1 / 1
兄は引きこもり
しおりを挟む
ざっくり言うと私の兄は…引きこもりである。兄が中学校の入学式に登校して以来、私は兄を見ていない。
家にいるのかな?なんて初めは気にかけたりもした。でも今は兄の存在すら忘れそうになる。
そんな兄も小学生の時は勉強もできるしスポーツもできる。私からすると憧れの存在だった。
時には正義感もあって兄が小学6年生、私が小学1年生。馬鹿なクラスの男子が背の低い私をからかって消しゴムを高めのところに置いて笑っていると
「ダメだぞー。こんなことしちゃぁ。」
って言って消しゴムとってくれて。めっちゃ明るい笑顔を向けてくれた。
その笑顔で私は救われた。
この時の私はずーっと兄が守ってくれるんだ。兄がいればイジメられない。なんて甘々な考えをもっていた。
中学校入学式…。兄に何があったんだろう。私は初めて兄に目を向けてみた。何で兄について考えるようになったかは、私が中学1年生になったからである。
小学生の成長期。私は兄を段々嫌いになっていった。
前の兄だったら…。
兄のせいで…。
どうして私だけ…。
これは私の勝手な思い込み。
学年が上がるたび私はイジメられた。
そしてイジメは酷くなる。
前の兄は…もういない…。
それでも、くじけそうになると兄の部屋の開かずの扉を背もたれに座ると落ち着く私がいた。
あのね…兄…実は私…イジメられてるんだよ…前みたいに助けてよ…。
声には出さないけどね。
どうして私が大嫌いな小学校に無欠席で行くのか。きっとパパやママが兄を無理矢理、学校に行かせないから。
「ねぇ、ママ。兄は何で出てこないの?
兄はずるいよっ。」
「うーーーん。きっと何かお兄ちゃんには考えがあるんだよ。高校も通信教育で頑張ってるし。夢もあるみたいだよ。」
ママは気楽すぎるって思った。
だから私はイジメられようが毎日学校にだけは行こう。ってなぜだか思ってしまった。
中学校に入学しても私へのイジメは無くならなかった。
そういえば、今日は兄の18歳の誕生日だ。たまにはおめでとう。って開かずの扉に言ってみようかな。私らしくない。って思いながら…。
兄。お誕生日…おめでと…。
カチャッ
開かずの扉が開かずの扉じゃなくなった
家にいるのかな?なんて初めは気にかけたりもした。でも今は兄の存在すら忘れそうになる。
そんな兄も小学生の時は勉強もできるしスポーツもできる。私からすると憧れの存在だった。
時には正義感もあって兄が小学6年生、私が小学1年生。馬鹿なクラスの男子が背の低い私をからかって消しゴムを高めのところに置いて笑っていると
「ダメだぞー。こんなことしちゃぁ。」
って言って消しゴムとってくれて。めっちゃ明るい笑顔を向けてくれた。
その笑顔で私は救われた。
この時の私はずーっと兄が守ってくれるんだ。兄がいればイジメられない。なんて甘々な考えをもっていた。
中学校入学式…。兄に何があったんだろう。私は初めて兄に目を向けてみた。何で兄について考えるようになったかは、私が中学1年生になったからである。
小学生の成長期。私は兄を段々嫌いになっていった。
前の兄だったら…。
兄のせいで…。
どうして私だけ…。
これは私の勝手な思い込み。
学年が上がるたび私はイジメられた。
そしてイジメは酷くなる。
前の兄は…もういない…。
それでも、くじけそうになると兄の部屋の開かずの扉を背もたれに座ると落ち着く私がいた。
あのね…兄…実は私…イジメられてるんだよ…前みたいに助けてよ…。
声には出さないけどね。
どうして私が大嫌いな小学校に無欠席で行くのか。きっとパパやママが兄を無理矢理、学校に行かせないから。
「ねぇ、ママ。兄は何で出てこないの?
兄はずるいよっ。」
「うーーーん。きっと何かお兄ちゃんには考えがあるんだよ。高校も通信教育で頑張ってるし。夢もあるみたいだよ。」
ママは気楽すぎるって思った。
だから私はイジメられようが毎日学校にだけは行こう。ってなぜだか思ってしまった。
中学校に入学しても私へのイジメは無くならなかった。
そういえば、今日は兄の18歳の誕生日だ。たまにはおめでとう。って開かずの扉に言ってみようかな。私らしくない。って思いながら…。
兄。お誕生日…おめでと…。
カチャッ
開かずの扉が開かずの扉じゃなくなった
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる