催淫魔法士の日常

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9: ◯◯しないと出られない建築⑧

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「ゴホン! ちょっと失礼します!」
「!」
『ガバ!』
 
 ノトスを抱き抱えて風呂場へ早足で駆け込む。

「はい! もう大丈夫です」
「ありがとう……」

 タイル張りの床へゆっくりとノトスを下す。

「立てます?」
「……うん」

 リゲルはノトスが体勢を崩すのを防ぐように後ろから支えている状態だ。
 
「このままでいいですか?」
「いいけど……恥ずかしいから、あんまり見ないで」
「はい」
「…………ん、んん……はぁ」

 ノトスはリゲルを気にしながら恐る恐ると後孔に指を入れる。流れ出すリゲルの精液が腿を伝い落ちていく。

 クチュクチュと音を立てながら指を使って中を掻き出してく様に、リゲルの視線が釘付けになるのに気付く余裕もないノトス。

『ぐちゅ、ずりゅ』
「ぁ……っふ」
「……ロルールさん」
「ん、なに?」
「手伝いましょうか?」

 奥に出された所為で指が上手く動かせない。
 それを見かねた、そう建前を言い放ち、後ろからリゲルの手が伸びてきた。

『グプ』
「ぁ……りげ……くっ」

 ノトスの指を咥えた後孔に己の指を滑らせて、代わに精液を掻き出すべく奥に指を差し入れた。

『こりゅっ』
「んぁあ!」

 前立腺を刺激した為か、ノトスの身体が大きく震える。
 ノトスよりも長い指が中を激しく掻き回し、奥深くにある精液が掻き出されていく。

『ずっ……こぽ、ぐちゅり』
「ひぅ、あ……やッ」
「……届かない」
「ぃ、いい……もう、いいから……」
「そうですか?」

 制止の声を聞き入れて、グポンと折り曲げた指を中から引き抜く。
 前立腺を抉るような動きに膝の力が抜けそうになったノトスがリゲルの支えに縋る。
 ノトスが息を整えてる間に、腿と床に溢れたモノはお湯で流されて排水溝へと消えていった。

「はぁ……はぁ……」
「……大丈夫ですか?」
「あ、ありがと……」

 リゲルへ礼を言うノトスの目はどこかぼんやりしてる。
 そしてそれは、リゲルの方も同じ……というかそれ以上で……
 お互いに熱を含んだ視線を向けあった。
 何かがカチリと一致した後、二人はお湯でザッと身を清めてから散らかった衣服を身に纏い部屋を出た。

「ご苦労様でした」
「はい……」
「…………」

 外で待っていたお嬢様に声をかけられて、リゲルは煙が出そうな程に赤面した。
 一方、ノトスもリゲルから視線を逸らしつつ顔をほんのり赤くしている。
 しかし、お嬢様は二人の反応に満足気に頷きながら麻布の袋を二つ取り出した。

「お二人への特別報酬になります。通常報酬の方は後日、商業ギルドの方でお受け取りください」
『ジャラ』
「ありがとうございます」
「こちらこそ、ありがとうございます。ふふふ」

 素晴らしくいい笑顔のお嬢様に、二人は顔を引き攣らせながら、足早にその場を去った。
 二人、無言で同じ方向へ。
 そして、同時に足を止める。
 少しお高めの宿だった。躊躇なく、二人で折半して宿代を払って、部屋に入ると同時に鍵を掛けてベッドになだれ込んだ。

「ごめんなさい、我慢出来ません」
「……うん、俺も」

 やっと言葉を発した二人は、さっき着たばかりの服を再び脱ぎ捨てて、性急に肌を重ねる。ノトスは自分に淫紋を施してまでリゲルを求めた。
 風呂場で既にシたくてたまらなかった。二人きりで熱を発散させる場まで移動しただけ。

『ギシ、ギシ、ギィ』

 部屋よりもベッドの軋みが大きく聞こえ、二人の興奮を煽っている。

「はぁ……あっ、く!」

 ノトスの足を開きその奥に自分の昂りを打ち付けるリゲル。
 その衝撃に堪えながらも、必死にノトスはシーツに爪を立てて、その熱に応える。

「ひ、ぁ……ん」
『グチュ、グポン』
「きもちぃ……ロルールさん、止まんない、です」
「ぃ、いい、満足、するまで……シて」

 リゲルは何度も奥を攻め立てる様に腰を振る。
 ノトスが感じる部分を執拗に穿つ。

「あッ……ああぁッ……」
『ドチュン!』
「ぃあっ!」
「うぐッぁ……すごい、締め上げ……はぁ」

 一際深い突き上げにノトスは目を見開きながら背をしならせた後、ガクガクと激しく痙攣し果てた。
 
「あ、あ……んッ」
「ぅ、はぁ! もぅ……出ますッ」
『ビュクッ! ドプ、トポッ!』
「くぁ……あぁー……はぁあッ!!」

 最奥に再び熱い飛沫を浴びせられたノトスが恍惚の表情を浮かべる。
 リゲルが腰を押し付けて最後の一滴まで絞り出した後、ノトスはくたりと脱力した。

「……あの、ロルールさん……これって媚薬の影響でしょうか?」
「…………君は、若いから、効きすぎてるのかも」
「はぁ……ロルールさん」
「癖になっちゃ、ダメだよ?」
「はい……わかってます。もう一回だけ」

 萎えないリゲルのモノが落ち着くまで、二人は身体を重ねた。
 リゲルが満足する頃には、ノトスも何度か気を飛ばしかけた。
 桶に溜めたお湯で身体を拭いながら、倦怠感に苛まれるノトスが淫紋が浮かぶ腹部を撫でる。奥で溜め込んだ精がタプタプと揺れている感覚に不愉快そうに口角を下げていた。

「……ロルールさんって、今までこういった事……他の人ともしてるんですか?」
「んー? ああ、大体こういう仕事で。中で起きる可能性が高いトラブルは薬品の拒絶反応だから。対処できる俺が指名される」
「だから慣れてるんですね」
「……けど、好きでやってないからな? 今の状況も利害の一致ってだけで」
「わかってますよ。コレで惚れたなんて言いませんから。僕も今後、こういう仕事受ける時はテストの事、念頭に置いておきます」

 水に流す準備に入ったリゲル。
 童貞だったリゲルの成長にノトスは少し感動しつつ、衣服を一枚一枚身につけていった。

「……それじゃ、飯でも食いに行こう」
「奢ってくださいよ」
「臨時報酬あったんだから、折半だ。折半」
「はーい」

 二人の関係は、仕事仲間のまま幕を閉じた。
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