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二章
前世の記憶(ルナリィリア目線)②
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手を引かれて向かった先は、薔薇の咲き誇る庭園だった。そこに子供サイズのテーブルと椅子、ティーセットが用意されていた。
「ルナリィリアさん、どうしたの?元気がないようですけれど」
頭の中に流れてきた情報の洪水でちょっとくらくらしてるだけなんだけど、元気がないように見えたらしい。
「なんでもないのです……あの、姫さまにお願いがあるのです」
「どうしたの?」
「わたしのこと、リリィって呼んでほしいのです」
誤魔化せたかな?
「あらあら、もっと早く言ってくれればよかったのに」
「リリィちゃんって本当可愛らしいご令嬢ね」
誤魔化せたようだ。それにしてもこの2人、見た目はほぼ同じだけれども性格は分かりやすく違うらしい。エルダ姫はおっとりとした優しい性格、シエル姫は活発で元気な性格。でも2人とも8歳とは思えないほどしっかりしてる。
「リリィさんは紅茶ではなくてオレンジジュースの方がいいかしら」
「はい、なのです」
テーブルの上に置かれているクッキーに手を伸ばすと、私の後ろにいる侍女から目線を感じた。
「なあに、カティ」
「リリィお嬢様、私の分も…」
そういえば『リリィ』の記憶の中のカティは甘いものが大好きなドジっ子で、毒味と称していつもつまみ食いをしているような人だったな。彼女もまだ10歳手前くらいらしいしまあいいけど。
「はい、カティの分」
クッキーを差し出すとカティの顔が綻んだ。
「カティ、りすさんみたい」
口をぱんぱんに膨らませて咀嚼するカティ。可愛いんだけど行儀がさ…カティは乙女ゲーム本編にもヒロインの侍女として登場している。ヒロインが悪役令嬢に虐められるのに伴って彼女も酷い目に会うのだが。そもそも私は浮気とか嫌なのでそういう事は多分起きないだろう。
「カティさん、一気に飲み込んでは危険ですよ」
苦笑いして水を差し出すエルダ姫。そういえば、席がひとつ空いているな…
「そうだリリィさん、フェルティさんももうすぐ来るはずだから」
「フェルティ様?」
「ほら、噂をすれば」
「遅れて申し訳ございません」
現れたのは見覚えのある顔をした赤髪縦ロールのご令嬢だった。
「ルナリィリアさん、どうしたの?元気がないようですけれど」
頭の中に流れてきた情報の洪水でちょっとくらくらしてるだけなんだけど、元気がないように見えたらしい。
「なんでもないのです……あの、姫さまにお願いがあるのです」
「どうしたの?」
「わたしのこと、リリィって呼んでほしいのです」
誤魔化せたかな?
「あらあら、もっと早く言ってくれればよかったのに」
「リリィちゃんって本当可愛らしいご令嬢ね」
誤魔化せたようだ。それにしてもこの2人、見た目はほぼ同じだけれども性格は分かりやすく違うらしい。エルダ姫はおっとりとした優しい性格、シエル姫は活発で元気な性格。でも2人とも8歳とは思えないほどしっかりしてる。
「リリィさんは紅茶ではなくてオレンジジュースの方がいいかしら」
「はい、なのです」
テーブルの上に置かれているクッキーに手を伸ばすと、私の後ろにいる侍女から目線を感じた。
「なあに、カティ」
「リリィお嬢様、私の分も…」
そういえば『リリィ』の記憶の中のカティは甘いものが大好きなドジっ子で、毒味と称していつもつまみ食いをしているような人だったな。彼女もまだ10歳手前くらいらしいしまあいいけど。
「はい、カティの分」
クッキーを差し出すとカティの顔が綻んだ。
「カティ、りすさんみたい」
口をぱんぱんに膨らませて咀嚼するカティ。可愛いんだけど行儀がさ…カティは乙女ゲーム本編にもヒロインの侍女として登場している。ヒロインが悪役令嬢に虐められるのに伴って彼女も酷い目に会うのだが。そもそも私は浮気とか嫌なのでそういう事は多分起きないだろう。
「カティさん、一気に飲み込んでは危険ですよ」
苦笑いして水を差し出すエルダ姫。そういえば、席がひとつ空いているな…
「そうだリリィさん、フェルティさんももうすぐ来るはずだから」
「フェルティ様?」
「ほら、噂をすれば」
「遅れて申し訳ございません」
現れたのは見覚えのある顔をした赤髪縦ロールのご令嬢だった。
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