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第2章最弱魔王はクラスメートのために頑張るそうです
第37話 先代魔王①
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サタンの魔能力である死者転生について淡々と話し出すヨハネ。
「死者転生は無限には生き返る事が出来ない」
「無限には出来ない・・・? それって、どういう・・・」
「回数制限があるんだよ」
「回数制限・・・?」
「それは、魔柱72柱分の悪魔の数・・・つまり、72回しか生き返る事が出来ないって事だ。73回目の死は本当の死・・・そこで、ゲームオーバーだ」
「それは、本当・・・なのか?」
「ああ」
てっきり無限に生き返る事が出来ると思っていたサタンはショックを隠せない。
「けど、どうしてそんな事あなたが知ってるんだ?」
「それは――起きたら分かる」
大事な所で話をはぐらかされたサタン。
「それと、もう一つ言わせてもらうと、サタンがいかにも必殺技みたいに使ってる魔王パンチだけど、あれ、最初の一発は何でもない、ただのパンチだったからね」
真剣な表情で話すヨハネ。
「マジ・・・?」
サタンも真剣な表情で答えた。
「マジマジ! ここから見ててビックリしたよ~意気込んで魔王パンチとか言ってたのにさそのあとすぐに殺されちゃってさ」
笑いながら話すヨハネ。
「やめてぇーーー! それ以上言わないでぇーーー! 恥ずかしぃ~~!」
「アハハハ」
サタンは顔を赤くしてその場をゴロゴロと転がる。穴があったら入りたい気分になる。
「けど、ここからは違う」
笑うのを止めて急に真面目な顔になって話し出すヨハネ。サタンもゴロゴロと転がるのを止めた。
「サタンが生き返った事でサタンの体には微力ながらも魔力が宿った――それからは魔王パンチもちゃんと魔王らしいものになってたよ」
ヨハネの言葉に唖然とするサタン。
「嘘・・・だろ・・・俺に魔力って・・・スタレマン学園では何も出なかったぞ・・・」
「出てたさ。サタン自身も他の誰もが気づかない位の極僅かだけど」
「そう・・・」
「それに、サタン、君は無意識のうちに魔力を使っているんだよ。覚えてない?」
「そう、言えば――」
ヨハネに言われてサタンは今までに何度か手に何かが集まった時のことを思い出した。
「あれが魔力だったのか!」
「ピンポンピンポーン! 大正解~」
ヨハネはうんうんと頷く。
「これからは無意識の内にじゃなくて意識して魔力を扱えるようになるんだ。そうすれば君はもっと強くなれる!」
「それは本当か・・・?」
「先代魔王が言うんだから間違いない!」
ヨハネはサタンに笑って答えた。ヨハネの体には見えない魔力が溢れ出ていた。
死者転生の話が終わってからはサタンは先代魔王であるヨハネといろいろと話していた。アズラの事やこれからの魔界の事、そして、サタンがこれからどうすればいいのかという事。
「あなたはアズラ――」
「ちょっと待った!」
サタンがアズラの事をヨハネに聞こうとすると遮られた。
「そろそろ、そのあなたっての止めてくれないか? 同じ魔王なんだし俺の事はヨハネでいい」
「分かった。じゃあ、改めてヨハネはアズラの事を知っているよな?」
サタンは頷いて話を続けた。
「もちろん! アズラは俺が死ぬまで支えてくれた最高にいい悪魔だ。・・・だからこそ、アズラには迷惑をかけた事を悪く思っている。魔界を救えという無茶なお願いを死ぬ前にしたからな・・・お陰でアズラは大変な苦労をした」
申し訳なさそうに話すヨハネ。そんなヨハネにサタンは首を横に振った。
「いいや、アズラは心から俺と一緒に魔界を救いたいって思ってる。そのために俺が今ここにいるんだからな!」
「サタン・・・」
「それよりも――アズラとは一体どんな関係だったんだ・・・? 俺はそれが気になって仕方ない!」
サタンがヨハネに言うとヨハネは笑って答えた。
「アッハハ! 別にアズラとはやましい関係なんかじゃないよ。アズラとはただの魔王と魔王に支える悪魔の内の一人ってだけ」
「本当・・・か?」
ヨハネを疑わしい目で見るサタン。
「本当の本当さ! それよりも~サタン君はアズラの事を――」
「べ、別にただ気になったから聞いただけだ!」
ヨハネが言い終わらない内にサタンは顔を赤くしてそっぽを向いた。
「それから、俺が魔界を救うにはこれからどうしたらいい?」
「それは、君次第だよ、サタン。サタンにはサタンだけにしか出来ない事がある」
「俺次第・・・」
「たしかにサタンに与えられた魔界を救うって事は簡単には出来ない。だけど、サタンなら絶対に出来る!」
サタンを見つめて言うヨハネ。
「そんな事どうして言い切れるんだよ!?」
「それは、君が一人じゃないからだ。アズラと他にも仲間がいるだろ? たしかに、昔はどこの界も仲が良かった。けど、界を越えて仲間になることは無かった。だから、魔界があんな風になってしまった・・・だけど、サタンは既に俺とは違う道を進んでいる。だから、絶対に魔界を救える!」
ヨハネはサタンの肩に手を置いて優しく言う。
「それに、君は俺の――っと、そろそろ起きる時間だ」
ヨハネは何か言おうとして止めた。
「起きる時間・・・?」
「サタンを待っている悪魔がお呼びだぞ」
ヨハネはそう言うと上を向いた。
『サタンさん・・・!』
暗い空間に差し込む一筋の光。光の正体はアズラの声。
「アズラ・・・」
そうだ・・・俺には俺の帰りを待ってくれている家族がいる! アズラやメル、ラエルさん、アオニャンのためにも俺は・・・!
サタンの顔つきが変わる。それを見てヨハネは口をゆるめた。
サタンの体が足元から徐々に消え始めた。
「先代魔王からも頼むよサタン! 魔界を救ってくれ! 新たな魔王として!!」
サタンの前にたって言うヨハネ。
「ああ、任せろ! 俺が魔界を絶対に救ってやる! いろいろとありがとうな、ヨハネ」
サタンはしっかりと頷いて答えた。
「先輩として当然のことをしたまでよ! 頼んだよ、サタン。いつかまた会おう」
「それって俺にまた気絶しろって事か?」
「死ぬよりは、ましでしょ?」
「ま、確かにな・・・」
サタンは苦笑いしながら答えた。
サタンとヨハネは手をグーにして拳と拳をコツンとつけ合わせる。
「じゃあ、ヨハネ!」
「ちゃんと勉強、するんだよ」
「え? 勉強って・・・?」
サタンの体の消滅が早くなる。
「起きたら分かるよ――」
ヨハネが言い終わらない内にサタンの体は暗い空間から完全に消えた。
(すまない・・・サタン・・・本当の事を言えなくて・・・だけど、お前なら絶対に魔界を救える! 俺はそう信じてるからな!)
ヨハネの姿も暗い空間から消えた――。
「死者転生は無限には生き返る事が出来ない」
「無限には出来ない・・・? それって、どういう・・・」
「回数制限があるんだよ」
「回数制限・・・?」
「それは、魔柱72柱分の悪魔の数・・・つまり、72回しか生き返る事が出来ないって事だ。73回目の死は本当の死・・・そこで、ゲームオーバーだ」
「それは、本当・・・なのか?」
「ああ」
てっきり無限に生き返る事が出来ると思っていたサタンはショックを隠せない。
「けど、どうしてそんな事あなたが知ってるんだ?」
「それは――起きたら分かる」
大事な所で話をはぐらかされたサタン。
「それと、もう一つ言わせてもらうと、サタンがいかにも必殺技みたいに使ってる魔王パンチだけど、あれ、最初の一発は何でもない、ただのパンチだったからね」
真剣な表情で話すヨハネ。
「マジ・・・?」
サタンも真剣な表情で答えた。
「マジマジ! ここから見ててビックリしたよ~意気込んで魔王パンチとか言ってたのにさそのあとすぐに殺されちゃってさ」
笑いながら話すヨハネ。
「やめてぇーーー! それ以上言わないでぇーーー! 恥ずかしぃ~~!」
「アハハハ」
サタンは顔を赤くしてその場をゴロゴロと転がる。穴があったら入りたい気分になる。
「けど、ここからは違う」
笑うのを止めて急に真面目な顔になって話し出すヨハネ。サタンもゴロゴロと転がるのを止めた。
「サタンが生き返った事でサタンの体には微力ながらも魔力が宿った――それからは魔王パンチもちゃんと魔王らしいものになってたよ」
ヨハネの言葉に唖然とするサタン。
「嘘・・・だろ・・・俺に魔力って・・・スタレマン学園では何も出なかったぞ・・・」
「出てたさ。サタン自身も他の誰もが気づかない位の極僅かだけど」
「そう・・・」
「それに、サタン、君は無意識のうちに魔力を使っているんだよ。覚えてない?」
「そう、言えば――」
ヨハネに言われてサタンは今までに何度か手に何かが集まった時のことを思い出した。
「あれが魔力だったのか!」
「ピンポンピンポーン! 大正解~」
ヨハネはうんうんと頷く。
「これからは無意識の内にじゃなくて意識して魔力を扱えるようになるんだ。そうすれば君はもっと強くなれる!」
「それは本当か・・・?」
「先代魔王が言うんだから間違いない!」
ヨハネはサタンに笑って答えた。ヨハネの体には見えない魔力が溢れ出ていた。
死者転生の話が終わってからはサタンは先代魔王であるヨハネといろいろと話していた。アズラの事やこれからの魔界の事、そして、サタンがこれからどうすればいいのかという事。
「あなたはアズラ――」
「ちょっと待った!」
サタンがアズラの事をヨハネに聞こうとすると遮られた。
「そろそろ、そのあなたっての止めてくれないか? 同じ魔王なんだし俺の事はヨハネでいい」
「分かった。じゃあ、改めてヨハネはアズラの事を知っているよな?」
サタンは頷いて話を続けた。
「もちろん! アズラは俺が死ぬまで支えてくれた最高にいい悪魔だ。・・・だからこそ、アズラには迷惑をかけた事を悪く思っている。魔界を救えという無茶なお願いを死ぬ前にしたからな・・・お陰でアズラは大変な苦労をした」
申し訳なさそうに話すヨハネ。そんなヨハネにサタンは首を横に振った。
「いいや、アズラは心から俺と一緒に魔界を救いたいって思ってる。そのために俺が今ここにいるんだからな!」
「サタン・・・」
「それよりも――アズラとは一体どんな関係だったんだ・・・? 俺はそれが気になって仕方ない!」
サタンがヨハネに言うとヨハネは笑って答えた。
「アッハハ! 別にアズラとはやましい関係なんかじゃないよ。アズラとはただの魔王と魔王に支える悪魔の内の一人ってだけ」
「本当・・・か?」
ヨハネを疑わしい目で見るサタン。
「本当の本当さ! それよりも~サタン君はアズラの事を――」
「べ、別にただ気になったから聞いただけだ!」
ヨハネが言い終わらない内にサタンは顔を赤くしてそっぽを向いた。
「それから、俺が魔界を救うにはこれからどうしたらいい?」
「それは、君次第だよ、サタン。サタンにはサタンだけにしか出来ない事がある」
「俺次第・・・」
「たしかにサタンに与えられた魔界を救うって事は簡単には出来ない。だけど、サタンなら絶対に出来る!」
サタンを見つめて言うヨハネ。
「そんな事どうして言い切れるんだよ!?」
「それは、君が一人じゃないからだ。アズラと他にも仲間がいるだろ? たしかに、昔はどこの界も仲が良かった。けど、界を越えて仲間になることは無かった。だから、魔界があんな風になってしまった・・・だけど、サタンは既に俺とは違う道を進んでいる。だから、絶対に魔界を救える!」
ヨハネはサタンの肩に手を置いて優しく言う。
「それに、君は俺の――っと、そろそろ起きる時間だ」
ヨハネは何か言おうとして止めた。
「起きる時間・・・?」
「サタンを待っている悪魔がお呼びだぞ」
ヨハネはそう言うと上を向いた。
『サタンさん・・・!』
暗い空間に差し込む一筋の光。光の正体はアズラの声。
「アズラ・・・」
そうだ・・・俺には俺の帰りを待ってくれている家族がいる! アズラやメル、ラエルさん、アオニャンのためにも俺は・・・!
サタンの顔つきが変わる。それを見てヨハネは口をゆるめた。
サタンの体が足元から徐々に消え始めた。
「先代魔王からも頼むよサタン! 魔界を救ってくれ! 新たな魔王として!!」
サタンの前にたって言うヨハネ。
「ああ、任せろ! 俺が魔界を絶対に救ってやる! いろいろとありがとうな、ヨハネ」
サタンはしっかりと頷いて答えた。
「先輩として当然のことをしたまでよ! 頼んだよ、サタン。いつかまた会おう」
「それって俺にまた気絶しろって事か?」
「死ぬよりは、ましでしょ?」
「ま、確かにな・・・」
サタンは苦笑いしながら答えた。
サタンとヨハネは手をグーにして拳と拳をコツンとつけ合わせる。
「じゃあ、ヨハネ!」
「ちゃんと勉強、するんだよ」
「え? 勉強って・・・?」
サタンの体の消滅が早くなる。
「起きたら分かるよ――」
ヨハネが言い終わらない内にサタンの体は暗い空間から完全に消えた。
(すまない・・・サタン・・・本当の事を言えなくて・・・だけど、お前なら絶対に魔界を救える! 俺はそう信じてるからな!)
ヨハネの姿も暗い空間から消えた――。
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