校内人事の人手不足で召喚したのは、最強エルフ! 悪には強いが家事には弱く、生活支える隣人教頭!!

根 九里尾

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第6章 メカニック・サマーバケーション

79 はじめての出張? 10 〔任務完了の後は……〕

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 次の日、僕達は地元の警察に事情を説明して、不法投棄の片づけと悪質業者の逮捕を任せた。
 もちろん僕達は、『無限良心回路むげんりょうしんかいろウェイブ』の発信を止め、その装置を破壊したので、任務完了だ。

「……先輩、こんなところにも、あのAIが入り込んでいたんですね」

 警察の帰り道、玉佐間たまさまさんが驚いていた。

「そうだなあ、あのAIが悪さをするようになったのは、もう数年も前からだ……。ひょっとして学校以外の場所でも、『無限良心回路ウェイブ』を放出しているかもしれんなあ」

 センセも心配していた。何だか、僕もこの戦いがとてつもなく大きなものに思えてきて、気が滅入りそうになった。




 すると、いつものベルが、顔を近づけて、「ソージ? 何暗い顔してんの? せっかく天気もいいんだから、遊んでいこうよ!」と、能天気な前向きな事を言うが、これはこれで頼もしいとさえ感じた。

「そうよ! せっかく知山海の町に来たんだから、みんなで遊んでいきましょうよ!」

 メグミも元気な笑顔で、僕の背中を叩いた。


 そうか……そういえば空も海も真っ青だ。昨日は、夜中まで洞窟で戦っていたから、ひとつもきれいな景色は見てないんだ。

「ここは、世界遺産『魂の光を灯す大地』って言われているんだ。言い伝えだと、『心の浄化と希望の復活』が合言葉なんだよなあ」

「おお! 総司、お前詳しいなあー」

「センセ! 僕は、ただこのパンフレットを見ていただけですよ。それより、センセこそここで生活していたんだから、詳しいんじゃないですか?」

「あー、それがなあー。わしは研究ばかりしてたんで、楽しいところなんかは、まったく知らんのじゃ」

 鎌田センセは、顎髭を触りながら、申し訳なさそうにした。



「じゃあ、アンディスにまた探査してもらいましょうよ?」

 玉佐間さんが、嬉しそうにアンディスを見ながら聞いた。



 ところが、アンディスは、首を横に振って残念そうに言った。

「ごめんなさい、私がスキャンして探せるのは、危険なモノや不審なモノなのだけ、楽しいことはアンディでなきゃダメなのよ」

 どうも、アンディ&アンディスは、役割を分担しているようだ。普段の楽しいことはアンディで、戦いに関係することはアンディスで、というわけか。
 それにしても、女の子に戦いを任せるなんて、設計者の顔が見たいもんだ、まったく……あ!

「どうした? 総司よ!」

 そうだった、センセが設計したんだ。でも、何で?

「総司、何も言わなくてもお前の顔に書いてあるぞ。……わしには分かる! どうしてアンディスの方が強いかって?……そりゃ、これを設計する時に、お前とベルちゃんをモデルにしたからだぞ! ぜーんぶ、お前の臆病のせいだからな!」

「あー、はいはい。僕がもっとしっかりしなさいってことだよね! わかりましたよ!」

「じゃ、そういう事で、ジョンさんや、変身頼んだぞ!」

「はい、わかりました……」

 ジョンがリモコンを右手に掲げて大声で叫んだ!



 ≪アンディー・チェンジ・フラッシュ・ゴーーーー!!!!≫



 アンディスが、大声で復唱した。


 あっという間に、アンディス(♀)からアンディー(♂)に変身した。
 とりあえず服はアンディスのままだったので、今度は破けず、スッポンポンにもならなかった。

「えー? この服のままなんですか?」

 アンディが文句を言いそうだったので、すかさずジョンが次の命令を下した。

「アンディ、この辺にある楽しいものを探して?……半径20キロメートル圏内……オールスキャン!」

「ちぇっ……スキャン開始!」


 やはり、ものの1分ぐらいで、アンディの目が青の点滅になった。きっと楽しいものを見つけたんだ!


「……露天風呂発見!……東へ19キロ、海岸に露天風呂発見!」

「ひょっとして、このパンフレットにある『海の楽園』ってやつじゃないか?」

 パンフレットには、『海岸にある露天風呂・夏のみ使用可・無料』としか、書いてないぞ。また、露天風呂か……嬉しいけど、何か起こりそうだなあー。

「じゃあ、アンディスに変身ね」

 ジョンは、また変身のリモコンを使おうとした。

「ちょ、ちょ、ちょっと待って! 何で、またアンディスにするんだよ~?」

 アンディが、ますますふて腐れ気味になった。

「えー、だって……お外じゃ……甘えられない……じゃない?……お家に帰ったら、ゆっくりとね!」

 ジョンは、最後にウィンクなんか送ったりしていたが、うまいことやってんなあ~。

「お、おお?……そうか?……じゃあ、まあいいけど。……露天風呂行くんだろ? これも準備しておいたぞ! 持っていって、使ってほしいなあ……もちろんアンディスの分もあるからな!」

 そう言って、アンディが手渡したのは、全員分の水着だった。
 確かに、海岸にあるらしい露天風呂だから外から見えるんだろう……ビキニの水着とは気がきくなあ。

 ワンボックスのレンターカーを借りて、みんなで『海の楽園』をめざした。



(つづく)
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