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第6章 メカニック・サマーバケーション
65 夏の思い出 3 〔新たな敵を〕
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腹ごしらえのつもりで、素麺を茹で、麺つゆを作りながらレジャーランドでの話を聞いた。
ベルはいつものように喜んで素麺を食べていたが、麺つゆに浮かせた卵焼きの千切りに興味を引かれたようだった。
「ソージ、これ何?……いつものとは、違う味がするよ!」
「お! ベル、よくわかったな。素麺の味を引き出すように、少し梅を練り込んでみたんだ」
「さすがソージだね……やっぱりソージのゴハンが最高だよ!!」
まったく、僕は、ベルのお母さんじゃないんだけどなあ~。まあ、いいけどね!
「ところで鎌田さん、話は分かりましたよ。だから、僕達の卒業式の時、“自分も卒業だ”なんて言っていなくなっちゃたんですね。……あの時、みんなで……あちこちの学校を……探したんだよ。……でも……どこに転勤したかも……どこに居るかも……誰も教えて……くれなかったんだよ~」
「あーあ、すまんかったなー。……だから、泣くなよ総司よ~」
あの時のことを思い出すと今でも涙がこみ上げてくる。
「あ、本当に、申し訳ないことをした。あの後、私と先輩は、○○省のAI開発からは手を引いたんだ」
僕が今まで悪の組織だと思っていた人達も、実は同じ相手を敵として戦っていたとは、本当に驚いた。特に、この玉佐間さんは、センセと同じ考え方だという。
「それでも、○○省は、私達がいなくなってしばらくしたら、このAIの開発をやめたんだ。だって、このAI回路は、“無限良心回路ウェイブ”を放出して、当時学校で問題になっていた子供の“いじめ”をなくそうって考えていたんだけど、上手くいかないことが分かったんだ」
鎌田センセは、真面目な顔で、玉佐間さんの話を引き継いだ。
「この“無限良心回路ウェイブ”を浴びた子供は、確かに大人しくなるんだ。でも、それは“元気がなくなる” “気力が無くなる” “やる気が薄れる” と、いったマイナスの効果しかなかったんだなあー」
そんな子供ばかりになったら、きっと社会は終わりになってしまうだろうなあ。
「そこで、僕らは“悪の組織”を名乗って、各学校の“無限良心回路ウェイブ”発生AIを破壊し始めたんだ。……日本中に似たことをやってくれている人はいるが、人数はそんなにいない。……だから……」
玉佐間さんは、センセの方に視線を移した。センセは、仕方ないなあという顔をして……
「総司、これは……極秘だからな!……絶対だぞ!……効果を高めるために、全国校長会がバックアップを計ったんだ。……“悪の組織”が出現したらなあ、これをやっつけるという名目で、各地区で防衛隊を組織するんだ。その防衛隊が、戦うフリをして、学校に設置されてしまった“無限良心回路ウェイブ”発生AIを“悪の組織”と一緒に破壊していくんだなあ。……これが、ミッションなんだ」
「うわああーーー、回りくどー――い!」
「総司、そんなこと言ったって、仕方ないだろう!……○○省だって、内緒で“悪の組織”に予算付けしているしな~」
本当に大人の世界は、面倒くさいなあ~。まあ、これで、上手くいっているんだから、これも仕方ないのかなあ~。
≪JYA…MOU…SOROSORO…BOKUMO…NAOSITEYONE≫
ん? 何だ? そう言えば? この黒焦げさんは、何なの? どうするの?
「素麺、食べる?」
ベルが、左手に麺つゆを持ち、右手の割りばしで素麺をつゆからすくい上げ、正面で(あ~ん)をしていた。
(つづく)
ベルはいつものように喜んで素麺を食べていたが、麺つゆに浮かせた卵焼きの千切りに興味を引かれたようだった。
「ソージ、これ何?……いつものとは、違う味がするよ!」
「お! ベル、よくわかったな。素麺の味を引き出すように、少し梅を練り込んでみたんだ」
「さすがソージだね……やっぱりソージのゴハンが最高だよ!!」
まったく、僕は、ベルのお母さんじゃないんだけどなあ~。まあ、いいけどね!
「ところで鎌田さん、話は分かりましたよ。だから、僕達の卒業式の時、“自分も卒業だ”なんて言っていなくなっちゃたんですね。……あの時、みんなで……あちこちの学校を……探したんだよ。……でも……どこに転勤したかも……どこに居るかも……誰も教えて……くれなかったんだよ~」
「あーあ、すまんかったなー。……だから、泣くなよ総司よ~」
あの時のことを思い出すと今でも涙がこみ上げてくる。
「あ、本当に、申し訳ないことをした。あの後、私と先輩は、○○省のAI開発からは手を引いたんだ」
僕が今まで悪の組織だと思っていた人達も、実は同じ相手を敵として戦っていたとは、本当に驚いた。特に、この玉佐間さんは、センセと同じ考え方だという。
「それでも、○○省は、私達がいなくなってしばらくしたら、このAIの開発をやめたんだ。だって、このAI回路は、“無限良心回路ウェイブ”を放出して、当時学校で問題になっていた子供の“いじめ”をなくそうって考えていたんだけど、上手くいかないことが分かったんだ」
鎌田センセは、真面目な顔で、玉佐間さんの話を引き継いだ。
「この“無限良心回路ウェイブ”を浴びた子供は、確かに大人しくなるんだ。でも、それは“元気がなくなる” “気力が無くなる” “やる気が薄れる” と、いったマイナスの効果しかなかったんだなあー」
そんな子供ばかりになったら、きっと社会は終わりになってしまうだろうなあ。
「そこで、僕らは“悪の組織”を名乗って、各学校の“無限良心回路ウェイブ”発生AIを破壊し始めたんだ。……日本中に似たことをやってくれている人はいるが、人数はそんなにいない。……だから……」
玉佐間さんは、センセの方に視線を移した。センセは、仕方ないなあという顔をして……
「総司、これは……極秘だからな!……絶対だぞ!……効果を高めるために、全国校長会がバックアップを計ったんだ。……“悪の組織”が出現したらなあ、これをやっつけるという名目で、各地区で防衛隊を組織するんだ。その防衛隊が、戦うフリをして、学校に設置されてしまった“無限良心回路ウェイブ”発生AIを“悪の組織”と一緒に破壊していくんだなあ。……これが、ミッションなんだ」
「うわああーーー、回りくどー――い!」
「総司、そんなこと言ったって、仕方ないだろう!……○○省だって、内緒で“悪の組織”に予算付けしているしな~」
本当に大人の世界は、面倒くさいなあ~。まあ、これで、上手くいっているんだから、これも仕方ないのかなあ~。
≪JYA…MOU…SOROSORO…BOKUMO…NAOSITEYONE≫
ん? 何だ? そう言えば? この黒焦げさんは、何なの? どうするの?
「素麺、食べる?」
ベルが、左手に麺つゆを持ち、右手の割りばしで素麺をつゆからすくい上げ、正面で(あ~ん)をしていた。
(つづく)
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