秘湯の事情

立花 葵

文字の大きさ
2 / 4
第一話 高野 望

-1

しおりを挟む


※登場は主人公のみ




 " 変化の湯 " という秘湯があるのですが、ご存知だろうか?


受験する学生、脱サラする人、政治家、、、いろんな人がこの湯を求めてわざわざ遠い所からも来る。

要は『上手く事が進む様に変化して下さい!』って神頼みする感じで温泉に入浴するのだ。

実際、ただの神頼みで現実は何も変わらないのに。。。



わーわーきゃーきゃー。。
※浴場での周囲観光客の声とか軽い騒音。


でも、そんな湯に僕も来ているのです。。。


ここに来た理由がわかるように僕のことを少し説明しよう。

高野 望(たかの のぞむ) 27歳、サラリーマン6年生。同棲している年上の彼女がいます。

先週、仕事からの帰宅途中に過労で倒れて、彼女にあれこれ心配された挙げ句に連れてこられました。

私に拒否権は一切ありません。姉さん彼女。

※キャライメージですが、中肉中背、161cm、短髪ではないです。


ここは観光地の温泉としても有名ですが、周りを見ると、

『私はもっと長生きするのじゃ!』と言って風呂へ入るご老公。

『あいつより上に俺は昇進するんだ!』と言って入る中年。ちょっと共感。


そんなこんな、噂通り変わって欲しいことや願い事を言ってから入浴する人達。

。。。さあ、僕自身はどう変わって欲しいのかな。。つい温泉の前に来て、入る前に考えてしまう、、、

「良い会社へ転職できます様に。。」

そう言って、彼女を思い浮かべた。そして、

あれ?女性だったら仕事楽なんじゃない?

つい、そう思ったが、そんな事ないよなー。。

僕は温泉へ入った。
「隣失礼しますー。」


しばらく、僕は会社であったことを思い返してたんだ。


急な対応のために、深夜から会社に出て、日中も仕事をぶっ通し。更には、出張中の上司の仕事に対して、クレームが来てそれも対応してたんだ。

これがまた長くてね、平日ほとんどが会社に就きっきりだったよ。。。とんだ災難だった。
流石に帰りの途中、バス停にたどり着く事なく、ぶっ倒れてしまったんだ。。

病院で目が覚めてから、彼女が泣き顔で『そんな糞ったれな会社なんて辞めてしまえ!』って言ってたなー。。女の子が汚い言葉はいけません。

あーだの、こーだの、考えてたら、少し逆上せて、うとうとしてきた。
そろそろ温泉から出ないとなーなんて思ってふと横を見ると

隣のおじいちゃんがこっちを指差しながら口をぱくぱくさせてる。。。

あ、入れ歯取れてますよ。。温泉にぷかぷか浮かんでますもん。

僕が入れ歯を指差すと、思い切り横に首を振ってまたぱくぱくさせてる。

(なになに。。。おまいさんの髪の毛が伸びてる。。。)

「えっ。。。?」 

え?声が高い。。
そして、肩あたりを見る。真っ黒な髪の毛が僕の肩に掛かっていた。

「おわっ!!」

立って肩に貼り付いた髪の毛を払いのけるも、自分の頭に繋がっている感覚があり、また肩に掛かる。

少し呆然としてから、、、思わず、下を見たんだ。。。

「うん、、、ある。うん、、、ない。~~!!!!(声に鳴らない叫び)」

色々確認してから、僕はその場から逃げ出した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

今更……助けてくれと……言われても……

#Daki-Makura
ファンタジー
出奔した息子から手紙が届いた…… 今更……助けてくれと……言われても……

姉の引き立て役の私は

ぴぴみ
恋愛
 アリアには完璧な姉がいる。姉は美人で頭も良くてみんなに好かれてる。 「どうしたら、お姉様のようになれるの?」 「ならなくていいのよ。あなたは、そのままでいいの」  姉は優しい。でもあるとき気づいて─

最愛が……腕の中に……あるのに……

#Daki-Makura
ファンタジー
最愛と結ばれたかった…… この国を最愛と導きたかった…… その願いも……叶わないのか……

処理中です...