転生したら、皇女でした

蜜柑

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一章

ヒロイン(幼少期)との出会い

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『ルナリィリア=エルファーレ・アンドレア』、それは乙女ゲームのヒロインのデフォルトネームだ。大抵のプレイヤーが自分好みの名前に変えるのでルナリィリアという名前だけでは確証が持てなかった。

「おひめしゃま、どうしたの?」

無邪気な笑顔を向けてくるルナリィリアさん。

「かんがえごとをしてたんですの。カナン先生、ルナリィリアさんもお茶にお誘いしていいですか?」

「え、ええ。ですがリリィはまだ2歳半ですのでマナーの勉強はしていませんよ」

「わたくしから誘ったんですもの、そんなこと気にしませんわ。リン!」

「エルダ様、如何なさいましたか」

「リン、わたくしを抱っこしてくださいな」

私の後ろに控えていた侍女のリン(実は伯爵令嬢、シエルの侍女のランの姉)に抱っこしてもらう。幼児の足だと移動が大変なんだよね。走り回るわけにもいかないし。

「うふふ、エルダ様は本当にお可愛らしいですねぇ」

「わたくし、リンのことが大好きですもの」

リンと初めて出会ったのは前世の記憶が戻る前の0歳頃の事だった。リンは桃色の髪を除けば西洋人形みたいな見た目のドレスが大変似合う可愛い女性。私の護衛のザクレット・リンドール騎士団長令息の奥さんでもある。

「ザクレット、にやにやしてないで各所に連絡」

「あ、ああ」

「今日も仲良しね」

「ザクレットは少し…いえ、かなり抜けているところがありますから」

そうだね、ザクレットさん筋肉むきむきマッチョマンだけどほんと『筋肉に特化した人』だもんね…
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