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第2章 密かな悪の企み(悪の組織登場)
16 ベルフィールの杞憂 1 〔褒められても〕
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「ベル頼む、急いで音楽室に来てくれ!」
放課後、校内巡視をしていた教頭は、無線で助けを呼んだ。
『どう*モゴッ☆た? 敵・ウンッ◆か? はあー』
「ん? ベル、何やってんだ?」
『あ、いやー別に~~、今行くから……』
・・・・・・・・・・・・・・・
「ベル……こっちだ。早く!」
「他のみんなは?」
「もう、遅いんで、帰っちゃったぞ」
教頭の校内巡視は、勤務時間終了後に行われる。大抵は、暗くなってからである。
「チェッ、私もオヤツなんか食べてないで、早く帰ればよかったな……」
「ああ! やっぱり、給食室でつまみ食いしてたな!」
「えへっ」
「いいから、あの音楽家の絵が貼ってあるところをよーーく見てみろ!」
教頭にそう言われて、ベルは一枚ずつ絵をたどって見ていった。すると、ベートーベンの顔が二枚あった。
「あ! ベートーベンが二人いるぞ!」と、ベルフィールが言った途端、一枚の絵からベートーベンが音楽室に飛び出して来た。
「そうか、あいつが、妙な音を出していたんだな!」
教頭は、音楽室から聞こえた、雑音とも言える妙な鼻歌のような音程はずれの声の謎を解明すべく、調査に来たのである。
「ええ? まだ悪の化身かどうかもわからなかったのに、私を呼んだの?……(まだ、オヤツが残っていたのに)……あ! 教頭は、暗くて怖いから、私を呼んだんでしょ……そうでしょ? ね?」と、ベルはからかってきた。
「そんなことは、いいから、早くやっつけてくれ! 終わったら、おいしい晩ご飯を食べさせてやるから!」
教頭は、ベルに攻撃の指示をした。
ベルは、音楽室の隅で奇妙な声を出しながら、うごめく悪の化身をめがけて、“風流の導線”という技を使った。
両腕を真っすぐに伸ばし、細い風の流れを敵目がけて真っすぐにつくりだすのである。
「行けええええーーー真空の流れーーー」
真っすぐに敵めがけて流れた風は、やがてすべての空気を巻き込み敵の周辺を真空にしてしまう。
この敵は、音が外れていても“歌”を歌う。だから、 “空気を振動させているんだ” と、ベルは気が付いたのだ。
あっという間に、悪の化身は、木っ端微塵に消え飛んでしまった。
「……やっぱり、おかしい……」
ベルは、簡単に退治できることに、違和感を覚えていた。
「よしよし、よくやったぞ! 本当に、ベルは、強いなあ……。ベルが居れば、百人力だ! さあ、早く帰って、晩ご飯にするか? 今日は、何が食べたい?」
上機嫌な教頭とは対照的に、最近、戦うたびにベルは気持ちが落ち着かなくなってくるのを感じていた。
(つづく)
放課後、校内巡視をしていた教頭は、無線で助けを呼んだ。
『どう*モゴッ☆た? 敵・ウンッ◆か? はあー』
「ん? ベル、何やってんだ?」
『あ、いやー別に~~、今行くから……』
・・・・・・・・・・・・・・・
「ベル……こっちだ。早く!」
「他のみんなは?」
「もう、遅いんで、帰っちゃったぞ」
教頭の校内巡視は、勤務時間終了後に行われる。大抵は、暗くなってからである。
「チェッ、私もオヤツなんか食べてないで、早く帰ればよかったな……」
「ああ! やっぱり、給食室でつまみ食いしてたな!」
「えへっ」
「いいから、あの音楽家の絵が貼ってあるところをよーーく見てみろ!」
教頭にそう言われて、ベルは一枚ずつ絵をたどって見ていった。すると、ベートーベンの顔が二枚あった。
「あ! ベートーベンが二人いるぞ!」と、ベルフィールが言った途端、一枚の絵からベートーベンが音楽室に飛び出して来た。
「そうか、あいつが、妙な音を出していたんだな!」
教頭は、音楽室から聞こえた、雑音とも言える妙な鼻歌のような音程はずれの声の謎を解明すべく、調査に来たのである。
「ええ? まだ悪の化身かどうかもわからなかったのに、私を呼んだの?……(まだ、オヤツが残っていたのに)……あ! 教頭は、暗くて怖いから、私を呼んだんでしょ……そうでしょ? ね?」と、ベルはからかってきた。
「そんなことは、いいから、早くやっつけてくれ! 終わったら、おいしい晩ご飯を食べさせてやるから!」
教頭は、ベルに攻撃の指示をした。
ベルは、音楽室の隅で奇妙な声を出しながら、うごめく悪の化身をめがけて、“風流の導線”という技を使った。
両腕を真っすぐに伸ばし、細い風の流れを敵目がけて真っすぐにつくりだすのである。
「行けええええーーー真空の流れーーー」
真っすぐに敵めがけて流れた風は、やがてすべての空気を巻き込み敵の周辺を真空にしてしまう。
この敵は、音が外れていても“歌”を歌う。だから、 “空気を振動させているんだ” と、ベルは気が付いたのだ。
あっという間に、悪の化身は、木っ端微塵に消え飛んでしまった。
「……やっぱり、おかしい……」
ベルは、簡単に退治できることに、違和感を覚えていた。
「よしよし、よくやったぞ! 本当に、ベルは、強いなあ……。ベルが居れば、百人力だ! さあ、早く帰って、晩ご飯にするか? 今日は、何が食べたい?」
上機嫌な教頭とは対照的に、最近、戦うたびにベルは気持ちが落ち着かなくなってくるのを感じていた。
(つづく)
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