」
視界に映る石造りの建造物。土と木の根に覆われた中にあるその小さな入口に辿り着いた。
「すごい。ほんとに遺跡なんだ」
どうして水中にこのような建造物があるのかわからない。わかっているのはかなりの年月が経過しているであろうというその見た目。
「入りますわよ」
「うん。気を付けてみんな」
ヨハンの声に小さく頷き合い、周囲に気を配りながら遺跡の中にゆっくりと入っていく。
すいすいと泳ぎながら中を見回すと、壁面にはびっしりと苔が張り付いている。
「誰も来ていないみたいだね」
「ええ」
罅割れた壁に悠々と泳いでいるいくつもの魚。少なく見積もっても数年から数十年は人の出入りがなかったであろうということ。
「サナ、問題はありませんか?」
「うん。まだ全然余裕あるわ」
引き返す分も考えて進まなければいけない。魔法を使用しているサナだけが残りの時間を感覚で理解している。
(なに? この感覚?)
とはいえ、それとはまた別の感覚に襲われていた。
今まで何度となく使った魔法のはずなのに、これまでと明らかに違う得も知れない感覚、敢えて言うなら外部から干渉されるような感覚を得ている。
(言った方がいいのかな?)
スッと泳ぐのをやめ、前を泳ぐヨハンの背中を見た。
「どうかしたの、サナ?」
「あっ……――」
声を掛けようか迷っていたところにヨハンはサナが動きを止めたことに気付いて振り返る。
「――……あのねヨハンくん」
一度引き返した方が良いかもしれないと考えたところに強烈な気配がサナの脳裏に襲い掛かった。
【出ていけ】
頭痛を伴い響く声。
「だ、だれっ!?」
女性のような声に聞こえるのだが、辺りには誰もいない。
「サナっ!? 大丈夫!?」
「どうかしましたか?」
「なに? 具合が悪いの?」
エレナとナナシーも泳ぐのを止めて振り返るなりヨハンとサナの下に戻る。
「おいおい、なにやってんだ。早く進もうぜ」
「ちょっと待ってレイン! サナちゃんが」
後ろ向きに泳いでいるレインはヨハン達より僅かに進んでいた。
「だ、だめ、レイン、くん――」
「え?」
額を押さえながらサナは左腕をレインに伸ばす。
(サナ? レインがなに?)
具合が悪そうにしているにも関わらずレインの何らかを気にする素振りを見せていた。
首を回してレインを見る。
「――っ!」
その進行方向から渦が迫って来るのが視界に入ってきた。
「レイン! ダメだッ! 早くこっちに戻って来て!」
「あん?」
ヨハンの大きな声に反応したレインは振り返り、前を見る。
「え? がはっ!」
その瞬間にはもうレインは渦に飲み込まれてしまっていた。
「レイン!」
「ヨハンさんはサナを!」
「くっ!」
もう間もなく自分達も渦に飲み込まれてしまう。
瞬時の判断でヨハンはサナをグッと抱き寄せ、エレナとナナシーはレインを見失わないよう前に距離を詰めた。
巻き込まれる渦の勢いに逆らうことができず、サナを離さないようにがっしりと抱きしめる。
11
あなたにおすすめの小説
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!
菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは
「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。
同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと
アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう
最初の武器は木の棒!?
そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。
何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら
困難に立ち向かっていく。
チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!
異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。
話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい!
****** 完結まで必ず続けます *****
****** 毎日更新もします *****
他サイトへ重複投稿しています!
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件
エース皇命
ファンタジー
前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。
しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。
悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。
ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。
転落貴族〜千年に1人の逸材と言われた男が最底辺から成り上がる〜
ぽいづん
ファンタジー
ガレオン帝国の名門貴族ノーベル家の長男にして、容姿端麗、眉目秀麗、剣術は向かうところ敵なし。
アレクシア・ノーベル、人は彼のことを千年に1人の逸材と評し、第3皇女クレアとの婚約も決まり、順風満帆な日々だった
騎士学校の最後の剣術大会、彼は賭けに負け、1年間の期限付きで、辺境の国、ザナビル王国の最底辺ギルドのヘブンズワークスに入らざるおえなくなる。
今までの貴族の生活と正反対の日々を過ごし1年が経った。
しかし、この賭けは罠であった。
アレクシアは、生涯をこのギルドで過ごさなければいけないということを知る。
賭けが罠であり、仕組まれたものと知ったアレクシアは黒幕が誰か確信を得る。
アレクシアは最底辺からの成り上がりを決意し、復讐を誓うのであった。
小説家になろうにも投稿しています。
なろう版改稿中です。改稿終了後こちらも改稿します。
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
悪役貴族に転生したから破滅しないように努力するけど上手くいかない!~努力が足りない?なら足りるまで努力する~
蜂谷
ファンタジー
社畜の俺は気が付いたら知らない男の子になっていた。
情報をまとめるとどうやら子供の頃に見たアニメ、ロイヤルヒーローの序盤で出てきた悪役、レオス・ヴィダールの幼少期に転生してしまったようだ。
アニメ自体は子供の頃だったのでよく覚えていないが、なぜかこいつのことはよく覚えている。
物語の序盤で悪魔を召喚させ、学園をめちゃくちゃにする。
それを主人公たちが倒し、レオスは学園を追放される。
その後領地で幽閉に近い謹慎を受けていたのだが、悪魔教に目を付けられ攫われる。
そしてその体を魔改造されて終盤のボスとして主人公に立ちふさがる。
それもヒロインの聖魔法によって倒され、彼の人生の幕は閉じる。
これが、悪役転生ってことか。
特に描写はなかったけど、こいつも怠惰で堕落した生活を送っていたに違いない。
あの肥満体だ、運動もろくにしていないだろう。
これは努力すれば眠れる才能が開花し、死亡フラグを回避できるのでは?
そう考えた俺は執事のカモールに頼み込み訓練を開始する。
偏った考えで領地を無駄に統治してる親を説得し、健全で善人な人生を歩もう。
一つ一つ努力していけば、きっと開かれる未来は輝いているに違いない。
そう思っていたんだけど、俺、弱くない?
希少属性である闇魔法に目覚めたのはよかったけど、攻撃力に乏しい。
剣術もそこそこ程度、全然達人のようにうまくならない。
おまけに俺はなにもしてないのに悪魔が召喚がされている!?
俺の前途多難な転生人生が始まったのだった。
※カクヨム、なろうでも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる