毒舌お嬢と愉快な仲間たち

すけさん

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おまけside~綿菓子女side~

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◇◆山野愛side◇◆



クリスマスイブの日に懲りもせず葵を待ちぶせしていた。



急いでいるようで早足で駆けていく葵の腕をバッと掴む。



「またあんた??何か用?」



「葵、私やっぱり貴方が好きなの・・・
諦められないの・・・お願い私を選んで欲しい。」




そんな私を凄く嫌そうな形相で睨みつけてくる。



「何度話したら分かってくれるのかな?
俺は花子ちゃん以外興味ないからマジで無理って言ってるよな?
マジで勘弁してくれよ!そろそろ空気を読んでくれよ!」



葵の言葉に掴んでいた力が弱まる、そのまま強引に腕を振り払うと私の前から去っていった。




そして、嫌がられてるのに執拗に葵を追いかけて行き・・・


気がついたら咄嗟に体が動いていた。




信号待ちしている葵を後ろから突き飛ばしたのだ



何でこんな事してしまったのか自分でも全く分からない・・・


葵は後ろを振り返って私と目が合う。



驚きと戸惑いの表情を浮かべながらそのまま前のめりに歩道に倒れていく。



怖くなってその場から一目散に離れた。
葵を放置して逃げ出したんだ!



救急車のサイレンの音が聞こえてくる。




自分でやってしまった事に怖くなり、抱えぎれずその場でガタガタと震えしゃがみ込んでしまう。




事の重大さに恐怖で震えが止まらない。




怖くて、怖くて、その晩は眠れなかった。



何度も葵に電話しようとするけど番号を押しても途中で切ってしまう。



私は怖くて朝まで眠れない夜を過ごした。




しかし、このままにする事には出来ず震える指でスマホのボタンを押す



「もしもし・・・・」


受話器の向こう側からの葵の声に安堵する。



「もしもし・・・・」


葵の問いかけに返答出来ずにいると



「愛だろう?」



懐かしい私の名前を呼ぶ声が聞こえてきて、その場で泣き出してしまう。



「葵・・・・・ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、体は大丈夫なの?」



私は震えながらも何とか絞り出した掠れた声で聞く



「ピンピンしてるし大丈夫だから安心して・・・

今回の事は警察にも事実は話してない。
見逃す代わりにこれ以上俺と花子ちゃんの邪魔しないでくれるかな?
俺達、正式に付き合う事になったんだ!」



葵の言葉に呆然としてしまう。




えっ!?



葵と山田さんが・・・・



あんなに葵が心配だったのに突きつけられた現実に我に返る。


葵、やっぱり2人は似合わないよ!!


葵の隣は・・・・・




私はある計画を思いつく。



葵に分からせる為にはちゃんと現実を見せてあげないとね・・・




さも、葵と山田さんの交際を応援するフリをして罠を仕掛けてみた。




私に好意を持っている知り合いの御曹司。
アイツを利用する事を思い付いたの!


そいつは身長も、体格も、学歴も、経済力も完璧なのに・・・・

残念ながら顔だけが不細工すぎるのよね・・・






彼の顔は残念だけど、彼の魅力はあの経済力よね!凄い金持ちらしい
彼のバースデーパーティーに私の友人として2人を呼ぶ事にしたの!



きっと、釣り合わないってやっと気がつくでしょう!周りからの冷たすぎる反応にあの女も身を引く筈よ!



だって・・・・


あの2人は似合わなすぎるから・・・


葵の隣は私じゃないと・・・・






◇◆バースデーパーティー当日◇◆




アイツったら私の想像をはるかに越えた金持ちだったらしくて、スケールが想像を越えすぎてて実感が沸かないんだけど・・・・



会場は豪華な船上パーティー



船着き場から乗り込むゲスト達。


私も完璧な装いでヒールの音を響かせる。



今日は、胸元が大きく開いた大胆な真っ黒なイブニングドレスを着こなす。


体の線がハッキリ分かるようなタイトなシルエットで大人な魅力全開である。



私のフェロモンに会場内の男共が鼻の下を伸ばして私に釘付けになってる。



あーーーーー!

その視線、気持ちいい・・・




そんな私の隣に今回の主役である、大河原潤(おおかわらじゅん)がさりげなくやってくる。

大河原財閥の御曹司。


本当に顔がイケメンならパーフェクトなのにな・・・・
面食いの私には残念すぎる物件だわ!









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